Field Note 2005(part 2) *下へ行くほど最新です

 



Don't they know ? It's the end of …

 

 桜が散り、梅雨が明け、紫陽花が色づく…

 
毎週のように通る同じ道も、その季節ごとに表情を変える
 
 鶏の鳴き声、たき火の煙、黄金色の稲穂…

 そこに住む人々の営みは、道路の向こうに見える渓と同じように、ゆっくりと、しかし力強く流れている  
 
  まるで、「たとえダムの底に沈もうと、ここに自然が、生活があったことを忘れないでくれ」と言っているかのように…


June the fly is crying
月4日(土)  寒狭川上流

 いやー、やったねニッポン!バーレーンに激勝!ワールドカップに王手だぁ〜!って、騒いでたのが夜中の3時半
 この「3時半」というのがクセもので、我が家から寒狭までだいたい1時間ちょっと。この時期は4時半ころから明るいので、今すぐ家を出ればちょうど…


 ということで、完徹でやってきたしまった寒狭川。しかも今日は仕事もあったりするので、1ラウンドやってサッサと社会復帰しなければならない
 そこで入るポイントも吟味に吟味を重ね、先月イブニングでイイ感触だった当貝津の支流へ直行した

 まずは淵へ向かうと、いきなり目の前で激しいライズをしたグッドサイズのアマゴと目が合う
 あわてて岩陰に隠れ、月曜日に根羽で活躍したグリフィスナットをキャストすること数投…「バシャ!」

 
グッときた次の瞬間、竿が軽くなると同時に、水面で激しくサカナが暴れている…リーダーの先にあったはずのマキシマの茶色のティペットがなくなってた



甲羅(?)干し


オレの手ってデカいなぁ…ハハハ…
 そのまま上流に釣り上がるも一向に反応がない。そろそろ出ようか、と思ったところで、やっと小さなアマゴが1匹
 ポイントを変えようと道路に上がると、釣り関係のステッカーをこれ見よがしに貼りまくったワンボックスがデ〜ンと止まってた…
 「コノヤロー、相当下まで下りて入ったな…凸(-_-メ)」


 本流出会いまで戻り、10メートルも釣り上がらないうちに、今度は下ってきたエサ釣りのオジサンとハチ合わせ
 お互いに「今入ったところ(自称)」とのことなので、そのまま上がっていくと、さらにサイズダウンしたアマゴがヒット
 「10センチないかも…」と分かっていながらも、こんな釣果では写真を撮らずにいられないのが哀しい

 しかしその哀しさをさらに大きくする事態が発生する

 なんと、カメラを構えているときに、ランディングネットのスキマからとっとと自力リリースしていきゃがったのである

 「やっぱりちゃんとしたサカナの写真が…」ということで、さらに別の支流へ
 いつもなら蜘蛛の巣に悩まされるのに…今日は実にキャストしやすい!って、こりゃ先行者がいるってことじゃねーか!


 今さら移動するのもシャクなので、そのまま釣り上がる。やっと釣れたと思ったら…さーらにサイズダウンした稚魚アマゴ…もはやネットですくうことも写真も断念し、そのままリリース

 さらに釣り上がり、ヘビが気持ちよさそうに日光浴してる岩の向こうにキャストすると…
  「バシャ!」ついに網目から抜けられそうもないイイサイズのアマゴをゲット!
 「フゥーーーゥッ!オッケー!」とレイザーラモン住谷のように奇声を発しながらネットに誘導…が!何かと評判の悪いティムコのSPフックはアッサリとバラされてしまった

 それにしてもこの人の多さ。やっぱり雨の後の土曜日…みんな同じコト考えるんだなぁ…ちっとも水増えてなかったけどネ



毛鉤のサイズは…言えない
月11日(土)  西野川C&Rエリア(木曽川漁協)


「リリースのしかた」…はたして役に立つのか
 「釣れれば尺」「普通に尺」「とりあえず尺」…西野川について耳にするウワサはどれもやにわには信じがたいものばかりだ

 友人のフライフィッシャーも3年ほど前に西野で尺アマゴを「釣った」らしいが、しょせんは釣り師の”自称・尺”。話半分で聞き流していたが…
 今年の大型連休あたりから、西野について書いているHPやブログの内容がどれも凄いことになっている
 「尺アタリマエ」「尺ツ抜けで普通」「尺にあらずんばアマゴにあらず」ってな調子だ

 「これは…ホントにスゴイ川かもしれない…」
 そう思っていたところ、本サイトに相互リンクしてもらってる『空色ライフ』の洋さんと、『輝ける沢の辺で』のライズさんが6月出動とのことなので、恥ずかしながらご同行させていただくことと相なったのである

 午前6時、ついに”FFの聖地”西野川にやってきた

 万年雪を頂く霊峰御岳の雄大な姿の麓、澄んだ流れと青空のコントラストが織りなす壮大なパノラマ…のはずだったのだが、今にも降り出しそうな空と減水で藻に覆われた賽の河原のようなだたっ広い川が目の前にあった


 とりあえず様子を見ると、すでに何人ものFFがキャストを繰り返していた
 寒狭なら迷わず別のポイントを目指すところであるが、ここは西野。3人並んで尺が釣れてもおかしくない奇跡の渓である。あせらず、悠々と支度をしてると…いよいよ雨が降ってきた (ノ-o-)ノ

 とりあえず、洋さんは上流へ、ライズさんは下流へ向かい、自分は駐車場近くのプールへ。すると…あろうことが40センチ前後のアマゴが何匹もユラユラとエサ待ちしていた!しかもときおりライズまで!!

  「よっしゃー!今日は尺大爆釣!!」



ライズさん、い
きなり尺ヒット!



フテ寝…zZ…ボボ…
 ニンフ、ウェット、ドライ、ミッジ…完全に見切られている
 悶絶する自分のところにライズさんが追いついてきた
 「あ、さっき別れてすぐのところで釣れましたよ。尺」

 一旦上がりやや上流へ。やや深い瀬で初めて反応があった。沈むマーカー、その下で光る魚体!しかし次の瞬間、もうバレてた
 ちょいと移動すると、今度はマーカーがスパーンと水中へ!今度はしっかり掛かった。浅瀬まで引き寄せると、尾鰭のキレイなデカいアマゴ!
 「わわわ…ネ、ネットを…」
 次の瞬間、フワっと竿が軽くなった


 結局、このニアミスがこの日のハイライトとなってしまった
 上流で粘っていた洋さんは…(詳しくは『空色ライフ』で)

 そしてライズさん。その後も順調に尺をヒット。最後にはこのコンディションで#14のドライで仕留めるという超人ぶりを発揮!(詳しくは『輝ける沢の辺で』へ)

 あ゙ー!いいか尺アマゴ!今度は容赦しねぇからなー!
月18日(土)  寒狭川上流

 やっと降ったよ、雨。ならば行かねばなるまい

 どうせ同じコトを考えてる釣り師が寒狭周辺だけで500人はいるだろうことは百も承知なので、久しぶりに深夜現地着で寒狭へ向かう
 めざすポイントは1ヶ月ほど前からちょくちょく通ってる滝下の淵。過去2度にわたりバラされている大アマゴを何としてもネットに納めてやる!予定…


 午前4時過ぎ…ようやく空が明るくなってきた
 とりあえず道路のすぐ下のプールをのぞくと、すでにライズリングがあちらこちらに広がっている
 急いで支度をし川へ降りる。散発するライズの中で一番大きそうなヤツのところをめがけ、入魂のロングキャスト!(ただし10メートル弱)

 およそ10秒の静寂の後、水面が割れた

 尺には遠かったけど、美しいアマゴは力強いファイトで楽しませてくれた



会心の1尾!



