45シングルアンプの設計(途中経過 2005.3.9)
使用する真空管等
 前提条件として、出力段を45のシングルとします。また、外観をST管で統一したかったので、ドライブ段、初段ともに76を用いた3段構成を検討してみます。また、手持ち部品を活用して出力トランスは旧タンゴのU-808を使用します。電源トランスは、設計に合わせて新規に購入するものとします。

45の動作条件をどうするか?
 45の負荷をどの値にするかを検討します。出力トランスをU-808を使用すると、候補は3,5kΩか5kΩになります。別掲のMS-Excelを用いたシミュレーションをで両者を比較してみます。

RL=3.5KΩの場合
45の動作基点
動作点 Eg0=-48.5V
Ep0=250V
Ip0=34mA
負荷 RL=3.5KΩ
76ドライブ段の動作基点
動作点 Eg=-12V
Ep=220V
Ip=4mA
負荷 RL=20KΩ
(交流負荷18.5KΩ)
76初段の動作基点
動作点 Eg=-4V
Ep=100V
Ip=4mA
負荷 RL=50KΩ
(交流負荷45.45KΩ)
 この場合、別掲のシミュレーションの結果、45単体では最大出力1.88W(歪率6.1%)となりましたが、初段+ドライブ段の76との歪の打消しを合わせてシミュレーションすると、最大出力2W(歪率2.4%)となります。
 下に入力と出力の関係を表したグラフとその近似多項式を示します。

左:45単独の場合  右:76-76-45の組み合わせでシミュレーションした場合
 また、このときの最大出力時の高調波歪成分のグラフは以下のようになります。(歪の打消しを考慮した場合)
全高調波歪率=2.448%(出力2.01W時)


RL=5KΩの場合
45の動作基点
動作点 Eg=-60V
Ep=282V
Ip=28mA
負荷 RL=5KΩ
76ドライブ段の動作基点
動作点 Eg=-12V
Ep=220V
Ip=4mA
負荷 RL=20KΩ
(交流負荷18.5KΩ)
76初段の動作基点
動作点 Eg=-4V
Ep=100V
Ip=4mA
負荷 RL=50KΩ
(交流負荷45.45KΩ)
3.5Kオームの場合と同様、入力と出力の関係を示したグラフと近似多項式を示します。
左:45単独の場合  右:76-76-45の組み合わせでシミュレーションした場合

 同様に、負荷5KΩの場合の最大出力時の高調波歪成分のグラフは以下のようになります。(歪の打消しを考慮した場合)全高調波歪率=2.476%(出力2.12W時)
 結論としては、RL=3.5KΩで設計することにしました。理由は、出力、歪において大差なければ、3.5KΩのほうがトランス(U-808)の周波数特性が良いと判断したのと、3.5KΩの時のほうが偶数次高調波の成分の割合が多いためです。(2005.1.9)

 さらに負帰還をかけた場合について、シミュレーションをおこないました。実際の設計値とは少々異なりますが、手法については、こちらをご覧ください。

現在の回路図はこちら(一応完成しましたが、まだ調整中です)(2005.3.9)
完成予想図(CG)


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