Carnavigation system (for HR-V)  

 
 前に乗っていた車にもテレビを付けていた
 2.5インチくらいの画面の小さな携帯テレビだったけど、とりあえず役に立っていた


 新しく買ったHR-Vにもそのテレビを付けるつもりだった…が、新車のダッシュボードにそのテレビはあまりにもチープだった

 「せっかくだから、ちゃんとしたテレビを付けるか…」

 いろいろと調べているうち、テレビキットに2〜3万円プラスするとナビが付くという

 「せっかくだから、ナビも付けるか…」

 

 
 
今度はカーナビの検討に入る。ところが、今やCD-ROMのナビなど絶滅寸前、しかもDVDすら「反応が遅い」とか言われて「ハードディスクナビ」の時代だという…

 「せっかくなら、ハードディスクにするか…」

 結局、パソコンと連携できたりするらしいソニーのHDナビにしようと考えた。が、4種類あるグレードのどれにしようか…

 「せっかくだから…」

 発売されたばかりの最新モデルになってしまった
 車本体はケチってフロアマットさえも付けなかったのに…


準備

@カーナビ本体 ソニー XYZ88(下記HP参照)
 ・詳細ページ http://www.sony.jp/products/me/xyz/index.html
 ・オプション バックカメラ(XA-700C)、ビーコンユニット(NVA-VB5)


A工具
 ・ドライバー(プラス) 運転席前の小物入れなどをはずす
 ・ドライバー(マイナス) パネルをはずす
 ・スパナ(10〜12mm) バッテリーの−極やアース用のボルトの開け閉め
 ・ニッパー 配線のギボシ加工用
 ・ペンチ 分岐用コネクターの圧着用 
 ・霧吹き フィルムアンテナの貼り付け用
 
B消耗品
 ・エーモンのコネクタ(赤) 各種配線の分岐
 ・電気配線(0.5mmくらい) 平型→ギボシ二股などの自作配線用
 ・ビニールテープ(または自己融着テープ) 配線の絶縁用
 ・ギボシ端子 配線加工をやりやすくするために
 ・平型端子(メス) ヒューズボックスから電源を取り出す
 ・粘着フック 各種配線の固定用
 ・両面テープ 配線等を固定する
   
C簡単な配線イメージ図
 ・事前に何色の何本の配線が、どのあたりにどんなコネクタでつながるのかを簡単に書いておくとイイかも

D心の準備
 ・以下、カッコ内はアンサーバックに同じ→(もしかすると感電死かエアバッグで打撲…とまではいかないまでもダッシュボードにキズが付くことは避けられないし、下手すると車のどっかがイカレるかもしれない。そんなときに「これもまた人生…」と思える平常心を持って作業に望みたい)。
 なお、アンサーバックシステムと決定的に異なるのは、配線ミス等であらぬ電気を流してしまった場合、ドブに捨てることになる金額が2ケタ大きいということ。これは、ある意味感電するよりシビれる

 

1.情報収集

 すでに購入機種はソニーのXYZ88に決まっているので、コレをいかにしたらHR-Vに装着できるかを調べなければならない。何しろオ○トバックスやイエロ○ハットで取り付けを頼むと、万単位の工賃と2〜3時間ほどの時間を要する大ごとらしい

 そこで、この手のDIY派にめっぽうやさしい「SONY mobile」のサイトをチェックしてみる
 すると…あるじゃないか、HR-V!ただし、98年式と99年式の2種類しか掲載されていない。どうやらソニーの中でHR-Vは2000年に生産中止と判断されたようだ

 しょうがないので、少しでも年式の近い99年モデルの取り付け情報をプリントアウトする(写真 左)
 これでわかったのは、カーナビには電源関係のほかに「車速パルス」「リバースを関知する配線」「サイドブレーキを関知する配線」の3種類を接続しなければならないらしい、ということ

 ということで、早速作業開始!
(その前にバッテリーのマイナス端子を必ず外しましょう)

2.パネルを外す

 今回はアンサーバックシステムと同時装着のため、すでに外れた状態になっているわけだが、何回もコレを繰り返すとパネル周りがキズだらけになってしまうので、右の写真の矢印ところにTシャツかなんかを通して一気に引っ張ると見事に外れるとのこと