これがウワサのプードル!…かなぁ?

 さて、本命の淵へ向かう

 例によってハッチはあるものの、派手なライズは見られない
 いちおうハッチに合わせたつもりの#16ライトケイヒルを流すも反応はない。淵尻をよく見ると、水面直下で反転している魚体が何度か見えた

 ここで遂に秘密兵器の実戦投入に踏み切る。”プードルフライ”…今、日本中のフライフィッシャーが血眼で巻きまくっているフライだ
 とは言え、定番のがまかつのフックなど持っていないので、よく似た形(に見える)ティムコのフックで巻いた”雑種プードル”なんだけど…  


 とりあえず流す。「ぱしゃ」…出た!最初に15センチほど、続けて18センチほどのイワナが釣れた


 これは…プードルのおかげなのか…なんというか…イツモノパラダンデモツレタンジャネーカナ…

 結局、大アマゴにはカスリもしないまま別の支流へ向かう

 心配していたとおり、さほど水量は回復していない。いつも必ず反応があるプールでも、チビすら相手にしてくれない
 しかたないので、いつもは避ける岩の間の複雑な流れをピンポイントで叩き上がる
 やがてフライが流れきったあたりで、ピックアップ寸前にイワナが食いついてきた
 この川では久しぶりのイワナは、25センチ近い太った立派な体躯だった


 その後は先週西野で修行した”ルースニング”で釣り上がる
 堰堤のところでは見事10センチほどのタカハヤをヒット…
 「テメー!その身体で#14のビーズヘッドを丸飲みすんじゃねぇー!(`з´) 」

 その後、さらに移動した別の支流では、やはりルースニングで20センチほどのアマゴをゲット…寸前にバラしてしまった

 まだまだ修行が足りないようだ…



久しぶりの”ネイティブ”イワナ…ってコトに

月24日(金)  下伊那


今日は貸し切り♪

 久しぶりの平日釣行♪午前1時半に目が覚めちまった…

 もうひと眠りすると、取り返しのつかない時間になりそうだし、寒狭や根羽に行くにはチト早い
 そこで、久しぶりに下伊那の天竜川の向こう側(左岸)へ出かけることにする

 途中のコンビニで魚券を購入し、4時過ぎに現地に着くとちょうど明るくなってきた
 支度をすませ、こんにゃく畑の間を通り、静かな山村の中を流れる里川に入る…

 実は、はじめて下伊那に来たときに入ったのがこの川。古本屋で買った渓流釣りの本のこの川を紹介するコーナーに載っていた写真が、なんとも風情のある里川に見えたので、思わず来てしまったのだ  


 その本の情報は昭和(それも50年代)のものだったけど、はじめて来たときも、そして今日も、あの写真とまったく変わらない風景がそこにあった

 釣りはじめて5分ほどで、20センチほどのアマゴをキャッチした
 デジカメの電源を入れ、さて写真を…「ぽちょん…」…ネットから飛び出して逃げてしまった

 「あわわわ…もしコレが最初で最後だったら…」『ボ』ネタの準備がアタマをよぎる
 しかし同じポイントで今度はさっきよりちょっと大きいアマゴが釣れた。今度は慎重に浅瀬にネットを起き、シッカリと写真を撮った


 これで心に余裕ができたのか、同じポイントでさらに1匹、そのすぐ上で1匹、プールで2匹、堰堤の下で1匹…下伊那漁協は5月に追加放流をしているハズなので、そのときの残りが、この雨でハイになっているようだ

 結局、車を止めた空き地の横まで釣り上がってきた頃には、もう数えるのをやめてしまった…フゥ…(カ、カッコイイ!オレ!!) ←コイツがいちばんハイ…



ナイスファイトの連発!



久しぶりにメジャー使いました

 橋をくぐり、前に来たとき唯一の釣果があったポイントにさしかかる。ここで、フライをライトケイヒルからいつもの手抜きパラダンにチェンジした

 すると、出てくるアマゴのサイズがいきなり一回り小さくなってしまった…
 「もしかして…オレが普段やってるのはチビ釣り専用のスペシャルラインシステムなのかぁ?!」…ミもフタもない結論がふとアタマをよぎりかけたとき、激しいスプラッシュ!反射的に合わせると、強烈な引きが伝わってきた  


 「デ、デカイ!」 フリーストーンXTがバットから絞られる。何度も取り込みに失敗しながら、最後は強引に寄せてやっとキャッチしたのは、尺…と言いたいところだったけど27センチの精悍なアマゴだった

 ま、いいじゃん、尺じゃなくても。充分満足!今日はゴキゲン…だけど、念のためもう一回メジャーで計ってみる…

 やっぱり27センチだった…チェッ

 次に飯田市内の里川ででっかいカワムツを2匹釣り、帰りに下伊那へ来るときは必ず寄る小さな支流へ入った

 ボサをかき分け、蜘蛛の巣と格闘しながら、キャスト可能なポイントを丹念に叩く
 すると、フライが”スポッ”と水中に消えた。思いっきりしなるロッド、震えるライン…その先に、どう見ても尺を余裕で超える大アマゴが上流に向かって行こうとしていた…

 両脇を木と笹にふさがれているので竿を寝かして寄せることもできない…やがてアマゴが流芯に向かうそぶりを見せたので、意を決して強引に寄せる…その瞬間、9Xのティペットはブレイクした…

 気を取り直し、釣り上がるとすぐに今度は25センチ程度のアマゴが釣れた
「さて、写真を…あれ、な、ない!」デジカメを車に置いてきてしまった…

 その後も釣れる釣れる!淵で、瀬で、流芯で、同サイズが次から次へと釣れた

  ホントに釣れたんだよ!ホントだからなーーーー!

