Field Note 2006(part 1) *下へ行くほど最新です

 




はじめの一歩 

 「シーズン最初をどのポイントで過ごすか?」
 普段、釣る場所も対象魚もあまり深く考えない自分の、数少ない”コダワリ”がこれだ

 早春に実績のある本流か、北風に影響されない支流か、昨年悔いを残した淵か…
 それぞれの場所で過ごした日々を思い出し、そしてそこに立つことを思い描いては胸を躍らしてきた

 でもここ数年、寒狭川の解禁では”一番入りたいポイント”を敢えて避けてきた
 シーズンの最初に、荒れてしまった”お気に入りの場所”を見てしまいたくはないから…
 
 今年の春は、寒狭川のあの支流と決めている
 たとえどんな姿になっていても、この目に、胸に、その景色を焼き付けておかなければ…
 今のうちに…


February 「お約束…」
月7日(火)  宇連川(愛知県)

 今年も例によって寒狭中部の解禁には出遅れてしまった

 頼りにしていた(w)男川は来週解禁だというし…
 ということで、今年は2年ぶりに宇連川へやってきた

 前夜の天気予報では、雪が止むと一気に気温が上がり、久しぶりの小春日和とのこと
 解禁日、そして月曜と冷え込んだことを考えると「これは…もしかしたら…ムフ」

 ところが現地はえれぇー寒い。そして、その寒さを一層際だてるのがこの川のメインスポットである板敷のヤナ場の駐車場。午前11時の段階で、止まってる車は自分のHR-V1台のみというあり得ない状況

 そして釣券を買うべく入った店内では、オヤジが新聞見ながら「ふーん、寒狭中部は釣れたんだー」などと口走ってやがった



寒っ…


さらにお寒いっ!

 川はさらに寒々しい

 「あ、岸で休憩してる人が…」と思ったら巨大なカエルのオブジェだった(それも2体)
 水面に浮かぶマーカーをボーっと眺めていると、飯田線の汽笛(?)が寂しげに聞こえてくる…

 どこからともなく、さだまさしの「北の国からのテーマ」が聞こえてきそうな薄ら寒い光景…

 でもって当然のように魚の気配はない
 2年前は釣れないまでもとりあえずアマゴがいることは確認できたポイントであり、わずか3日前には150キロの成魚放流(主催者発表)をしているハズの超一級ポイントなのに…

 しばらくすると、ルアーマンがやってきて…5分で帰っていった
 「だよな…」釣られるようにポイントを変えることにした

 少ないながらも実績のある上流の亀淵川へ移動する…が、以前は尺近いアマゴがライズしていた支流もカワムツの楽園と化していた
 おまけに本流との出会い付近は岸がベットリとヘドロで覆われている。 どうやら久しぶりのまとまった雨があった前日、宇連ダムがヘドロを吐き出したようだ…

 それでもしばらく粘っているうちに、待望の日差しが!
 「これなら板敷のプールでライズしてるんじゃないか?」
 ダッシュでさっきの駐車場の戻ることにした

 そのプールはライズどころか波紋一つ立てず、鏡のように景色を映し出していた…

 しばしその美しい景色を眺めていると…ハラワタが煮えくりかえってきた

  「あー、もう絶対来ねーからなぁーーーー!!」
 (2年前も誓った気がするけど…)



何見てんだ、ゴルァー!
月12日(日)  男川(愛知県)


車も人も皆無の解禁日り♪

 前日は寒狭中部の追加放流日…

 「いっちょシラメでもバシッと決めてやろうか!」などと…一瞬ガラにもないコトを思ったが、直前に入手した情報によるとエラい厳しい状況らしい…

 ということで、昨年同様”待望の(…)”男川の解禁日に望むこととなった

 さすがは解禁日♪河原川には人っ子一人いない
 さらに昨年は何を勘違いしたのか大量動員されていた漁協の監視員も皆無である
 「ついに見捨てたか…」
 小さな漁協のさらにちいさなアマゴ部門。そしてさらにマイナーな支流河原川
 冷静に考えれば、極めて妥当な経営判断かと思われる…が、とりあえず釣り始める。漁券買っちゃったし

 昨年と同じポイントでは結果は目に見えているので、それより50メートルほど下流(w)から釣り始める

 タックルセットは先週宇連川で使い、車に放り込んだままになっていたものをそのまま使う。当然、ティペットもフライもそのまんま

 「これでデカいのが掛かったら間違いなくキレるだろうな…ま、そんな心配は億に一つもないだろうけどな!」

 もともと宇連川のプール用の長い竿とライン…案の定、この幅3メートルほどの雑草生え放題の川ではあっけなくラインを絡めてしまった

 「どうせ釣れないなら…」
 ということで、持ってる中では一番小さい#20ほどのドライに結び換え、真夏の釣りのように適当なポイントを叩いて釣り上がることにした



「これで魚がいれば…」のステキな里川


大きさはこの際不問ということで…

 しばらくすると…「ぴしゃ…」「え、何、今の?」

 もうこんな川では、フライに何かが出ただけで感動する
 しかも、その後同じポイントに何度キャストしても反応がない…
  「待てよ…カワムツなら当然まだ出るハズだよな…それに妙にイイ反応だったし…アマゴだったような気が…」

 頭では『ありえねーっ』と思いつつも、にわかに腰をかがめ、波紋を立てないように静かに歩き出す

 そしてすぐ上の小さな落ち込みで…
 「よーし、!何か掛かった!」

 その魚を手前に引き寄せた時、不覚にも気絶しそうになった…「アマゴじゃん!まじで!!」

 その後も足下を走っていくアマゴを1匹見た
 いやー、男川すげーよ。グレイトリバーだ!なんたって最低3匹”も”アマゴいるんだから!

