Field Note 2008(part1) *下へ行くほど最新です

 




廃線、廃校、そして… 

 もう何百回もここで釣りをした
 底石の配置や沈んでいる倒木の位置まで覚えてしまうほどに…

 道路脇の壊れた自販機、曲がった道路標示、そして朽ちていく家屋…どれもがここで釣りを始めた頃から変わらない”里の風景”だった
 
 あと数年で、そのすべてが”記憶の中の風景”になってしまう。かつてここを走っていた鉄道や、数年前まで子供たちの歓声が響いていた学校のように

 その時、それでも僕はここに釣りにくるのだろうか?


Pre-season "Secret Fishing"
月某日&某日(某曜日) 天竜川C&Rエリア(静岡県)

 もーね、大変なんですよ、ホント、釣りに行くのって

 だからね、何食わぬ顔でネクタイ締めて家を出て、その後すぐに勤務先に『体調不良で病院に行ってくる』って電話でもしないと、とても釣りをやる時間なんてとれないんですよ。もー、タイヘンなんすよ。あはは

 ということで、万が一にも交通事故や水難トラブルが許されないという状況の中、やってきたのは天竜・中島地区  

 何故かというと、下流が発電所の放水でエライこっちゃになっていたので、まー選択の余地無く…というか、そもそも放水関係なくココでしか釣れる気がしなかったりするからである

 ところが、正月休みも終わったばかりだというのに、こんな平日にのんきに釣りに来てる連中ってのはいるもんで、現地に到着した10時頃にはすでに結構な数の車が止まってた



いやー…冬だなぁ…


最近は写真も手抜きです

 ホントは第一プールの流れ込みに入りたかったが、直前を歩いていたルアーマンがサクっと入ってしまったため、とりあえず堰堤直下の瀬を流すと…あっさり最初の1匹が釣れてしまった

 で、すぐに2匹目が掛かるも…バレ、でまた釣れる…なんてコトを繰り返しながらジワジワとプールにニジリ寄り、先ほどのルアーマンが移動したところですかさずポイントに入り込んだ

 が、結局さっきの瀬と同じような展開。『そろそろ食事でも』と思い、戻る途中に瀬を流すと…今度はアカラサマにデカいレインボーが掛かったが…バレた


 ・・・・・・・・・・

 さらに翌週、またまたネクタイ締めて天竜にやってきた(苦笑)
 当然、もうハナっから”瀬狙い”である

 するとこの日も先週とまったく同じような展開で、35センチくらいまでのレインボーは連発でヒットするのだが、40センチ超のものになると途端いバレバレの連続なのである

 さすがにちょっと疲れたので下流に移動する
 この日は放水がなかったので、一見いつもの雲名地区だったのだが…反応は皆無。やっぱりというか、何というか…


 ところが、こんな状況に満面に笑顔の方がいた

 ご存知、「年がら年中天竜川」のfly-tomoさん曰く
 
『ここの魚は流されちゃったけど、結局”ダムとダムの間”に貯まる一方だからねー…もうすぐみんな渓流行っちゃうし、3月はスゴいよ、きっと!』

 そんなにスゴいのかぁ…
 3月まで”病院通い”かなぁ…



竿曲がってネー!
February 「養殖シラメ、恐るべし」
2月11日(月曜日・祝日) 寒狭中部(愛知県)


このツヤですよ!

 完全に出遅れた

 2月アタマ解禁のこの地域で、序盤の10日間に一度も竿を出せなかったのは一生の不覚だ(ホントはちょっと前に天竜に行ったんだけど、釣果がアレなもんで行かなかったコトにした。アハハ)


 「宇連川や男川は残雪がコワいしなぁ…」
 結局、去年のこの時期通った寒狭中部へ混雑覚悟で出かけることにした(ま、宇連川や男川と天秤にかけるフライフィッシャーはオレくらいかもしれないけど…)

 
ところが現地は拍子抜けするほどまばらな釣り人
 フライ・ルアー専用区のヤナ場上だけはそれなりに賑わっていたが、それ以外はどこも閑散としたので、とりあえず去年のポイントに行くも…魚影が見えない

 
瀬の中でやっと見つけた1匹にも見向きもされず、むなしく時間だけが過ぎていった

 やがて食堂下のプールで結構調子良さげだったルアーマンが引き上げていく姿が見えたのでダッシュでそのポイントに入り込むと…
 何とちょっと魚影が薄いときの忍野の釣り堀横並みの魚影(何だそりゃ…)が目の前にあるではないか!