        εε=ヽ( `Д´)ノ ウワァァァァン



「カメラがない…」と気づいたときの心象風景

July 全員集合!
月2日(土)  下伊那


流離サン、しばしボーゼン…

 先週の釣行記を見た『流離の渓流師』さんから「加々須川へ行こみゃーか(ちょっと違う気がする…)!」とのお誘いがあり、2週連続で深夜便で下伊那へやってきた

 岐阜や北陸では豪雨らしく、長野あたりは微妙なところ…もし流離さん相手に不手際があっては小指では済まされない。不安を抱え、目的地まであと1キロほどのところまでやってくると…「路肩崩落につき、通行止め」の看板が!
 しかしなんとか迂回路を走りたどり着くと、諏訪からやってきた『Jeff's Lounge』のじぇふさんと合流。それぞれが車内で眠るころには星が出てきて一安心…  


 翌朝、川はほどよく増水し、濁りも入っていない絶好のコンディション
 「さ、やりますか!」と準備を始めると、目の前を一見して釣りとわかる岐阜ナンバーの車が通過していく…

 おいおい、ここは通行止めの先だったんじゃないのか?

 何はともあれ流離さんに1匹釣ってもらわないと怖いのでと思い、先週感触がよかったあたりへ3人で向かう

 その流離さんはテンカラに初挑戦すると宣言し、それらしいポイントへ毛鉤を振り込む…すると、ものの数投で竿がグイーンとしなっている
 「あー、根がかりかぁ…」などと思っていると、水面からズボッとアマゴが出てきた!


 「え゙ーーーーっ!まじで??」しかもネットに納まっているのは、体高のある良型アマゴ。「ヲイ。釣れちゃったよ!ガーハハ」「…」(唖然×2名)

 一方、自分の方は依然ノーフィッシュ。すると流離さんが「そこやってみ」と譲ってくれたポイントにプードルを流すと…「バッシャっ!」さっきの流離さんのと同サイズのアマゴが釣れた

 おかしいな…自分がガイドするはずだったんだけど…ま、いいか。釣れたから



あ゙ーまたボケたぁー!



幼児虐待の連続…

 今日は爆釣!と思ったのもつかの間、後が続かない
 じぇふさんが何匹が釣り上げたものの、朝イチのサイズがなかなか出ないので、自分は上流部へ移動
 しかし出るのはおそらく先月稚魚放流されたものばかりという”幼児虐待フィッシング”

 よくよく川を見ると、表層のチビの下の方に、やや大きいサイズが定位している
 そこで、西野川で修行した”ルースニング”で底を探ると…『ビシッ』っと20センチほどのアマゴが出てくれた

 そうこうしている間にも何台もの四駆が走っていく。どうやら豪雨に見舞われなかったこの地域に続々と釣り師が集合している模様…おまけに持病の腰痛が悪化してきたので午前中(といっても、この時点で6時間以上経過…)でギブアップし、他の2名を天竜川出会い付近までナビゲートして家路についた


 *流離さんはその日も泊まり込み、日曜日も釣行中とのこと…(((( ;゜Д゜))) アゼン

月7日(木)  寒狭川上流

 今日はカミさんに所用があり、午後から仕事を休んで子供のお世話
 「あー…今日は絶好のコンディションなんだろうなぁ…昨日よく降ったし、でかいアマゴがバッシャンバッシャンやってんだろうなぁ…」
 脳内に流れる渓流に豪雨のようなライズリングが広がりはじめた頃、カミさんが帰ってきた。そのとき午後4時前…
  「間に合うんじゃないの?…」


 急いで道具を車に放り込み、寒狭へ向かう
 するとさっきまでカンカン照りだった夏空が、みるみる曇ってきた。そして…『ピシャーッ!ゴンゴロゴローーーーー』
 「ま、新城で雷雨ってことは、寒狭に着く頃には晴れてるだろ」と考え、そのまま北上  


 ちょうど5時頃、目的地に到着。このところ通い詰めてる滝下の淵をのぞいてみるが、ハッチもライズもない

 「ん〜ん、ちょっと早すぎたか?」などと思い、時間つぶしにちょっと下流の堰堤下へ向かってみた



運転中の撮影は違反なのだろうか…



3月18日に釣ったヤツかなぁ…
なんかパーマークが似てるんだよなぁ…

 先日まで、そこはヘドロのたまったきったねーよどみだったのに、今日は実に渓流らしいプールに衣替えしていた

 せっかくのイブニングなので、久しぶりに大きめ(といっても#14くらい)のフライを流す
 しばらくして、フライを軽くつつくように魚が小さく出た
 合わせたい気持ちをグッとこらえ、そのまま流していると…『ズボッ!』
 待ってましたとばかりに大アワセしたロッドが、そのままただただ曲がっていく

 「やべぇ…」この日もってきたのは、自分が持っている竿の中でイチバン細い”フリーストーンXT832”。そのバット径わずか4ミリ…


 実際にはせいぜい2〜3分、ひょっとすると1分程度だったのかもしれないが、感覚的には30分くらいの格闘の末、やっとネットに納まったのは尺!
…と言いたいところだったけど、またまた27センチの幅広アマゴだった

 それにしても…なんでこんなところにいるんだ?

 本命の淵の前に、もうちょっとタメて、その手前のプールを攻めてみる
 自分のテクでは止水部分はお話にならないので、流れ込みのあたりに流してみると…コレがまた1発でヒット!
 先ほどのアマゴほどではないけれども、この竿は例によってとんでもない大アマゴを釣ってる気分を味わわせてくれる


 やがて日が落ちかかり、残された時間もわずか…そこで気楽に車を止めることのできる栗島川の親水公園へ行ってみる
 水量はかなり多く、先月まで溜まっていた藻もキレイに流されたようで一安心。さっそくキャストすると…
15センチほどのアマゴを釣ることができた

 釣るごとにサイズダウンしていく展開に、「このままだと、次は…もうやめとこ」で納竿

 え、「おいおい、肝心の滝下の淵は?」って?
 あー、そういえばちょっと竿だしたよなぁ…うん。なかなかの水量だったよ。マイナスイオンがたっぷりで、実に癒されたねー…なんかさ、心穏やかになったよ…

 1匹も釣れなかったけどな!!!



あ、下手なフライが写っちゃった!