月23日(木)  寒狭川上流(愛知県)

 日曜日から解禁となった寒狭上流。例によって加藤力三商店で年券を購入しようとしてハタと気づいた
 『あ、顔写真忘れた…』

 日釣券を買うのもシャクだし…などと思っていたら、今日持ってきたフライベストに去年の年券がブラさがっていた
 『しょうがねー…今年もこの写真で行くか…』

 何を隠そう、この5〜6年ずーっとこの写真を使い回している
 その間に深く刻まれたシワ、たるんだほっぺた、キテしまった頭髪…そろそろ現場で年券を確認されたら『他人の券じゃねーか!』と怒られてしまいそうだ…


 そんな心配はさておき、川の様子を見ながら上流へと進む
 すると意外なことに本流・支流とも釣り人の姿がほとんどない

  ”チャンス?釣りきられた?1週間間違えた?…”
 オダギリジョーのCMのように、いろんな邪推が脳裏をめぐった



あの頃のままの渓…


外は春の陽気、水中はまだ冬…

 今日選んだポイントは、フライフィッシングを始めたばかりの頃に毎週のように通っていた区間

 しかし、この数年の水害・渇水、そしてダムの付帯工事の影響で荒れた姿に嫌気がさし、もう何年も入っていなかったところだ

 案の定、川の様子は一変していた
 河原はかつての倍ほどに広がり、あんなに大きかった石もどこかに消えていた。でも…
 流れる水はまさしくあの頃の匂い…いかにも魚のいそうな、独特の匂いがした

 そして、すぐにいいサイズのアマゴがフライに飛び出してきたが、手前の枝にラインを取られ、合わせることができなかった

 その後も出ては逃げられ、掛けてはバラされを繰り返す
 お昼まで釣り上がって釣果ゼロ。

 「ま、楽しめたから満足♪」などと、トリノオリンピックの日本勢のように強がってはみたが…

 釣れればもっと楽しいのは間違いない…ということで、さらに上流のこれまで入ったことのない区間にトライしてみた

 路肩にはところどころ雪がまだ残っていたが、この日の活性の高さを信じてドライフライで勝負するが、なかなか反応がない
 ふと見渡すとあたりで結構な大きさの白っぽい虫(←自分のフライの知識はこの程度です…) が飛んでいた

 「小さなフライも底を尽いたし、いつものフライで行くか…」

 コレが正解だった。とたんにあらゆるポイントから魚が飛び出してきた…が、またもやフッキングしない
 そんなことを何度も繰り返しながら、ついに20センチほどのアマゴをキャッチできたのだった

 河原で遅い昼食を取り、余韻に浸りながら帰る途中、これまで何度も良い思いをしたポイントが土木工事(護岸?)でツブされているのを目の当たりにした
 『これでまた人も魚も減るんだろうなぁ…』

  ”チャンス?”…そんなわきゃぁない…



たまには河原でひと休み…
March 「信じようと、信じまいと…」
月7日(火)  寒狭川上流(愛知県)


見ようによっては伝統的英国スタイルか?

 今日の釣行記を書くにあたり、巨大な葛藤にさいなまされている
 しかし…やはり書かねばなるまい…いつものように”釣り師の言い訳”を…

 さて例によって平日。しかし今日は正規の休みではないので、朝ちょっとだけ会社に顔を出し、『急用でちょっと…』と、いかにも一大事のような顔をして寒狭川へ直行した
 ので、フライベストの下にはワイシャツにネクタイ姿という”どこから見ても不良サラリーマン”という姿での釣行である

 さて、先週の雨で寒狭は結構な増水。こんなときは決まって上流部の支流をめざす
 ところが、いつも車を止める場所は工事車両でいっぱい…どうやら護岸工事の真っ最中らしい
 おまけにこんな格好してるもんだから、工事現場の視察か監督に来た役人と勘違いされる始末…

 そして川へ下りると砂地にクッキリと残るフェルト底の足跡…「あー…堂々と休んで朝イチで来りゃよかった…」

 それでも天気の良い日に誰もいない川での釣りは楽しい。ましてや世間様が仕事に精を出してる平日である。楽しくないハズがない

 そんな余裕と陽気のせいか、15センチほどのアマゴが結構出てくる
 しかも小さな堰堤の脇では3箇所でライズを繰り返しているアマゴが確認できた

 バタバタと水面でもがく茶色の1センチほどの虫(←こういう表現をするたびに自己嫌悪に陥る…)を、口先だけ出して”ズポッ”と捕食するアマゴたち…

 フライボックスをあさり、似たような毛針を探し出して投じたファーストキャストでそのアマゴはヒットした
 続いてその向こうのライズもキャッチ、さらにその向こうには…バラされた

 「これが”マッチング・ザ・ハッチ”ってヤツか?」
 すっかりご機嫌モードとなり、この川だけで上がる予定をあっさり変更。ランチタイムを挟んでさらに上流の支流へ移動することにした



自分のこの川のアベレージ…だと思う


今年は幸先イイ!のか?

 ここまでくるとさすがに水は冷たく感じる。それでもしぶとく流し続けていると、小さなプールで25センチ近いイワナを釣ることができた

 やがて昨年何度も良い思いをしたポイントにやってきた

 雨の後、そして平日…条件は揃っている、がライズはない。とりあえずキャストを繰り返してはみるが出ない…
 あきらめかけたその時、フライの上に石が落ちたようなしぶきが上がった
 反射的に合わせたロッドに伝わるものすごい引き…手前まで寄せて仰天した…「尺アマゴだ!」

 『バレるなよ…』何度も祈りながら、小さなランディングネットに無理やり収めた巨体…さっきのイワナよりも明らかにひとまわり大きな体駆にほれぼれしながらカメラを準備していると…

 「うあ゙ーーーーーーーーーーっ!!!!」
 アマゴはサッサと流れに返っていてしまった…

 でも、冷静に思い出すと27〜8センチくらいだったかもしれない…そう思ってないとやってられないし…

月12日(日)  寒狭川上流(愛知県)

 こんなサイトの過去の釣行日を覚えている人なんざ、まずいないと思うが、結構平日が多かったりする
 たまたま平日が休みになることも多いのだが、もちろん有給で休むこともままある

 そんなときでも、あらかじめ日にちを決めておいて『休みます』ということはほとんどなく、朝起きて、天気予報を見て、外に出て風を確認して、それからおもむろに受話器を持ち「すみません、持病が悪化しまして…」などと電話をするわけである。もちろん持病とは”フライ熱”なワケだが…

