Field Note 2005(part 1) *下へ行くほど最新です

 



そこに川がある限り…

 新しいシーズンを迎えるたびに、ひさしぶりにやってきた川の景色の変化に驚かされる

 軽自動車ほどもありそうな大きな石が流れの真ん中に鎮座していたり、川筋が反対側の岸に沿って流れるようになっていたり…  
 そんな自然の力に感心しながらも、変わることなくそこにいる渓魚たちの生命力にあらためて感動する
 
 ふと、見上げる方向には真新しい護岸と工事車両用の進入路…。そして渓流沿いの木々には、醜く結わえ付けられた測量済みであることを示す赤いビニールひも…
 
 来年の今頃、はたしてこの川の景色はどうなっているのだろう…


February What's "解禁日"?
月13日(日)  男川

 何を隠そう、自宅からイチバン近いトラウトフィールドがこの男川である。じゃ、なんで今まで釣りにきたことがなかったのか?…それはどう優しく見ても釣れそうもないからである

 とは言うモノの、いくらなんでも解禁当日だったらアマゴの1匹2匹は釣れるんじゃないかと思い、アマゴ放流済という河原川へやってきた

 しかし豊川から山をちょいと登っただけでえれー寒い。そしてその寒さをいっそう厳しく感じさせるのが川の様子…解禁当日だというのに、釣り人が一人もいない

 「おかしーな?まさかここ禁漁か
?」などと思いながら漁券屋で確認すると…
「ここの上流の2.5kmから3kmのところに放流してあるからネ!」とのこと。さらに「朝ね、5匹釣った人がいたみたいヨ!」…

 なんか…太字の「は」と「も」が気になるが、とりあえずその放流ポイントへ車を走らせた



【去年の】あぁ…もうダメポ【100倍】


うちの近所の「山中川」とそっくりだ。ハハ
 そこは思ったとおり釣れそうもないところだった

 こんなところでちゃんとした毛針を使うのもどーかと思い、10年くらい前に毛糸を適当に丸めて作ったエッグフライでシーズンをスタートする


 釣れない。というか、魚の気配ゼロ。30分ほどで見切りをつけ車に戻ると、漁協のオヤジが待ちかまえていた

 漁券確認の後、情報を収集しようとすると…
 「ここらは朝2人入ったからダメだよ」 「そうなんすか。ところでいつ放流したんですか?」「あー、去年。」「…(メ-_-)」

 一気に下流へ移動。そこでも漁協のオヤジがいて、「あそこの堰堤のところに1匹いたよ!」と嬉々として教えてくれた
 そこでも30分ほどやってみたけど、結果は同じだった

 アマゴの10倍、釣り人の20倍ほどの監視員を動員している男川漁協。 その”解禁日”に対する概念は、他の漁協とは2万光年ほど離れている

月22日(火)  寒狭川上流

 待ちに待った寒狭川。「花粉に悩まされずに釣りができるのはおそらく今日まで」と思い来てしまったのだが、まーそこらじゅうで工事してやがる。いつもなら1時間で着く加藤力三商店まで1時間半。おまけに川もあちこちほじくり返してやがる。ったく年度末を実感する

 本流をのぞいてみると、解禁から3日目の割には妙に人が少ない。力三サンいわく「日曜日がえらい調子よくてナ。おかげで本流はサカナ全然おらんらしいわ。ワーハハ!」…

 大名倉方面を勧められたが、ノーマルタイヤではちょっと凍結が心配だったので、とりあえず田峰あたりでサオを振る。が、力三サンの”サカナ”にはカワムツも含まれていたようで、なーにも釣れなかった



工事大杉


魚の写真は…いつになったら撮れるのか…
 だんだん気温も上がってきたので、もちょっと標高の高い栗島川へ行ってみると…入ろうと思っていたポイントはミキサー車が思いっきりコンクリを流し込んでた

 しょうがないのでその上から釣り上がる。すでにヤケになっているので、フライも盛夏時に使うでかいパラシュートに変更した
 当然のように何の反応もないワケだが、誰もいない川で毛針が水面を流れる様子を見てるだけで、だんだん心穏やかになってきた

 すると…「こんな毛針で釣れるワケねーじゃん」と冷静な判断能力も復活。#20ほどのものに変更したこんなところ、”ぱちゃ”と小さな反応。その後もアマゴが何度か毛針を見に来た…けど釣れなかった