月9日(土)  寒狭川上流


大きく見えるように撮ったんだけどナ。ハハ

 いや、ね、今日は来る予定じゃなかったんデスよ。昼前から用事あるし…
 でもね、友人が誘うもんですからネ、”ちょっとだけ”のつもりで出かけただけなんですよ…

 ということで、そんなにヤル気マンマンではない。でも、一応2時半に家を出て夜明け前に釣り場に到着してみた
 でもって、そんなにたいした釣果を期待してるワケでもない。けど、一応2日前に27センチが釣れたポイント付近に行ったですよ

 さて実釣開始。ところが例のプールも淵もライズは散発…しかしエサ釣りの友人が第一投でヒット!
  「おっ!」「…(-_-メ)」 案の定カワムツ…空模様と同様、2人の間に湿ったどんよりとした空気が流れ出す


 それでもプールから淵へ続く細い流れで、小さなアマゴを数匹キャッチすることができたので、淵を友人にまかせ、下流へ行くことにした

 この川は寒狭の支流の中でイチバン汚い。川底の色はドス黒く、瀬にはなんかヘドロが溜まっている。そして何よりこのニオイが…でも一応釣る

 釣り上がると、ポイントごとに15〜18センチのアマゴが出る…んだけど、フッキングしやがらねー!
 なんか慌てて食いついてきてフライを食いそこねてるような感じなので、多少出た気配があってもすぐには合わせず、ワンテンポ遅らせて手首を返す…なんてコトができないんだなぁ〜
 もう「ぱしゃ」ときた瞬間、一応「ガーーーーッ」と合わせてしまう。おかしいなぁ…なぜだろう…


 この区間でも小さなアマゴを数匹釣り、2日前に27センチの出たプールへ向かう…

 フライ着水…「ボコッ!」 「グイィ!」 「おー!」 「ブチ」 「…」 「シ〜ン」 
 (上記効果音で結果を想像してください…)



これが9月には大きくなる…ハズだ!



雨の副産物

 川から上がる前に、いつもは竿を出さないそのプールの手前の流れを一応探ってみる
 普段は赤茶けたヌメリのある底石が、この日はそれなりにキレイに見えたからでる

 流心で小さな反応があった。もう一回流すと、今度はキレイにフッキングした。15センチほどのイワナだった

 この区間でイワナを釣ったのは初めて。この支流の上流部ではイワナが自然繁殖しているらしいので、それがこの雨で落ちてきたのだろうか?


 ふたたび友人と合流し、2人でしばらく釣り上がったがめぼしい釣果はなかった
 これから転進するにも時間がなく、そのまま納竿


 しかし、同じ人間が同じところを同じフライで攻めてるのに…こんなに釣果が違うとは
 でも、それもまたフライフィッシングの魅力…と一応結論づけておこう…

月23日(土)  寒狭川上流

 「あ〜、随分久しぶりに釣りに来たなぁ…」
 なんて思ってよく考えてみたら、先週末に来てないだけだった
 いよいよ本格的なフライジャンキー…なんてカッコつけてみるが、単にアルツハイマーなだけかもしれない

 さて、例によって昼前までに帰らなくてはならない土曜日。手近でイチバン人の少なそうな当貝津の支流を目指す


 5月以降、寒狭ではココしか来てない気がする小さな支流。さすがに最近は釣り荒れてきたようだ(って、オレが一人で荒らしてる気がしないでもないんだけど…)
 以前27センチのアマゴが釣れたプールではアブラッパヤが群泳している。堰堤のプールの第一級のポイントから出たのは10センチの同じくアブラッパヤ…

 「ま、こんなコトもあるだろうと思ったんだよ。フフフ」
 そして、数年前からフライベストの重石と化していたあるフライボックスを取り出した… 



ナゼか、この淵のアマゴは朱点がほとんどない



淵以外では朱点のキレイなアマゴがでる

 出てきたのは見たこともないような毒々しいカラフルなフライ。それは、数年前に100均で買ってきた5個100円のウェットフライだ

 そう…何度も大物をバラした
滝下の淵で、一子相伝の究極奥義”ドロッパー”を試そうというのだ!

 と、大きく出てしまったが、実のところはドロッパーについて細かいことはよく知らない。きっとティペットの長さや太さ、それにフライについてもいろいろとキマリがあるんだろうけど、昨晩ネットで検索するつもりが寝てしまったから何もわからない。アーハハ

 とりあえず大きなビートルを浮かせ、100均ウェットを沈める。待つこと数秒…ビートルが『ピクッ』と反応した次の瞬間、水しぶきがあがる

 「ガーーーーッ!」「…」

 …気を取り直し、普通にパラダンを結ぶ
 するとワンキャストで15センチほどのアマゴが釣れちゃった。ナンダカナー  

 まだ時間があったので、下流の方にも入ってみる

 それにしても蜘蛛の巣がヒドい。絡まるラインをほどいたり、蜘蛛の巣を避けて無理な姿勢で藪コギしている間に、買ったばかりの偏光グラスをなくしてしまった (TOT)

 それで開き直り、蜘蛛の巣のない開けたところで、肉眼でもフライがよく見える流れの緩いポイントだけを叩く


 すると、『ゴボッ』とフライが消えた。明らかにアマゴとは違う手応え…ネットに収まったのは25センチほどの美しいイワナだった

 すっかり上機嫌で車に戻る。着替えを終え川を見ると、堰堤のプールも、滝下の淵もライズのラの字もなく、静まりかえっていた

 
思えば、この淵じゃドロッパーの他にも、ルースニング、プードルなどいろいろと付け焼き刃を試したなぁ…いやー、イイ勉強になった

 でも、やっぱり慣れないコトはやめた方がいいみたいだ



このサイズ…寒狭では久しぶり!

月28日(木)  木曽川


朝のうちはとりあえず濁りはないけど…

 ここのところ小さな里川で蜘蛛の巣と格闘ばかりしてきたので、「のびのびと竿を振りたい!」という欲望が沸々としてきた
  枝や葦なんかも気にせず、”ビュ〜ン”とラインを飛ばしたい(…ご、5メートルくらい…)…できれば、デカい魚がウジャウジャいるところで…

 そんな白日夢を見せてくれる川へ…で、何故か6月にボーズを食らった西野川へやってきてしまった
 「あのときは天気が悪すぎただけサ。なんか追加放流するって話もあったし…ムフフ」


 午前4時半。お祭り広場の駐車場には車が1台も止まっていない!もちろん川には人っ子一人いない。もうそれだけで心臓がバクバクする『こ、コレは…大変な釣果になっちゃうんじゃねーか?オイ!』

 立ちシ○ンもほどほどに急いで着替え川に下りると、何やら6月とえらく景色が違う。あたりには黄色いビニールテープが張り巡らされ、中州には巨大なショベルカーが…

 なんと、思いっきり川底をほじくって工事をしてやがった
 前回尺をバラしたポイントは跡形もなく消え、直線的でフラットな流れには『立ち入り禁止』の看板が立っていた

 仕方ないので工事区間の下流へ入る
 前回、釣れない間でも姿だけは見えていた尺アマゴは、キレイサッパリ消えていた
 土手を歩いて上流へ向かう
 ここでも全然姿が見えない。時間が悪いのか、増水の影響か(ウデだろ…)、ドライにもニンフにも反応がない…

 それでも釣り上がっていくうちに、マーカーを追いかける魚の姿が見えた
 少し間をおいて、慎重にフライを流れに乗せる…するとマーカーが小さく反応した


 『よっしゃぁーーーーっ!』 ついに西野でアマゴをネットに納めた!しかも、尺があふれる西野では釣ることさえ難しいと思われる”15センチ”だーーーっ!
     ヽ( `Д´)ノ ウワァァァァン



