真空管式カーオーディオ計画 第4号

その3 プリアンプ改造編 
(2014.2.11)

使用する真空管を変更して再設計

 せっかく製作したバスブースト付きプリアンプでしたが、その1で書いた通り、真空管に振動が伝わり発生するマイクロフォニックノイズが大きく、使用を断念しました。性能は良くても、機械的な振動に弱くては、カーオーディオ用としては不適格です。
 そこで、以前よりプリアンプに採用して、マイクロフォニックノイズが少ないことが確認できている5670Wを用いて再度回路を設計しなおしました。5670Wの「W」は、耐震型という意味だそうですので、信頼感があります。5670は、6DJ8に比較してgmが小さいので、利得が少なくなるのは、やむを得ないと考えました。
 また、前回の回路定数は、今考えると改善の余地があると考えたので、改良した部分もあります。前回採用した回路は、やや出力インピーダンスが高く、高域特性が悪かったので、新しい回路では、2段目のプレート負荷抵抗の値を小さくして設計しました。また、前回の回路では0.1μFだった出力コンデンサを0.22μFに変更して、低域をもう少し伸ばしてみました。バスブースト回路は変更しておりません。

変更後の回路はこちら

測定結果

 変更後のプリアンプの周波数特性を測定してみました。、ゲインは、前回の約9.6倍(19.65dB)よりやや少なくなって約8倍(17.95dB)になりました。また、出力コンデンサ変更の結果低域の減衰が少なくなっています。また、高域では、100kHzの減衰が、改造前の-3.12dBから-2.10dBに改善しています。

プリアンプ部周波数特性 出力側に47kΩの負荷抵抗を接続して測定


 また、パワーアンプと接続し、パワーアンプ出力で、周波数特性と出力対歪率特性を測定してみました。プリアンプの雑音が少し大きくなりTHD+Nが0.1%を切ることはできませんでしたが、
最大出力附近の歪は前回より少しだけ下回っています。

5670プリ-6EM7パワーアンプ周波数特性(バスブースト回路はposition1)



5670プリ-6EM7パワーアンプ出力対歪率特性


完成、車内に組み込む
 
 測定が終了したので、車内に組み込んで完成です。毎度同じようなデザインになってしまいますが、黒のパンチングメタルと黒く塗装したアルミは、車のインテリアによく合うと思います。今回は、電源部を後部の荷物スペースに配置しました。DC12Vを供給するコードが長くなるので、電圧低下が心配ですが、テスト走行してたころでは、DC-ACインバータに付いている電圧低下を知らせるアラームが鳴ることはありませんでした。
 バスブースト回路のおかげで低音が豊かな感じになりました。その分、右側のドアにつけてあるスピーカー周りで、特定の周波数に共鳴する部分が気になりました。近日中に専門家に修理してもらう予定です。

コンソール部分

電源部分は後部座席の後ろに配置

その1 プリアンプ編
その2 パワーアンプ編

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