 いつかやってみようとは思うが、僕のHR-Vのパネル周りはキズだらけなので、正直どうでもよかったりする

3.インダッシュ・ステーションを取り付ける

 HR-Vのオーディオスペースはいわゆる”2DIN”。すでに1DIN分は前の車から使ってるKENWOODのCDプレーヤーがはまっているので、残った1DINに「インダッシュ・ステーション」を取り付ける

 実はこのナビは「インダッシュのスペースにオンダッシュで取り付ける」というもので、ナビ画面を支える部分にFMチューナーや外部出力端子なんかが付いていて、まるごとDINスペースにはめ込むようになっている

 ちなみに左の写真の配線がゴチャゴチャしてる方がCDプレーヤーで、上の太い線が2本(FMアンテナ、拡張ステーション用ケーブル)と細い線(GPSアンテナなど)が刺さってるのがインダッシュ・ステーション

4.パネルを元通りにはめる

 インダッシュの部分の作業は3の配線(FMアンテナ、拡張ケーブル、GPS)の3本を刺すだけなので、これだけ接続したらDINスペース用のステーに固定してパネルをはめる
(はめ方は「バンバン」と手で叩く以外の方法は知らない)

 すると右の写真のようにオーディオとオートエアコン操作パネルの間に妙に出っ張ったインダッシュ(ちっとも”イン”じゃねーよ…)ステーションが姿を現した
 これは出っ張りの量を調節できるので、ナビ画面が乗るトレーの部分を「エイヤー」と人力で引っ張る。すると…
「あれ、カーステごと浮いてきた…」

 そう、2DIN用の金具をネジ止めするのを忘れていた
 _| ̄|○

 ということで、2の作業に戻りまたまたキズを増やしたのであった


カーソルあててみてね
5.電源を取り出す

 これ以降の配線は、すべて「拡張ステーション」に繋ぐ配線となる。つまり…モニターがインダッシュもどきになっても、なんだかんだで配線がそこら中に伸びるというワケだ
(ちなみにソニーのサイトでは「ダッシュボード上は配線すっきり」とうたっている。間違っちゃないが…)

 で、電源(とイグニション電源)はカーナビだけでなく、TVアンテナ用のブースター、それにバックカメラにも必要となるらしいので、アンサーバックキットの取り付けの際に使った2股の分岐を利用し、ヒューズボックス上部の平型端子(オス)から取り出す(赤丸の部分。奥からイグニション、常時電源、イルミネーションの順。イルミ以外の2カ所から取り出す)

*ブースターとナビはそれぞれの電源が共有できるように付属のケーブルが分岐されていたので、結局両方とも1カ所あればOKでした

6.アースを繋ぐ
 僕のようなシロウトにとって、自動車の電気配線なんかをいじるときに鬼門になるのが、この”アース”である
 これがよくわかんないから感電しそうで怖いし、たまにはヒューズをとばしたりする。なので、とりあえず「どっかからプラスの電気が流れてくるから、それをボディのどっか金属のところに流してやらないと電気が通らない」と理解し、塗装がされていない金属がむき出しにところを探すが、これが意外に見つからない

 で、結局ヒューズボックス下のパネルを引っぺがし、ダッシュボードを支えているボルト(写真の中央部分)に繋ぐことにする

 たいていアース線は先端がクワ型の端子になっているので、ボルトをゆるめてカマせる。1カ所取れれば、後はエーモンの分岐コネクタで対応しよう
(サイドブレーキ線も繋いじゃったのはナイショ)

7.車速パルスを取り出す

 カーナビ取り付け最大の謎がこの「車速パルス」だ。何のことだか見当も付かないが、とりあえず繋がないとはじまらないので、例によってソニーのサイトを見ると…「フューエルインジェクションユニットの24Pコネクターの5番(青/白)…」って、さっぱりわかんねーよ!