「昨日放流されました」という魚体でした



車に乗ったまま釣りができそうな…

 これで帰ってはズル休みして180`走ってきた甲斐がない。気合いを入れ直し、今度は別の支流に入る

 事前に情報を得ていたその川は、ウットリするほど美しい渓だった
 苔むした渓石と木漏れ日が織りなすコントラストに思わず心を奪われる…「あぁ…これで魚が釣れれば」


 釣れなかった。というか、増水のため釣り上がるのもなかなか困難だったので、途中で疲れてしまい、サッサと上がってしまった

 溜息をつきながら、さっき走ってきた19号を戻る。西野へ向かう交差点にさしかかる…「やる、か」

 今度は西野のすぐ手前の本洞川に入った。「わざわざココまで来てここに入るヤツはいないだろう…」
 甘かった。ここの魚はフライを口にしてから出すまでのスピードが尋常じゃない。まるで志那虎の”スペシャル・ローリング・サンダー”並に運動神経が鍛えられていた

 往復で400`。で、15センチ1匹
 これで寒狭と根羽に集中できるってもんだ

August 暑い…
月10日(水)  根羽川〜平谷川

 「全然車が止まってないな…あ、ここにも誰もいない…」

 豊橋から根羽川漁協管内の小川川へ行くとなると、まず寒狭川の本流を横目に見ながら、続いて同じく寒狭川上流の境川沿いを走り、山を越えて根羽の桧原川、根羽川本流を通過して現地へ行くことになる


 つまり、何カ所もの好ポイントをスルーしていくことになるのだが、いままでにイイ思いをしたポイントが空いているのを見ると、「ココは今なら釣れるぞ、きっと…」などという囁きがどこからともなく聞こえてくる

 しかし、久しぶりの根羽は「やっぱりお気に入りの小川川で…」と思いやってきたのだが…

 「み、水がねぇーーーーっ!!!」

 「少ない」とかいうレベルじゃない。ホントに流れてない
 おかげで普段見ることのできない川の底の地形がよくわかったよ
 次回の参考にさせてもらおうじゃねーか… (-_-メ)



ネットのスキマから出そうだ…(ToT)



養魚場のエサの成せる技?

 下流ならちっとは水があるんじゃないかと思い、根羽の町に近いところに入る
 ま、考えるコトは皆同じで、凄まじい数の足跡が砂地に残されている
 しかし、とりあえず釣りはできそうだったので竿を出してみると、ハヤの猛攻の合間から、
ちょっと派手目な朱点のチビアマゴが何匹が釣れてくれた

 再びポイントを移動しようと、国道沿いの駐車スペースで準備をしていると、軽トラに乗ったオヤジがくわえタバコで運転席からなにやら話しかけてきた

 何を言ってるのかよく聞き取れなかったが、とにかく態度が横柄だったので「はぁ?」とデカい声で聞き返すと「鑑札は!」と一言

 身体をクルっと反転させ、背中にブラ下げてる年券を一瞬だけ見せる。『よく確認したけりゃ降りてこい』という意思表示だ

 しばしの沈黙の後、オヤジの軽は走り去っていった

 この一件ですっかり根羽でのヤル気を無くし、隣の平谷川へ移動した

 実は平谷で本格的に釣りをするのは初めて。漁券屋さんで情報収集するもイマイチ芳しくない様子。なので、とりあえず平谷峠へ向かう国道沿いの川で竿を出してみる

 蜘蛛の巣もなく、開けた気持ちよい渓相だったけど、反応はイマイチ…
 ルースニングに切り替えると、反応はあるものの姿が見えるのは10センチほどのニジマスかアマゴの稚魚だった


 根羽での不愉快な出来事と平谷での不本意な釣果で、すっかり疲れてしまった…おまけに車まで歩いて戻る途中からは雨も降ってきた

 『何なんだよ…まったく…』トボトボと国道を歩いているとき、ふとヒマワリ模様の看板に驚いた

  ”あなたはすばらしい”
 まるで落ち込んでいる自分を慰めてくれてるようで…でも、ちょっと笑ったヨ



何か…哲学的だなぁ…

月19日(金)  根羽川


これならスキマから出られないだろ!

 最近、豊橋の街でも毎日のように夕立。「たぶん、山も同じだろう」と、水量回復を信じて深夜2時に出動した

 めざすは先週漁協のクソオヤジのせいでまともに釣りができなかった根羽川。今日こそ気持ちよく釣りをするんだよ!もしまたあのクソオヤジが来やがったら、スプリットショットを手足にくくり付けてフェザントテールにように小川川に沈めてやるぜ!


 冗談(って書いとかないと『ネットで殺人予告』とか言われそうなので…)はさておき、着いたときにはパラついていた雨も夜明けと同時に止み、やや曇り・無風・ほぼ平水の好コンディション!
 そして、そんなハイな気分をさらに加速させるのは、今日が筆おろしのNEWフライベスト&NEWランディングネットの存在!…なんだけど、ベストはさておき、ネットの方がちょっと…おろせるかな…不安である

 そんな心配をよそに、様子見で入った桧原川でまぁまぁサイズのアマゴをゲット!ネットも無事入魂できたのであった

 そのまま勢いで上流のヤブ沢に入る

 最近は蜘蛛の巣に辟易としていて、広い川原を選んで釣りをしてたりしたんだけど、この日は強気
で突入した

 予想どおりブッシュにつぐブッシュ、蜘蛛の巣につぐ蜘蛛の巣である
 それでもなんとか耐えてそれなりに釣っていたが、小さな堰堤を越えてからは、もはや釣れるのはクモだけとなった

 「さて、そろそろ例のヤツを出すとするか…」

 おもむろに背中のポケットから秘密兵器を取り出す…
 『シュルルルルーーー』
 上州屋で2000円で買った4.5のエサ釣り用の竿だ

 これで目の前の蜘蛛の巣をバッサバッサと取り払う
 キャストできる環境が整ったところで、得意(アハハ…)のショートレンジのフライフィッシング…


 フライが着水するや否や、水しぶきがあがった
 15センチほどのかわいいイワナだった



釣りをしているのではありません
(カーソルあてるとイワナの画像あり)



オレといい勝負の腹のふくらみ…

 さらに勢いで小川川へ行ってみる

 先週入るつもりだった沢も水量が回復していてイイ感じ。去年濁りを発生させたモルタルのカスも流れたようだ

 小さなアマゴを何匹か釣り、上がっていくとなにやら岸の方から声が聞こえる…
 『来やがったか!クソオヤジ!!』と思いきや、道路沿いで野菜とか売ってるオジサンの聴いてるラジオの音だった
(しっかしボリュームでか過ぎ。もしかしたらクマ避け?)