 なので、雨が降ることがわかってて釣りに出かけることはほとんどない。ただし、友人なんかと一緒に行く場合には、事前に予定を組み、待ち合わせをして出かけることになるので、”雨天強行”ということになる

 ということで、今シーズン初めての非単独釣行は雨…しかもえれー寒い…

 とまぁ、最初の枠でタラタラと恨み言を言ってる時点で、この日の釣果はもうお分かりと思う…



寒い…雨も、釣果も…


こんなに寒くても、”春”らしい…

 こんな天気だが、前日の放流の残り物狙いの釣り人で本流区間は結構な賑わい。追いやられるように上流へ車を走らせ、二又に分かれるところからそれぞれ左右に釣り上がることにした

 こんな天気、気温でも、もちろんバカの一つ覚えこだわりのドライフライをセットし、キャストするが…出たんだか雨粒が当たったのかもよくわからないくらいの本降りになってきた

 しかも一向に反応がない。出るどころか、生物反応が感じられない
 この時点で相当ヤバい表情をしていたらしく、何年ぶりかに食らった”釣り券チェック”(橋の上から「○○持っとるかやー?」と話しかけられた)の際、一瞬よく聞き取れなかったので呆然とそのオヤジを見つめていたら、『あ…いいよいいよ…』と言って立ち去ってしまった…


 その後もまったく反応がないまま、雨の中黙々とキャストを繰り返すが、小さなフライだと雨が落ちるときの波紋で見えなくなってきたため、あろうことか#12くらいのデカいフライを流してみた

 こんな気候の中、そんなゴージャスな毛鉤で釣れるワケもなく、転進した本流筋でもあえなく玉砕…

 ま、釣れなかった言い訳ついでにひとつ気になった点が…

 この日入った支流には、ある程度釣り上がると源流部に入っていく林道と接する部分がある
 で、その一画に、この細い渓流と林道にはおよそ不似合いなコンクリ舗装がされていて、さらにその片隅には、川までつながる直径30センチくらいの塩ビ管が伸びていた

 初めて見たときは「コレは一体何?」と思ったのだが、おそらく…愛知○水が放流車両を止めて、川に魚を流す用のスライダーなんじゃないかという気がしてた…

 ところが、そのスライダーがこの日は見あたらなくなっていた(気がする)
 そして、かわりに谷に似たようなパイプが転がってた

 でも、これが”釣れなかった理由”だとすると、少し悲しい…



一瞬、ニシキヘビかとオモタ
月19日(日)  寒狭川上流(愛知県)


寒狭ナンバーワン認定!

 今まで土曜日も日曜日も釣り人の数にたいした違いはない、と思っていた
 しかし、諸般の事情で日曜釣行が多い今年になって、土曜日と日曜日では人出、コンディションとも雲泥の差があることを知った

 まー、どこへ行っても人のいること!
 本流、支流、枝沢…ひさしぶりに早朝からやってきたのに、めぼしいポイントはどこも先行者の車で埋まっている…
 『オマエラ!日曜日くらい家族サービスしたらどうだ!』  

 仕方ないので子供の遊び場のような親水公園のようなところで釣り始めたが、まったく反応がない
 それもそのはず。堰堤を越え、土手を見上げると他県ナンバーの車が鎮座していた

 ただちに別の支流へ移動してみたが、増水している本流を避けているのか、ワサワサと釣り人の姿が見える


 こんなときこそ、『寒狭イチ、汚い川』と呼んでいる上流の支流へ行ってみると…

 なんと驚いたことにさっき別の支流にいたオヤジ(with軽トラ、でっかいクーラーボックス搭載)がここに移動してやがった

 千枚通しで”プシュ〜ッ”とやってやりたい気持ちをグッとこらえ、本流方面へUターンする

 たどり着いたのは、昨年旧田口線跡を2日がかりで歩いたときに「ここでも釣れる」と宿の女将さんから聞いた野々瀬川


 『結構雨降ったし…もしかしたら…』
 などと淡い期待を持って川に入ったのだが、まーとにかく汚い。よく行く支流なんて問題にならない汚さだ

 で、当然のようにカワムツ、オイカワの猛攻撃にさらされる。しかも風も強くなってきて、びしょぬれの身体(川でコケた)に寒さがジンジンとしみこみ、あえなく撤収…

 でもねー…1回だけ、銀色の20センチくらいのが出たんだよ
 しかも、すっごい素早くて、それっきり出なかったのよ

 もしかしたら、アレって…



いかにも釣れそう…カワムツが
月25日(土)  名倉川 特別放流区間(愛知県)


オレに恨みでもあるのか!中スポ!

 「sammyさんBILLさんはお昼頃来るって言ってましたから、それまでに全部釣り切っちゃいましょう!ガハハー」

 普通の人がこんな発言をしたら、ベロに付けた人差し指をマユゲに持っていかれてしまうわけだが、この人に言われると「そうですねー、あっはっはー!」と返事をしてしまうから不思議だ…  

 ということで、この日は『輝ける沢の辺で』のライズさんと一緒に名倉川の特別放流区間へやってきた
 なんでもライズさんは14日にウハウハの釣りをしたとのことで、ここ数週間魚の顔を見ていない自分としては渡りに舟のお誘い。すでに金曜日からアタマは釣りモード。『さーて、いよいよ明日だな…』などと思いながら新聞に目を通すと…

 『名倉川、本日と明日放流!』と、あの中日スポーツ釣りコーナーが全面ブチヌキで特集してやがった


 『いや…名倉川の特別区間に限って…まさか…いや、あり得ないだろう…ボー…なんて…』

 さて、朝イチで核心ポイントにやってきたが…魚影がない
 とはいえとりあえずルースニングで淡々と流し始めるが…反応なし。自分だけならさておき、ライズさんまで…
 「ホントに放流したんですかね〜?」などと話してると、漁協の人がやってきた
 「昨日も、今日も、全域にまんべんなく入れとるよ!」
 威勢のいいハナシなのだが、どうも目が泳いでいる
 近くのエサ釣りの人たちに聞いても「こりゃ魚はおらんぞ」と、一様に表情が暗い

