Field Note 2006(part 2) *下へ行くほど最新です

 



The river runs , through …

 気がつけば、この川にもうかれこれ10数年通っている

 毎週のように同じ道を走り、毎シーズン何度も同じところに車を止め、何度も斜面を降りたり登ったり…

 だけど、いつも釣れるとは限らない

 まる1日川歩きをしただけだったり、ときにはびしょ濡れになりながら竿を振っていただけの1日だったり…

 でも、翌週にはまた懲りずにやって来る
 いつもと同じ川…だけど、その流れが見えただけでまたワクワクしてくる

 そう、この流れがある限り… この流れがありさえすれば…


June 「スッタモンダ…」
6月1日(金)  下伊那漁協(長野県)+α



もう一雨欲しいところ

 「やべぇー!!」

 ガソリン残量があまり無いことに気づいたのは、新城の街を抜けたあたりだった。そのとき深夜3時前…

 『しょーがねー…スタンドが開く時間まで根羽で1ラウンドやって、それから下伊那に向かうとするか…あ、あれぇ!?』
 先日と違うベストを持ってきたため、根羽の年券を忘れていた…

 『日券買うのもシャク…イチかバチか24時間営業のスタンドがありそうな飯田インターを目指して、途中で止まったらJAFでも呼ぶか…わ、わーーーーっ!!!』
 携帯電話の電源が切れていた…


 エアコンを切り、細心のアクセルワークで夜の153号線を走り、心なしかエンジンの吹けがアヤしくなってきた頃に、ようやくスタンドを発見、無事給油

 すでに1日分の神経を使ったようにヘロヘロだ…

 そうしてたどり着いたのは、去年も何回かやってきた里川。とりあえず去年反応の良かったあたりに入ると…
 『パシャッ!』
 いきなりまぁまぁのサイズのアマゴが”見えた”が、フッキングしなかった

 次もすぐに来た
 今度はシッカリと掛かり、手前まで寄せると22〜3センチほどの美しいアマゴ…が、その直後にバレてしまった…

 それでもまたすぐにヒットした
 今度はさらにサイズアップしたアマゴ!足下まで強引に寄せ、ネットに手をやると…またバレてしまった…

 もうその後も大変である
 何と10匹以上のアマゴをバラし続けてしまったのだ
 『どーせバレるんだったら、峠超えて西野でも行ったろか…』

 そう思い始めた頃、 やっと1匹、2匹と釣れ出した
 サイズは…西野の半分ほどのヤツだけど、うれしさは同じくらいだった



やっとの思いで手にした1匹・・・



いくら自分でも、この川はちょっと…

 次に、知人から『(・∀・)イイ!』と聞いていたその近くの川へ向かう

 ナビがなければたどり着けそうもないようなトコロを流れているその川は、一見すると…『これは…ただの用水じゃないのか?』というような狭く、浅く、そして汚い流れ…

 『でも…こういうところが穴場だったりするんだよナ!』と自分に言い聞かせ、キャストしてみるが…珍しいくらい生き物の姿がない
 しまいにゃ田植えしてた地元のおばさんが、わざわざ手を休めて物珍しそうに見学に来やがった


 道行く車も、この豊かな自然と広大な渓流釣りフィールドに恵まれた下伊那で、どう見ても”ただの水路”に立ち込むフル装備のフライフィッシャーが珍しくて仕方ないらしく、速度を落としてコッチを見ながら走っている…

 ということで、10分でこの川から上がり、さらに別の支流へ移動。そこで何匹かの稚魚アマゴを釣り、下伊那から退散することに…

 そしてやってきたのは某漁協管内の某支流
 何故こうしてボカした書き方をするのか?という理由は聞かないでほしい(笑)

 やっぱりココはいい
 思ったとおりの場所から、アマゴが次々と飛び出してくる

 おまけに稚魚放流をしたらしく、とりあえずパーマークのついた魚が目の前で泳いでいるのがいたるところで確認できる。これだけで精神的にとても良い

 しかも、この日ここで釣れたアマゴの何匹かは、掛かった後に水面から何度もジャンプするというニジマスばりのファイトを見せてくれた

 この日一番のサイズのアマゴの撮影を終え、カメラを持って立ち上がろうとしたときだった… 『ベキ…』

 ロッドの上に手を置き、体重をかけてしまったのだ
 大あわてでロッドをチェックする。 とりあえず折れてはいない様子だけど…

 最後までスッタモンダの1日だった



この後に思わぬ悲劇(?)が!
6月12日(月)  寒狭川上流(愛知県)



ここまでやる必要があるんかい…

 こう日が長いと『さぁ、イブニングへ行ってこいや』と言われているような気がする

 そんなささやきにアッサリと従い、仕事を早々に切り上げ、またまた近場の寒狭へやってきた

 週末あたりに結構な雨が降ったハズ。きっと川もさぞリフレッシュされて…などと期待していたが、いつも澄んだ流れに支流はなぜか泥濁り、その上流も水垢が腐臭を放っている始末だった

 とはいえ平日。1匹くらいは釣れるだろうと思い竿を出す
 が、放流されたばかりのような稚魚までもがフライを”チラ”と見てUターンしていく
 さすがにアタマに来たので、サイズを#22くらいまで落とし、チビといえども容赦
しない釣りをしてみるが、それでも出ない

 『きっと先行者がいたんだろう。平日の昼間っから仕事サボッてるような先行者がなっ!』と、自分に言ってみて言い聞かせ、別の支流を目指した

 ポイントがいいのか、日が傾いてきたせいか、多少反応が良くなってきた
 しかし、入渓してすぐに掛かったグッドサイズのアマゴをバラすと、にわかにイヤなムードが漂いだす…

 出ても合わない、掛けてもバレる、寄せては逃げられるの”負けパターン”である(最近はこんなコトばっかり書いてる気がする…)

 そしてやってきた魚止めの滝
 フライをCDCパターンに替えて深呼吸。過去に何度も尺と思われるイワナがライズしていたのを見たことがある筋に入魂のプレゼンテーション…

 ”パシャ”

 もう水しぶきが上がっただけで、猛烈に合わせてしまった
 しかし、ロッドに伝わってくる手応えから、それがこの川のアベレージサイズのアマゴであることはすぐにわかった

 そしてランディングしてみると、大合わせしたせいか口元のキズから流れる痛々しい出血…

 イブニングをやる気には到底なれなかった…



後味イクナイ
July 「リハビリ」
7月6日(木)  根羽川(長野県)