 「最初から小っちゃい毛針にしとけば…」と思う反面、適度に脱力した釣りが心地よかったりした不思議な1日だった
March 春よ来い!
3月5日(土)  寒狭川上流

 「どうせメチャクチャ寒いんだろう?山の方は昨日は雪降ってたみたいだし」

 朝5時に目が覚めるも、前日テレビで見た天気予報が睡魔に味方する…次に目が覚めたのは7時。外はとても暖かそうな日差し…
 「あ゙ー!またダマされた!」
 快晴・無風、おまけに鼻もムズムズしない…大急ぎで支度を済ませ、寒狭川へ向かった

 今日は本流の清崎付近で追加放流のはず…「だったら、それ以外のところなら、かえって釣り人は少ないんじゃないか?」という読みのもと、そのおこぼれのありそうな下流のオシドリ淵のあたりで様子をうかがっていると、レビューのパックロッドを持ったいかにもデキそうなフライマンが準備をしていたので、
当貝津の上流部へ向かうことにした



忍び寄る魔の手…


ちょっぴりサビの残る早春の魚体

 いつも車を止めるポイントに置かれた”測量中”のパイロンに一抹の不安を感じながらも川に降りる。ためしに水に触れるとさすがに冷たい

 こんなとき、正しいフライフィッシャーならおもむろに水温計を取り出し、「うーん、5度か…ヘアズイヤーでいくか…」なんて言ったりするんだろう
 もちろん自分も始めたばかりの頃は水温を測ろうとしたことがあるけど、2回続けて水温計をそのまま置き去りにしてからは、この”手続き”は割愛している
 それに、そもそも水温がわかったところで「じゃ、どうするのか?」を知らないんだからしょーがない。アーハハ

 ということで、年がら年中コレばっかりの”パラダン(しっぽ省略)#18”をキャストすると…いきなり食いついてきた。フッキングしなかったものの、俄然ヤル気になる


 「よーし、今日こそサカナの写真を撮るゾ!」

 やや釣り上がったところで、遂に待望のファーストトラウトがヒットした。手前に寄ってきたとき、その茶色の魚体を見て、一瞬「え、ここでアブラッパヤ?」と思ったが、ネットに収まったのはまぎれもないアマゴだった
 その身体は、この支流特有の濃淡のはっきりした艶っぽいものではなく、まだサビの残る天然っぽいものだった


 さらに釣り上がると、今度はチビッコのアマゴがヒット。さらに上の堰堤下ではけっこう大きなアマゴが掛かったが、これはバレてしまった

 やがて太陽が雲に隠れると、急激に冷え込んできた。無風だった谷にも冷たい風が吹き始めたので早めの納竿とした

 帰り道、川沿いのいたるところに4駆やミニバンが止まっている。どうやら放流区間に集まっていた人たちが散らばりはじめたようだった

 お願いだから、あんまり持って帰らないでね…



ちょっと眠そう…

3月8日(火)  寒狭川上流



滝に打たれて厄でも落とすべきか…

 今日は子供の検診日。それにかこつけて仕事休んじまった

 ということで、午後1時までに家に戻らなければいけないのに、悠々と8時過ぎに寒狭へ向かって走り出す。今思えばこの時点で負け組だ


 さすがに人気ポイントの大名倉。いたるところに先行者の車がある。おまけに風も結構強いので、養魚場横から谷筋の澄川の方へ入る…が、ぜーんぜん釣れない。
 小さなプールにチビアマゴが何匹か見えたものの反応ナシ
 「こうなったら段戸を超えて栗島川へ…」と転進を計るが、積雪に阻まれ断念。帰りに本流コンビニ裏で放流モノを狙うが、それにも相手にされなかった…で、タイムアップ

 ま、時間に追われてるときはだいたい釣れないモンなんだよ。そうでしょ、皆さん?
(「じゃ何しに行ったの?」って言われても困るけど…)

3月18日(金)  寒狭川上流

 「ボクはいば、はながつばっていばす」…いきなり武田鉄矢のモノマネになってしまったが、何しろ愛知県衛生研究所の花粉予報では「今週末が飛散のピーク」だそうだ
 おまけに朝にニュースでも「花粉症の方は完全装備で」と言っていたので、写真のとおりの格好になってしまったワケだ(それでも午後8時現在まで鼻の機能は回復していない


 前置きが長くなってしまったが、今日も行ってきました寒狭川。昨日の雨が思ったよりも降ったみたいで、本流はけっこうな増水になっていた。こんなときは当貝津の上流に限る、ということで今月初めになかなか反応のよかった支流を目指すも、先行者らしい4駆が止まっていたため、さらに上流へ向かうことにした

 やがて車のガラスに雨粒がポツポツ…どうやら今日も天気予報にダマされたようだ。でも、これで花粉の飛散が少なくなればシメたもの…と言い聞かせ、さらに上流の支流にやってきた



山野一のマンガに出てきそうだ…


おなかパンパン!