 さらに釣り上がると今度はイワナが出た。そのすぐ後にはデカいアマゴをバラしてしまったけど、その上でまたアマゴが釣れる…

 実に心地よいリズムで魚の反応がある。空を見上げれば、樹木の間からはいつしか青空がのぞいていた

 「あぁ…いい1日だったなぁー」

 ここでやめときゃよかったんだけどね…

 帰り際に上流部をのぞいてみる

 先週川底を晒していた区間も、実に清々しい流れになっている
 「ちょっとだけ…やってみるか」

 浅瀬からは何匹も小さなアマゴが飛び出した
 ちょっとした深みや護岸際からは20センチオーバーも顔を見せてくれた


 「あー、気持ちいいなぁ…」ちょっとだけのつもりが、ついつい上流部の開けた区間までやってきてしまった  

 「さて、いっちょうロングキャストでも…あれ、リールが回転しねぇ…」
 よく見ると、ドラグ調節のノブがとれちゃってた…

  「あ゙ーーーーーっ!!!」・。・゜゜・(≧◯≦)・゜゜・。・

 おい、ウエダ!普通とれるかよ、こんな部品!
  (「普通にとれます」という類のモノならゴメンナサイ…)



だから”オービスのパチ”って言われるんだよ

月31日(水)  根羽川〜寒狭川上流


この時期の根羽のアマゴの朱点は…

 今気づいたが、今月の釣行は全部平日だ。職場の皆様、ご迷惑おかけして恐縮です…

 心にもないコトを書いてしまったが、すっかり寝坊してしまい、根羽に着いたのは午前7時。イチバンおいしい時間帯を逃してしまったが、「今日は平日。なんとかなるでしょ…」と思い、とりあえず県境を越えてすぐの支流に入る

 この季節、ここは上流のリリース禁止の管理釣り場で、『釣れちゃった』ニジマスが”密放流”されるため、夏休み後半になるとデカいニジマスが結構釣れる…ハズだったのだが、釣れない。たまに出てもバラされる

 例によってエサ竿で蜘蛛の巣を蹴散らしつつ釣り上がり、ふと足下を見ると…「あちゃー!」
 真新しい足跡がクッキリと残されていた

 「こんなヤブ沢まできてニゲマス狙ってるんじゃねぇー!」(え、オレのこと?)

 サッサとポイントを移動する

 昨晩、多少雨があったようで、いつもは細々とした流れもなんとかなりそうな水量…とは言っても水深は深いところでも30センチくらいのチャラ瀬が連続する区間なんだけど

 両岸は護岸、すぐ横は国道。おまけにこんな水深なので、エサ釣りやルアーの人はあまり入らないし、雰囲気重視のフライマンも敬遠するこの区間は、自分のもっともお気に入りの”カーティス水路”だ


 まずは稚魚アマゴが総出で大歓迎してくれた。ちょっとした深みでは15センチほどのアマゴがときおり顔を見せてくれる
 そして開けたチャラ瀬の護岸際からは、20センチオーバーが何匹も飛び出した  

 ここの漁協は9月15日で禁漁
 あと何回、ここに立つことができるのか…



こんな浅瀬から…(カーソル当ててね)



自分にとって、寒狭のイワナは特別…

 ふと、最近ご無沙汰の大名倉へ行ってみようと思った

 ほぼ4ヶ月ぶりにやってきた
”FF初体験の川”は、随分と”荒れて”いる感じがした

 白っぽい川底の根羽で釣りをした後のせいか、垢のたっぷりついた黒っぽい川底に妙に違和感を覚える
 そして何より、この人気スポットの下から上まで、車が一台も止まっていないのである

 『貸し切り?だよな…』
 川は確かに貸し切りだったが、魚の方は”品切れ”気味のよう…というか、ただでさえ拙い技術なのに、何かヤル気が沸いてこないんだから釣れるワケがない

 惰性で釣り上がり、脱渓ポイントの前のポイントでフライをピックアップしようとすると…22〜3センチのイワナが食いついていた

 「オレはココにいるよ」
 イワナがそう言って笑ったように見えた

September 宴のあと…
月3日(土)  寒狭川上流

 例によって土曜日は昼までに家に戻らなければならない

 「今週は水曜日にも出掛けたし、どうせ水も無いだろうからなぁ…でも、今月で終わりだしなぁ…一応、準備だけしておいた方がいいかなぁ…」
 そんなコトをグダグダ考えつつ、準備が終わったのは午前2時すぎ
 「今から寝るのもなぁ…」

 ということで、午前4時前には当貝津支流に到着、軽く仮眠をとり夜明けと同時に釣りはじめた

 「なんだ、思ったより水量あるジャン!」
 俄然、ヤル気になりファーストキャスト…さらに2回、3回…出ない。ここはいつも必ず反応があるところ。釣れないまでも追ってくるアマゴの姿が見える楽しいところなのだが、まったく無反応…


 やがて、薄暗かった谷がしだいに明るくなってくるにつれ、渓の惨状が見えてきた


アメリカ人には申し訳ないけど
台風がちょっと待ち遠しい…



サイズの割にいいファイトしてくれました

 ちょっと流れの緩やかなところには、ビッシリと藻が石にからみついていた

 「どーりで、フライがすぐ沈むわけだ…」
 大きめのフライにチェンジして流心を中心に攻めてみる

 すると反応が良くなり、うち何度かは掛かったのだが、水面上空1メートルに枝が被さっているようなところでのサイドキャストのため(←ただの言い訳)、フッキングが甘く、ことごとくバラされてしまう(←たぶん、ウデの問題かと…)


 やっと上空の開けたところまで釣り上がる
 「どりゃぁ〜っ!」
 これまでのウップンをはらすかのような怒濤のロングキャスト(7メートルくらいだったりする)。緊張の一瞬…

 『ポチャ…』

 控えめな出かたでフッキングした20センチほどのアマゴは、ちょっぴり秋の装いだった

 その後もチビアマゴが何匹か釣れ、「そろそろ次のポイントへ…」と思っていたところで、この日イチバンの感触がロッドから伝わってきた

 「お、コレは…イワナかな?」
 寄せてみると妙に黒い。まさか…

 20センチを越えるカワムツだった


 この川では、これまでアマゴ・イワナ以外を釣ったことはほとんどなかったのに、昨年の夏あたりからこうした”外道”が急速に増えてきた気がする
 上流は天然イワナ、下流は稚魚(発眼卵)放流の綺麗なアマゴが釣れるこの支流は、寒狭上流でイチバン好きな川なんだけど…この数年は荒れる一方だ

 堰堤に車を止めてバケツで川に水汲んで洗車し、洗剤をそのまままたバケツで川に洗い流してるオッサン
 河原でキャンプやらバーベキューを満喫し、そのままゴミや燃えカスを放置して帰る若者…  

