6AC5-GT シングルアンプ
思い出のアンプ

 これを作ったのは25年ほど前、高等学校の2年生の冬だったと記憶しています。当時、お年玉をはたいて名古屋の大須へ6AC5と76を買いに行ったのを思い出します。
 浅野勇氏の「魅惑の真空管アンプ」に大いに影響されて設計しましたので、17歳の若者の作品とは思えないような地味なデザインです。レトロ調のツマミも、その時大須の店で買ったと記憶しております。今となってはなかなか手に入らない昔っぽいデザインのツマミで、気に入っております。長いこと、実家の倉庫にしまってありました。ガラクタを捨てなかった母に感謝。
 回路構成は、「魅惑の真空管アンプ」に出ている6AC5-GTシングルアンプに準じていますが、チョークを買うお金がなかったので、抵抗で代用していました。電源トランスも自宅にあったジャンク品です。初段の真空管(浅野氏の本では6SQ7)までは予算の関係で買えなかったので、家にあったジャンクの松下製6AV6を使用しました。今となっては「ナショナル」マークの国産球も、レトロな味わいを出しております。(回路図ー1)
特性を測定してがっかりする

 高校時代は、たいした測定器もなかったので、周波数特性やダンピングファクターなど測定しておりませんでしたが、最近低周波発振器と電子電圧計を購入したので、周波数特性、ダンピングファクタ、雑音レベル、クロストークを測定しました。測定結果は、測らなきゃよかったと思うようなものでした。チョークを省略して電源がプアなせいか、クロストークが低域で悪化しています。20HZで、利得が-7.73dBでした。残留雑音は1.6mVでした。
 ひとつ興味深いのは、低域でダンピングファクタが上昇している点で、電源のレギュレーションが悪いので6AC5-GTのプレート電圧の変化が低域で前段の76のプレートに帰還されているのではないかと推察したのですが、本当のところはよくわかりません。


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周波数 ダンピングファクタ
20Hz 5.00
40Hz 2.13
60Hz 1.35
100Hz 0.74
200Hz 0.34
1KHz 0.15
10KHz 0.16

クロストーク(LtoR)
周波数 クロストーク(dB)
20Hz -31.21
1KHz -66.02
20K -49.63
100K -36.48

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