Field Note 2009 *下へ行くほど最新です

 





山の向こうは沈む里、そしてここは消えていく里…
 

 はじめてこの支流へ来た時、この養魚場はまだ現役で、導水路の直下の小さなプールにはいつも小さなアマゴが群れていた

 ひとしきり釣り上がり、採石場の間を抜ける鉄道跡の小路を戻ってくると、いつも片方の後ろ脚が利かない犬が食べ物をねだって寄ってきた
 
 でも今はもう養魚場は廃墟と化し、採石場の設備もすっかり錆び付き、そしてあの犬の姿も見なくなった
 透明な流れの中ではハヤが幅を利かし、かつて何度もサプライズを演じた野生のイワナの姿もめっきり見なくなった


 すべてが風化していくそんな谷で、そこにつながる道路だけがものすごい勢いで整備されている


Pre-season "天竜で釣りをされる皆様へ"
月16日(金曜日) 天竜川C&Rエリア(静岡県)

 皆さん、今年の天竜はいかがでしたか?

 などとガラにもなく極まっとうな挨拶で始めてしまったが、何を隠そうコレを書いているのは6月。天竜シーズンが終わっちゃったどころか、渓流シーズンの盛期すら終わりかねない時期だ


 何でそんな事態になっているかという言い訳は置いておくとして、自分が感じた今シーズンの天竜は”異常”だった  

 何しろプールでは1匹もランディングできなかった…が、瀬ではワサワサ釣れた
 1回だけ30センチくらいのが釣れまくった日があったが、あとは50センチ級がメインで、この最後の日には11月に取り込めなかった70センチをついにキャッチ!!!と言いたいところだが、実際は60センチくらいだった (← 控えめに言ってるようで、実際はものすごい自慢だったりする。どうも最近性格が歪んできたようだ…)



コレは”鮭”だろ。ホンモノ釣ったことないけど(笑)


渓流用ネットではありません!(念のため)

 そんなふうに、岸から2〜3メートル前にボトンと毛鉤を落としたところで50センチだ60センチだというレインボーとファイトできる釣り場ってどうなんだろう?

 コレはやっぱり(自分にとっては良い意味で)異常だと思う
 忍野だってこのサイズはもうちょっと遠く(苦笑)にキャストしないとヒットしないだろう

 プールで対岸の釣り人のハナ先までルアーやラインを飛ばさなくてもいいなんて、自分のようなキャスティング能力皆無のフライフィッシャーにはまさにパラダイス!だから…

 『頼むからキャスティングの上手な人、ダブハンの人、その他ルアーの人もそうでない人も…プールで頑張ってくれ!瀬は空けておいてくれ!じゃないとオレは釣れないんだよ!!!』

March 「あくまで、試し振り」
3月10日(火曜日) 寒狭川上流(愛知県)

 3月ですよ、サ・ン・ガ・ツ!

 ったく、どういうコトなんだよ、オレはフライフィッシャーじゃなかったのか?何で2月のアタマからこんな時期まで仕事だ家事だ育児だに精を出してなきゃならないんだよ!(注:仕事も家事も育児も立派な大人の行いです)


 溜まるストレスに輪をかけるのは、壁に飾られた竹竿…いわゆるバンブーロッドの存在

 『振りたい…振りたい…あぁ、振りたい…』
 まぁ振るだけなら家の前でも道路でも振りゃいいんだけど、それじゃやっぱり竹竿様に申し訳ないので、大名倉まで行くことにした


 普段着で振るのも雰囲気が出ないので、ウェーダーも履いて、ベストにはネットなんかも付けて着てみることにした
 でもって、せっかくだから川の中にも入ってみた



リールシートはちょっとスペシャル!


BUCKナイフとペンチの忘れ物
(清流公園管理棟横のネットに掛けてありました)

 『何というか…コレが本当にバンブーなのか?』

 バンブーどころかグラスやカーボン100%の竿ですら使いこなせずに売り払ってしまったこのオレが、何の違和感も感じることなく、普通にキャストできてしまう…


 『すげぇ…イシグロの中古コーナーで振った○○ロッドなんて、コレに比べりゃ6フィートのエアロバー(※自転車部品ではなく、フィットネス用品の方です。適宜検索してください)だよ』

 いやー、凄い。やっぱり吉田さんはスゴい。たぶん、オレが使えるバンブーロッドを造れる人は吉田さんだけと思う


 でも、聞くところによると魚が掛かった時の感覚がまたスゴいらしいではないか!