 しかたがないので上流へテクテクと歩いていく。会う人会う人、皆「魚が見えん!」と憤慨している…

 結局、特別区間の最上流まで、ただの1匹の魚影すら見ずに上がってきてしまった
 と、そのとき、バケツを持った集団が道路から降りてきた


 キタ━━━(゚∀゚≡(゚∀゚≡゚∀゚)≡゚∀゚)━━━━!!!!!!!
 チョボチョボと放たれた10数匹のアマゴめがけてキャストを繰り返した



思ったより渓相は良いが…


ライズさんは午後も釣りまくったらしい…

 しかし釣れない
 さすがのライズさんはたちまち良い型のアマゴをヒットさせるが、自分の竿だけが一直線のまま…

 そのときBILLさんから電話があった
 「僕とライズさんねー、もう30匹くらい釣っちゃいましたからねー、早く来ないと全部釣っちゃいますよー」(taro)
 「あははー」(BILL)…瞬時にヨタ話と見抜かれたようだ…  

 昼食を取るべくBILLさん、sammyさんの待つところまで戻る途中、また別の漁協の人に聞いてみると…
 「今日はこの区間は放流はしとらんぞ」
 「さっき入れてましたよ。バケツで」
 「はぁ?そうなんか?」…あのなぁ…  

 昼食後、15分ほど釣りをしたところ自分はタイムアップとなり、3人を残して帰路に…


 名倉川でわかったことは、魚のことでも川のことでもなく、”ここの漁協はアテにならない”というコトだけだ

月31日(金)  寒狭川上流(愛知県)

 このサイトからアマゴやイワナの写真が消えてもうどれくらい経ったんだろう…

 こうなると人間いろんなトコロに原因を求めるようになる
 「そういえばこの前ボーズだったときも朝飯は小倉トーストだったな…」とか「ドリカムを聞きながら川に向かうとロクなことがねーな…」とか

 ま、そんなところでゲンをかついだところで何ともならないのは十分承知だが、とりあえず今回はいつもは走らない旧田口線跡のルートで釣り場を目指してみた


 ところが、そうした精神世界での努力をあざ笑うかのように現実世界は厳しい条件で満たされていた

 まずは稲目トンネルを抜けたあたりから、何やら粉のようなモノがフロントガラスをたたくようになった
 「花粉?…いや、ゴミ?…ナンダコリャー雪じゃねーか!」



ノーマルタイヤでビビリまくり…


もはや修行…

 山に入っていくにつれて、さらに状況は過酷になっていく

 路肩…いや、走行ライン以外は積雪、ちょっとした日陰は凍結してやがる。しかもときおり車が大きく揺れるほどの強風だ  

 こんな風では広い本流筋ではハナシにならないので、寒狭でも一番山深い谷を目指し、林道に突入すると…
 道路は一面雪。もう4駆&ABS作動しまくりである  

 そしてやっとの思いで川に下りれば…見事なツララや樹氷が出迎えてくれた  


 この時点で4週連続の『ボ』は覚悟した。が、とりあえず釣る
 雪で何度もコケながらも谷を登っていくが、当然のように反応はない
 30分ほど竿を出したが、木から落ちてきた雪の塊が頭部をヒットするに至り、ようやく正気に戻った

 『場所変えよう』

 段戸の山を挟んだ反対側の水系に移動すると、積雪はほぼ皆無。風もちょっと治まってきたので、先日尺アマゴを撮影前に取り逃がした川へやってきた

 しかし反応は例によってない
 この数週間でかなりの入渓者があったらしく、道路に接した斜面にはこれまで見たことのないほどギッシリと踏み跡が記されていた…

 あの尺アマゴに会えるとは思ってはいないが、それでもやっぱり逃がしたポイントにやってきたときは何度もフライを流してみる


 すると…『ぽちょん』
 15センチほどの綺麗なアマゴが出てくれた!

 慎重にネットを置き、カメラを取り出すまでの時間をメチャクチャ長く感じながら、小さなアマゴを何枚も…ホントに何枚も写真に撮った

 ”釣り”って、やっぱり釣れた方が楽しい



「何枚も撮った割にコレかよ」は言わない約束
April "Re-Start Me Up ! "
4月14日(金)  根羽川(長野県)


注意しても落ちてきたら終わり

 このところ脳内はすっかり先週名古屋で観た”ローリング・ストーンズ”に占領されている

 例年ならこの時期は仕事をしていようが家にいようが、アタマの中で渓流がサラサラと流れ、ときおりライズリングが広がる光景がエンドレスで再生されている頃なのだが…  

 そんなある週末、朝からどうにも偏頭痛がひどい
 仕事をしててもめまいがするので、早退させてもらったのだが…家に戻ると…いや、帰ろうとして原付に乗った瞬間、ピタリと頭痛が止んだ

 『これは…行かなきゃ…』  


 自宅に帰ると大急ぎで準備をし、そのまま4月から解禁となった根羽川へ向かうことにした

 車中、ふと思う…”もしかしたら、コレって…子供なんかが学校行く前になる腹痛とかと同じじゃないのか?”

 このところ”天敵”中日スポーツの釣りコーナーに何度となく特集で取り上げられている根羽川。平日といえども油断はできない
 案の定、愛知県との県境を過ぎてすぐのところからすでに釣り人の車が点在している。その後も随所にこれ見よがしに釣り具メーカーの大きなステッカーを貼った車が止まってる

 年券を購入しようと立ち寄ったお店でも『今日はバカに年券を買いに来る人が多いねぇ!』など言っている…

 この時点で解禁当初によく入る好ポイントを断念し、夏頃によく入る支流の上流を目指すことにした


 すると、このところ続いた雨もさほど影響ないようで、濁りもなくほぼ平水…と言っても、そもそもここらは水深20センチないようなところ

 『雨降ってなかったらどうなってるんだ?』



いかにも根羽川♪


この際、養殖とか放流とかは気にしない

 景気よく刈られた葦のせいか、いつにも増して『こんなところに魚がいるのかよ…』といった風情の漂う里川で、今年も釣りをはじめる

 ところが、最初の2〜3投目であっさりと15センチほどのアマゴが釣れた その後も飽きさせない程度に小さな、いかにも根羽川といったのんきな顔の同サイズのアマゴが何匹か釣れた  