 『けーっ!なんだよ、こりゃー釣れてアタリマエだよ』

 が、
釣れない
 追ってはくるが食わない。たまに食ったと思ったらスッポ抜ける

 さらに追い打ちをかけるかごとく、目の前で1匹のシラメが5秒に1回くらいライズを繰り返しやがる

 『テメェー!絶対ぇ釣る!』

 フライチェンジ数回、キャストすること数十回、やっとキャッチした1年ぶりのシラメは、養魚場育ちとは思えないファイターだった



貸し切り!だったのに…


スレた養殖魚…う〜ん手強い…

 その後、落ち着いたところで再びニンフにチェンジし、せっかくの貸し切りプールと魚影を満喫…するはずが、やっぱり結構手強い
 というか、天竜での派手なマーカーの消し込みに慣れてしまったせいか、シラメ・アマゴの反応がまったく読めないのだ

 そこで初心に返り、『怪しい動きはすべて合わせるべし』で数匹をキャッチし、やっと一息ついて駐車場へ戻ると…「ゼフのフィールド日誌」のゼフさんとひさしぶりの再会!

 そこで来週解禁の寒狭上流の年券購入のためお店までご一緒することに…

 昼間っからイイ匂いを漂わせゴキゲンのリキゾーさんとの、成立しているのかどうか微妙な会話で今年もシーズンスタートを実感したのであった

2月17日(日曜日) 宇連川〜寒狭中部(愛知県)

 いよいよ寒狭上流も解禁!
 昨年に続きフライにも解放された初日、しかもかなり広い範囲がフライ・ルアーエリアになると思っていたが…

 ”新清嶺橋より下流ではフライ・ルアー・餌釣りが可能です”

 でーっ?!結局”何でもアリ”なのかよ!

 それでは小心者の自分にはとても釣れそうにないので、『さて、ドコへ行こうか…』と考えていたとき、某所で2日で140匹釣った御仁から電話が入った

 『どうですか?昨年のリベンジで、宇連川』

 ついノコノコと出かけてしまった板敷のヤナ場…
 『釣れてなさそうだったら、挨拶だけして帰ろうか…』と思い、駐車場から見てみると…

 『わっ!釣れてる!』



写真はねねこさん撮影。ありがとうございます!


吹雪だよ、カンベンしてくれよ

 何と2人同時にロッドが曲がってる

 ダッシュで着替えて漁券を購入、川原へ降りるとライズさんのほか、ねねこさんM'sさんとその友人、そして初めてお会いするシャクイワナさんらがビシビシと釣りまくっていた

 さっそく昨年のリベンジとやらに挑むが、そこはすでに並み居る猛者が荒らした後…あえなく返り討ちに
 そこで上流へ向かい、やっとこさ1匹キャッチしたところでライズさんから例の一言… 『まーコレ以上やっても時間のムダですから、寒狭中部行きましょ』

 で、移動した寒狭中部。駐車場下のプールは先週とはうってかわって大賑わいで、小心者の自分は人気のない瀬へ…しかし釣果も天気もさらに厳しい寒さになっていくのであった…

 『他の皆様は…』
 と思い上流へ向かうと、プールの流れ込み付近で皆爆釣中だった…

 無理無理にライズさんとM'sさんの間に入り、フライを交換している間にも…『よし。(その1分後)よし。(さらに1分後)よし。』

 左サイドから水しぶきの音と『よし』の声が幻聴のように響き続ける


 『taroさん、ティペット何号?はぁー?7x?!』
 大昔に豊橋市内の某ショップで『どんなロッドをお使いですかっ!』と聞かれ、つい正直に『上州屋で買った7フィートくらいのRYOBIのパックロッドです』と言ってしまった時のコトがフラッシュバックする

 そんなトラウマに耐えながらも、なんとか数匹をキャッチしたところでタイムアップ…『あー、時間さえあれば100匹釣れたかもしれねーのに!』

 ウソです。一回言ってみたかっただけです…



最初からプールに入ればよかった…なーんてネ
2月20日(水曜日) 寒狭川上流(愛知県)