 まぁ今日はあくまでも”試し振り”なので仕方ないが、今度は是非そちらの凄さも試してみよう!…えーーーん(泣

June 「♪はーるばる来たぜ寒狭ぁー」
6月■日(★曜日) 寒狭川上流(愛知県)


この川には珍しい黒点の多いアマゴ

 実はこの春に引越しをやって、仕事も変わった

 ということでホトボリのさめるまでは念のため日付は非公開だ(理由は…言うまでもないだろう)

 で、仕事もさることながら問題は引越しの方だ

 今までなら寒狭まで車で1時間程度で行くことができたのだが、今や時間によっては倍もの時間がかかってしまう

 となるとちょっとやそっと時間が空いたからといって出かけられるモノじゃない。おまけに勤務先は寒狭とは正反対、渓流から遠く離れた海のほとりである

 というワケで、今や自分にとってフライフィッシングは”大遠征”なのである

 あぁ、仕事に行ったフリをして釣りをしてた頃が懐かしい…

 そんな”大遠征”でやってきたのはおなじみの当貝津支流

 ウワサに聞く吉田ロッドの釣り味を堪能するべく向かった大名倉で3月に玉砕したため、今回は無難に実績のあるポイントに入る

 ところが、3ヶ月ぶりの釣りということでいくつもの誤算が生じる


 まず暑い。ウェーダーはブ厚い冬用、インナーは防風防寒ジャージしかバッグに入っていなかった
 さらなる悲劇はベストの中。ポケットには春先のミッジ用ティペットとリーダーしか入っていなかった

 『やるのか?ココで?7x12ftのリーダーで??』

 かくして蜘蛛の巣と新緑の葉が生い茂るヤブ沢に、バンブー+ライトラインで突入することになった



もうこんな季節になっちまった


こちらはこの川らしい飴色アマゴ

 1投目で蜘蛛の糸を絡め取り、そのままトンボを釣ることになった
 立ち上がった瞬間、淵尻にいた良形に走られた  

 その後も後ろで葉っぱ、前で蜘蛛の巣を釣りまくり、いつまでたっても”極上の釣り味”を味わうことができない

 『今日も…また試し振りか…』
 と思い始めた瞬間、待望の水しぶきが上がった

 『おぉ、すげ…っていうか、寄せられねーーー!?』
 その妙な釣り味の原因は、スレ掛かりだった…

 しかしその後ほどなくこの川らしい美形アマゴをキャッチ
 その後もコンスタントにヒットが続き、やっと”遅い解禁”を迎えることができた

 え、『吉田ロッドの釣り味は?』って?
 ウフフ…もったいなくて書けないナ。でも、今からオーダーしておけば再来年の解禁に間に合う…かもよ!

6月■日(★曜日) 根羽川(長野県)〜寒狭川上流(愛知県)

 いやー、2週続けて釣りなんて夢のようだね!

 しかし今考えると1ヶ月に10回近く行ってた時期ってのは、オレはどういう生活してたんだろう?ってちょっと怖くなったりするけど


 で今期初めての根羽

 さすがに今年は年券は断念したが、とりあえずお気に入りの最上流部へ行くと…何と!この鮎も始まった季節の平日ともあろうこの日・この場所に先客がいやがった!
(しかもこの浅瀬の連続するポイントでエサ釣り!)


 あわててもうちょっと上流(いちおう、それなりの距離を置いて)へ向かい、ソソクサと入渓。せっかく久しぶりの根羽なのでイワナの可能性のある谷へと入ってみたのだが…



なんでこんなところにレインボー?


