これは、田原市図書館の主催で、児童文学作家の杉山亮さんを講師に招いて、子供と読書に関する講演が開催されました。杉山さんは、またの名を「ミルキー杉山」と言って、代表作に「あなたも名探偵シリーズ」や「怪盗ショコラシリーズ」、「たからものくらべ」などがあり、子供達に人気の児童文学作家です。講演では、杉山さんが自己紹介をしながら、自分が暮らしている森の中で、偶然出会った羊の話を語り始めました。これは日本の昔話「鶴の恩返し」を引用した語りで杉山さんは「日本の昔話を知っている人には、分かってもらえるが、この話を知らない人には、単なる不思議な話で終わってしまう」と説明しました。昨今、杉山さんは本を読まない子供たちが増えていることに対して危惧を抱いていると続け、「現代の日本は、共通の物語を失ってしまった」と話ました。杉山さんは、たくさんの物語と子供たちをどのように結びつけることが出来るか?と考えた時、「ただ本を読め!と言っても無理なことだ」と、説明しました。参加した人たちは、杉山さんの優しい語り口に引き込まれるように、真剣な眼差しで話を聞いていました。講演を通して「面白い物語は心を動かす」と、子供達に語りかけることが必要だと杉山さんは訴えていました。
取材場所 | 田原文化会館/多目的ホール |
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