Field Note 2004(part 1) *下へ行くほど最新です

 



標高450m、それはダム完成時の”水没ライン”
(愛知県 設楽町にて)

 今年もまた解禁の声と同時に川へ向かう
 
 釣れても釣れなくても、雨が降っても雪が降っても、この場所にいるだけで自然と心は躍り、笑顔になる
 
 こんなふうに春を迎えるようになってもう10年・・・いつまでも変らないと思っていたこの流れも、もうすぐ消えようとしている
 
 ここに住む魚たちや動物たち、そして人々とともに・・・


February 今年もやっぱり・・・
2月12日(木)  宇連川



姿は見えども・・・

 今年も寒狭川より20日早く解禁となる宇連川からスタートである
 実は昨年のこの時期、僕は川の中で足を滑らせ20メートルほど流されてしまった。
 この反省から今年は着替え用の下着、それに携帯電話も防水のものに換えたのさ!もう寒中水泳もダイジョウブ!でも、できれば泳ぐのは夏がいい

 とりあえず、漁券屋さんで情報収集。すると「ゆーゆーありーな(温泉施設)の横に群れとる。今日の朝ワシが確認してきた」と力強い回答!さっそく現地へ向かう 

 エサ釣の友人と2人で1時間ほど粘るが反応なし。温泉の客の視線が痛いのでポイント移動・・・

 結局、ときおりライズはあるものの食いが渋く、宇連川解禁6年連続ボーズ・・・

 来年のここの解禁はもうやめようと思う
March ♪人生楽ありゃ・・・

 3月3日(水)  寒狭川上流

 例年より暖かく、花粉も少なそうな絶好の釣日和だったので、今年最初の寒狭上流へ行ってみた

 いつものように加藤さんのところで年券を購入すべく扉を開けると・・・「♪人ーーー生楽ありゃ・・・」
 大音響で響き渡る水戸黄門のテーマ。そしてテレビの1メートル前には加藤さん・・・年々耳が遠くなっているようだ
 (それにしても横で寝ている犬の耳は大丈夫なのだろうか・・・)
 「ごめんくださーーーーい!!!!」と絶叫して気づいてもらい、年券を購入しながら情報収集したのだが・・・

 「今週は全然ダメだ。土曜日に追加放流するでのん。そんときおいでん!」
 釣る気満々の格好の客にここまで正直に言う漁券屋さんもなかなかいないだろう・・・

 案の定、上流部も下流部もアウト。頭の中で水戸黄門のテーマがリフレインするのであった

3月19日(金)  寒狭川上流

 またまた釣日和。前回本流筋でイタい目に遭っているので、今回は当貝津川の方へ向かう

 川へ下りる前にいつものようにお社さんに一礼。「今年もよろしくお願いします・・・」これから生き物をイジメようとすることは当然内緒である

 小さなプールに#20のパラダン(ここ数年パラダン以外の毛針を使った記憶がない・・・)を流すと、小さなアマゴが追ってくるのが見えた

 もう一度慎重に流すと、勢いよくくわえてくれた
 今年初めて見るアマゴは、15センチほどの朱点の美しいつややかなアマゴ・・・

 さらに釣り上がって数匹のアマゴを釣った。どれもこの川特有の艶っぽい肌のアマゴだった

 こうして今年もこの川から離れられなくなる・・・ 




すべてリリースしてます(念のため・・・)

April
人大杉・・・

 4月3日(土)  根羽川〜下伊那


せまじきものはガイドかな・・・

 久しぶりに休みが合ったので、友人と3人で出かけることになった

 話のアヤで僕がガイド役になってしまった。「こりゃ釣れないと後で何を言われるか・・・」過去の経験で身にしみている僕は、あまりハズレのない根羽川へ車を走らせたのだが・・・

 「んー、これ川?」み、水が無いのである。しかも寒い。さらにマズイことに僕だけが1匹釣ってしまった(ただしチビアマゴ)

 「釣れましたか?」
 いつも寄る国道沿いの喫茶店「ログハウス赤坂」(ここの”鍬そば”は絶品!)の店員さんの笑顔にも一同沈黙・・・その雰囲気を察してか「あ、まだ寒いからね・・・」とナイスフォロー
 「そうだよ。ここは標高高いから。下伊那行こう」(僕)

 言わなきゃ良かった・・・そう思っても後の祭り。結局三人で1日中竿を出して釣果は根羽のあの1匹のみ・・・

 帰り道。「また誘ってくれよ・・・」そう言う友人の目は遠くを見ていた

4月15日(木)  寒狭川上流〜根羽川

 前日の昼まで雨が降り、天気予報は今日は気温がグングン上がると言っている。これは行かねばなるまい

 夜明けと同時に昨年イイ思いをした親水公園へ向かう。シメシメ誰もいない。悠々と着替え、反対側の岸に回り込んでから第一投・・・おぉー、いきなり出た(けど掛からない)
 さらに上流へ向かうが反応はあるものの1匹も掛からない。どうやら著しくサイズの小さいアマゴが群れている様子・・・ということでポイントを移動する

 先月イイ思いをした支流には先着車が・・・さらに奥の小さな沢からはエサ釣りの人が上がってきた
 「ったく・・・こんな平日の朝から釣りしてんじゃねーよ。働け!」(オマエモナー)

 一気に山を越え根羽へいってみる。ここの小さな沢も足跡がいっぱいだったが、心優しいアマゴが数匹釣れてくれた

 ここで一句。「早起きは骨折り損のくたびれ儲け・・・」字余り



「早くリリースしろや、ゴルァ!」
4月18日(日)  寒狭川上流



小さくてもいい。たくましく育ってほしい・・・

 先日僕がガイドしてヒドい目に逢わせてしまったエサ釣りの友人と出かける。名誉挽回、汚名返上のチャンスである!