 そこは例年なら5月以降に入るポイント。さすがにこれだけ寒いとなぁなんて思ってたけど、釣り始めて5分ほどで小さなアマゴが出た。が、フッキングしない。その後も姿は見えるものの反応がない

 「あー、”ボ”の釣行記は書きたくないなぁ…行かなかったことにしようか…」などと考えてるうちに
、空もますますどんよりしてきて気分もグレーになってくる

 1時間ほど釣り上がってそこを断念。国道まで降りて本流との合流点近くからあらためて釣り上がる。すると…なんとライズがあった(これが普通なのか?)
 何度かキャストし、ちょっとよそ見してたら…掛かってたよ、15センチくらいのアマゴ
 マグレでも1匹。「よーし、証拠写真ゲーッツ!。釣行記書くぞー!」

 大イバリで写真を撮り、さらに釣り上が
った

 堰堤下の小さなプール…普段はこういう「大場所」は避けている。どうせエサやルアー、それに上級フライマンがさんざん攻めてるだろうから…

 が、そこでは4〜5カ所で激しいスプラッシュがあがっていた
 「おぉー!コレはすごいぞ!」数年ぶり(ヲイヲイ…)に腰を据えてライズを狙う
 一つ覚えのパラダンで挑むこと数投目…「キタ━(゚∀゚)━!!!!」
 20センチほどのキレイなアマゴが釣れてしまった
 しばらくすると見切られてきたので、7〜8年前からフライボックスの肥やしになってる#20くらいのライトケイヒルをキャストしてみる

 やがてかつてない大きな水しぶきと手応え…ネットに納まったのは25センチ近い今シーズン最大のアマゴだった。が…
このアマゴ、何度もイジめられたのか右側の口元が赤く生傷になっていた

 しっかり学習しておけよ…
魚籠を持った釣り師が来るまでに…



痛々しい…
April 釣り、釣られ…

4月13日(水)  根羽川



記事にライズしてんじゃねぇ!

 夜明けと同時に出発のつもりが、ついつい寝坊してしまった。しかしアセることはない。なぜなら今日は平日、余裕でモーニングを食べながら今日の行き先を考える
 「あー、もう根羽も解禁だったなぁ…よし、根羽にしよう!」
 そう決めたあと、何気なく目にした中日スポーツ…

 『根羽川 ヒレピンアマゴ37匹』 『支流でも15匹』…釣りコーナー全面で根羽川特集を掲載していやがった


 案の定、根羽にはワンサと釣り師が集合していやがった。それもけっこうな高齢釣り師ばかり。ヒマをもてあましたリタイヤ組が、中日スポーツの与太記事に見事に”釣られて”やってきたのは明らかだ

 とりあえずお約束の小川川下流部へ入るも足跡だらけ。それに魚の影も見えないので、さらに上流部に移動する。途中、国道の気温表示看板には…『只今の気温 4℃』

 泣きたくなってきた…

 そこにも出来たての足跡が…半ばヤケでハイスピードで釣り上がる
 当然のように反応はない。ただ、ときおり淵尻から走っていくアマゴが確認できる…が、いかんせん寒い

 こういうときは「ミッジ」だとか「ニンフ」なんかを使うシチュエーションなんだろうが、「どうせ釣れねーんだよ。早く帰って『ボ』のフラッシュ作らなきゃならないんだよ!めんどくさいんだよ!」ということで、#18くらいのパラダンで叩き続けた


 やがて二股に別れるポイントが…「(先行者は)どっちだ?」目を閉じ、持てるすべての知識・経験・勘を駆使し考える「よし、右へ行こう」

 が、釣れない。サカナの気配もない。「国道の下まで行って、ダメだったら戻ろう…」
 そう思って岩を超えると、先行者が5メートル前にいやがった

 今年はきっと宝くじもtotoも当たらないと思った



「ボ」のフラッシュ作らなくてすんだ…


なかなかの体高

 大急ぎで合流点に戻り、左の沢をそそくさと釣り上がる
 すると、いきなり浅い瀬で結構なサイズのアマゴが出た…が、フッキングしなかった
 すっかりヤル気になり、同じようなポイントを選んで叩いていくと、待望のファーストアマゴをゲットした