これなら寒狭中部の方が…は禁句

 「寒狭上流の解禁の週の平日釣行はもう十何年も前からの約束事ですからっ!」  

 家でも勤務先でもキッパリと言い切り、堂々と出かけるこの清々しさ…『あー、やっぱり釣りはこうでなきゃ…これからは毎回キッパリ言おう。「今日は仮病で釣りです!」って…』

 というワケで今年も遂に始まった寒狭上流。この季節必ずチェックする稲目トンネル出口のプールの様子をのぞいてみると…餌釣りのオジイサンが橋の上からラインを垂らすという解禁直後らしい光景が…

 『どうですか?』
 『魚は見えるけど…朝からやっとるが全然釣れん』

 橋から下をのぞきこむと、オジイサンが流す餌(なんだかわからないが、白い巨大な塊だった…まさか食パン??)に、シラメはまるで見えていないかのように無反応だった

 とりあえず川原に降り、やや上流のプールへ向かう

 よーく目をこらすと、数匹のシラメの姿が確認できた…が、底ベッタリに定位している

 迷わずフライボックスからジャパニーズ・アーリースプリング・スタンダード(”あかむしくん”とも言う)を取り出し、各方面から『それじゃアタリは出ない』とのご意見を賜っているLOONのバイオストライク・マーカーとセットで流し込む


 相変わらず橋の上から粘っているオジイサンがあろうことか魚を引き揚げている(ように見えたが真偽は不明)姿を一瞬見ていた後、視線を水面に戻すとマーカーがない
 『あれ?』と思いピックアップすると、何とシラメが付いてきた

 記念すべき今シーズンの寒狭上流のファースト・フィッシュは、こうして間違って釣れてしまった



いるにはいるんだけどねー


上流部はいたるところ残雪

 その後はマーカーに集中して数匹をちゃんと釣ったところで(ただし1匹はスレ掛かりだったりする)、今度は支流の様子を見に行くと…

 豊邦の集落あたりから上では路肩や川原は雪がしっかり積もっていた
 『こりゃ釣りは無理かな…』
 とは思いながらも、一応竿を出してみるが…やっぱり無理だった

 しかしさっそくキッパリと言い切ってやってきた平日…『寒狭中部へ転戦しようか…』という悪魔の囁きを振り切って、最初のポイントへ戻ると、なんとそこかしこでライズが!

 『やっぱコレだよ、寒狭上流は!』
 張り切ってキャストしたフライにワンキャスト・ワンヒットで出るのは…全てカワムツだった

 帰り際、橋の上から見下ろすと、アマゴが何匹も群れていた
 ちょっと魔が差して橋の上からラインを垂らしてみたけど…やっぱりシラメはまるで見えていないかのように無反応だった(苦笑)

March 「嗚呼、麗しの大名倉」
3月2日(日曜日) 寒狭川上流(愛知県)

 『いくら追加放流日でも、3月最初の日曜日だし、みんな段戸や名倉、それか大入とかに行くだろ』

 そうタカをくくって寒狭上流にやってきたが…田峰の信号のところの駐車スペースは満車状態。三河路のヤナあたりでは釣り竿が2メートルもない程の間隔で立っていた

 
『これだけ下流に集まってりゃ、上流は空いてるだろ』

 松戸の堰堤…ルアーマン準備中
 大名倉トンネル出口…2台スシ詰めで駐車中
 公民館裏…橋の上からウェーダー履いたオヤジが魚影チェック中…

 祈るような気持ちで次のカーブを抜けると…『やった!空いてた!』
 車を止めるスペースが空いてるだけでこんなにウレシイとは…入渓前に釣果を度外視したところでの喜びを見いだすほど、お先真っ暗な出だしとなった



”湾岸ミッドナイト”なZもやってくる


指噛まれてカナリ痛かった

 久しぶりの大名倉はやっぱり気持ちがいい。心なしか水質もずいぶん良くなったように感じる

 当然のようにいつものワンパターンフライをティペットに…と思って驚いた
 『ねーよ』

 思えば昨年1年間、ほとんどタイイングというものをした記憶がない
 渓流オフの天竜では何年も前に100均で買ったケバいフライ(5〜6個入り、お得なプラケース入り)まで使っていた

 そこで不本意ながらミッジ(この時期にミッジが不本意というのもどうかと思うが…)を使って釣り上がる

 しかしこの日の光り輝く大名倉ではいかんせん見えない(+ドコに飛んだかわからない)ので、誠に不本意ながらイ○イ・イワナモドキ(これもいつの間にかフライボックスに入っていた。きっと大昔に魔が差したんだろう…)にチェンジしたが、当然のように無反応であった

 やがて脱渓地点のプールにさしかかった
 すでに釣欲レベルは0だったが、念のためそーっとのぞいてみると…何と底付近に2匹の良型のイワナが見えるではないか!

