「遺族年金がもらえない?」(気付かない男女差別!) 公的年金制度なのに不公平なのはなぜだろう? 【三河武士がゆく】 |
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■知ってましたか? 2001/07/13 | ||
父親か母親の死亡した後、働いていたのが、父親か母親かで、その家族が受ける公的年金の額に大きな 差があることをご存じですか? わたしは、教師を辞めるまで、このことは全く知りませんでした。公的年金制度の不備に全く無知だったわけです。よくも、現代社会や政治経済を教えていたものです。若かったこともあり、必要性も感じませんでした。まったく、お恥ずかしい限りです。 男女間差別というと、今までどうしても女性の不利益が目立っていたため、男性の不利益性はほとんど考えられたことはないのでしょう。国会やテレビでさかんに男女間の差別撤廃を主張している国会議員にメールを送った見ましたが、返事が来ません。返事すらこないのです。張りぼての平等主義者の裏側が見えたようで非常に残念な思いをしました。公的機関にも問い合わせてみましたが、「わからない」「もっと上に聞いて欲しい」がほとんどで、官庁に問い合わしても、やはりメールでは返事なしでした。全く相手にされていないというわけです。 |
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★母親(35歳)が家事・育児を担当する専業主婦であり、父親(35歳)が会社員、子ども(8歳・7歳)ふたりの家族の場合。 |
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父親(夫)が死亡したときに、残された母親(妻)には子どもの数に応じた加算額を加えた、遺族基礎年金が支払われます。ただし、加算額は子どもが18歳になった年度末までです。 そして、父親(夫)が加入していた厚生年金から、遺族厚生年金が母親(妻)に対して、遺族である間、支払われます。 |
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★父親(35歳)が家事・育児を担当する専業主夫であり、母親(35歳)が会社員、子ども(8歳・7歳)ふたりの家族の場合。 |
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母親(妻)が死亡したときに、残された父親(夫)と子どもの家族には、遺族基礎年金は支払われません。 つまり、働く妻を亡くした夫には遺族年金は支払われず、父親がいる子どもにも、母親の遺族年金は支払われないのです。 母親(妻)が、支払ってきた保険料は、父親(夫)や子どもに支払われることなく、どこかへ吹き飛んでしまうわけです。これは明かな男女差別です。 おそらく、母親が加入していた厚生年金から、遺族厚生年金が子どもに対して支払われます。ただし、子どもが18歳になった年度末までです。 ★2001/07/13現在 |
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遺族基礎年金 | 厚生遺族年金 | |
家計を支えていたのが父親(夫)の場合 |
母親(妻)に対し、子ども数に応じた加算額を含めた金額が支払われる。 | 母親(妻)に対し、遺族である間、支払われる。 |
(加算額は子どもが18歳になった年度末まで)。 |
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家計を支えていたのが母親(妻)の場合 |
父親(夫)にも子どもにも支払われない。 |
子どもに対し、18歳になった年度末まで支払われる。 |
※私は専門家ではないので間違いがあるはずです。間違いを指摘してください。 ※保険の種類によってさまざまな要件があるようですが、詳細はわかりません。 ※共済遺族年金は厚生遺族年金とよく似ているようですが、詳細はわかりません。 この二つの事例の差は歴然としています。細かい計算をしたわけではありませんが、かなりの金額の差が生ずるわけです。主夫といっても、健康体である人ばかりではありませんから、その場合、2人の子どもを抱えてかなりの困窮が予想されることになります。 わたしは、この事実を知った時点で、「なんで?」と思いました。そもそも、公的年金制度とは、突然個人や家族を襲った不幸や、老後の生活を保障するためのものだからです。こんなことがあるはずがないと思い、 |