 不思議なもので、気分が乗ってきたら天気も良くなってきた
 ちょっとした深みやプールでもヒットするようになり、サイズも少しずつ大きくなっていった(でも18センチくらいだったりする)


 それにしても人が多い。この区間でも何台もの四駆がスピードを落としてこっちを見ていったし、歩いて車に戻るときも、もう違う釣り師が入ってた。
 そんなにイイか?根羽川。いやー、もうちょっと北には信州屈指の名川がいっぱいの「下伊那」もあるし、西に行けば”渓流王国”岐阜だよ!

 だからさぁ…そっち行ったほうがいいんじゃないかなぁ…
 「じゃ、オマエは何で根羽行くんだ?」って?それは安くて、近くて、良く釣れるからにきまってんじゃん!(←ナイショ)

4月16日(土)  寒狭川上流



死ぬほど補正しました

 「さて、どこに行こうか…」
 水曜の根羽がトラウマになっているため、目的地選びに妙に慎重になる
 結局、「根羽が混んでるなら寒狭は空いてるだろう」と思い、当貝津方面へ行くことにした

 久しぶりの朝マヅメ。「先行者がいないなら…」ということで、お気に入りの支流をじっくりと攻めることにした

 すると、すぐに小さなアマゴがヒット。「エッヘヘ、早くも『ボ』脱出 」…しかし…!

 川で使っている『Che-ez! Tinio』っていう安物のデジカメにはフラッシュが付いていない。露出やシャッタースピード調節なんていう機能はカケラもない…
 そのカメラで撮影した、薄暗い夜明けの谷での1枚。液晶画面で画像を確認してみると…「ま、真っ黒!」

 コレでは「釣れました」とか書いても「何言ってやがんだよ…」と思われるのがこの世界(どんな”世界”だよ…)の常だ

 「何としてももう1匹釣らなくては…」
 明るくなってきたところで、気合いを入れてポイントを探る。すると、すぐに反応があった
 チビッコのアマゴだったが、今度はちゃんと写っていてひと安心…

 「写ってさえいりゃ、画像加工して『尺連発!』とだって書けるんだよ」
 別にやっちゃいなんだけどね…



「お絵かき」も苦手なんで…


この艶だよ!

 心に余裕ができたので、その後はのんびりと釣り上がる。いつもは相手にしてくれない堰堤のプールや大岩の淵のアマゴまで、サイズは小さいけれど、たくさんのアマゴが相手をしてくれた

 「あー、朝イチって、こんなに気持ちがイイもんだったか…」
 最近は、暗いうちに家を出て夜明けと同時に始めるような釣りから遠ざかっていたので、渓にそよぐ風が実に清々しい
(これで花粉さえなけりゃ…)

 気分のイイところで、ふとイワナが釣りたくなった。そこで当貝津本流の最上流部へ久しぶりに行ってみた


 新段戸トンネル手前の橋のあたりから沢に降りる。工事のせいか以前よりも随分と木が切られて明るくなっていた。そしてイワナはおろか、アマゴも、ほかのサカナも釣れなかった

 最後まで魚影を確認できないまま、旧道にかかる橋のところで川から上がった

 
ここ数年ずーっと「あー、また行きたいな…」と思っていた沢、かつてカワムツのようにグッドサイズのイワナの釣れた沢、3日連続で通って最後の日に事故って買ったばかりの車を廃車にしかけた沢…

 
ま、自分のウデのせいで釣れなかっただけなのは充分承知なんだけど、今日の釣果で、”一区切り”というような気分になった

 そんなにたくさんの川を釣り歩いているわけではないけれど、また1カ所”終わった川”のリストに入ってしまったんだ…

 いつかまた、「あそこは釣れるらしいよ」というウワサが自分の耳にも入ってくるかもしれない

 でも、きっと自分はもう行かないだろう

 あの夢のような日々の記憶を大事にしたいから…



もう来ないよ…きっと
4月26日(火)