 あわててニンフボックスをまさぐるが、天竜と寒狭中部でほとんど使い果たしてスカスカ…しょうかないので、片隅にあった忍野で使用済みのボロボロフライを結ぶ

 流すこと数回。ついに口を開けたイワナの姿と底を流れるフライの姿が重なった

 今年最初の大名倉で、9寸のイワナ…これ以上何を望むというのだ!
 満ち足りた気持ちで車に戻り、今日の釣りを振り返る

 『2匹目…惜しかったなぁ…』

 そう、実は2匹目も掛かったんだけどねぇ…いや、そんなコトは小さなコト。満足満足…

 …だからぁ〜…「満足だった!」って言ってるだろ!

 



こちらの水系も残雪多し
3月9日(日曜日) 寒狭川上流(愛知県)


相変わらず気合いの足りないスタイル…
(撮影はgodzillaさん。感謝!)

 『去年の3倍』だの『一気に飛散』だのと、シーズン前にサンザン脅かされた花粉だが、未だにほとんどその症状が出ないのをイイことに2週続けての釣行である

 この日はブログ版の方でリンクさせていただいている「一から出直し修行的毛鉤釣」のgodzillaさんが名古屋からやってくるとのこと

 さすがに『そりゃ寒狭中部とは違いますからねー、魚が1匹も見えないなんて日常茶飯事ですよ!』とは言いづらい

 そこで待ち合わせ時間までの間に、この時期に魚が付いていそうなポイントを双眼鏡片手にいくつか回ってみるが、まー魚影の薄いコト…真っ先に見た竹桑田橋下では、何やら巨大な生かし魚籠のような”装置”が川に沈んでるし、田峰交差点前は3匹くらいのアマゴを餌師5人くらいで奪い合っていた…

 しかし、とある支流の堰堤で思いもかけない光景を目にしてしまった!

 ナ、ナント、温泉旅館と火葬場の排水が水源と言ってもいいような某支流(バレバレだ…)の堰堤下に、あろうことか20〜25センチほどのアマゴが5〜6匹ライズしているではあーーりませんか!

 待ち合わせ場所に戻り、久しぶりにお会いしたgodzillaさんとの挨拶もソコソコに素早く戻ってみたが…そこでは普段着+長靴のオジサンが堰堤上から釣り糸を垂れていたのであった…

 ということで、のんびりと釣り上がることのできる大名倉へ

 しかし予想以上の渇水と低水温(この日は4月並の気温のハズだったのに、しっかりと残雪が…)で非常に厳しい釣りを強いられることになってしまった

 それでも時折確認できる川底ベッタリの魚に向かってあーでもない、こーでもないとヒートアップしてはみたものの見事玉砕。やがて、あの堰堤の魚影がフラッシュバックしはじめた
 



日陰から日向を攻める…早春らしい釣り


堰堤の水がわからない程の鏡面フラット…

 で堰堤下に戻ると、釣り人の姿は無く、しかもライズリングがポツリポツリ…

 まずは美濃フィッシングエリアで”鏡面フラットでのライズ”の”修行”を経験済みのgodzillaさんが攻めてみるが…食わない

 プールまでの距離をジワリジワリと詰め、ついに立ち上がってのぞき込み一言…『笑っちゃうくらいいっぱいいる。アマゴが…』

 5〜6匹だと思っていたら、何と日陰部分にウジャッといやがった

 もう自分も遠慮なしに堰堤上からニンフを落とす
 トライすること10数分、ついに掛かった(スレだったりするが…)のは、まったくその存在を確認できなかったオイカワ… というオチのついたところでタイムアップとなった

(※godzillaさんはちゃんとアマゴをキャッチされました。さすが
!)