 もう、ほとんど1か月ぶりくらいの渓流…

 あんまり久しぶりなんで、”フライフィッシングには何が必要か?”というコトまで忘れてしまったらしい… 

 「あ゙ーーーー!ランディングネットが付いてねぇ!」

 前回使ったそのままのベストを持ってきたのだが、ネットを外しておいたのをすっかり忘れていた
 『まぁ…どうせ釣れないかもしれないし…でも、デカいの釣れたら困るし…』などと考え、結局根羽のスーパーで”虫取り網”(金300円也)を購入、柄の部分をボッキリ折って使うコトにした  

 『ま…遠目にはアユ用の手網とかわんないだろ』と自分に言い聞かせながらも…「せっかく渓流用なんだから…」と、フレームの部分をひん曲げて”カーブネット”にしてみた。あはは



サマになってねぇー!



こんなチビは久しぶりに掛かった。アハハ

 さて、お気に入りのポイントに到着。来る途中に見た寒狭川は濁流大増水だったけど、根羽は予想やや増水程度。期待に胸躍らせてキャストを繰り返すが全く反応がない

 原因はすぐにわかった

 しばらく来ない間に伸び放題となった葦や雑草…そして、そこにクッキリと記された踏み跡…

 普段は足首あたりまでしか水深のないようなところがほとんどのこの支流。しかし、このところの雨で結構良さげな渓相となっており、エサやルアーの人も充分竿を出せる状況になっている


 やがていつも必ず反応のある小さなプールにやってきた
 『ココで出なかったらポイント変えよう』と思いつつキャスト…するといかにも大物がいそうな筋からフライめがけて悠然と浮上し、まるで尺モノのようにバックリと食いつく”異様に小さな”魚影が…
 あっけにとられながらも合わせてみると、今シーズン最小のチビアマゴだった

 釣れたけどポイントを変えることにした

 別の支流のさらに枝沢に入る

 ファーストキャストが着水する前にアマゴがフライめがけて”飛んで”きた
 フッキングはしなかったが、その後もポイントごとに反応がある

 やがてヒットしたのはこの川では久しぶりのイワナだった
 新品のカーブネットを取り出し…と、コレがなかなか手に取れない。フレームが柔らかすぎて、引っ張ってもベルトから外れないのである
 『うわぁ…バレるぅーーー…早く…エイッ!』

 やっとの思いで背中から引きずり出したとき、”300円のカーブネット”は”広げる前のインスタネット”のようにあらぬ形になっていた…

 それでもなんとかイワナを無事キャッチできた

 しかしその後何匹かヒットしたアマゴもすべて10センチ前後…ネットの活躍の機会はもうなかった

 ま、あのイワナもネット使うまでもないような…なんてコトは考えないことにしよう



虫取り網の中で何を思う…
7月23日(日)  寒狭上流(愛知県)



薄暗いのでボケてます

 今、一瞬自分の脳内で血管が切れたかと思った
 何度”寒狭上流”とタイピングしても、”寒狭じょぇりゅぇ”と変換されるのである
 『ついにアタマがいかれたのか…』そう思い、念のため再起動してみたら何事もなかったように”寒狭上流”になった。さて、さっきのは何だったのか…

 さて、全国的に水害のニュースが取り上げられる中、バチ当たりにも久しぶりに釣りに出かけてみた

 『こんな大増水って分かり切ってるときに釣りに行くヤツはそんなにいないだろ』

 そんなことを思いながら、稲目トンネルを抜け川の様子を確認すると…

 いるわいるわ…何と”天敵”中日スポーツ杯のアユ釣り大会の真っ盛りだった
 あきらかにヤバい水量の中、腰まで立ち込んでいる人や、どう考えても”帰ってこれなさそうな”対岸にいる人…


 恐るべしは釣り師である…

 コレを見て行き先を変更。(おそらくアマゴ釣り師がエスケープしてそうな)いつも入る支流ではなく、源流部を目指すことにした

 深い森の中を縫う細い流れに2週間前から付けっぱなしの大きめのフライを投じると、ファーストキャストで15センチほどのイワナが飛び出した

 ここは不思議な川で、車を止める真横あたりがイチバン魚影が濃い。で釣り上がるごとにサイズは小さくなっていくのである(あくまで自分の数少ない経験だけど)

 おそらく寒狭では数少ない原生林の中を流れる神秘的な谷なので、いかにも人の入りそうな区間をみんなスッ飛ばして、サッサと上流へ向かうんじゃないだろうか?と思う

 ということで、入渓点の浅いプールでたっぷりと粘った後、蜘蛛の巣の張り巡らされている上流部へ突入した



ここではこのサイズが中心…だと思う



またボケた(フラッシュ使えよ!)

 案の定、ときどき釣れるイワナも10センチちょっとのものが中心となってきた
 それでも『まだまだいるんだなぁ…』と嬉しくなってしまう

 嬉しくなったついでにフライも大胆なパターンにチェンジしてみる
 もう何年も使っていなかったエルクヘア・カディス、シャレで巻いてみたフォーム・カメムシ…どれも『たぶん…使わないだろうなぁ』と思っていた”フライボックスの肥やし”である

 ところが、コレが大当たりだった
 特に毒々しいライムグリーンのフォーム・カメムシは、この谷では見たこともないようなサイズを何度もフッキングさせた(…けどバレた)

 エルクにもチビからグッドサイズまで、コンスタントに反応があった(…でもバレっぱなし)


 はたして、コレは”ヒットパターン”なのか、それとも”悪天候時のスペシャルフライ”なのか?

 また試しに行きたいけど、あそこはあんまり荒らしたくないし…う〜ん

7月26日(水)  寒狭上流(愛知県)

 『うーん、そうだなぁ…もう増水はしてないと思うけどねー…。そうそう、もうウェーダーとか準備できてるの?あー、そう。いいよ。じゃー…ガソリン入れてから1時に迎えに行くから。じゃ、また後で』
 そう言って電話を切り、50センチ離れたところにいる上司に告げる

 「すみません、体調が良くないので午後から休みます」

 この1〜2週間、やたらと降りまくった雨と増水が一段落したはずの寒狭川へ、中2日で友人とやってきた
 さすがに平日、しかも昼過ぎ。アユ釣りの区間を過ぎると人気の支流も釣り人の車はまったくない
 はやる気持ちを抑えきれないまま、急いで準備をしていて気がついた

 『うぁー、またランディングネット忘れたぁー!』

 ということで、この日も緊急避難措置として980円のネットで釣り開始である



こんな日に仕事してる方が病気だと思う



イイ顔してるジャン!