大入川〜下伊那〜根羽川〜寒狭川上流


完全無欠の里川!イイネイイネ

 久しぶりの平日一日フリー!おまけに花粉も一段落の気配とくれば、これはもう行くしかない

 ということで、今日は前から一度やってみたかった”プチ釣紀行”をやってみることにした

 まずは151号線で豊根へ。そのまま北上し下伊那を攻めたのち、153で根羽、そして寒狭へ南下する”4漁協制覇”のフィッシング・ジャーニー…ま、ちょっと大袈裟な感は否めないが、とりあえず今日の目的は釣り歩きなので釣果は二の次。気持ちよく1日を過ごすことができればそれで満足。だから…
  「『ボ』でも気にしないんだよ!日釣券がもったいないなんて思わないもんね!」


 すでに言い訳モードだが、さっそく豊根の大入川方面へ向かった

 やって来たのは相互リンクさせてもらってる”流離の渓流師”さんから情報をいただいたところ。流離さんところの釣行記に掲載されていた写真がいかにも里川!というステキな風景だったので、一度来てみたかったのである

 
ひなびた一軒宿や古い木造の公民館などが点在する集落の間、護岸と堰堤の連続する渓相…バリバリの環境保護派フライフィッシャーには敬遠されそうな川だけど、何故か自分はこういう景色の中で釣りをするのが大好きだ

 例によってパラダンで釣り始める。ちゃんとした渓流っぽいところでは何の反応もなかったが、護岸・堰堤の区間に入ると、とたんに魚が出始めた


 何度かバラしたあと、やっと15センチほどのアマゴをゲット。同じプールでさらに同サイズを2匹釣り、とりあえず今日も『ボ』脱出(やっぱり気にしてたりする)。気持ちよく豊根を後にして下伊那へ向かった



なかなかスタイルの良いアマゴ


ゴールデンウィークまでの命か…

 新野峠を越え、売木に入ったあたりで漁券を購入。早木戸川とかにも心を動かされるが、やはり里川で釣りたいので、そのまま”峰竜太のふるさと”(しっかしこの看板はいつ見ても哀しい…)下條村へ

 以前、下伊那に詳しい友人と一緒に回ったことがあるけど、ここらの川は、どこもそれなりに釣れちゃう。「あっ」と驚くような水路みたいなところにも平気な顔して(してないかもしれない)アマゴがいる

 その中でも、比較的出入りしやすい平坦な里川のひとつに入る。前出の友人が言うには「ここじゃ100メートルでクーラーボックスが満タンになる」(…)ほどの魚影らしい
 ま、自分はクーラーボックスは持ってないので、とりあえずデジカメの容量を越えない程度の写真が撮れれば…


 結局、1時間弱で豊根よりちょっとサイズアップしたアマゴが何匹が釣れた

 デジカメの容量は動画で撮っても足りたかもしれない…

 この時点ですでに釣果には充分満足していたので、根羽へ向かう途中に考えたのは「イワナの顔が見たいな」ということ
 そこで、前回根羽に来たときに先行者に阻まれた”イワナの沢”へ向かうことにした

 そこはすっかり去年の秋の台風で渓相が変わっていた
 流れは細く分散してしまい、前日雨だったこの日もチョロチョロと流れる程度だった


 さらに衝撃だったのは川底に堆積したモルタルのカスである
 場所によっては、ウェーダーのブーツ部分が足首まで埋まってしまい、灰色の濁りが小さな流れを覆ってしまう…


 そんな流れの中でも、魚は命をつないでいた
 
イワナの顔は見られなかったけど、小さなアマゴが何匹も釣れ、なかなかのサイズのものも何度かフッキングしたがバレてしまった

 このアマゴたちが、別荘分譲のための”客寄せ放流”でなきゃいいんだけど…



小さいけどキレイな色と艶


レンズ曇っちゃった

 そろそろ上がろうか…と思ったら、前方でガテン系のアンチャンがこっちを見てた。どうやら、ここの別荘地を造成してる作業員のようだ

 ちょうどそのときアマゴがヒット。キャストからヒット、ランディングまでを見ていたガテン君は満足そうに仕事に戻っていった

 「これで少しは川のことを考えて作業してくれるかな…」そう願いながら川から上がると、にわかに天候が怪しくなってきた
 ポツポツと滴が渓石をたたきはじめ、林道へ上がると風で帽子を飛ばされそうになった