 さらに調べるとアゼストのサイトには「助手席足下のエンジンコントロールユニットの31Pコネクターの…」

 結局、どっちもよくわからないので、やりやすそうなソニーの方を採用し、その図面のよく似た位置にあるコネクタ(写真 左の赤丸)の青/白の線にエーモンの分岐コネクタをカマせた

 さて、結末やいかに…

8.リバース信号を取り出す(その1)
 こちらもソニーのサイトに従い、リアスピーカーの下にあるテールランプ配線用コネクタ付近から取り出そう…と思ったら、これがエライ大変な作業だった
 何しろHR-Vのリアスピーカーは直径12cmという、ツイーターと見間違うばかりのスペシャル(社外品不可)ミニサイズである。ここに成人男性が手を突っ込んで、エーモンのコネクターをかませるのは極めて過酷な作業となる (ここで左手に20カ所、右手に10カ所ほどの擦り傷を作った)

 死ぬ思いで写真右のように分岐させたが、ここからどうやって拡張ステーションまで線を延ばすか…まったく妙案が浮かばない

 そのとき、アゼストの方の取り付け説明書が目に入った

リバース信号を取り出す(その2)
 こっちには「AT車はシフトスイッチ下の配線から取り出し…」とある
 どう考えてもこっちの方がラクそうなのだが、先ほどの車速パルスの例もあるので、イマイチよくわからない。ま、分岐するぐらいなら車に害はないだろうと信じ、カップホルダーをハズして下をのぞいてみた
  リバース信号を取り出す(その3)

 すると、アゼストの図面のとおりのコネクターが出てきた(写真「コレ」)

 「ヤッター!」と思ったのもつかの間、コードの色も、位置も、数も図面と違っている…

 約10秒の思考停止の後、ニッパーで保護テープをはがし、おもむろに緑/黒の配線にエーモンをカマす
 この暴挙とも思える行動の根拠は、ソニー、アゼストとも唯一共通していたのが「配線色は緑/黒」という点だったから…

 
てんで違うピン位置なのだがやってしまったよ

9.アンテナの配線

 このナビにはフィルムアンテナが付いている。張り方は「スモークフィルムを張るのと同じだろう…」と思い、霧吹きで中性洗剤入りの水をぶっかけて貼り付ける。当然、型どりなんていう工程は割愛した

 また、アンテナ本体に伸びるケーブルにはアースを取る部分があり、車体に触れさせないといけないらしいので、その部分の塗装をはがした(写真 ココ)

 なお、ここ(ピラー)には本来カバーが付いている。これももちろん工具不要で人力で引っぺがすのみ

(ちなみに「ココ」の文字が茶色なのは、僕がフォトショップの使い方をほとんど理解していないからです)

10.アンテナ等の配線
 右側同様、左側も配線する。今回はダッシュボードの右側にGPSアンテナ、左側にビーコン受信機を設置するので、これらのケーブルもピラーとダッシュボードの隙間から足下に通しておく。こうするとソニーの思うツボ…もとい、うたい文句通りダッシュボード上の配線がすっきりする

(ちなみに僕が「ビーコンとGPSのコードもダッシュボード脇から通せばイイジャン!」と気づいたのは、この作業を終えピラーのパネルをはめた30分後だった)
11.アンテナの接続

 フィルムアンテナが十分に乾いてから、先に配線したケーブルをアンテナの端子部に貼り付ける

 説明書には「左右に注意してください」とかかれているが、僕は裏表を間違えて張りそうになった。アーハハ

 なお、写真ではすでに外が真っ暗になっているが、これは作業に異常に時間がかかったため…ではなく、写真を取り忘れ、後で撮影したためである (ま、時間もかかったんだけど…)

12.アンテナブースターの設置
 この作業は最後でもいいんだけど…左右のアンテナからのケーブルは、5の作業の平型端子から電源供給されているブースターに繋ぐことになる
 さらにこのブースターから拡張ステーションにぶっといケーブルがつながっているんで、取り回しに頭を抱えたが、後で説明するように助手席サイドから回した

 ブースター本体はダッシュボードセンターの助手席側足下のあたりに貼り付けたけど、人を乗せた場合蹴られるんじゃないかとちょっと心配…

13.バックカメラの取り付け

 今回はフンパツしてオプションのバックカメラも取り付けることにした
 何しろHR-Vの後方下部の認視性の悪さは定評があるところなので、勢いで買ってしまったんだけど、取り付けの位置が難しい