 この数年、寒狭での定位置となっている小さな堰堤のプール
 さすがに真っ昼間とあってライズもハッチもない

 とりあえず適当にキャストしてみたら、一発でヒット!と思ったら10センチくらいのアブラハヤだった
 次に葦際に狙いを定めてキャストすると、今度は15センチまでサイズアップしたアブラハヤだった

 普段ならにわかにご機嫌が45度くらいまで傾斜するところだが、この日はズル休みの爽快感と、何となくのどかな昼下がりのせいなのか、アーハハと笑いながらアブラハヤの引き(というほどのモノでもないけど…)を楽しんでいた

 そしてそのプールの流れ込みあたりにポットンとフライを落とすと、今度は派手な水しぶきと、これまでに比べて格段に強く、鋭敏な引きが伝わってきた


 手前まで寄せてみると、結構なナイスサイズの見事な色艶のアマゴ!さっそく980円ネットの出番となったのだが…

 コレが思いのほか使い勝手が良い
 何しろ柄が長いので、手前まで適当に寄せてあとは”ヨイショ”で魚をすくえるのである
 これまで何度も”あと50センチ”で逃げられた魔の距離をアッサリと埋めてしまうのだ

 この1匹で『もうココにはアマゴはいないだろ』と決めつけ、今度は下流から釣り上がることにした
 聞くところによると、最近はこんな汚いさほど綺麗でもない川も、結構釣り人が入っているらしい
 それを証明するように、魚が反応するポイントは幅20センチくらいの護岸際の筋とか、思いっきり枝の被さっている浅瀬のようなところばかりだった

 それでも何とか980円ネットの助けもあって小さなイワナとアマゴを数匹釣ることができた

 もう、このネットに病みつき!…なワケはなく、やっぱり木目のキレイなネットがイイなぁ…と、今こうして写真を見てつくづく思うのである…



でもこのネットで忍野に行ってしまうのである
7月29日(土)  忍野・桂川(山梨県)



この景色には正直ひいた

 フライフィッシングにハマリ、いろんな雑誌なんかを読みあさっていた頃から、『こんなところで釣りしてぇーー!』と思う”憧れの川”が3つあった

 北海道の阿寒川、日光の湯川、そして忍野である
 阿寒川へは98年、レンタカーで北海道を釣り歩いた際に行くことができた
 美しい森と汚れをしらない流れ…それだけで満足し、魚の顔を見るのを忘れてしまったくらいだ(あはは…)

 ほかの2つはまだ見ぬ日光・湯川、そしてこの日訪れた”忍野”なのである

 ”日本有数のスプリング・クリーク”、”フライフィッシングの聖地”等のキャッチフレーズは、自分のような知識も視野も狭いビギナー歴10数年のフライマンには最高の殺し文句なのである

 ということで、例によってライズさん主催のプチオフ会に二つ返事で食いついたのであった

 さて、3時間ほどかけてたどり着いた忍野は…コレがスプリング・クリークどころか、ウチの近所を流れてる『牟呂用水』という農業用水路みたいなところであった
 しかもどこからかほんのりと漂う家畜系の臭い…
 おまけにすぐ後ろではコイの釣り堀があり、そこで釣ってるオヤジがずーーっと何かブツブツ言い続けている

 自分の中の忍野幻想がガラガラと崩壊していくのを感じながらとりあえず”あかむしくん”を流す…
 するとサイトで丸見えのビーズヘッドがトロトロと流れていくと、そのままニジマスが食いついたように見えた

 「え?!」
 ちょいと合わせると、(寒狭基準では)えらいデカい魚がバシャバシャと暴れてやがる

 先日買ったネットがギリギリ届く土手の上からキャッチしたのは、何年かぶりに釣ったレインボー…

 『すげぇジャン、忍野!』

 もう牟呂用水とは誰にも呼ばせないゼ!(誰も呼ばないか…)



このネットはねねこさんから借りたヤツです



とりあえずネタは押さえる…ブロガーの習性か?

 その後も何匹か同サイズのレインボー、ヤマメがヒットするのだが…

 ネットが届かないのである
 『柄の長いのを用意して…』とは聞いていたのだが、まさかこれほどとは思わなかったので、ちょっと土手が高くなるとテンで届かないのだ

 そんなわけで何度も近くにいたねねこさんのネットを借りるのだが、そのたびにねねこさんに釣りを中断させてしまうことに…ゴメンナサイです

 そんなスッタモンダをしているうちに、名古屋組のgodzillaさんと洋さんが到着。さすがのgodzillaさんはブラウンをヒットし、洋さんもリズムを掴むとニジマスを連続キャッチした

 そしてお昼過ぎ、ちょうど雨が降り出した頃を見計らって、この忍野のリバーキーパー、渡辺さんお店”リバーズ・エッジ”でランチタイム
 ここで東京から駆けつけたterryさんも合流し、みんなで名物の巨大ローストビーフサンドに舌鼓を打った

 さて午後の部。洋さん、ライズさんと一緒に下流の方へ移動すると、先に下流に行っていたgodzillaさんがいるポイントには、40センチはあろうかというレインボーが目の前にいるではないか!