  こうした連中の出す”波長”が、この川からアマゴやイワナを遠ざけているような気がする



こんな跡が他にも3カ所ほど…

月10日(土)  根羽川


根羽川名物、チビアマゴ

 根羽川漁協の渓流釣り最後の週末。前日には岐阜の一部、その前には浪合と大入川がクローズになったりして、じわじわと”長い冬=禁漁”が近づいていることを実感する。はぁ〜…

 そういうことで、この日の根羽は結構な人出。おまけに台風通過後ということでコンディション回復も見込まれ、夜明けと同時にやってきたのだがそこかしこにすでに釣り人の車が止まっていた

 例によって国道沿いの小川川へやってきた

 水量は普段よりは多めだけど、おそらくコレが平水なんじゃないかと思われる程度。だとすると、「ヨシ!」と普通の釣り師は思うんだろうけど、ちょっと困ってしまった
 だって…普段はチョロチョロと流れてるところに、迷わず”ポト”っとフライを落とせばいいだけなんだけど、これだけ”普通の川”になっちゃうと、ポイントがわからないんだな、コレが!アーハハ

 それでも、ときどきチビアマゴが食いついてきてくるのだが、それすら平気な顔してバラしていきゃぁがる。ちょっと大きめなのになると、鼻先でつつくような出方で、予想外にスレている様子

 「こんなところでも結構釣り人が来てるのかなぁ…」と、自分のことは棚にあげてしみじみ思う


 そうこうしながらも上流部へ釣り上がるにしたがって反応は良くなり、ポツポツとそれなりのサイズも釣れ出したのだが、不思議なことにこれまでグッドサイズの出たポイントでは今日はまったく反応がない

 「昨日あたりにゴッソ抜かれたのか?」
 普段は水深20センチ程度の細川。おそらくは増水したところに魚籠を持ったエサ釣りの人が入ったんじゃないだろうか…などと思っていると、フライがどこかに引っ掛かった  

  最近毛鉤を巻いてないので回収に向かうと、引っ掛かっていたのは草でも枝でもなく、誰かの残していった細いライン(おそらくフライフィッシング用のリーダー)だった



アップで見ると結構コワイ



ちょっとリールを写してみたかっただけです

 さらに釣り上がり、やっと竿を普通に振れるところにやってきた
 しかし小さな花が岸際で群生しているそのポイントでは、スズメ蛾と思われる蛾が大発生していた


 何を隠そう、自分は蛾が大嫌いだ
 この蛾も毒があるのか無いのかなんて知らないし、そもそも蛾のことなんて知りたくもない
 (今も”スズメ蛾”で画像検索しようとして、サムネイルを見ただけで吐き気がしたので”思われる”としか言えない)

 それでも釣欲には勝てず、せっせとキャスト。そしてこの日イチバン(でも18センチくらい)のアマゴが釣れたところで、素早く写真を撮影し、早々に退散した

 帰りの道中、さっきの恐怖を思い出し、喉が乾いたので稲目トンネル前でコーラを買おうと思い、自販機に歩み寄ると…さっき釣ったアマゴといい勝負の大きさ(に見えた)の蛾が自販機に張り付いてやがる!!!

 「ギュゥアァ〜〜〜ッ!!」

月13日(火)  根羽川〜下伊那

 例年、根羽川では渓流釣り最終日の9月15日に釣り納めをしてきた
 しかし昨年のその日、人の多さにウンザリしたことを自分のサイトを見て思い出し(あー、ホームページって便利だな♪)、先手必勝で13日にやってきた


 ポイントはもちろん小川川。ここ1か月くらいの感触では、まだまだ魚は残っているハズ。漁協のオヤジに不愉快な思いをさせられたことも記憶に新しいポイントではあるが、やっぱり最後はココで過ごしたいと思った


 しかしそんなに物事はウマく運ばない
 砂地にくっきりと残る足跡。おそらく前日夕方のものだとは思うけど…いつも必ず反応があるところでもまったく反応がない

 「ヤラれた…か?」
 イヤな予感を感じだした頃には、今年何度か結構なサイズをバラしてた深みまで釣り上がっていた



イワナも健在!



もちろん約束通り、リリースです

 その右岸の護岸際の深みでは、いつも左岸からアップクロスで攻めていたんだけど、いつも最初の一投では様子身に出てくるものの、そこで見切られてオシマイだった

 なので、この日は真後ろからアップストリームでキャストしてみることにした
 ラインが淵尻を叩かないようにカーブキャストでフライを流心際に落とす…1秒…2秒…

 『パシャッ!』

 それほど派手な出方ではなかったけど、ロッドはグイグイ絞り込まれ、何度もエグレの下に入り込まれそうになった

 『ちゃんとリリースしてやっから出てこーい!』

 この心の叫びが聞こえたのか、すーっとランディングネットの方に寄ってきたのは、デカい尾鰭の26センチのアマゴだった

 そのまま気分よく釣り上がる

 少し開けた別荘地の横を過ぎると、谷はにわかに細くなり、およそ釣りをするような渓相ではなくなるが、以前小さなイワナを釣ったことがあり、魚影があることは確認済みなので、勢いでズンズン釣り上がる

 川幅2メートル、水の流れている幅に至っては50センチもないような源流…普段は遠慮しているこの谷も『最後だから許してくれよ…』と言い訳しながらキャスト…すると、小さな飛沫とともにフライが消えた

 「あれ、今、出たのか?」


 引き寄せるラインの先には、しっかりと20センチほどのイワナが食いついていた

 
『魚って、人の考えてることがわかるのか?』
 林道を下りながら、今日の2匹の
不思議な態度に思いを巡らしていると、途中で合流する枝沢が無惨な姿をさらしていた…  

 この惨状を見て、今度は”魚が何を考えているのか”を知りたいと思った



見出しにある”下伊那”ですが…
結果はお察しのとおりなので割愛です

月23日(金・祝)  寒狭川上流


藪ではネットの頭部直撃もありました

 台風が来るやら来ないやらで、どうもこの3連休は天候が読めない…ただ確実にわかっているのは『23日は晴れ』ということ…

 おまけに大方の渓流では最後の週末でもあり、「きっと寒狭なんかにも大勢の釣り師がやってくるだろうなぁ…」との読みのもと、念のため夜明けと同時に人気のない支流にやってきた

 まだ薄暗い中、さらに薄暗いヤブをこぐ…『痛ェーッ!』

 どっかにラインが引っ掛かり、そのせいで毛鉤がフックキーパーから外れ、思いっきり自分の中指を釣っていた

 『よーし!これで”ボ”脱出!しかも6尺近い大物だぁ!』

 虚しい気合いを入れつつ、川へ下りる
 2ヶ月前とはうってかわってすっかり魚影の薄くなっている様子に愕然とする
 「いるんだなぁ…こんな汚い川の魚を持って帰るヤツも…」

