Answerback system (for HR-V)  

 それはある雨の日、スーパーへ買い物に行ったときのことだった。両手に荷物を抱え、土砂降りの雨の中車に走り寄る…当然、キーはロックされているので、一旦荷物を地べたに置いてキーをまわし、すばやく荷物を放り込み、車に乗り込んだ

 
家に帰り、さっき買ったばかりの座椅子を使おうとすると、びしょびしょに濡れていた  

 ディーラーに向かい、キーレスエントリーを付けてもらったのはその翌週のことだった

 そんな体験から、先日車を買い換える際も、キーレスエントリーは必須装備として購入車種を検討した。そして選んだHR-Vで雨の中買い物に向かった
 店の軒先でキーレスのボタンを押し、すばやく車に駆け寄り、ドアを開けようとすると…「あ、開かない!」
 パニックに陥った僕は狂ったようにボタンを連打した。「ガチャン、ガチャン」と音はするのだが、ドアノブを引っ張るときに限ってロック状態だ

 12月の冷たい雨がしだいに頭をクールダウンさせた。「普通にカギさして回せばいいじゃん…」


 助手席側のツマミを確認して、キーをまわす。乗り込んで1秒後に決意した。 「アンサーバック機能のないキーレスなんて、脱がない及川奈央と同じだ」

ということで、知る人ぞ知る「八木澤さんのアンサーバック」をオーダーした


準備

@アンサーバックキット(下記HP参照)
 ・八木澤さんのページ http://www.yagisawa.net/

A工具
 ・ドライバー(プラス) 運転席前の小物入れなどをはずす
 ・ドライバー(マイナス) パネルをはずす
 ・スパナ(10〜12mm) バッテリーの−極やアース用のボルトの開け閉め
 ・ニッパー 配線のギボシ加工用
 ・ペンチ 分岐用コネクターの圧着用
 
 
B消耗品
 ・エーモンのコネクタ(赤) 各種配線の分岐
 ・電気配線(内径0.5mm) 自作の2股分岐配線用
 ・ビニールテープ(または自己融着テープ) 配線の絶縁用
 ・ギボシ端子 配線加工をやりやすくするために
 ・平型端子(メス) ヒューズボックスから電源を取り出す
 ・荷造り用のビニールひも 配線を引きずり上げるため
 ・両面テープ(スポンジタイプ) アンサーバックユニットを固定する
   
C簡単な配線イメージ図
 ・事前に何色の何本の配線が、どのあたりにどんなコネクタでつながるのかを簡単に書いておくとイイかも

D心の準備
 ・コレが一番大事。もしかすると感電死かエアバッグの暴発で打撲…とまではいかないまでもダッシュボードにキズが付くことは避けられないし、下手すると車のどっかがイカレるかもしれない。そんなときに「これもまた人生…」と思える平常心を持って作業に望みたい

1.アンサーバックキット到着!

 まずはしっかりと添付の説明書(写真 左)を読む。が、書かれている内容の20%ほどしか理解できないのが文系大学卒の悲しいところだ
 そんな人のために、上のリンク先では各車種別の装着者のサイトへリンクが張られていて、おどろいたことに絶滅危惧車種のHR-Vについても「3名」もの方が装着方法をHPで公開している
(それでもアゥアゥの人には掲示板で親切にQ&Aをしてくれるらしい)

 ということで、 リンク先のHPをプリントしたら、この説明書はさっさとゴミ箱に…捨てないように。なぜならロック、アンロックで点滅させるパターンが何通りかあり、その設定方法が書いてあるからだ
(自分はロック時2回、アンロック時4回の高速点滅に設定しました)

 

2.イメージトレーニング

 はやる気持ちを抑え、ここで一度深呼吸し、自分がインパネを外し、配線をコネクトするイメージトレーニングをしてみる

 そのため、今回は写真右のように接続先と端子の形、配線の色などを一覧表にした。こうすることで必要な消耗品の数も把握できるし、絡み合ったケーブルを見ても吐き気をもよおすことも防止できる…と思う