 ふと気がつけば時間は午後4時近く…
 『ヤバイヤバイ…そろそろ帰らなきゃ』  

 イブニングのゴールデンタイムを目前にしながら、家路を急がなければならない  


 何故なら…言ってないんだよ、妻に…釣りに行くってことを…
 昼に家に戻ったときに出掛けてていなかったんで、”コレ幸い”に飛んできたんだから…

 いくらなんでも言えないでしょ、『頭痛がひどくて仕事早退してきたけど、良くなったんで釣りに行ってくる』なんて…

4月15日(土)  寒狭川上流(愛知県)

 金曜日に根羽から帰ってきてPCを見てみると…
 『明日寒狭でもどう?』というお誘いメールが入ってた

 メールの主は”空色ライフ”の洋さん。ほかにも”Step into the river”のBILLさんや、名古屋のフライショップ”DUSK”の店長さんもやってくるとのこと


 ということで、ひさしぶりの2日連続釣行となった

 現地に朝7時集合だったのだが、えらく早起きしてしまい、1時間以上早く着いてしまった
 『ん〜…申し訳ないけど、ちょっとやらせてもらうか…』
 ということで、付近の水量など確認しながら10分ほど竿をだしてみる!

 『いつもならここらあたりにアマゴが付いているはず…』のところに流すと、すぐに小さなアマゴが釣れた

 ウレシイ反面、ちょっと罪悪感に襲われる
 ”どうしよ、これでみんなボーズだったら…”



”釣れるオーラ”漂うBILLさんの後ろ姿!


ここのアマゴは実に元気が(・∀・)イイ!!

 集合場所に戻って程なく、他の3名も到着。とりあえずは2人1組に分かれてそれぞれ近くの別の支流に入ることとなった

 自分はBILLさんと下流の支流へ向かった
 ところがここが結構な増水…一瞬『うわぁ…こりゃダメかもしれないなー』などと思うが、口からはついつい『ココ、絶対出ますよ』などという言葉が出てしまう  

 ところがBILLさん、最初のポイントであっさりアマゴを釣ってしまった 

 同行者が釣れるというのは、見ていてコチラも実に気分がいい。しかし、今度は『一応、自分の地元だしなぁ…ビシィーッ!と決めたいなぁ…』というプレッシャーに襲われる  


 そう…何を隠そう、自分はこのHPやブログでリンクさせてもらってる他のフライフィッシャーの前では、これまでただの1匹たりとも釣ったことのない”幻のフライマン”なのである

 フラットな水面の浅い小さなプール…いつも必ず反応のあるところにパラシュートを流すと…アマゴが口を開けて浮いてくるのが見えた
 実はこのとき、自分のフライから一瞬目を離していたのだが、たぶんコレはフライに出たんだろうと思い合わせると掛かってた(あはは)

 とりあえず、一安心したところでもう一組がいるはずの上流の支流に向かう…するとちょうど2人が釣り上がってくるのが見えた

 洋さんはアマゴをすでにヒットしており、その時点ではまだ釣果のなかった店長さんもすぐにアマゴをゲット。心に余裕のできたところで4人でローテーションしながら小さな渓を釣り上がった

 渓流の常識からするととても不合理なんだけど、大きな水しぶきが上がればみんなで歓声をあげ、釣れればカメラを持って集まったりするのがとても楽しいのである



”行列のできる渓流”



記録、28.5cm(ギネス申請中)

 そろそろお昼…という頃に、この区間の最後のポイントである堰堤下の小さなプールにやってきた

 何を隠そう、ココは先月撮影前に”尺”を逃がしてしまったあのポイント…『ココはねー、出ればデカイですよ』などと講釈をたれてみる  

 まずは洋さんが手前を攻め、続いてBILLさんが攻める…と、銀色の魚体が水面を割った!が、フッキングしなかった… 

 『いやいや、ここにいるのはあんなもんじゃないですよ。店長さん』などと、余計なコトを吹いていたら…店長さんのフライがズポッっと吸い込まれた  


 ふと見ると、店長さんのロッドが大きく弓なりにしなっている…
 『デカい!』一同見守る先に現れたのは、泣き尺の見事なプロポーションのイワナだった

 寄ってたかって写真撮影する中、店長さんだけがカメラを取り出さない

 『電池切れちゃったんですよ』
 最高の幕切れ、最強のオチだった

4月22日(土)  寒狭川上流(愛知県)〜根羽川(長野県)

 寒狭のような都市近郊の河川でも、釣り場が近づくとテレビはもちろんFMラジオすら受信不可能となる
 なので、車中ではもっぱらカーオーディオかナビ画面でDVDなんぞ流しながら道中を過ごすこととなる


 そんな時間を、このところはローリング・ストーンズ・オンリーで過ごしてきたけど、この日はちょっと趣向を変え、RCサクセション(あまり変わってないかも…)を聴きながら釣り場へ向かう

 さて、今日は先週に続いて浜松のFFM”BILLさん”との釣行…
 先週の好感触もまだ指先に残っているせいか、RCの小気味よいリズムで気分もウキウキ!今日も良い釣りになりそうな予感がしてきた頃、曲がバラードに変わる

 ”♪イイことばかりは〜ありゃ〜しない〜〜〜”

 待ち合わせ場所で車を降りると、思った以上に冷え込んでいて、風もヒューヒューと吹いていた…



朝の渓流はいつ見ても清々しい



BILLさん、執念の1匹は…

 イヤな予感にさいなまされながら川を見ているとBILLさん到着。とりあえず挨拶がわりに一言…
 「今日はねー…ボを…覚悟しておいてください…」  

 とりあえずは、解禁当初に入って感触の良かった上流のポイントへ移動する…が、待ち合わせ場所まで1台も見なかった釣り人の車が、このあたりに集中していやがった
 おまけに2人で釣り上がっているとき、ふと後ろを見るとエサ釣りの人が迫ってきていた 

 途中までまったく反応もなく、集中力をキープするのが難しい状況下、そろそろ脱渓点というところあたりでBILLさんに何度か反応があったが、ランディングネットまでがなかなか遠い

 そこで人の少なそうな根羽へ…「渓相は最悪だけどたまに釣れるポイントと、とんでもないブッシュだけどたまに釣れるポイント、どっちがいいですか?」

 根羽は初めてのBILLさんに”究極の選択”を迫る。もちろん魚券購入後に…

 唖然とするBILLさんを「渓相最悪」の方へ案内し、とりあえず釣りはじめるが…これまた実にキビしい
 先行者の痕跡もあり、近くの別の谷に入るが…やはり出ない

 最後のプールでも反応がなく、アキラメ半分で竿を出した脱渓点脇の落ち込みでやっと魚影があった
 自分のパラシュートは早々に見切られたため、BILLさんがCDCで勝負をかける

 そして何度目かのキャスト…キタ━━(・∀・)━━!!