3月16日(日曜日) 名倉川&寒狭川上流(愛知県)

 「中日スポーツの釣りコーナーはまったくもってアテにならない」

 これは自分の信念である


 これまでも根羽川の小さな支流のアマゴをヨタ記事で根絶やしにし、人が遠征に出かけること決めた河川を前日に大々的にフィーチャーし、静かな里川に管理釣り場状態の混雑をもたらしてくれた
 ほかにも「漁券屋のオヤジにテキトーのホラ吹いておいたら、次の日にキッチリ実名で釣果情報として載ってた」などという話も聞く…

 そんな中日スポーツに、解禁前には「今年は放流量削減」と書かれ、さらに数日前に「3人で3河川まわって2匹だけ」とまで書かれてしまった名倉川は、自分の信念からすると『絶対にイイ釣りができるハズ』…

 もともと行くはずだった気田川が前々日の豪雨でどうやら釣りは難しいとの情報が入り、急遽の釣行となった名倉川だが、この時点ではむしろ”ムフフ”という状況であった



F○○K!


絶対、魚より釣り人の方が多い…

 さて、この日ご一緒させていただいたのは『輝ける沢の辺で』のライズさん…とくると、2年前の悪夢が蘇るが「あの中スポがダメ出ししたんだからダメなワケがない」という妙な自信が湧いてくる

 このところの陽気にすっかり油断し、冬装備を持っていなかったこの日、朝6時の気温は0℃…
 寒さに震えながらも早速例の”特別漁区”をのぞいてみるが、ウリのはずの”濃い魚影”が全く見られない

 どれくらい魚影が薄いかと言うと、寒狭中部で2日間で140匹釣ったあのライズさんが、特別漁区で午前中メいっぱいやって9匹”しか”釣れない、というのだからコトの重大さがわかっていただけると思う

 なので、”特別漁区”に午前中で見切りをつけ、名倉川漁協管内の別のポイントへ向かうことに…

 すると特別漁区より遙かに濃い魚影があった…が、今度はスレ切っていて釣れない
 ライズさんも珍しくバラシを連発し、ついに言ってはいけないセリフを…
「最初からココに来れば爆釣だったのに…」


 帰り道、ライズさんと一緒に寒狭上流の某ポイントをのぞくと…結構なサイズのホウライマスの姿が丸見えではないか!
 ついついロッドを持ってきて、ついつい派手なニンフを沈めると…「食った!」と思ったが掛からなかった

 その様子を見ていたライズさん、またまた言ってはいけないセリフを…
「アワセる前に、とっに食ってましたよ。もう口にスッポリ入ってて、お尻から出ちゃうんじゃないかと思ったのにアワセないから…」

 よーし、今度はトリプルフックで口を開ける前にひっかけてやる!
 (冗談です。たぶん…)
 



寒狭の川沿いで見るんだけど…何?
April 「買っちまった…」
4月12日(土曜日) 忍野・桂川(山梨県)


富士山…見えません
(東富士道路は霧のため通行止でした)

 『4月12日 午後2時放流』

 漁協駐車場のプレハブでこの張り紙を見た瞬間、軽いめまいがした

 第二土曜日が放流だと聞いてはいたが、まさか午後ってコトはないだろうと思っていた
 しかも、例によってはるばるこの忍野までやってきながら、昼には帰らなきゃならないんだよ!どうしてくれるんだよ、忍草漁協!(←ちなみにコレを長い間”オシクサ漁協”だと思っていたんだな)

 
とは言うモノの、そこは忍野。とりあえずタタミ1畳あたり5匹くらいはいるだろうと覗いてみると…

 『魚イネー!』

 解禁直前に客寄せで放流するとは思えないし…もしかしたら、1年でイチバン魚影の薄い時間に来てしまったんじゃないか…そんなイヤな予感が漂う中、とりあえず鱒の家裏あたりで釣り始めたが…


 ものの10数分で体が震え始めた

 『寒ぃ…』

 実は、この日は豊川インター入り口直前までは寒狭へ出かけるつもりだった
 しかし久しぶりの土曜釣行、しかも今度はいつになるかわからない早朝発…ガソリンも安いし、せっかくだから遠出を…
ということで、急遽の予定変更しての忍野だったため、装備が”カンサの春=一般渓流の初夏”仕様しか持ってなかったのだ
 それに、これまで忍野には夏しか来たことがなかったので、この季節の気候を完全にナメていたのだった…