 それでも護岸際をしつこく攻めていると、20センチほどのイワナが釣れた
 「おー、まだこのサイズが残ってるのか!」

 気合いを入れ直し、さらに釣り上がると…な、なんと先行者が!
 「あれぇー?どこから入ったんだ?」
 さっきイワナを釣ったところから、ここまでの間には”一カ所”を除いて川へ入るのは結構厳しい。第一、自分が止めたところ以外に車を置く場所なんて”一カ所”を除いてないハズなのに…

 仕方ないので、ちょっと戻って川から上がる
 道路を歩いて自分の車まで戻る間には、やはり他の車なんてなかった

 「やっぱり…仕入れ…か?」


 この区間にあるのは民家が1軒、そして何年か前に”川沿い”に建った食堂が1軒…
 う〜ん、メニューに”塩焼き”があるんだろうか…



塩焼きサイズ…



タイイングも上手なフライマン…手強いゾ

 別の支流に移動するも、ここでも魚影はかなり薄い
 ただ、水量はかなり回復していて、”いかにも”っぽいポイントがとても魅力的に見えた


 「たまには大場所も攻めてみるか…」
 いつもはスルーの淵にキャストしてみると…底石の陰からデカい影がゆっくりと浮上してきた

 「うおぉーーーっ!」
 やってしまった早アワセ…当然のように二度と出なかった

 ちょっと釣り上がると、また別の淵。ここでは以前結構なサイズの魚影を確認しているので、今度は慎重に…


 すると、さっきよりさらにデカい魚影がアタックしてきた!が掛からない…『ま、いいか…あと1週間あるし…必ず…』

 次の大場所ではいきなりラインを枝に絡めてしまった
 グイっと引っ張ると簡単に折れた細い枝には、自分のフライともうひとつ黒いパラシュート、そしてエサ用の鉤とフライフックの残骸…

 あと1週間。どうやらライバルは相当多そうだ

月28日(水)  寒狭川上流

 ホントはね…朝マヅメで来たかったのよ。でもね、さすがに仕事がね…

 イキナリ泣きモードなのだが、それもそのはず。結局昼から出動に予定変更。しかも午前中であがるハズの雨は降り続き、おまけにハラの調子もすごぶる悪い…

 とりあえず、先週金曜日にデカイ影を見た支流へ入るが、まーバレるバレる。思わず『上州屋で25個30円で売ってるケン・クラフトのどデカいカエシの付いた赤だ青だに塗装された誰が見ても売れそうもないフックで巻いた毛鉤で攻めたろかっ!』などと思ってしまう(持ってるんだな、コレが…安いから…)

 ストレスを増幅させながら釣り上がると、そこは金曜日に尺クラスがチェイスしてきた核心ポイント…なのだが!
 「ハ、ハラが…出るっ…う…!!」


 結局、ここではカワムツが1匹釣り、特大のキジさんを1羽撃っただけであった…



ゴミ拾いのお礼?



山の斜面には産廃らしいものも…

 スッキリしたところで別の支流に移動♪。ところが、ここでもバレるバレる…
 最後に小さなアマゴがやっと掛かってくれたが、それさえも写真撮影を拒否してネットを脱出してしまった…


 ところが、ここまでダメだと逆にアキラメもついた
 「さて、最後の”仕事”に行くか…」
 峠を越え、5月に小さなイワナを釣った源流にやってきた

 5月にここに来たとき、イワナがいることに驚くと同時に、こんな源流にまで釣り人のものと思われるゴミが散乱しているのに驚いた
 そこで、シーズンの最後にここのゴミ拾を拾って帰ろうと思ったのだ

 ものの10分ほどで、ポリ袋はタバコの箱やパン・オニギリのパッケージ、そして釣り具の包装などで一杯になった


 ほんの少しキレイになったフィールドで、ちょっとだけ釣りを楽しんだ
 小さいけれど愛嬌たっぷりのイワナが顔をみせてくれた

 心地よい疲労感とともにふもとの集落へ下りていく途中、何やら不自然な場所に見慣れないナンバーの車が並んでいた

 『なんだ?…何かの復旧工事か?』
 片側交互通行の区間で、山の斜面を見て驚いた
 
さっきの谷と、その下流のよく釣りに行く
川との間に大きな堰堤を建造していたのだ

 このとき、ふと思い出すことがあった
 今年の7月頃から、その下流のポイントでさっぱり魚が釣れなくなったこと…自分だけでなく、長くここへ通っている人たちも異口同音に同じようなことを言っていたことを…

 ”川が死んでる”


 これまで細いながらも澄んだ流れがあったところにはヒューム管が埋め込まれ、濁った泥水を吐き出していた

 そして、さっきまでの心地よい疲労感は、やりきれない徒労感にかわっていた






いつからだよ…誰に断ればいいんだよ…(清流公園にて)

 何やら雲行きのあやしい幕切れになってしまいました

 去年の最後にも書いたのですが、今年はいちだんと釣り場の”荒廃”を感じる年でした。特に寒狭川の本流筋(大名倉・本谷・境川方面)は、行くたびにコンディションが悪くなっていくような気がしました
 だから、というわけでもないでしょうが、今年は下伊那や豊根、それに木曽の方にも足を伸ばしましたが、今思えば”寒狭から逃げていた”のかもしれません

 ただ、これまでの経験によると、本流筋と当貝津水系、特に大名倉と栗島川なんかは隔年で好不調が入れ替わるような気がしてるので、来年はまた劇的に大名倉も好転するかもしれませんけど…まぁ、ムリだろうなぁ…アレじゃ

 根羽はイイですよ。今年は最後まで魚が残ってました。でも、次の年の解禁の頃にはもう残ってないんですよね(笑)
 それと、根羽の隣の隣の浪合漁協。当サイトの掲示板でも今年はたびたび話題になりましたが、「でも…漁期短いし…日券買って釣れなかったら移動する先もないし…」なんて思ってたところ、なんと浪合村は阿智村と合併することとなり、そのアオリで浪合漁協も下伊那に編入されるカモ…という情報が入りました
 もし実現したら来年は下伊那は年券だなぁ…となると、13回は行かなくちゃ!(年券10000円、日券800円)
 

 さて、今年も閲覧いただきありがとうございました。特に掲示板に書き込んでいただいたり、メールを頂いたりした皆様、ホントすいません…たいした情報なくて…でも感謝しております

 また、今年はこのサイトのブログ版”taro's magazine side-B”を開いたりしまして、いろんな方と新たに交流することができました
 まわりで渓流釣りをする知人も減ってきていますので、こうした方たちと一緒に釣行したりするのも実に楽しく、何よりホームページやブログのネタに困らないのがイイです

 またぜひネタの提供…いや、お誘いをよろしくお願いいたします!

 それでは、オフシーズンはタックルのコーナーなどを地味に更新していく予定ですが…あまり期待しないでください。では!

Muito Obrigado!

2005,9/28 taro

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