 しかし手前まで来たところでまたもフックが外れる…一瞬止まる時間…しかしフト見ると足下でアマゴがバタついている!
『うわぁ〜〜〜!(×2人)』

 4本の手を伸ばし、アマゴを”つかみ取り”しようとするが…その感触だけを残し、美しいアマゴは流れに帰っていってしまった

 悔しい…ハズなんだけど、大笑いしながら川を上がる
 これもまたフライフィッシングの醍醐味…だよね、BILLさん(無理矢理)
 



「アマゴつかみどり」イメージ図
4月25日(火)  根羽川(長野県)



最近魚の写真が少なかったので、3連発だ!

 日曜出勤の甲斐あって、ひっさしぶり(?)の平日休みを取ることができた
 昨夜の天気予報によると、今日は快晴無風とのこと。まさに土曜のリベンジをしてこい!と言わんばかりのシチュエーションだ
 

 ということで根羽へ向かって走り出すが…どうにも天気がアヤシイ
 「黄砂か?」などとタカをくくっていたら、結構大粒のモノが車のフロントガラスをたたき始めた
 「みぞれじゃねーか!」 

 着替えのため道の駅で外に出ると寒い寒い!しかも風がビュービュー吹いている
 まさかこの時期に、こんなところでみぞれに打たれながら釣りをすることになるとは…

 「やってやろーじゃねーか!」
 気合い一発、上流部の支流に入る…と、みぞれが雪に変わってきた…

 「あぁ…寒狭にしときゃよかった…」(泣)

 当然のように反応はない…が、しばらく釣り上がっていくと川底に25センチほどの魚の影が見えた…

 例によってパラシュートを放り投げるが、その影は微動だにしない…
 ここで土曜日にBILLさんがこういう局面で魚を出してた”CDC”のフライに結び換えてみた

 すると…”バシャ!”「あれぇーっ?」

 その影の主ではなく、護岸際から別のアマゴが飛び出したのだ
 なにはともあれウレシイ1匹。ソイツをリリース後さっきの影を確認すると…ただの黒い石だった…

 気がつくと雪は止み、太陽も顔を出してきたようで、魚の反応もにわかに良くなってきた
 いつものパラシュートの在庫が底をついたため、大昔に巻いたワケわらないパターンのフライを使うが、このあたり特有の色白なアマゴ、ぷっくりとお腹の出たアマゴなど、どれもそれほど大きいわけではないけど、大いに楽しませてくれた



ふと親近感を感じるお腹の具合…



大丈夫なのか…

 やがて、ブッシュがだんだんキツくなりはじめる
 しかしあと1ヶ月もすると、生い茂る草木と蜘蛛の巣でほとんど釣りにならない区間…『今のうちに…』とばかりにボウ・アンド・アロウ(?)も交えながら釣り上がる  

 そのとき、今日イチのサイズの魚体がフライをチェイスしてくるのが見えた
 そこでもう一度、フライパッチから外したCDCパターンをティペットに結び、慎重にさっきのポイントにフライを送り込むと、1発で水しぶきがあがった

 しかし、手前まで寄せ、ネットに入れようとして”あっ”と声を出してしまった

 そのアマゴの背中から体側のあたりには、小さな白点がいくつもついていた
 それは、このあたりに棲むイワナの
白班…というよりも、金魚や熱帯魚が罹る”白点病”のそれにそっくりだったからだ

 この付近の水源になっている谷で、何が起きているのだろう…

4月30日(日)  寒狭川上流(愛知県)

 世間は”GW”らしい

 勤務先では『年中ゴールデンウィーク』と陰口をたたかれている自分は、逆にこの時期はナンダカンダで結構忙しい…なんていう日頃のズル休みの言い訳はさておき、せっかくポッカリと1日ヒマができたので、安・近・短の寒狭へ行くことにした

 まぁ好ポイントは当然のように大混雑が予想されるので、支流のそのまた上流部へ深夜便で出動。夜明けと同時に入敬する

 いつもなら、釣れないまでも何匹かはライズしている堰堤上の浅いプール…ところがこの日はまったく魚影がない
 落ち込み付近で10センチ未満の何らかの魚(笑)が出たが、当然フッキングしない

 その後もときどき思い出したようにドチビが反応してくるものの、一度も掛からない

 イヤな予感がしてきた…



雨はそれなりに降ってるハズだが…



さすがにコレはちょっと…

 古い堰堤を越え、比較的浅い流れが続く区間…ここからが本番!のハズなのだが、例によって10センチを余裕で下回る何らかの魚が毛鉤をつつくだけ…
 たまに見える大物(この場合15センチほどを言う)は、何を流そうが見向きもしない  

 ここで見切りをつけ、下流部に戻る…が、ここへきて徹夜明け@暴飲暴食の身体が悲鳴をあげる…”ギュルゥ〜…ギ…ギリィ〜”
 それでもなんとか気を紛らわせながら川に入るが、かつて見たこともないほど藻が大発生。しかも川鵜が何匹も”ライズ待ち”してやがる

 以前何度か大物(先に同じ)を釣ったあたりで無反応だった時点で、水の冷たさが下腹部に達しギブアップ…早々に家路につくことに…

 川のほとりに立つ仮設トイレはあるが、中の状況が容易に想像できるボロさだったため、さすがに遠慮して自宅までなんとかガマンした

 それにしても、あの仮設トイレは何のためにあるんだろう?