こちらはいかにも根羽という美白(笑)アマゴ

 入ってすぐに10センチにも満たないアマゴが飛んできた
 そしていつもナイスサイズが潜んでいるはずの落ち込みにフライを落とすと…派手な水しぶきとともに激しいファイトが始まった  

 『おぉーー!コレは結構なサイズじゃないのか!』

 と思った瞬間、そのサカナは水面を飛び出してジャンプしてみせた

 『え?まさか?』
 強引に寄せてネットに納めると…なんとレインボーだった

 『まさか…また上流の別荘地のイベントか…』
 かすかに養魚場育ちの面影を残す魚体を眺めながら複雑な気分…とは言うもののとりあえずは流れに戻ってもらい、そのまま釣りあがった

 その後いつものサイズ、いつものスタイルのアマゴをいくつかキャッチし、イブニングに備えて寒狭へ移動開始する

 6月といえば例の滝下の淵のスーパーハッチ&ライズ天国の季節!勢い勇んでやってきたのだが…何と近所のオヤジが草刈機で盛大に岸辺を荒らしている

 『まぁ〜、コッチは遊びに来てるんだし…しょうがねーか…』


 ひとまず下流で時間をツブし、再び滝下へ戻ると…オヤジは草刈機を止めてタバコをふかしてた

 『やれやれ、やっと終わったか…』

 そう思って護岸を降り始めた時、『ブォ〜〜ン…バリバリバリバリ』

 そしておそらく今年最初で最後のイブニングの釣りはあっけなく頓挫したのであった…



次の週に来てたら大感謝だったんだけどな!
6月27日(土曜日) 寒狭川上流(愛知県)

 3週続けて釣りだよ!夢のよう…っていうか、もうあらゆる意味でヤバいね。オレ

 で、この日は時間もなかったので、半分寝ててもたどり着ける大名倉へ向かう  

 ところが、さすが土曜日。清流公園より上流のめぼしいポイントにはすべて車が止まってたので、集落付近から入渓する


 河原へ降りると水量もバッチリ、あたりからはそこはかとなくアマゴの匂いがする(マジで!)
 『コレは釣れる。絶対!』
 いつもよりちょっとだけ入念にフライを流す…が、なかなか反応がない

 『フフフ、まだまだ。勝負はこのプールを登ってからだよ。フフ…ん?はぁーーー!!!???』



誰もが『渓相”は”抜群!』って言うんだよ。ココ


上から見るとアマゴらしいのもいるんだけどねぇ

 何と、50メートルほど先にエサ釣りの人がいるではないか!  

 『オイオイオイオイオイ!少なくとも上流500メートルくらいは車が止まってなかったハズだし、オレが入ったところより下流からは上がってこれないハズだぞ!』

 考えられるのはひとつ、オレの車とその直下にいるオレの姿を確認した上で、すぐ上流の駐車スペースに車を止めて、下れるところまで下って…あーー、もういい

 『釣れませんように…』と世界中の神仏に祈りながら引き返し、さらに下流に向かう

 『ココはねぇ〜…アレなんだよなぁ〜…』
 予想通り、1投目からカワムツ様が大歓迎してくれた

 あーー、いつになったらオレの大名倉は解禁なんだ!

July "ETC割引のシステムがよくわかりません"
7月15日(水曜日) 忍野・桂川(山梨県)

 土日高速1000円という、忍野に通ってた頃から思えば天国のようなこのご時勢に、わざわざ平日に来てしまった

 しかしおかげで道も釣り場も空いてるし、放流直後の夏休み前という”コレしかない!”というタイミングではある。ありがたく釣らせていただきましょう!  

 ということで、この日のテーマは『護岸のないところでも釣る』

 何を隠そう、オレは忍野まで出かけながらほとんどの時間を釣堀から鱒の家裏あたりでしか過ごしたことがない


 S字だとか、金田一だとか、チラっと行ったことはあるが、どーも常連サンと思われる人のブログやモノの本など見ていても敷居が高い(しかも魚影は薄いし、流れが複雑で難しい)ので、人に優しい上流部がお気に入りだったのだが、せっかく忍野ネット(ただしオフト製のハンパモノ)なるモノを購入したので、一念発起して茂平橋を渡ることにした