 準備ができたら、目を閉じてワーグナーの”ターンホイザー”のメロディーを鼻唄で奏でながらイメージトレーニングをしてみよう
 

3.パネルを外す

 さぁ、いよいよ作業開始である

 まずはお約束の「バッテリーのマイナス端子を外す」。ここでつまずく人はおとなしく電気工事か自動車整備士の知り合いを探そう
 そしてパネルの継ぎ目に先の平らな工具(マイナスドライバーなど。ただしキズ防止のため先端にビニールテープなどを張っておく…けど、たぶんキズだらけになる)をネジ込み、栓抜きの要領で「むん!」とえぐる
(*「エアコンの左右の噴出し口の間に布を通して一気に引っ張る」という方法も有効らしい)

 「べき」 と鈍い音がしたら、ためらわずにドライバーを移動させてさらにえぐる

 コツとしては、下の方からやっていくといいらしい

4.コネクター(カプラー)を外す
 最後にパネルの上の方で留められている4箇所のフックを外す。コツとしてはまっすぐ手前に引くといいらしいのだが、なかなか難しいのでパネルを前後に微妙に揺らしながら外す
 すると「カパッ」と外れるのだが、喜びのあまり手前にずり出すとハザード、リアデフォッガ、エアコン(オートエアコンの場合は2箇所…いや、3箇所だったかなぁ…)の配線(コネクターなど)を壊す可能性があるので、写真右程度までずり出したら、あとはそれぞれのカプラーを慎重に外す(各カプラとも中央の出っ張りを押しながら外す)

 ちなみに右の写真の白い物体はオートエアコンユニットで、なんとオートバイのキャブレターとかで有名な「KEIHIN」のもの。ちょっとうれしくなった(でも、オレのバイクのキャブはミクニ製…)
5.ハザードの配線を留める

 まずとりかかるのは、ハザードの配線に八木澤製のリレーを取り付けること。そのため、作業しやすいようにハザード配線を運転席の足元に引きずり出す

 しかし、そのままだとあとで元の位置に戻すときに大変なことになる(エーモンの分岐コネクタが3つも付いて太くなった配線は、なかなか元の位置にもどらない)ため、あらかじめ荷造り用のビニールひもで結んでおき、それをハンドルにつないでおく
 そうすることで、あとで引っ張り上げるのが格段にラクになる

 *最初からハザード配線の足元側に八木澤リレーを割り込ませる方法もある(パネル外し不要)けど、今回はカーナビも同時に装着する予定があり、どのみちパネルを外すことになるのでこうしました

6.運転席前の小物入れを外す

 HR-Vにはハンドルの右下の方にヒューズの位置とかが書かれた小物入れがある。で、この裏側にいろんなユニットが隠れているので、この小物入れを外す

 外し方は上部のネジをプラスのドライバーで外し、下部のフックを外すのだが、このフックがクセモノで、相当の気合を込めないと外せない
(実は後で気が付いたんだけど、裏からフックをちょいとつまんで引っ張ればいいんじゃないかと思う)

 小物入れが外れたら、写真の左上の方に見えている白い物体がキーレスユニット。その下から伸びている配線に八木澤製のアンサーバックユニットの配線を割り込ませる

7.ハザードリレーの装着


赤いカメムシみたいだ…

 さて、いよいよイメージトレーニングの成果が現れる瞬間である
 まずはハザードの配線を覆っている黒いチューブを5センチほどひん剥き、中の配線を露出させる。そしてエーモンの分岐コネクターを使って以下のとおり接続する

ハザード配線側
八木澤リレー側
/
/
白 / (常時電源)
 なお、リレーの白線は特に指向性はない模様。また、赤線(なんか淫靡な響きだ…)は常時電源なので、ヒューズボックス上部の平型端子(オス)から取り出しても可らしい。
 で、残ったリレー側の黄線は最後にアンサーバックユニットと接続するが、その前に…
8.ハザード試験点灯