 気前よくポイントを譲ってくれたgodzillaさんの後で、洋さんがLTMをキャストするが…何度も惜しいところで鼻先をそれていく…
 そしてラインが枝に取られ、次に攻めようとしていたライズさんがフライを交換している間に、コソコソっとキャストさせてもらったところ…何と掛かってしまった

 かつて経験のないサイズの魚にオタオタしながらも、godzillaさんの差し出してくれたネットまで後少し…という時、8xのティペットがブチッと切れた…


 離れたところで釣りをしていたterryさんのところまで届いた悲鳴…

 いやー、久しぶりに足が震えた。掛かるってわかってたらて6xに換えたのになぁ(笑)



網ですくった方が早いようなブラウン


ブルックの画像はありません
(午後はカメラを忘れてしまいました…)

 イブニングはさらに下流へ下り、”金田一橋”と呼ばれるあたりへやってきた

 このあたりこそ、まさに思い描いていた”忍野”の風景である
 そしてライズリングがいたるところ広がりはじめ、まさに”聖地”にふさわしい雰囲気になってきた

 ここでもニジマスを何匹がキャッチした後、そろそろ納竿か…というとき、これまでとは異質の重い思い引きがロッドから伝わってきた

 『コレは!…ついにキタか!』
 ネットに入った魚の体側のは、細かい白班が…そしてライトを当てると、いくつかの青い縁取りの中の朱点…このブルックで気持ちよく忍野初釣行を終えるハズだったのだが…

 暗いあぜ道を駐車場まで戻って気がついた…『ティップが無い!』

 みんなで途中まで戻って探してくれたが、結局見つからず、焼き肉をヤケ食い(笑)して家路についた

 忍野の常連の方…もし黒いブランクのティップを見つけたら、こちらのサイトあてにご一報を…正真正銘の”粗品”を謹呈します

August 「不安…」
8月9日(水)  寒狭上流(愛知県)

 まー、かれこれ一週間も経ってから更新(念のため言い訳しておくと、HPデータに入ったHDDがブッ壊れたのである。トホホ)してる段階 で釣果は明らかなんだろうけど、予想通り『ボ』だった

 「いくら平日でも、この暑い時期に真っ昼間からヤル気マンマンな魚はいねーだろうなー」…なんて思いながらも、「でも、もしかしたらスッゲー大物がバッシャンバッシャンやってるんじゃねーか?」なんていう根拠不明な妄想に突き動かされてついつい出かけてしまうのである

 で、ごくアタリマエのように前者のパターンにハマり、おまけに遠くから『ゴロゴロ…』とイヤな音が聞こえてきたので、早々に退散となった

 ま、こんなコトはよくあること…別に何とも思ってない(負け惜しみじゃねーぞ!ホントに!!)んだけど、ここでちょっとした不安が頭をよぎるのである…

 『もしかして…やっぱり…いや、そんなコトはないと思うけど…先月の忍野で一生分の魚を釣っちゃったんじゃないだろうな!』



カミナリ、キライです
8月17日(木)  忍野・桂川(山梨県)



雨の忍野もまた魅力的…でも、やっぱり晴の方がいい

 『ロッドのティップも取りにいかなくちゃならないし、今年中にもう1回行かなきゃなー…』
 そんな言い訳理由もあって、行きたくてしょうがない忍野…
 そんな心理状況を見透かしたかのように、本サイトでリンクさせてもらってる"sammyさん"からお誘いが…


 さて、当日は全国的に台風模様。しかし台風は九州方面を西に向かっているハズで、東へ行けば行くほど天気は良くなるだろう…と、暴風雨の豊橋を出て浜松でsammyさんと合流、一路忍野へ向かう

 富士山麓の樹海を通過する頃には、青空もチラホラ…
 『人も少なそうだし、このまま晴れたら100匹釣れるんじゃないですか?あーはは!』などと脳天気だけはすでに快晴だったが、富士急ハイランドの横まで来たところで猛烈な豪雨が…

 『ま、他の川ならさておき、忍野ですから!川のコンディションは大丈夫でしょ。あーはは!』

 釣り堀横の駐車場に到着すると、予想通り釣り人の姿は少ない
 『シメシメ…100匹…イケるかな…ウフフ』などとほくそ笑みながら川の様子を見ると…

 泥濁った水がダーダー流れてた
 2人で引きつりながら忍野八海から流れてくる川の様子を見に行くと…もっと濁ってた


 それでもテニスコート裏あたりの湧水付近がかろうじてクリアになっており、ときおり魚の姿も確認できたので、そこで釣りスタート
 sammyさんは早々に良型をキャッチしたが、自分は慣れない5番ロッドと重いニンフに手こずり、ライントラブル連発…

 キレそうな頭をなんとかクールダウンさせ、よくよく川を見ると表層に浮いてる魚の多くがヤマメで、片っ端から流下物を口に入れてる
 そこで緑色のブサイクなビートルを流すと…あっさり釣れてしまった



「今日はヤマメの日」(by 渡辺さん)



この日はアマゴも釣れました

 その後も数匹のヤマメ、レインボーをキャッチしながら、前回は入ることのなかった橋の上流へ行き、sammyさんと"bookさん"と"大阪のMさん"と合流。4人並んでの釣り開始となった

 ここではsammyさんが50センチ超のブラウンをキャッチ!自分も一時入れ掛かりというパラダイスタイムとなったのだが…ものすごい豪雨に見舞われたところでランチタイムへ(もう、皆さんのシモの話にやられっぱなしデシタ…)

 午後の部は再びテニスコート裏で、今日のアタリフライとなったオレンジのマラブーが大活躍!と思ったら今度はカミナリが…
 一時車内に避難したりしながらも、結局7時過ぎまでやってしまいました

 これで5番ロッドにも慣れたし…『やっぱり、もう1回行かなきゃな!』

 【お知らせ】…前回の釣行でなくしたロッドティップは、後日リバーズエッジの渡辺さんが見つけてくれ、この日無事受け取ることができました。事情を話しておいてくれたライズさん、そして渡辺さん、本当にありがとうございました!

8月23日(水)  根羽川(長野県)

 この1ヶ月、地元で魚を釣っていない

 いよいよ現実味を帯びてきた”忍野で一生分を釣りきっちゃった説”を何としてでも否定すべく、資源枯渇気味の寒狭を避け、平日、雨の後という考え得る最高の条件をそろえてこの根羽川へやってきた

 道中の支流にもほとんど釣り人らしい車はなく、ほのかに漂う爆釣の気配…
 ところが、目的の川に着いて驚いた
 『水…どこ?!』


 ただでさえ水量の乏しいこの支流、この数日の雨の後なら…と思っていたが、その程度の水など即日流れきってしまったようで、普段にも増して寂しい流れになっていた

 しかも、その増水にキレイサッパリ魚も流されたようで、久しぶりに気合いを入れて釣り上がるも反応皆無という有様であった



久しぶりに見た根羽のアマゴ@12センチ



県境に近い支流は増水気味

 こうなってくると、当初の予定であった『とりあえず中流部で何匹が釣って、そのまま上流へ釣り上がってイワナの顔など…』という優雅な白日夢などはサッサと捨て、実績のある毎度おなじみのポイントへ向かった