ウチの長男は山を見りゃ『フジサン』って言う


相変わらず人を狂わす魚影とサイズ

 と、その前にやっぱり何匹か釣っておきたいので、漁協駐車場前でサイトフィッシング(笑)  

 すると思惑通りレインボーとヤマメをいくつかキャッチ
 こうなるとスケベ心が沸いてきてテニスコートあたりもやっておきたいので、 一旦車に戻り長柄のイシグロネット@1500円をとりに行くと…

 『ねーよ。車の下に置いておいたのに
…』

 何と、持ち主が目と鼻の先で釣りしてるっていうのに、わざわざ安物のネットをかっぱらっていった野郎がいたのである
 

 この時点でもはや好むと好まざるに関わらず下流部へ行くしかなくなってしまった


 ネットが届かないであろう駐車場の堰堤下では、いかにも釣れそうなイワナやらヤマメがワサワサいるというのに…

 で、我慢できずにフライを落とすとあっさり釣れちゃった

 しかし当然ネットは届かない、ので、強引にお魚様に空中遊泳を楽しんでもらってやっとネットイン…  

 さすがに罪悪感と近くの釣り人の視線に耐えかねてそそくさと下流へ急ぐ


 久しぶりにやってきた下流部(上流部もそうだったけど)は、以前よりバイカモが増えた感じで、ますます難しい
 おまけに何故か3メートル後ろで観光客らしい男がジーーっと見てる
 そのうちワタナベさんまでやってきて、ますますテンパってしまい…もうキャストはボロボロである

 それでも何とか浮かせたり沈めたりしながら、いろんなポイントでいろんな魚種をキャッチできた
 さすがに今ウワサのメーターオーバーイトウは釣れなかったけど、この日も忍野をたっぷりと堪能することができた

 しかし…持って行くか?あのネットを…



この日はヤマメ中心だった
September "大名倉解禁"
9月19日(土曜日) 寒狭川上流(愛知県)


大名倉にまだイワナがいたとは!(涙)

 いやー、やっと釣れたよ、大名倉で。しかもコレ書いてる今はその翌年の4月ときたもんだ。何という長期的展望で更新されているサイトだろう…  

 でもねー、しっかり覚えてるんだな

 何でかというと…こんなナイスサイズのイワナはこの年最初で最後だったからだよ!全然行ってねーし、釣れねーんだよ!だから脳裏に焼きついてるんだよ!

 しかし大名倉のイワナは綺麗だ


 信憑性は定かでないけど、もうずっと前からイワナは放流してないっていうし、自分が釣り始めた頃はヤマトっぽい魚体のもいたこの大名倉
 

 イワナがいなくなるのが先か、ダムができるのが先かなどと思っていたが、大方の予想に反してどうやらダムが先のようだ…


 でアマゴがこれまた綺麗だ


 今年は初夏の放流稚魚の大漁シーズン(別に持ち帰るわけではないが)を経験しなかったせいか、そこそこのサイズのアマゴでも釣れるとムチャクチャ嬉しいし、どれも最高に綺麗に見える  

 ・・・と、↑までは前述のとおり2010年の4月に書いたわけだが、ここからは8月の作文だ(!)

 実は4月に最後まで更新してたつもりがテンプレに使ってた過去釣行の文章そのままだった、ってやっと気づいたんだな、コレが!


 というわけで必死に1年前の記憶を呼び戻してみよう…



いつの間にこんなおぞましいモノが…


次はバンブーに出てください

 そうそう、この日はやけに釣り人が多かった

 あの(とっくに釣り切られている)清流公園の駐車場にまで車が何台も置いてあったので、仕方なくその上の吊橋のたもとで着替えようと思ったらスズメバチに囲まれたんだよ  

 それでもなんとか釣ったんだけど…悲しいかなこの日のタックルは夏仕様の短めグラファイト…ということで、遂に大名倉で吉田ロッドの醍醐味を堪能する機会がないままシーズン終了となったのであった


 しかし…思い起こせば10数年前に5000円のRYOBIのロッドを持って初めてアマゴを釣ったこの大名倉…


 バンブーまで”登りつめた”つもりだったが、ウデはまったく変わってない、どころか退化してんじゃねーのか?オイ!