 ここで一旦、バッテリーのマイナス極をつなぎ、上の作業で使った八木澤製リレーから伸びている黄色の線をアースさせる(ハザードコネクタをパネルにつなぐ必要はない)

 長さの関係上、アクセサリーソケット(シガーソケット)のマイナス部分(外周部の金属部分)に接触させてみると…「キター!」(って、まだ第一段階なのだが…)と左右のウインカー(ハザード)が点灯すればここまではOK

 なお、「点滅」ではなく「点灯」なので、パカパカしないからといってゲシュタルト崩壊しないように。 では、再びバッテリーのマイナス極を外し、続きを…

9.アンサーバックユニットの装着
 作業性を良くするため、先に触れたキーレスユニットにつながるカプラを外し、下記のとおり配線を割り込ませる



写真はカプラを戻した状態です

キーレスユニット配線側
八木澤ユニット側
/
白 /
白 / (常時電源)
 こちらも、赤線(うーん…)は常時電源なので、ヒューズボックス上部の平型端子から取り出しても可らしい
 で、残った八木澤ユニット側の2本の線のうち、1本(オレンジ色)は「アクセサリー電源」とのこと
 ここで再びイメトレの成果が現れる。「アクセサリー電源?そりゃたしか”イグニション電源”ってのと似てるらしいジャン!」…ということで、細かいことは抜きにして「イグニション電源」を探す
10.イグニション電源を取り出す
 再三触れている「ヒューズボックス上部の平型端子」のありかが、左の写真(赤丸部分)
 からみあう配線の奥でひっそりと出番をまっている3箇所の平型端子(オス)は、写真奥(現物を正面から見ると左)から順番に「イグニション電源」「常時電源」「イルミネーション電源」(らしい)

 今回はこの一番奥の「イグニション」と、八木澤ユニットのオレンジ色の配線をつなぐことにした
 また、これらの端子は後で取り付けるカーナビ用にも必要になるので、平型(メス)端子から二股に別れ、それぞれにギボシ(メス)端子を取り付けた分岐配線を自作して使用した
11.ハザードリレーとアンサーバックユニットを接続する
 最後に、残った黄色線同士を接続する

 今回はあとでやり直しがきくようにギボシ端子をそれぞれにくっつけて接続した(写真の黄線。オス端子に保護ビニールが付いていないのはご愛嬌…)

 また、写真右に写っているのが2股加工したイグニション電源からの配線。右側の方に八木澤ユニットのオレンジ色の配線が接続されている

 これで配線作業は終了。あとは適当にコードを束ね、カプラーやパネルを元通りにはめていき、バッテリーをつないでキーレスのボタンを押すと…「おぉーーーー!!!」と感動すること間違いナシ!

*車体のキーレスユニットに八木澤製のアンサーバックユニットを貼り付けると、電波干渉のためかキーレスの作動範囲が狭くなるようです。なるべく離して設置したほうが良いようです



ここまでの所要時間、約1.5時間…フゥー

*エーモンの分岐用コネクター

 最後に、今回大活躍した「エーモン」の分岐コネクター(写真 左側)を紹介しておこう

 これは色によって対応する線の太さが違うらしいけど、今回は(カーナビの方も含めて)すべて赤色のものを使用した
(*これよりワンサイズ太いものに対応する「青色」を使用して接触不良をおこしたケースがあるらしいので、「赤」で行ったほうが無難かと…)

 ちなみに右側に写っているのは、ソニーのカーナビに付いてきた分岐コネクター
 天下の大企業ソニー様ともなると、ニッチ企業のエーモン製を添付するのはプライドが許さないのか、質感もやや高級なものなのだが…エーモン製の方がわかりやすくてハメやすいので、ナビの方も全部エーモンでやりました



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My Bike (and Car)
 
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