 本当はリアウィンドーの上に付けるんだろうけど、そうするとせっかく”ジェットフィールスタイル”がスポイルされてしまう気がしたので、ナンバー横に借り留めしてみる
 しかし、イマイチ視界が狭く、何より黒いコードが白いボディを這うのがみっともない。で、考えた末にホンダのロゴマークを挟んだワイパーの反対側に付けることにした
 これなら配線はリアウィンドーの下のラインに沿ってキレイ(なつもり)に処理できる、かな?
(このとき、はじめてルーフスポイラー付けときゃよかったと思った)

14.バックカメラの配線
 もはやパネルに穴をあけたりシートを外したりする気力がないので、素直にトランクルームの床のスミを這わせた

 リアゲートのパッキンのところが何も処理されていないが、そのうち何か貼り付けておこうと思っている。気力があれば…
15.アンテナ、バックカメラ電源等の配線(その1)

 今回は拡張ステーションを助手席シート下に設置してみた

 で、 インダッシュから拡張ステーションに伸びている配線は運転席と助手席の間を通してるんだけど、アンテナとバックカメラ(の電源)、それにビーコン受信機のケーブルは助手席外側のサイドシル(ガーニッシュって言うの?)の下を通すことにした(例によってエイヤ!で引っぺがす)


 でも、どちらも結局シート下に出す段階でカラフルな配線が向きだしになるので、これまでの苦労はなんだったんだ?という気分になる
(ここらへんの処理がプロはスゴイらしい)

  アンテナ、バックカメラ電源等の配線(その2)
 サイドシル(ガーニッシュ?)を通すとなると、その手前のパネル(発煙筒の付いているヤツ)も外さなくてはならない

 で、その発煙筒をつかんでいるパーツのネジを外し、引っ張るが…取れない
よく見るとそのネジは取り外しにまったく関係ないネジで、例によって人力で「エイヤ」で外すのが正解だった

 なお、これらの配線はHR-V程度の大きさの車だと大量に余裕があるので、丸めて助手席足下のモールの中に押し込んでおいた
 

16.拡張ステーションの設置

 数々の配線にからまる拡張ステーション…HR-Vにはスペース的にシート下しか置き場所がないと思われるので、助手席下にマジックテープで貼り付けたけど…どーも後ろに座ったヤツに蹴られそうだ

 で、100均ショップで買ってきたのか写真左の白いアミ
 これはたぶんキッチンなんかでタワシとかを置くのに使うものなんだろうけど、これをステーションにかぶせるようにして、その上にリアのフロアマットをかける。そうすると、アミの半分くらいが隠れて、ちょうど後ろからは見えないようになった

 また、メッシュなので暖房の吹き出しもある程度は逃がせると思う

17.試運転!

 さて、いよいよ緊張の一瞬…車速パルスは、リバース信号はちゃんと取れているのか?

 バッテリーを繋ぎ、キーをオンにすると電源が入り、いきなり自宅位置が表示されている!「よし、いけるゾ!」
 ギアをリバースに…「う、映ったぁー!」いちかバチかの配線は当たりだったようだ(後で確認したら、もちろんリアスピーカーのところでも取れてた)

 さて問題の車速パルスは走ってみないとわからない。ということで発進…あれれ、車が動かない!
 「何か、トンデモナイところの配線を切ってしまったのか?」とビビリながら、あらためてアクセルを踏むと…「動いた!」

 どうやら、バッテリーを外すとコンピューターがリセットされることと関係あるみたいで、一度走り出せばいつもの加速だった
(パワーウインドーもオートが効かなくなるので、あげっぱなしで2〜3秒押し続けると回復しました)



サイドブレーキの配線をアース(作業6参照)
に繋いだんで…走行中もテレビが映ったりする
試運転!〜その後

 で、車速パルスだけど…ちゃんと取れてましたよ!(何の役に立つのかよくわかんないけど)

 これでめでたく取り付けを終了したんだけど、一つ言いたいことがある
 それは、カタログの写真にはあまり写ってないんだけど、実はインダッシュ・ステーションにはナビ画面本体を支える透明の”サポーター”ってのが付いていて、これがネジ止めのため、ナビ画面本体をハズしてもデ〜ンと残るのである
 つまり、ナビを使わないときもエアコン操作パネルを思いっきりジャマするのである

 おい、ソニー!これをワンタッチで外せないでどうする?透明にしたって後ろにゃ指がいかないんだよ!!



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