 かなり上流部のとっておきのポイントは日曜なのに先行者もいないようだ
 「さぁー、存分に釣ってくれ!」と言い残し、自分は下流へ向かう

 入渓するとひと目でそれとわかる足跡・・・イヤな予感が脳裏をよぎる
 「マズイ・・・」ペースをあげて釣り上がると、眉間に深々とシワを寄せた友人の姿が見えた・・・
 「さ、次のポイントぉーーー!」有無を言わさず車に乗せる

 段戸の森を越え、例の親水公園へ。もはやサイズに贅沢は言ってられない

 再び僕は下流から釣り上がっていく。すると今度は目尻を下げた友人の姿・・・他人が釣るということがこれほどうれしいと感じたのは初めてだった

4月22日(木)  寒狭川上流

 気がつくと、購入以来一度も使っていない竿があることに気づいた
 「NAC Microfly」・・・4フィートちょっとの5ピースロッド。ま、確かにそうそう使える竿ではないが、せっかくなので久しぶりの源流釣行に持っていくことにした


 ガレ岩の転がる林道の空き地に車を止め、深い谷へおりる
 「さて魚はいるかな・・・」そっとのぞいた岩陰には25センチほどのイワナが!
 さっそくフライを流すが・・・見向きもしてくれない。ここの魚たちもこの数年の間にしっかり毛針対策を学んだようだ・・・

 このとき悲劇は起きた。足を滑らせた拍子に、この日まで大事にとっておいたハーディのDXフライウェイトを岩に叩きつけてしまった!

 「BうぃXをうDGゎいくXHJ;P!!」声にならない叫びが原生林の中でこだました・・・



以前ここで釣れた無紋イワナ(マジ!)
4月30日(金)  寒狭川上流



釣られるなよ・・・

 「ゴールデンウィークに荒らされる前に・・・」

 誰もが考えるアサハカな理由でまたまたやってきてしまった寒狭川
 一応、人混みを避けて午後4時にきてみたが・・・目的地にはすでに車が止まっている

 しばらくフテ寝していると、先着の車がイブニングを前に去っていく。これはチャンス!速攻で着替え、プールを占拠した

 実は先週の帰り際にここのポイントをのぞいたとき、午後5時くらいからライズが始まったのを確認していた(そのときは時間がなくて竿を出せなかった)

 やがて予想どおりライズリングが広がり始める。何年かぶりのイブニング・ライズの釣りは実に気持ちいい
 途中、通りがかった車の人に「釣れるかや?」と聞かれたけど、返事は当然・・・「全然ダメ!」

 せっかくだからもう少し秘密にしておこう。無駄だとわかっていても・・・

May フィールドテスト

5月12日(水)  根羽川〜寒狭川上流

 また竿を買ってしまった・・・

 フライをはじめて10年。そろそろコダワリのロッドってやつでも・・・などと考え、グラスロッドを購入した
 「重い」とか「飛ばない」なんてのは昔の話。最近のグラスは実にフレンドリー・・・なワケはなかった

 根羽の支流ではキャストしている時間よりお祭りラインを解いている時間の方が10倍くらい長かった(当然釣果ゼロ)

 気を取り直し、軽さナンバー1のユーフレックスでイブニングの寒狭川へ
 すると実に心地よくラインが飛んでいく・・・

  「やっぱ竿はカーボンだな。炭は健康にもイイらしいし!」
 適当な理屈をこねながらも何匹かのアマゴをキャッチできたのであった



ネットも新調したんだヨ!
5月24日(月)  根羽川〜寒狭川上流



すべては心地よさのために・・・
(by SHIMANO)

 今日もニューロッドのフィールドテストである

 まずは量販店のusedコーナーで見つけた8フィートのフリーストーン
 根羽川の蜘蛛の巣をかき分けながらキャストするにはもってこいである。さっそくアマゴを1匹キャッチした

 さらに寒狭川へ向かい同規模の支流へ・・・おぉ、ここでもイイ感じで数匹のアマゴを釣る。イイ竿だ!(単純)

 そして本日のメイン。自己最高金額で購入したフリーストーンXT様のご登場である
 わりと広めのプールで気合い一発キャストすると・・・第一投でいきなりグッドサイズのアマゴが釣れちゃった!うーーん、最高の竿だ!(単純明快)


 が、後が続かず延々とキャスティング練習になってしまった・・・

 とはいえ、里見栄正さんが心血と髪の毛を注いで「”心地よさ”を追求した」とおっしゃっているだけのことはあって、実に心地よい竿であった

June ベストシーズン到来?