 そこで『こんな寒い季節は…やっぱり小さいフライ(具体的名称に言及できないところが悲しい)だろ』と、思いっきりサイズダウンしたニンフを流すと、あっさりと忍野でのシーズン1匹目をキャッチすることができたのだった



口が痛々しい…泣いてるみたいだし…


こんな民家の軒先で何匹もライズ中…

 その後、ライズが頻発しだしたのでドライにチェンジすると、コレがおもしろいように釣れた

 『スゲーな。このサイズがドライでバシバシ出るのかよ!』

 と調子こいていたら、ブチブチと連続で切られた。そう…持ってきた装備(ティペット一式)も寒狭用だったのだ

 そうこうしているうちに、放流目当てなのか異常に人が増えてきた
 上流でも下流でも『いくら忍野でもそりゃないだろう』と思うような距離に次から次へと遠慮なしで詰めてくる(後で知ったが、この日何度も真横に入ってきたのは近畿の某ショップオーナーと某有名輸入販売店のスタッフだったようで…う〜ん、この程度は忍野の常識なのか?)

 ということで、居心地が悪くなったところで放流を前に泣く泣く…ってワケでもないんだな。だって、年券買っちゃったし(笑)

 

4月16日(水曜日) 寒狭上流(愛知県)&根羽川(長野県)

 いやー、やっぱり釣りは平日に限るネ!

 こんな朝飯食った後にノコノコ出かけてきても、川沿いに車なんてほとんど止まってないし!

 ってハズだったのだが、当貝津の主要ポイントにはすべて一目で『釣りでーす』ってわかる車が止められていた  

 仕方ないので先行者覚悟で支流を順番に攻めていくが…案の定反応は薄い
 たまにライズを見かけても、ファーストキャストで沈黙させてしまう
(ま、コレは先行者のせいではないかもしれない)

 それでもなんとか支流らしいイワナ・アマゴに出会えたのだが…さすがに忍野で40センチ級をドライでバシバシ釣った(釣行後4日ですでにカナリ話がふくらんでいる気もするが…)後では、なんとも物足りないのは否めない



盛期まであと少し…


かつてのイブニングの名所も”今は昔”…

 『こーなりゃ最近ニジマスが釣れるアソコへ行くか…』と別の支流へ向かう
 相変わらずワンキャストでライズを黙らせつつも、ポツポツとチビアマゴを釣りながら核心ポイントへ到達。 慎重に枝の下にフライを流し込むと…

 ”バシャ!”

 想像通りの大物の影が水面から覗いた次の瞬間、あっさりとバラされたのだが、下流へ逃げてきたその姿を見て愕然とした
 『イワナじゃねーか!しかも尺っ!』

 ますますストレスをため込んだまま、県境を越え根羽へ向かう

 
例によって旧道際のよろづ屋で年券、そして賞味期限が1ヶ月以上先というミラクルな菓子パンを購入し、急いで上流へ向かう…ハズが、いつのまにか霊柩車先導の葬式の車列に囲まれスロー走行に… 『Oh! My Buddha !!』

 というのも、実は今年根羽川漁協では禁漁区の設定が変わり、一部禁漁が解かれた区間があるのだ

 ということで、当然ソコを目指したのだが…そこにはさっきまでなかった4駆の姿が…
 『あぁ…やっぱり霊柩車をブチ抜いておくべきだった…』

 
仕方ないのでそのままさらに上流に向かい、のんびりと竿を出すと…釣れる釣れる!
 もうワンキャストワンヒット状態!しかも同じポイントから5匹10匹と出ててくる

 『おいおい、もしかしてホントはココも今まで禁漁だったんじゃねーか?』などという不安さえ頭をよぎる(釣りオーケーです。ちゃんと確認しました)

 でも、漁区変更が「ヤマトイワナ保護」ってはっきり言っちゃうのは…どうかと思うけどなぁ…『熊が出る』とか言っておきゃイイのに…



熊はマジで出る。ニアミス(?)したことがある
4月26日(土曜日) 寒狭上流(愛知県)&根羽川(長野県)