 ところがここには先行者の足跡がクッキリと残っていた
 ふと見上げれば名古屋ナンバーのワンボックス…
 『もうどうにでもなれや!』と、半ばヤケになってシャカリキに釣り上がると、ボサの中からやっと出てきたのはこの夏前に放流されたと思われる稚魚アマゴだった

 その後も同サイズを何匹がヒットしたところで、休憩を兼ねてポイントを移動しようとすると…さっきのワンボックス車の運転手と思われる男が、右手のカマを持って地元民相手に何やらガナリ立てていた

 『タケノコくらいでガタガタ言うなや!』

 どうやら山菜採りに来たカマオヤジが(無断での私有地立ち入りを)地元民に注意され、逆ギレしている様子だった

 『あのさ、ガタガタ言ってるのはオマエだよ!』と心の中で一喝して素通りした

 さて移動した先は、この時期になるとどこからともなくニジマスが沸いてくるという支流
 (ま、上流の釣り堀でニジマス釣った子供が川に放しちゃうんだけど…)

 さっそくいつもニジマスが溜まっているハズのポイントに行ってみると…すっかり渓相が変わっていた


 考えて見ると、このポイントに来たのは随分と久しぶりだった
 近くでは護岸工事や道路拡幅工事が行われ、その影響か川幅は広く浅くなってしまっていた

 それでも小さなアマゴが何度かフライにアタックしてきたが、ニジマスはもちろん、かつて葦際から飛び出してきたイワナも、プールで悠々とライズを繰り返していた大アマゴも姿を見せてはくれなかった

 寒狭あたりだと(あの養魚場の影響で)外道扱いされることも多いニジマス…
 だけど、この日は彼(彼女?)に会えなかったのが、何故かちょっと寂しかった



コレが育つ頃には禁漁
そして解禁の頃には何故かいない…
8月26日(土)  石徹白・峠川C&R区間(岐阜県)



渓相”は”バツグンに素晴らしい
(吉田川)

 何年か前のある日の会話である。場所はウチの近所の喫茶店、あの中日スポーツを読みながらの会話である

 『あのさ、”イシテツシラカワ”って知ってる?釣れるらしいよ。綺麗なのが』
 『”イシテツシラカワ”?どこよ、それ』
 『なんか…岐阜と福井の県境のへんらしいよ』
 『…もしかしてさ、それって石コロの「石」に、星一徹の「徹」に白い川って字じゃね?』
 『それそれ!そのイシテツシラカワ!』
 『それは”イトシロガワ”って読むんだよ!』

 前フリがいささか長くなってしまったが、そんな自分も一丁前(?)のフライマンと化し、遂にその”イトシロ”にやってくる日が来た

 しかしその前にまずは軽く郡上あたりの渓流でウデ慣らし…といきたいところだったが、朝イチで良型と思われるアマゴを”ピチィッ”という乾いたサウンドとともにバラしてしまった後はただ暑いだけの川歩きと化したのだった…

 さて、この日は本サイトやブログ版でお世話になっているgodzillaさんBILLさん、そしてタックルショップDUSK店長さんとの釣行
 さらに郡上で行われていた”白山文化シンポジウム”(実はこのシンポには密かに期待していたのだが…役所が仕切るとせっかくのテーマもロクなイベントにならない、という見本のような…あ、いや、有意義でした)の会場でRollyさんとも合流。さらにはこの石徹白をはじめ各地で在来渓魚の調査・保護活動に尽力している斉藤さんも一緒に遂に石徹白・峠川へ向かうこととなった

 何しろ初めての石徹白。せっかくの機会なので斉藤さんにポイントや攻め方など教わりながら下流へ向かうが…いるわいるわ!道路からのぞく川には、いたるところでパーマークがはっきりと見え、すでにライズも散発していた


 あいにく2人で入ろうとしたプールの前後に他の釣り人の姿があったため、斉藤さんと別れちょっと距離をおいてそのプールの上流から釣り上がることにした



寒狭や根羽とはまた違った色艶



このプールで1時間粘りましたが…

 ところが、想像以上にここの魚はシビアだった
 持ってるフライで一番小さなモノを9Xのティペットに結ぶも『見に来るだけ』である

 ちいさなプールでいくつかのライズを見つけ、かつてないほどのフライチェンジを繰り返すが出ない…
 ここで斉藤さんの言葉を思い出す…『ここの魚は毎日フライ見てますから…ちょっと変わったフライで誘わないと!』
 そこで自分でも名前をよく知らない、大昔に巻いた半沈みのミッジを流すと…一発でイワナが激しい水しぶきをあげて飛び出した!が、数秒後あっさりバラされた…

 こうなるとさらに脳内はヒートアップ!ライズの間とポイントを読み、フライローテを繰り返し、ティペットをさらに継ぎ足す…

 何度かのバラシの後、ついに仕留めたのは魚体こそ22〜3センチだったものの、素晴らしいファイトで楽しませてくれた美形アマゴだった

 一安心したところで、他のみんなが集まっている上流のプールへ移動。上流へ入ったgodzillaさん、BILLさんも苦戦とのことだったが、イブニング終了までを仲良く並んで過ごすことに

 ライズは一段と活発になり、godzillaさんやRollyさんも何度もロッドをしならせている


 すっかり暗くなりかけた頃になり、やっと自分にもアマゴが、そしてロッドオフ直前には美しいイワナもキャッチすることができた

 ”放流に頼らない渓流”
 そんなキャッチーなフレーズを聞き、なんとなく流行のエコツーリズム的なイメージを持っていた石徹白…でも、実際は地元の人の生活の場や大きなスキー場の中を流れる、一見どこにでもある”普通の川”のようだった
 しかし、その”普通の川”が、自分のような手抜きフライマンまでアツくさせるような魅力を放つようになるまでには、多くの人の泥臭い活動があったに違いない



右のネット(オレの!)にも魚入ってるよ!