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一家の生計を支えているのが夫か妻かで、遺族年金額は格段の差があり、夫婦のうち、どちらかが、仕事をやめなければならない状況になったときに、現行の遺族年金制度では、妻が、仕事を辞めざるを得ないような仕組みになっております(経済的な面を考えた場合)。これ(不公平な年金制度)は、男女の雇用機会均等や少子化問題、育児問題、家族介護問題にも大きく関係があるように思えるのですが、なぜ、この部分に手がつけられないのでしょうか? | ||
という内容の質問を各方面(社会保険事務所・社会保険庁・厚生省・某国会議員・社会保険関係のHPな ど)に電話やメールでぶつけてみました。 ある、保険事務所では、 「そういう制度になっている」 「理由まではわからない」 「詳しいことは上部組織へ聞いて欲しい」 という、お答えをいただきました(何で知らんのだ!)。そこで、電話代がないため、社会保険庁や厚生省へメールで質問してみました。ところが、1年たっても返事をいただくことができません。これを、「黙殺」とか「無視」というのでしょう。 専門家に聞いてみようと思って、社会保険関係のHPにもメールを出しましたが、これも、お返事をいただくことはできませんでした。 某国会議員からは、お返事をいただきました。 結論! 私の知りたいことは、今もって何もわからないままだ! さて、どうしようか? お願い! ※私は専門家ではないので、間違いがあるはずです。文章のなかで、法律・制度として、間違っているところがあれば、指摘してください。すぐに訂正します。 私の家族は、公的年金により、生計を維持していた時期がありました。その、恩恵がなければ、暮らしはとても困窮していたに違いありません。ですから、公的年金の重要性は、わかっているつもりでしたが、認識が甘すぎました。自分が問題に直面したときに、はじめて、その問題の大きさに気付いても、遅いわけです。普通の学校で、ここまで詳しくは教えません(たぶん)。勉強というものは、自分で、そして、生活のためにしておくべきものです。 |
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■国会議員へのメール 2002年01月21日 |
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「知ってましたか?」をHPに掲載して半年、厚生省や国会議員へメールを出してから約1年半が過ぎました。HPの反応は全くなし。厚生省からの回答もなし。昨年、ある新聞で私と同じような指摘がなされていたので、似たような考えもいるのだなあと思い、再度国会議員に質問のメールを出してみることにしました。 全文ではありませんが、以下のような内容のメールです。 |
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わたしは、自分が納得いかないことをとりあげたHPを作っております。 その一つが、「遺族年金の不平等」です。一家の生計を支えているのが夫か妻かで、 遺族年金額は格段の差があります。 遺族年金という条件だけで考えた場合に、夫婦のうちどちらかが、仕事をやめなけれ ばならない状況になったとき、現行の遺族年金制度では、妻が、仕事を辞めざるを得 ないような仕組みになっております。 これは、男女の雇用機会均等や少子化問題、育児問題、家族介護問題にも大きく関係 があるように思えるのですが、なぜ、この部分に手がつけられないのでしょうか?こ の男女格差は基本的人権の平等を侵してはいないのでしょうか。 この問題に真正面から取り組んでいる人や組織がありましたらおしえてください。 1年ほど前に厚生省にメールで質問しましたが、無回答でした。 このような窓口の設けかたには不満があります。 国家の機関や政治家にメールを送りましたが無回答がほとんどでした。 このような対応の積み重ねが、政治不信を生んでいくことになります。 |
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追記 2007/08/30 ※女性の国会議員の方からは、お返事をいただきましたが本質的な解答ではありませんでした。この方は後に県知事にりました。一国民の意見に対して向き合うこの方の政治姿勢を読み取ることができました。 ※後に党首となった女性の国会議員の方からは無回答でした。テレビでよく福祉や教育のことを論じているので、少し期待していたのですが、私の考えはたいへん甘かったと思います。ブラウン管の向こうの不特定多数の国民しか相手にしないというのならばよく理解できます。しかし、たったひとりの国民を相手にできないのであれば、テレビであれだけ立派なことをいっても、結局は誰も相手にしないでしょう。 よい勉強になりました。 |
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【三河武士がゆく】 |