May 「感涙…」
5月6日(土)  木曽川 西野川C&Rエリア (長野県)

 お祭り広場の屋根下のベンチでのフテ寝から1年…

 いや、よくよく思い出してみたら、あの後も1度出かけていた

 というように、本能的に”無かったコト”にしてしまっている西野川に、性懲りもなくまたまたやってきてしまった…

 今回は4日前に『下見』と称して例によってウハウハの釣りを満喫したライズさんの他に、ブログ版taro's magazineの方でリンクさせていただいている”一から出直し修業的毛鉤釣”のgodzillaさん、今回初めてお会いする、人気ブログ”terry's FlyFishing Bar”のterryさん、そして釣りにもグルメにもめっぽう明るい”釣り三昧 猫三昧”のねねこさんと、これらのブログの常連でもあるドイザラスさんの総勢6名のメンバーで現地集合である

 さて、深夜の高速道路&19号線をぶっ飛ばすこと2時間半。あのベンチ前に着いたのは待ち合わせ時間の2時間前の朝5時だった…



こんな大物も泳いでたりする



両手で魚を持てる幸せ!

 『う〜ん…やっちゃおう…』  

 さすがに西野で抜け駆けするのは気が引けたので、昨年7月に来たときに反応の良かった
本洞川に入るが、これが何ともよろしくない

 結局30分ほどで切り上げ、西野の駐車場に戻るとすでに川にはルアーマンや鮎竿のような長い竿(本流竿ってヤツか?)を立ててる釣り人など、何人もがすでに入渓している

 軽く焦りつつ、朝ご飯を食べながら彼らの釣りを見学するが、どうにも釣れている雰囲気はない…

 頭の中で『今年もアレな結果だったら…またベンチで寝てる写真かぁ?』などと、すでに”ボ”対策を考え始めていたら、godzillaさん、terryさん、ドイザラスさんが到着
 程なく今回の主催者ライズさんとねねこさんも到着。期せずして”ライトスタッフ・ミーティング”の様相を呈するそれぞれのタックルなどを拝見しながら、3人ずつ2組に分かれ上流・下流それぞれのポイントへ向かうこととなった

 下流のプールへ向かったのはライズさん、ねねこさんと自分

 が、釣れなかった間でも昨年あれだけ”見えた”デカい魚影が、今年はなかなか確認できない
 とりあえず下から釣り上がろうとしたところをライズさんに呼び止められる…『ここの方が絶対釣れますから!』

 この人に言われるとそんな気になるのが不思議なところ。よくよく水中に目をこらすと…『おった!』(三河弁)
 尺はあるだろ、というような魚体が何度か確認できた

 さっそくこの日のために巻いたスペシャスフライ”エクステンドあかむしくん”を実戦投入する
 流すこと数回…いつもより小さめにセットしたマーカーが不自然に”ピク”と動いた

 グイとロッドを会わせると、水中でギラリと光る銀色の魚体…「デケェーっ!」

 至福のファイトが始まった



尺連発のライズさん、
(・∀・)ニヤニヤ



イワナの尺は珍しい!…らしい

 何しろこんなサイズのアマゴを、こんな広い(笑)川で釣った経験はない。うろたえる自分を見るに見かねたライズさんがネットでキャッチし、32センチの幅広アマゴを無事撮影できたのだが…
 そのネットは当然ライズさんのあの”オサキチネット”なのだ  

 『マズイ…これじゃ写真だけ撮らせてもらったみたいじゃん…』
 しかもライズさんは、今しがた自分が釣ったのとほとんど同サイズのアマゴをサクっと釣ってしまった

 そんなコトを考えていたら…神の助けか、大きなイワナがヒット!今度は無事自分のネットでランディングを完了。そしてドキドキの計測…「31センチ!」


 もう盆と正月、それにクリスマスと初○が一度にやってきたくらいの赤飯モノのめでたさだ

 そのころ、ライズさんは37、38センチとさらにボルテージUP!惜しい合わせ切れに悶絶するねねこさんに『場所取っておいてね』と非情な命令を下し、昼休みに向かうのであった

 去年フテ寝をしてたベンチで上流組と合流し、今年は大笑いしながら昼食を楽しむ
 釣りのコトはもちろん、ブログのこと、写真のこと、有名フライフィッシャーの裏エピソードなど、こうして直接会ってお話するからこその楽しみを満喫し、午後は上流下流を入れ替えてポイントへ向かった

 しばらく反応がかなったけど、プールをあきらめて瀬の脇あたりの筋を流してみると、今度はスパーンとマーカーが動いた
 美しく、大きなアマゴを浅瀬まで誘導し、ネットに手をやろうとした瞬間、バレてしまった…


 さらにすぐ上の瀬で、今度もマーカーが大きく動いた
 さっきとは違う手応え…慎重にネットに誘導しランディングしたのは、午前中とは明らかに見栄えの違うイワナ…

 『ヤマトじゃないのか?』
 白班のほとんどないグレーがかった魚体に浮かび上がる橙点…その姿は、雄々しい御岳の麓を流れるこの川にふさわしく、神秘的で力強い姿に見えた



もしかして…!
5月12日(金) 寒狭川上流 (愛知県)



上流の採石場が排水しやがったのか?

 雨、雨…今週はずーっと雨だ。でもってこの先も当分晴れ間はないらしい
  ところが、すっかり日も長くなった週末、仕事を終えると結構良い天気。『今日行っておかないと…』

 そんな強迫観念に駆られてやってきたには、昨年何度かイブニングで尺アマゴに挑んだプール
 ところが、かつて見たこともない色に濁っている
 普通の釣り師には”笹濁り”とか言って絶好のコンディションらしいのだが、自分のように小さな毛鉤を使う者にはコレは致命傷である


 『ドライで行くか、それとも…』
 悩んだ結果、先日西野川で反応の良かった”エクステンドあかむしくん”のルースニングで攻めることにした。が…

 まーったく反応がない。しかも周りでは普段使う毛鉤のサイズの虫がブンブン飛んでやがる
 今更ながらドライに変更してみるが、結果は同じだったので、下流に場所を移すことにした