 急いで車に戻り、寒狭へ向かおうとすると、前方にイナズマが一撃…
 「ま、大名倉に着く頃には止むだろう」と考え、そのまま名倉カントリー脇の村道を抜けて宇連の集落へ

 読み通り雨は小やみになっていたけど、いつカミナリが鳴り出すか不安なので、出入りしやすい上流で釣り始めた

 久しぶりに訪れたポイントは、水量も充分でなかなかのコンディションなのだが…いかんせん寒い。おまけにまた雨が降ってきた
 避雷針を持って立ってるのと同じ状態で川にいるのも危険なので、もっともらしいポイントを叩きながらサッサと釣り上がる(やめられないところが釣り師のカナシイところ)

 
すると、予想外に反応が良く、いたるところでアマゴが顔を見せてくれた
 いつしかカミナリの不安も忘れ、ついつい「もうちょっと…あそこのプールまで…」などと長居をしてしまった

 車に戻り、帰り支度を完了すると日差しが戻ってくるという、いつもの”お約束”でこの日の釣行を終了した


 冷静に考えれば、釣ってる時間よりも移動してる時間の方が長いし、せっかく下伊那や大入川の漁券を買ったのに根羽や寒狭で釣ってるのもどうか…と思わないでもないけど、何か釣りを始めた頃のワクワク感みたいなものがちょっとだけ感じられて、ナカナカ良い1日でした!



イワナじゃなくても大満足
May イワナを求めて…

5月8日(日)  寒狭川上流



ちょっと目がコワい

 例年、ゴールデンウィークやお盆なんかはあんまり釣りに出かけない。そもそも長く平日休みの仕事をしていたので、スキ好んでわざわざごった返す川なんぞに出かける必要もなかった…のに…

 案の定、昼過ぎだというのに寒狭上流の大名倉はあらゆるポイントに車が止まってた。おまけに新城からずーっと自分の前を走ってるランクルと大名倉までランデブー。頭の中では『ボ』のネタを考え始めた

 結局、本谷の湧き水のあるところあたりまでやってきて、やっと川に入れた。水量・ハッチは申し分ない。「あー、これで平日なら爆釣だろうになぁ…」なんて思いながらキャストすると、あっさりとアマゴが釣れてしまった

 「おぉ、こりゃ幸先いいゾ!」
 その後は欲をかいて大きめの毛針に変え、ポイントも大場所ばかり攻めた。が、でかいアマゴに尻尾で毛針をはたかれるという屈辱を味わっただけだった

 川から上がる頃になると、ハラがゴロゴロ言い出した
 実は、朝から腹の調子がイマイチ良くなく、道中も「あー、サークルKのトイレ行っとこうかな…どうしようかな…」なんて迷っているうちに釣り場に着いてしまっていた

 
「あ〜、やべぇ…」 ちょっと茂みに入り、何年かぶりにキジを撃つ
 以前、大名倉で同様にキジ撃ちをしてたときは、最中に山菜取りの老夫婦に話しかけられるという悲劇に遭遇したことがある。やはり釣り同様にポイント選びと先行者には気を付けたいものだ

 さて、気を取り直してポイント移動。そろそろイブニングの時間帯になりそうなので、そのまま段戸経由で栗島川をめざすことにした


 イブニングによく行くポイントに向かう途中、ふと前から気になっていた山中の源流部に寄ってみると、雨の後ということもあり、それらしい流れになっていた

 「ダメもとでちょっとだけやってみるか…」



*イメージ画像


今シーズン初イワナ!

 当然のように反応はなかった。やがて、小さな堰堤を越え、水深10センチもないような瀬に何気なく流した毛針に何かが反応した

 「え、いるの?ここに?カワムツ?」
 もういちど同じポイントに流すと、同じように反応があった
 今度はしっかりと合わせる。すると毛針に食いついていたのは10センチほどの小さなイワナだった

 正直、足が震えるほど感動した。こんな細い、小さな流れの中にも、小さな、でも力強い命が息づいていることに…


 細い流れを後にし林道に戻ろうとすると、真新しいゴミが落ちていた
 コンビニで売ってる釣りエサ用のミミズの空箱だった

 一瞬、何かの感情がこみ上げ、気が付くとその空箱を思いっきり踏みつけていた

5月14日(土)〜15日(日)  寒狭川上流

 最初に言い訳…いや、断っておくが、別に釣りにやってきたわけじゃない。実は、以前からやってみたかった”田口線跡を歩く”っていうのをやりに来たのである

 
ということで、本長篠から物好き中年7名で歩き出す。野を越え山を越え、トンネルを越え、谷を越え、ひたすら歩く

 最近はこうした廃線跡の散策がブームらしいけど、さすがにこうしたメンバー構成の集団は珍しいようで、すれ違う車・バイクに物珍しそうに見られる

 昼過ぎになってやっと玖老勢のあたりまでやってきた
 するとパトカーが2台、警察官数名、そしてひしゃげたバイクとフロントが人型に凹んだ軽ワゴン…さらに道路にはべっとりと血糊…