6月4日(金)〜5日(土)  宮川下流・小鳥川(岐阜県)



グロ画像・・・(やめてくれよ、養魚場!)

 久しぶりに1泊でのバイクツーリング。せっかくだから釣りができそうなところを目的地に・・・というわけでバイク仲間を説き伏せてやってきた

 イブニングに間に合わせるため、途中マシントラブルで遅れた仲間を置き去りにするという非情な走りをしつつ、午後4時過ぎにキャンプ場に着いた

 「よーし、貸し切りだぁ!」怒濤の勢いで準備をすませ、川に入るが・・・反応がない。薄暗くなった頃、ようやく釣れはじめたものの、10センチほどのニジマスやヤマメばかり

 バンガローに戻ると置き去りにしてきた仲間の姿
 「晩ご飯のオカズは?・・・クククッ・・・」
 どうやら岸から見られていたようだ・・・

 バツが悪いので、さっさと着替えを持って温泉に向かう・・・するとヘッドライトめがげて無数のカゲロウが突っ込んでくる!

 「こんなところでスーパーハッチしてんじゃねぇー!」

 
 翌朝5時に再び川へ・・・・「えぇーー!?」
 なんとすでに数人の釣り師の姿。上流にも下流にもワンサといる・・・

 しょうがないので昨日と同じバンガロー前で竿を出す。当然のように昨日と同じような釣果である
  すっかりヤルを失い、6時過ぎに帰り支度をはじめる。
 「朝ごはんのオカズは?・・・クククッ・・・」
 あー!ったく根に持つヤツだ!わかってるくせに!聞いてくるんじゃねぇ!!

 高速道路をノンストップで走り続け、昼前に自宅に戻ると釣り仲間から電話が入った
 「もしもし、どう?小鳥川」
 シャクなので適当にサバ読んでおく。すると・・・

 「実は・・・今、根羽にいるんだけど・・・爆釣!アマゴ祭りだよ!今すぐ来たら?」

 コイツは絶対に誘ってない。ただの自慢だ・・・



幻のオカズ・・・・

6月14日(月)  根羽川



そこのカンツリはリリース禁止らしい

 先日の”アマゴ祭り”がどーにも気になっていたので、友人には内緒で根羽へ・・・

 まずは軽く県境のあたりのヤブ沢で竿を出すと・・・いきなり強烈な引き、そしてジャンプ!
 「お、ニジマスだ!」そう。このあたりでは上流のキャンプ場にある管理釣り場のニジマスが流れてくるのである

 さらにアマゴもキャッチし、実に幸先よろしい。いざ祭り会場へ・・・

 そこはだたっ広く、水深も流量もある本流チックなポイントで、この日用意していた直径4ミリちょっとの#2では到底釣りにならなかった・・・ヤラレタ・・・

 そのまま国道沿いの支流へ向かう。すると・・・出るわ出るわ!いい型のアマゴの祭りである!

 「アイツ・・・ポイントずらして言ったんじゃねーか?」
 ふとそんな疑問が頭をかすめる。だって・・・オレもよくやるんだ。はは!

6月19日(土)  根羽川

 今日も祭りだ!ワショーイ!

 「さ、まずはアナタのオススメ祭り会場でも行きますか?」
 友人に軽くジャブを振ってみる。すると・・・
 「いやいや、アナタの方へ行きましょう」 ・・・やっぱりそうか・・・

 結局国道沿いの月曜の祭り会場へ。しかし・・・いつまでたっても反応がない。友人の後ろ姿が「ソレ見たことか・・・」と訴えている
 これでは僕のプライドが許さない。漁協の事務所で真実を証明してもらおう!

 「んー、そうだな。ここの上流のあたりがイイかな」
 漁協のオジサンの言うポイントは、
まさに友人が”祭り”を体験したその場所

 イカンイカン!すかさず聞いてみる「国道沿いはどうですか?」

 次の瞬間、漁協の職員2人がそろって手を左右に振り・・・「あ、全然ダメ。最悪」

 勝ち誇った表情だった友人が笑いをかみ殺していた



祭りのあと・・・

6月30日(水)  根羽川〜寒狭川上流



イワナってほんとカワイイ

 あれほど言われたのに漁協公認の最悪の川にまた来てしまった・・・
 やっぱしダメだった。あれは幻だったのか?なんて思っていたら今期初のイワナが釣れてくれた・・・ありがとう。キミだけが僕の味方だよ・・・

 いつまでも最悪の川にいてもしょうがない(おいコラ・・・)ので、とっとと寒狭川へ移動する

 最近、このあたりではニジマスとホーライマスが大発生し、”駆除”騒動まで起きているという

 何でも釣れればウレシイ僕にとっては心躍るニュースである。いざキャスト・・・の瞬間、バケツをひっくり返したようなドシャ降りの雨になった

 30分くらいガマンしたが、生命の危険を感じる水量になったので納竿を決意し、下流の駐車場で着替え終わると・・・カラっと晴れた


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