 ここでもやっぱり西野の感触が忘れられず、懲りずにルースニングで釣り上がるが、珍しいほど無反応なまま…
 『どうせ釣れないなら…』と、久しぶりに#14くらいのパラシュートをキャストしてみると、ナンと1発でグッドサイズのイワナが出た
 『どーんなもんだい!』と余裕をカマしてランディングしようとしたところで痛恨のバラし…
 ”最初で最後の1匹だと思って慎重に”という、先日の西野でのライズさんの言葉がよみがえる


 これをキッカケ(?)に、その上でさらにデカいアマゴを、その先のプールで同サイズの魚、さらに脱渓点のプールではさらにデカい魚と、4連続でバラしてタイムアップとなった

 『ま、当分雨らしいし、しばらく残ってるだろうから、また今度…』
 そう思いながら家路に着いたのだが…

 2日後の日曜は実にサワヤカで良い天気だった。あ〜あ…



雨降れ!オレが行かない日は
5月18日(木) 寒狭川上流 (愛知県)



ただただ静かな流れ…

 最近、朝から晩まで、平日にじっくりと釣り歩く…というのをやっていなかったが、この日は久しぶりに早朝出のイブニングまで下伊那で『これでもか!』と釣りをするハズだったのだが…

 諸般に事情により、ほんの1時間ほど渓に立つことになった
 こうなってしまった以上、行く場所はアソコしかない。そう、先週4連続バラシをやってしまった例の支流である


 心配していた濁りも消えており、普段はチョロチョロと貧弱なこの谷も理想的な増水具合…
 『ま、先週バレたうちの1匹でも釣れてくれりゃ…』と、控えめなのか自信過剰なのかよくわからないコト考えながら釣り始めた。が…

 一応ハッチしてる虫に合わせたつもりのフライは、一度も波紋を立てないまま、あらゆるポイントでただただ流れ続けるのだった…

 ふと、前方で人影そして激しい機械音が聞こえた
 『先行者?じゃないよな…』 近づいてみて愕然、地元のおばちゃんが草刈り機で土手の雑草をガリガリと刈っていたのだ


 『どうりで歩きやすかったワケだ…』
 これだけ派手に水際でガリガリやってたら、そりゃ魚も警戒するだろう…
 でも、コッチがヨソ者、おばちゃんに罪はない。なのでにっこり笑って会釈しながら上流へポイントを移動した

 そろそろタイムアップの時間。しかし、さっきの件でなんとなく力が抜けたまま、何気なく浅瀬にキャストすると…

 ”ぱしゃ!”

 小さいながらも小気味よいアマゴらしい引きがロッドを通じて伝わってきた

 短い時間、たった1回のスプラッシュ、そして小さなアマゴ…
 でも、なぜか実に気持ちよく納竿できたのだった



(自分としては)そんなに小さくもないカナ?
5月27日(土)  木曽川 西野川C&Rエリア (長野県)



NEWネットはネーム入り!

 『魚のサイズじゃないですよ、釣りの楽しさは』

 などと、ココの掲示板やブログでは大人なコメントを書いてはいるものの、 やっぱりデカさは大きな魅力…

 そんなワケで今回も『輝ける沢の辺で』のライズさん企画の西野川オフに一番乗りでやってきてしまった
 前回、念願の尺アマゴに尺イワナ、しかも良型ヤマトイワナまで釣れてしまったのだから、今回も激しく期待していたんだけど…


 朝イチで橋の上から様子を見ていると漁協のオヤジが話しかけていた
 「今日は人も少ないけど、魚も全然見えんのー」

 よもや漁協のオヤジに思いっきり出鼻をくじかれるとは…
 しかし、それでは悲しすぎるので一応反論してみる
 「さっき見えましたよ。この下の淵で大きいのが」
 「ホントか?ホントにおったか?」

 どうやら、本当に魚は少なそうだ…

 駐車場に戻り、準備を済ませたところでライズさん到着。どうやら他の仲間たちは少し遅れてやってくるとのことなので、その前にさっきのプールの魚を釣っちゃうことにした

 ”ポッチョン…”
 例によってエクステンドあかむしくんを投じること数分…
 ”グ、グィ〜ン”
 この日のロッド『フリーストーンXT』が気持ちよいベンドを描いて震えた

 今回もライズさんが準備している間の”鬼の居ぬ間のナントヤラ…”で釣らせてもらった1匹は、尺には及ばなかったもののパーマークもヒレもキレイな美人アマゴ

 「やりましたねぇ!」とのライズさんのお言葉に「いやー、ま小物ですけどねー」などと言い放ってみた

 ま、内心はめちゃくちゃ嬉しかったりするのだが、正直なところ『ホッとした』という感覚…

 25センチを超えるようなアマゴを釣ってこの気分…これがライズさん言うところの”西野病”か?



フライは見なかったことにしてください



FFMたる者、これくらい気合いを入れなければ!

 ところが後が続かない

 「あ、また釣れた!」「こっちでも釣れた!」「今度は本当にデカい!」5メートル横でヒットを連発するライズさんを尻目に、フリーストーンは完全に沈黙してしまった

 浜松からの3人が到着したのに合わせ上流へ移動してみるが、人も多く状況は変わらない

 『何だ原因は…やっぱりアレか?』
 ロッドをライトスタッフの#3の8’10にチェンジして(笑)、このころ到着した名古屋組の2人が入っているというプールへ向かった

 かくして7人でこのプールで竿を出すことになった
 すると…ちょうど橋の下あたりに40センチはあろうというアマゴが定位しているのがはっきり見える

 みんなで代わる代わる攻めるがヒットには至らず、ランチタイムへ突入したのだった

 こうした集まりのお楽しみである、ライズさん、godzillaさんの”ダブルツッコミ”によるトークを今回も満喫。充分に鋭気を養ったところで午後の部開始となったが…自分は都合によりこの後家路に…

 そして、あの”40センチ”は、sammyさんがドライでキャッチしたとのこと。他の皆さんも結果を出されたようで…ウレシイような、正直悲しいような…

 『今度は絶対イブニングまでヤルぞ!』

 ====== この日の”愉快な仲間たち” =====

☆ライズさん『輝ける沢の辺で

☆洋さん『空色ライフ

☆MSさん

☆sammyさん『大好き!管理釣り場

☆godzllaさん『一から出直し修行的毛鉤釣

☆BILLさん『Step into the river



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Field Note
 
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