 傍らに転がっていたヘルメットは、まさしくさっき自分たちを追い越していったハーレー乗りのものだった



鉄ヲタ感涙!らしい


ワザとかどうかは不明です(念のため)

 「釣りの話はどうした?」って?
 だからぁー、釣りにきたわけじゃないんだよ。この土日を使って『田口線跡を歩く』のが目的なんで…
 で、「せっかく塩津温泉に泊まるんなら…」って夕食前にちょっと本流で竿を出しただけなんだよ…

 だからぁー、ぜーんぜん悔しくなんかないんだよ!カワムツしか釣れなくてもよ!!
 それよりだなぁ、オレが言いたいのは「おいコラ三○路!歩道脇の看板に上向きに釘を打つんじゃねぇ!」ってコトだよ!

 おかげで一番高いウェーダーに穴が開いたじゃねーかよ!自分トコの客が出入りするところ以外じゃ釣り客にイヤガラセかよ!こんなことだから放流場所を巡っていろんな陰口言われるんだよ!!

 言っておくけどなー!別に釣れなかったからって八つ当たりしてるわけじゃねーからな!!!!

 でも、釣れないのはやっぱりシャクだ
 なので、翌早朝そそくさと宿を抜け出し、ウェーダーなしでも釣行できそうな栗島川へそそくさと出かける

 
ポツポツとライズリングも見えたりして、なかなか良い雰囲気。さっそくキャストすると、小さいながらもすぐにアマゴが釣れた
 「ふぅ〜…これで『釣りもしました』って書けるよ…」と、内心かなり安堵する

 朝食までの約1時間ほどに同サイズのアマゴを3匹釣り、気分よく宿に戻ると、女将さんが一言「あそこまでアマゴ釣りに行ったの?、そこの川(野々瀬川)でも釣れるのに」…


 ホントかなぁ…んなワケないような気がするけどなぁ…この水量、流れでアマゴなんて…

 でも…1回くらい釣りに来ちゃいそうな気がする。それも近いうちに(笑)



ナイスシェイプ!小さいけど

5月20日(金)  寒狭川上流



小さくて綺麗なら…でも、できれば大きい方が…

 最近、やっと定時で仕事が終わるようになった

 帰宅途中、ふと空を見上げるとまだまだ日差しが… 「あ〜。日が長くなったなぁ…」

 気が付くと寒狭に来ていた w(°o°)w

 とりあえず、国道からすぐに降りられる当貝津の支流に入ると、最初の小さなプールに尺近いアマゴが悠々と定位している…が、当然相手にしてくれなかった

 思いっきり乱暴に徒渉し、次のポイントへ向かうとポツポツとライズリングが広がっていた
 一転、細心の注意を払って可能な限りにじり寄る
 キャストすること数回、小型ながらもこの川らしい綺麗で元気の良いアマゴをキャッチした

 ところが、その後が続かない。だんだん暗くなってきたので次の川へ移動した

 せっかくのイブニングなので、普段はスルーする小さな滝の下のプールにやってきた
 なんでもここには「デッカイのがいる」という情報を得たので、いつかイブニングに来ようと思っていたところなのである

 
土手を降り、慎重に近寄ると…#14くらいのメイフライがスーパーハッチの真っ最中という、フライフィッシャーなら狂喜乱舞の光景が繰り広げられていた

 ところが、重大な事実が発覚する

 何を隠そう、自分のフライボックスにはその手のフライが1本もナイのであった。アーハハハ!(泣笑)

 仕方ないので、持ってるフライの中で一番近いヤツをキャストしまくる
 目の前2メートルでイワナが、アマゴがライズしてるのに、一向にヒットしない


 それでも粘っていると、心優しいイワナが釣れてくれたのであった



現場ではもうちょっと大きく見えたような…


朱点のない精悍なアマゴ

 やがてハッチする虫のサイズが一回り小さくなった

 「待ってました!」ナントカの一つ覚えフライの出番である
 すると、すぐに先ほどと同じサイズのイワナが釣れた
 「さーて、そろそろ帰ろうか…」と思っていると、次にちょっと大きなアマゴが釣れた
 「あ〜、満足…」と思っていると、目の前で尺と思われるアマゴが飛び跳ねた