November - December
at TENRYU C&R AREA ( SHIZUOKA Pref )

 もうね、アセリとか罪悪感とかはすっかりなくなっちゃたんだよね、HPやらブログだのの更新しなくても

 ということで、釣りやけちゃったんじゃないか?と思われているフシもあるのだが、まーそれはそれでイイんじゃないかと思う
 車も密かに替えちゃったし、誰にも気づかれずにコソーッと釣りしてるっていうのもなんか楽しい・・・

 ということで、11月アタマの解禁の騒動もそこそこおさまった頃の平日金曜日、例によって仕事に行くフリをして子供を保育園にブチ込み、そそくさと天竜にやってきた


 いつもの場所に車を止めて、川へ降りると…何やら見覚えのあるジャケットとお姿のフライフィッシャーが目に入る

 『あー!BILLさん!!』



いつも気になる道中の廃屋…
(求ム、詳細!)



濁り、取れないなぁ…

 自分と同様、ブログではすっかりとフライフィッシャーの気配を消しているBILLさん。やっぱりまだまだ現役バリバリだった(笑)

 積もる話はあるものの、何しろ4時までには保育園に行かなければならないので情報交換もソコソコに釣り始めると、なんとか今年も天竜らしいレインボーをキャッチできた
(ちなみにBILLさんとは後日また同じ場所で再会したのであった。もちろん平日だったりする)

 そんな出会いがあったりした天竜だけど、これまで味わうことのなかったイヤな部分も感じることがあった

 すれちがう時に『こんちはー!』と声をかけても完全シカトを決め込んでいたネオプレーンウェーダーのルアーマン
 支流の流れ込みのところで一心不乱にエサ釣りでペアリング中の魚を狙っていたオヤジ…

 遊漁規則の変更もあったりして、釣り人の数の割りにのどかな雰囲気だったココも転換期なのかもしれない

 その規則の変更はフライ・ルアー専用区の場合、シーズン(11月〜2月)で4,000円になり、ほかの年券はそのエリアでの釣りは禁止とのこと

 コレは自分のようにその時期・その場所でしかやらない者にはあまり影響はないように思えるが、実際は3月はできなくなるし、支流での渓流釣りもアウトということで…地元の人には厳しい変更かもしれない

 とは言うものの、来年も行くんだろうな、絶対…って言うか、実はコレ書いてる今は2010年の10月なワケで、もうそろそろカウントダウンモード…
 1年で唯一釣りができない10月の後の解禁ということで、正直ここ数年は渓流解禁より楽しみだったりする


 さー毛鉤巻くぞーーー!いよいよ今年初めてのタイイングだ!!(爆!)



最近、写真がメンドウで…

after the seazon




大名倉の法面に鎮座する掘削機…

 「もういい加減にしてくれ!」

 これが設楽ダム建設に対する政治というものへの正直な気持ちです

 地元には縁もゆかりもない、下流の農家のひとりごとから始まった壮大な計画…それは小さな山里に対立をもたらし、地域生活に重大な支障を与えたまま時間だけを浪費し、そして誰もが忘れかかったいた頃に突然ゾンビのように蘇り、住民が反対する気力も失いかけた頃に今度は凍結…しかし、「建設ではなく、あくまで調査だから」と粛々と進む測量、付帯工事…

 住民に比べれば雲泥の差ではあるけれども、自分自身もこの計画に悶々としながらも、何となく”受け入れ”るようになっていた


 そして”ダム後”の寒狭川が少しでも良いものになるように、何かできることがあれば…と、自分でできることをいろいろと画策していた

 しかし、あれほど望んでいたはずの”凍結”という言葉は、今となっては気休めにすらならない見え見えのカラ手形にしか思えない
 でも、そんなカラ手形にでも心のどこかですがってしまう…そんな情けなさでいっぱいです

 今思うのは、ダムのことや、他の釣り人の主義主張なんか気にせずに、ただ純粋にフライフィッシングを楽しみたい、それだけです

2009,12/31 … by taro …



toppage

Field Note
 
Back to previouspage