噂には聞いていたが…

 まずは『何で20日も前の釣行記を得意げに”New!”とか付けてアップしてるワケ?』という疑問にお答えしよう

 世間がゴールデンウィークとか言って浮かれている時、悲劇は起きた
 PCが静かな唸りだけを発しながら突如沈黙したのである

 ま、そんなコトはすっかり慣れっこ(去年の夏あたりからちょくちょくあったコト)だったので、電源スイッチを押して再起動を図るが…変化なし

 コンセント引っこ抜いて、30分ほど放置してから再起動するも…改善見られず…

 で、とりあえずPCIに刺さってるパーツを全部引っこ抜こうとしてみると…『うわっ!何コレ?ゲロ?ウ○チ?!』

 マザーボードに刺さってる電解コンデンサの多くが、頭割れて茶色い物体が飛び出していた…ということで、めでたくPC合掌。新PCの組み立て・環境復帰にGWは費やされたのであった

 そんなわけで、すっかり衰えてきた記憶力にムチを入れて思い出しての釣行記である

 この日は突如妻からお許しが出たので、昼からノコノコと出かけることになったのだが、やっぱり前回の根羽の釣りが忘れられずに直行…してはみたものの、解禁直後から毎度毎度同じポイントを攻めるのもどうかと思ったので、別の支流へ向かった

 前日まで結構降ったはずの雨は跡形もなく、いつもどおりの足首あたりまでの水深を叩いて釣り上がるが…さすがに土曜真昼間。反応はとても寂しい
 ところがあるポイントを過ぎたあたりから途端にビシビシと出だした

 『やっぱり…な』
 この支流のこの区間はところどころ石段で降りられるようになっているのだが、その階段と階段の間だけが、いつも釣れないのだ

 もしかしたら、こんな渓相のところで好き好んで釣りをしてるのはオレともう一人だけかもしれない



普通の人はココで釣りしようと思わないだろナ


初夏の寒狭の名物、手乗りアマゴ

 根羽を後にし、今度は寒狭へ向かう

 なんで時間もないのにそんなコトをするかというと、この4月から茶臼山高原道路がタダになったので、折元から乗ってさいの神峠経由で行けばスグ…と思ったからなのだが、折元から名倉までの長いこと!
 結局153号を走るのと大して変わらない(ブレーキを酷使する分だけむしろムダ)という気がする

 で、たどり着いた本谷ではカワイイお子様アマゴに遊んでもらいながら、核心ポイントでやっと竿が曲がるサイズが!

 さて写真を撮ろう…その前にフックを外して…とフックをクィっと引っ張ったら、なんとエラから出血が…

 このところすっかりサボっているタイイングの影響で、大昔に巻いたフライを使っていたのだが、それがなんとバーブレスではなかったのだ…

 写真を撮る気にもなれず、そっと流れに戻して納竿

 『帰って…タイイングしよっと…』

May 「悶絶」
月14日(水曜日) 寒狭上流(愛知県)

 ホントはさ、15日に休みたかったのよ
 だって14日は朝まで雨だってわかってたし、水曜日は平日ったってヒマ人が結構多いし、だいいち今日は昼過ぎから用事があるんだよ!

 何を毒づいているかというと、断腸の思いで重要らしい会議にために休みを木曜から水曜にズラしたのだが、今日仕事行ったらその肝心の会議とやらがキャンセルになってやんの。けーーっ!今度からはゼッテェー釣り最優先だからなっ!!!

 と言い訳をひととおりカマしたところで大増水&泥濁りの寒狭…

 案の定、ヒマ人が大挙してこの釣れない川へやってきてるのだが…オレはいまだかつて『雨』や『濁り』が好釣果につながった記憶がない

 フライと餌釣りの違いなんかもあるんだろうけど、とりあえず寒狭ではそういう傾向はないから、
平日にわざわざ仕事休んで釣りにくるんじゃねぇ!わかったな!



増水?ココはそんなの関係ねぇ!(古っ!)


この流れらしいつぶらな瞳のイワナ

 という傾向どおり、瀬・プール・ヒラキ・肩…どこを叩いても何を流しても反応は皆無
 あんまり反応がないので、#18程度のCDCダンすら口に入れられないチビが出た後、思わず#22を結ぼうとして何とか思いとどまった

 ポイント変えようと車に戻ると、ハイキングのおじさんが声をかけてきた
 『釣れるでしょ!雨だし、こんなふうに濁ってるときは!!』

 『ちょっとねー…水多すぎですよ。だから…
ぜんぜん釣れてないっす

 よっぽど言葉にトゲがあったのか、それとも顔がコワかったのか…おじさんは引きつった笑顔を見せて早足で山へ入っていった…

 こうなりゃ多少の増水はさておき、人が少なくて濁りが少なさそうな別の支流を目指すことにして上流へ移動したのだが…車を止めようと思ったスペースは、真新しい轍がクッキリと残っていた…