 もうやめられない。慎重にタイミングを読んでキャスト…

 「うわー!きたぁー!」

 一瞬の手応えの後、毛針だけが宙に舞った

 気が付けば、あたりはすっかり暗くなっていた
 空中に漂っていた夥しい虫も、大きな波紋をいくつもたてていた水面も静寂に包まれていた

 「今日はもう終わりだよ…」
 さっきのアマゴがそう言っているかのようだった

5がつ26にち(木)  かんさがわ

 きょうは、おとうさんとおかあさんと3人でかんさがわに行きました。
 ちょっとドライブのはずだったのに、川につくと、おとうさんは「ふらいふぃっしんぐ」をはじめました。どうやら、おかあさんにはないしょでどうぐを車にのせていたようです。

 
「いま、デッカイ”あまご”を見せてやるからな!」と言って、おとうさんは川にはいりました。
  すぐに見せてくれるというので、まっていましたが、おとうさんはどんどんとおくへ行ってしまい、見えなくなってしまいました。

 しばらくすると、おとうさんは悲しそうなかおをしてもどってきました。
 おかあさんが「ボーズだって」とおしえてくれましたが、よくいみがわかりませんでした。



あーあ、あんなところにいっちゃった…

5月30日(月)  下伊那〜根羽川



西野の川幅はこの10倍、いや20倍くらいか?

 今日は来月の西野川遠征に備え、キャスティング練習をしに下伊那へやってきた
 「”練習”なら年券持ってる寒狭か根羽でやりゃいいじゃん」という意見もあろうが、そのほかにもうひとつ目的が…

 ブログ版のほうで相互リンクしてもらってる”釣りキチCEのつぶやき”のkom2002さんが「湯川でブルックを大大爆釣」との記事を載せていた
 「あ、そういえば下伊那にブルックがいるっていう川があったような…」


 飯田にほど近い谷筋を流れるその川は、はっきりいって「汚ネ」の一言。渇水のせいもあるんだろうけど、底はヘドロ、石には藻、魚礁には自転車という得も言われぬ里川の風情である

 「こんなところにブルック?カワムツだって棲まねーよ」
 そう思い目の前のよどみに目をやると…20センチくらいのアマゴがいた

 木の枝や雑草をかきわけキャストするも、一向に反応しない。そんなことを繰り返しながら釣り上がり、2段の小さな堰堤を越えると養魚場があった
 どうやら、ここでブルックを養殖している様子

 一気にヤル気を失い、
先月も釣行した小さな里川へ移動する。しかしこの1ヶ月でものすごいスレっぷりをみせていて、まったく食いついてくれない
 小さなプールでやっと出てくれたが…『
ガツン…ブチン…』今年も蜘蛛の巣シーズン到来である…

 その後、
さらに近くの川を攻めるも同様に厳しい反応…

 結局、下伊那3カ所すべて玉砕…「こんな狭い川でキャスティング練習なんかしててもしょうがないんじゃないか?」…ということで、サッサと根羽へ転進!
 あー、釣り券代800円ありゃマックシェイクが8本飲めたのにぃ!!



奇跡の1匹!


気を付けてくれよ…

 まずはいつも入るポイントへ。すると足下に稚魚(4〜5センチ)が群れている。なんとしても『ボ』は避けたいので、心を鬼にしてフックを#22まで落とすと…『バシャ!』…なんと20センチちょっとのアマゴが釣れてしまった

 さらに場所を変え、小さな支流に入ると、木の枝の下の小さな落ち込みに25センチはあろうという魚が定位している

 とりあえずパラダン#18…無視。同#20…様子見のみ
 ひさしぶりに真面目に流下物を見る。どうやら小さなハエ系(あ、無知がバレた…)の虫を補食しているらしい

 5年ぶりくらいに”グリフィスナット”の#22くらいのを流す。うまく流れてる。「食え、食えーー!!」「バッシャッ!」

 橙点の綺麗なおなかパンパンのイワナだった

 ただ気がかりなのは、リリースするときに下流の淵へ流してしまったこと。さっきまでいた場所とちがい、そこは誰もが竿を出すような格好のポイントだから…

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