 遅い夕食を、タックルのこと、石徹白のこと、そして在来渓魚のことなどを話ながら食べる
 窓の外には生け簀に入ったイワナやサツキマス…

 そのとき、ふと寒狭川とそこの魚たちのことを想った

September 「フリーク!」
9月9日(土)  石徹白・峠川C&R区間(岐阜県)

 もう2週間前の石徹白での風景が頭から離れない

 フライパターンはもちろん、サイズを変えようが、色を変えようが、そんな努力をあざ笑うかのように15センチ横で何かをヘッド・アンド・テイルで捕食するデカいイワナ…
 かと思えば、狙い通りの筋からドンピシャリで飛び出す美形アマゴ…  

 そんな記憶が24時間体制でフラッシュバックする毎日に耐えられず、この日も家庭崩壊を覚悟で早朝からやってきてしまった峠川…
 駐車場から眺める渓は、水量も前回より多く、心なしか見える魚も大きい気がする

 この日は当サイトとリンクさせてもらっている『輝ける沢の辺で』のライズさん、そしてブログ版の方でリンクさせてもらっているgodzillaさん、ねねこさんと現地で待ち合わせ
 例によって1番乗りをしてしまったが、
ちょうど準備を済ませた頃にgodzillaさんが到着。まもなくやってくるライズさん、ねねこさんを待つ間、ちょいと2人で付近を攻めてみることにした



決してくつろいでいるわけではありません
一応、隠れてます (撮影はねねこさん)



試行錯誤が必ず結果につながるのが峠川

 一応、小さめのフライで叩いてみるが、反応は前回同様厳しい
 ところが、godzillaさんは快調に魚を引き出している…

 そこで気合いを入れ直し、”いかにも!”といった筋を丁寧に丁寧に流すことを心がけると…”バッシャ!”
 『よっしゃー!』と思ったのもつかの間、ティペットごと持っていかれてしまった…

 もうこの時点(釣り始めて15分くらい)で、脳内完全ヒートアップ!もう峠川の思うツボ!状態になってしまっった

 フライを取っ換え引っ換え、同じポイントの微妙にずらしたラインを何度も流してみる。そこで反応があろうものなら、脳内モルヒネさらに倍!である

 このままでは午前中だけで脳みそヒートして倒れるんじゃないか?と思っていたところに、ライズさんから『着いたよ』との電話が入った
godzillaさんと2人で土手をよじ登り、駐車場側へ降りようとしたら…

 伸び放題の草に隠れていた段差に足をとられスッテンコロリンと、結局倒れてしまったのであった

 その後は下流へ移動し、プールと瀬が交互に連続する区間を釣り上がることに…

 ところが、ここでもファーストキャストでヒットさせてしまうgodzillaさん
 一方自分は例によって散発のライズにすぐに沸点到達。いわゆる”ライズ地獄”にハマっていく…


 見るに見かねたgodzillaさんからフライをいただき、なんとか数匹の(小型)アマゴをキャッチしたところでランチタイムとなった

 午後も続く”ライズ無間地獄”…今まで10ン年間、フライフィッシングに真摯に向き合わず(そもそもプールでのライズ狙いなんてロクにしたことなかったし…)、ラクな釣りばかりしてきたツケを、この峠川で思いっきり払わされている…そんな気持ちになる

 しかし、今になってフライフィッシングの新しい(コレを新しいというのも何だけど…)魅力にドップリとハマるのも、当然のコトながら実に楽しい
 そんな自分にライズさんが一言『”芸風”変わりましたね』 … う〜む、素晴らしい洞察力&ボキャブラリーである!



プライムタイムを前に、それぞれのライズ待ち
(左からgodzillaさん、ライズさん、ねねこさん)



今回は良形もヒットしました

 さて、日がだんだん傾いてくる頃になると、ライズ地獄が一転して”天国”になる

 前回同様、キャンプ場裏のプールに全員で陣取り、ライズめがけて勝負フライをキャストする
 明るいウチは#22で、だんだん見えなくなってくるに従って#20、”18、そして白系のフライへとローテーションしていき、見えなくなったら”カン”で合わせる…
 これらすべての狙いが面白いようにヒットし、またまたヒートアップしてしまう…

 そして6時30分頃になると、それこそ大粒の雨のように至る所でライズが起き、そしてそのうちのいくつかは自分のフライが起こしたモノにで、さらにその中に良形のイワナがヒットするのである 

 まったく、この峠川というのはフライフィッシャーのツボを刺激して止まない川だと思う
 厳しい表情を見せておいて、釣り人の”闘争心”をチョット刺激し、熱くなったところで優しいところを見せる…もう、これでイチコロ。立派な”峠川フリーク”のできあがりである

 そして今回も温泉→だるまやのゴールデンコースで〆
 毎度の午前様ではさすがに家族の顔色が心配なので、満天の湯で『飛騨牛カレー2.5人前』(何なんだ、この中途半端な量設定は?)と『郡上徹夜踊りキティちゃん携帯ストラップ』(一体全国に何百種類あるんだ?サンリオ!)を買って帰ることに…

 土曜日だというのに高速も空いていて実に気持ちいい
 フルボリュームのオーディオに合わせて尾崎、ミスチル、そしてドリカム(ヲイヲイ…)など歌いながらぶっ飛ばし、豊川インターのETCゲートをくぐると… 『4,050円』の料金表示…
なんと、あまりの快調さに深夜割引が始まる12時前に着いてしまったのだ


 このとき、それまで全身ラリっていた脳内モルヒネが一気に覚めた…



何故かものすごい霧だった白鳥リゾート

9月20日(水)  忍野・桂川(山梨県)



この気軽さも忍野の魅力

 残り少ない渓流釣りシーズンだというのに、(これでも)なかなか時間が取れない
 最大のネックになっているのは、起きている限り1秒たりとも遊び相手から開放してくれないウチのお子様なので…

 無理やり早朝に叩き起こして車に乗せ、そのまま妻もろとも忍野まで連れてきてしまった

 9時ごろに漁協の駐車場に到着。せっかくの平日、雰囲気の良い下流部でのんびりと楽しみたい意味ところではあるが、まずは家族の前で”カッコ良い”ところを見せたいのがフライフィッシャーの性というもの。魚影の濃い駐車場前であかむしくんを流す 

 すると程なくヒット!
 しばし元気の良いレインボーのジャンプなどを堪能しながらランディング。子供のハナ先につきだして見せ付ける

 『おっきぃーネ!』
 この一言が出たところで、妻と子供には自衛隊橋のところの水族館へサッサと行っていただいた

 さて下流部へ向かう

 テニスコート裏あたりではヤマメがさかんにライズしており、ドライにチェンジする
 するとワンキャストで豪快な水しぶきが上がるが…ヤマメのフィーディングレーンに乗る前にレインボーがことごとくフライをかっさらっていく