 ハラをくくって釣り始める…と、ほどなくナカナカ良いサイズのイワナがヒットした

 やっと精神状態も安定(最近”攻撃的”だと周りからよく言われる。う〜ん…)したところでしばらく釣り上がると、今度はこの流れなら上出来のアマゴもキャッチできた

 『あー、ボーズらなくて良かった!』と自分に言い聞かせ、短い釣りを終えての翌日の仕事だったのだが、冒頭の理由でまたまた攻撃モード突入…


 『イカンイカン。ここは新聞の釣りコーナーでも見て、昨日の感動を思い出して、心を落ち着け…ブチ(←血管のキレる音)』

 ”当貝津でアマゴ26匹!!イワナ2匹!”

 新聞紙に載せられた大小のアマゴ、イワナ…
 いいか、絶対全部食えよ、近所に配るなよ。どうせ迷惑がられるだけだからな!
 で、全部食い終わるまで釣りに来るんじゃねーぞ!



コレまたこの流れらしい丸いパーマーク
月27日(火曜日) 寒狭上流(愛知県)


こんな天気の良い日に仕事なんか…(略)

 『明日は釣るぞー!朝から晩まで、忍野でも石徹白でも下伊那でも、どこに行くことになっても夜明けと同時に川に入ってやるからな!』

 久しぶりの遠征前夜。車には忍野用の長尺#4から下伊那薮沢用の短い#2まで、どこでも対応できるように4本のロッドを積み込んで準備万端だった
(注:自分は目が覚めた時間で行き先を決めるタイプです)


 そんな時、妻からの一言
 『あ、今日歯医者行くから、昼過ぎから子供お願いねー。仕事休みなんでしょ?


 ということで、子供を保育園の送り届けてから出かけた先は言うまでもなく寒狭上流…しかも目的の支流の駐車スペースにはウェーダーを履いたフライマンの姿が…
『今からですよね?どっちに行きます?』
『あ、ここから降りて(本流筋を)上へ…』
『じゃ、僕支流に入りますんで!』

 いかにも”譲った”ように言いながら、マンマと目的のポイントに滑り込むことに成功したのであった

 支流は結構な増水ではあったが、ものの数投目でまずは小型のアマゴをキャッチ!その後もポツポツと同じようなサイズが飛び出してくる

 『う〜ん、寒狭でコレなら下伊那に行ってりゃ100匹くらい釣れたんじゃねーかな?』などと行けなかったのをいいことに好き放題に妄想しながら釣りあがると、目の前のプールに結構なサイズの魚影が見えた

 『おー、あの手前でライズしてるのが22〜3センチありそうだから…あの影からすると25センチは超してるんじゃないか??』
 #16のパラシュート、#18CDCダン、ミッジピューパ、#22グリフィスナット…すべて見切られた

 『しょーがねー…アレを出すか』
 冬の間、天竜で反応がよかったビーズヘッドマラブーを沈めると、一発でマーカーが引き込まれた

 『どーだ!やったぜ!!』

 ところが何か違う。引きが弱いし、どうも魚の色が…グッドサイズのカワムツだった…



コレのほかにヘビにも数回遭遇しました


でもやっぱりたまには遠征したい

 オチのついたところで別の支流を目指す

 いつも良形が飛び出すプールの流れ込みを凝視すると、ときおりポツンとライズしてるヤツがいる

 『いやいや、まだ油断できないな…あ、パーマーク!!


 間違いない、今度こそアマゴである
 再び#16のパラから始まるワンパターン戦略スタート。しかし風が出てきたこともあってなかなか思うポイントまでフライを運べない


 『うー!あと50センチ…』
 細心の注意を払い、一歩前に出た瞬間、見事に走られた…しかも結構なサイズのが2匹もいやがった

 かなり投げやりな気分で走っていった方向に無造作にキャストすると…”ポツ”…
 この日一番のサイズ(といっても7〜8寸)のアマゴがヒットした

 『こんなナイスなアマゴは下伊那行ってたら釣れなかったナ。きっと』

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Field Note
 
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