 そのちょっと下流では、40センチオーバーのレインボーを発見!今度は前回反応の良かったオレンジ系のマラブーを流すと…
 見事に食いにきた!があせってしまいフッキング失敗…その後はさらなる大物を狙って釣り下っていったのだが…

 下流に行くにしたがって釣り人が増える増える

 最近は混雑した川にも多少免疫ができたつもりだったが、この日の忍野の下流は、寒狭中部の解禁並みの賑わい(ま、寒狭中部の解禁に行ったことないけど…)で、結局ほとんど竿を出せずに自衛隊橋に到着、再び家族と合流してリバーズエッジで昼食となった



動画はココで公開中



意外と美形が多く釣れました

 リバーズエッジでは、子供にアップルジュースをサービスしていただき、帰りに『さ、”ありがとう”は?』と子供に言うと…
 『足りん!
もっと飲むぅー!』
 もう1杯ご馳走になってしまった…渡辺さん、奥様、ありがとうございました…よーく折檻しておきます…

 午後も結局駐車場裏で1時間ばかり竿を出し、数匹のレインボーを釣って家路に…

 今後の教育のため、子供に念を押して訊いてみる 

 『今日、お魚見たかな?』
 『見た!』
 『おっきかったかな?』
 『おっきかった!いっぱい!すいぞくかん!!』

 
今度はチャイルドシートを河原に固定して、釣ってるところを見せようと思う

9月23日(土・祝)  石徹白・峠川C&R区間(岐阜県)

 今シーズン3回目、それも隔週3連続の石徹白である

 考えてみれば前回の忍野も7月以降毎月の3回目だった。これでは『”芸風”が変わった』(BY ライズさん)と言われるのもイタシカタないというものである

 とはいうものの、この峠川には何ともいえない魅力がある
景色であったり、その川の雰囲気であったり、集まってくる釣り人であったり…
 ということで、この日はそんな石徹白にハマった仲間たちが”納会”と称して集まることとなった

 朝、駐車場に着くと、この日の呼びかけ人の『Rollyさん』が、なんとフリースを着て朝食の最中だった…
 それもそのはず、ここへ来る途中の峠の下の温度計で11度、むしろTシャツ1枚の自分の方がオカシイのである



2週間で10度以上下がるとは…



"a○s" や"f○ck" 連発のランチタイム

 そうこうしている内に、自分をこの石徹白に”ハメ”た『godzillaさん』、先日某紙のブログ大賞で銀賞を獲得した『terryさん』、ほかにも初めてお会いする『山猿さん』、『ita-gonさん』、シャックマンさん、それにニュージーランド人のピーターさんなど、続々と集結。さっそく何人かで組みになって思い思いの場所へ向かった

 午前中は駐車場よりやや上流から入渓。例によって魚の反応はあるが、その出方たるや某教授の唱える『コンマ1秒説』どころではない
 フライを見つけてから戻るまでが、それこそコンマ1秒くらいかと思うほどのスピードで、合わせようと脳が右手に信号を伝える頃にはフライは何事もなかったように浮いてる有様である

 ということで午前中は一度もネットを濡らすことなく終了…

 さて午後は実績のある下流を目指す

 
堰堤下の浅いプールで、やっとアマゴをネットイン!『どーだ!ピーター見たか!』と後方に目をやると…河原で寝てた(しかもこの後、おもむろに川に入ると、落ちてたカボチャを拾ってた…)

 さらに下流へ向かい、そこから釣り上がる
 ”いかにも!”な石ウラのタルみで水しぶきがあがる…と、釣れたのは10センチほどのチビアマゴ…

 『やった!すっごい大物だ!』
 『whooooo! it's "monster!"』

 堤防の上からGodzillaさんとPeterの大歓声がステレオで響く…

 しっかし…こういうときに言うセリフは、洋の東西を問わないとあらためて知ったよ…



”モンスター”よりちょっと大きかったアマゴ



最後にアマゴが…バレました

 さて、イブニングは毎度おなじみのプール…と思ったら、キャンプに来てた小僧(高校生?)が、川で石は投げるわ走り回るわのご乱行の最中ではあったが、お構いなしでその真ん中に陣取る

 すると、こんな状況でも律儀にライズする石徹白の魚たち…
 結局、すぐに若者たちも退散したため、最後までプールで粘り、いつものように良形のイワナを何匹かヒットし、気持ちよく”だるまや”へ…

 この日集まった皆さん、本当のお疲れさま&ありがとうございました
 特にこの日の主催者のRollyさん、いつも惜しげもなく見事なフライをくれるGodzillaさん、本当にお世話になりました
 それにだるまやへの車中で自分のデタラメな英語につきあってくれたPeter…

 Next time , I'll show you the "real monster trout" !! 

9月28日(木)  寒狭上流(愛知県)

 もう寒狭も随分久しぶりである。根羽に至っては気が付いたら禁漁だったってくらい、地元の渓をおろそかにしてしまっていた

 その間、忍野だの峠川だのに通い詰め、尺アタリマエのサイトフィッシングや、雨のようなイブニングライズを堪能してしまっていたワケで、この寒狭で…あのイワ○さんが死ぬほど粘って1匹しか釣れなかった寒狭で、はたしてちゃんと釣りができるのか…
 正直なところ、そんなコトを心配していた

 案の定、当貝津の国道沿いはどのポイントも車がキッチリ止まっている
 しかも名古屋ナンバーが結構下流でも目に付くということで、上流部もきっと入るところはないだろうと覚悟を決める

 やがて見えてきた河川改修の工事跡…
 その飯場のあったところがキレイサッパリサラ地になっていた

 



この川の良さはサイズでは語れません



これぞ秋味…じゃなく、秋アマゴ

 『何だよ、ココが空いてるジャン!』
 ドリフのコント並のスピードでウェーダーに着替え、サッサと入渓したのは寒狭で一番のお気に入りの支流
 水量も申し分なく、”いい1日”の予感…などと油断してたら、最初の小さなプールでいきなりラインを枝に絡めてしまった

 一度も使ってないフライをムダにするのもシャクだし、何よりタイイングをサボっている今シーズンの数少ないアタリフライ…迷わず対岸まで渡渉し、無事フライを回収した

 ふと川を見ると、いつもと逆側に立っているせいか、普段は無視するポイントが実に魅力的に見えた

 『よっこらしょっと…』
 無造作にキャストしたフライが流れきろうとした瞬間、この日最初の水しぶきが上がった

 ほぼ一ヶ月ぶりに見る寒狭の魚は、サビが浮き始めた(この川では)グッドサイズのアマゴだった 

 その後も『ここゾ!』というポイントでは必ず反応があり、ときおりライズなども仕留めながら釣り上がる

 そして見えてきた小さな堰堤…
 ここでは去年の同じ時期に明らかな尺モノを逃がしている

 『去年はここらあたりで反応が…』とフライを流すと、水面下でギラリと反転する大きな魚体!
 慎重にもう一度キャストすると…フライに食いついたのは、さっき見えたモノの半分ほどの”ニジマス”だった…

 この川では初めて見るニジ。それも尾鰭も鼻も丸い…

 このとき、去年見た魚影、そしてさっきの大物も、夏休みにどっかの子供会なんかがこの淵に放ったニジマスだったんだろう、ということを知ってしまった

 そりゃニジマスだって釣れればウレシイ。でも、できればどっかほかの流れで釣りたかった…



食うならカワムツを食えよ…

New!
   
9月30日(土)  寒狭上流(愛知県)



毎回やりゃいいんだけどね…掃除

 ついに渓流も今日で終わり…
 などと書くとシンミリとしてしまいそうだけど、実際は隣町の天竜漁協では10月いっぱい釣り可で、おまけに11月からは巨大レインボーの区間まで設置されるということを昨年知ってしまったので、比較的穏やかな心境でこの日の朝を迎えたのだが…

 前の晩から調子悪そうだったうちのムスメさまが鼻水ダラダラのガラガラ声で”オハヨー”とか言っている
 さすがにコレを放置して出掛けるのも人間としてどうかと思ったので(ま、結構迷ったりしたんだけど…)、とりあえず小児科が開くのを待って直行。自宅に戻ったのは11時ごろであった

 とりあえず病状はたいしたことないらしいので、そのままメシも食わずに車を上寒狭へ走らせる

 さて、その車には、この日いつもとちょっと違う装備が納められていた
 助手席には最終日のお約束”
ゴミ拾いグッズ一式”。そしてトランクには何故かロッドが3本…

 実は、早めに寒狭での釣りをシメて、ちょこっとゴミ拾って、そのままイブニングに間に合うように石徹白に直行するつもりだったのだ

 そんな魂胆だったので、寒狭での釣りはそさほど期待していなかったのだが、2日前に反応の良かったお気に入りの支流は、心配していた先行者の姿も見えず、この日もナカナカの活性だった

 こうなると”シメ”のタイミングが難しい
 時計と相談しながら『あと1匹で…』などと考えていたらピタリと反応がなくなった

 『石徹白まで行って、イブニングにあのプールに入れなかったらイヤだしなぁ…』
 石徹白だって同じ最終日。多くの釣り人がイブニングまで粘ることは目に見えている…

 結局、ここで最後の時を過ごすそうと決心した
 その途端、今年ずーっと無視され続けてきたプールで、アマゴが飛び出した



レンズが曇ってソフトフォーカス!



毛鉤デカく見えるなぁ…あはは

 サイズ的には石徹白とは比較にならないけれど、気持ちよい出方に満足してここでロッドオフ。空き缶など拾いながら林道を戻った

 さて、心地よい余韻の中、自宅に戻り石徹白組の皆さんの釣行記などをネットでチェックする

 『下流からは次から次にゾンビのように釣り人が…』
 『どこもかしこも先行者の姿が…』
 『出てくるのは手のひらサイズばかり…』

 「こりゃ寒狭で正解だったかな…」
 そんなことを思っていたら

 『尺でシメ』
 『最後もキャンプ場のプールで…(+デカい魚の画像)』

 う〜ん、やっぱり行くべきだったのか…




コレを見て『(例)おー、コカゲのダンだね』などと言える日が自分にもくるのだろうか…

 ということで、今年も最後まで優柔不断な釣りでした(苦笑…)

 ただ、今年は今までとちょっと傾向の違うシーズンでして、C&Rの人気河川に何度も足を運んだり、多人数でいわゆる”オフ会”のような釣行に数多く出かけたりで、ちょっとだけ釣りの幅が広がった気がします(今までが狭すぎ、というのもあるんですが…)

 で気が付くと峠川(石徹白)と忍野にそれぞれ3回、西野(木曽)に2回という、高速道路フル活用の遠征が激増した反面、寒狭や根羽、それに下伊那という”ホーム”での釣り(回数も釣果も)がめっきり寂しいモノとなっていました

 根羽は完全に東海豪雨前の賑わいを取り戻しましたが、その人出に比例して釣りもやっぱり厳しくなりました
 寒狭も本流筋(大名倉方面)が相変わらずのため、支流や最上流部、それに当貝津方面に人が流れているのか、これまであまり人と会わなかったようなポイントでも釣り荒れが目立ちました(なんか、毎年同じコト書いてる気がしますが…)
 

 でも、各地の有名河川を釣り歩いた後でもやっぱり思うのは、『寒狭、いいジャン!』ということです
 こんな都市近郊の釣り場で、シーズン最後までなんとか魚も残ってるし、その魚体も本当に綺麗です(小さいけど)。渓相だって里川・源流・本流とバラエティに富んでいるし…何より高速道路を使わなくても1時間で行けるってのが最高にイイです(笑)

 さて、今年も約半年間ご覧頂き本当にありがとうございました!
 メールをくれた方、掲示板に書き込みしてくれた方、いつも感謝しております
 自分自身が今年1年、いろいろな方とお会いしたりして思うのですが、今までほとんど単独釣行で過ごしてきた自分でも、フライフィッシングという”ボディランゲージ”があれば、すぐにうち解けて楽しい1日を過ごすことができるものなんだと実感しておりますので、まだお会いしたことのない方たちと是非一度、お話がしたいなぁ…などと思う次第です

 それでは、ネタ枯れシーズンを無事乗り越えることができましたら、また来年の早春にお会いしましょう!
 (あ、釣行記以外は更新していくつもりです…)

多謝!

2006,9/30 taro


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