高一ラジオの製作(2017.1.22)

 以前、再生式ラジオ(0-V-2)を製作して以来、いつか高一式ラジオを製作してみたいと思っていました。GT管を使用して見た目にもこだわりたいと思いました。


外観

ケース設計図(部分)
回路方式

 回路は、高周波増幅一段の後に、二極管検波、低周波増幅二段でスピーカを鳴らすものです。あえて再生検波を採用せず、感度よりも音のよさを目指しました。また、GT管を使用するという方針から、使用する真空管は6SK7GT-6H6-6SQ7GT-6K6GTという構成にしました。検波に用いる6H6は、GT管ではなく、メタル管です。

回路図はこちら 2017.3.5一部修正
ケースの設計

 
ケースがスピーカーボックスも兼ねることになるので、素材は木製がよいと考えました。板材を指定寸法に加工して通信販売をしてくれるサイトがあったので、木材の加工をお願いしました。これを用いて15cm角の立方体の中に作りこみました。立方体ひとつでは窮屈になるので、立方体二つの中に機能を分割しました。一つ目の立方体には、6SK7GT-6H6-6SQ7GTの部分を収め、チューナー部としました。もうひとつの立方体に、電源トランスと6K6GT、スピーカを収め、スピーカー部としました。
 板材は桐の集成材を採用しました。400番の紙やすりをかけた後クリアラッカーを吹きつけ、さらに1000番の紙やすりで磨き仕上げました。立方体なので、すべて同じ形の板材を組み合わせています。また、横に穴を開け、真空管を見ることができるようにしました。集成材にアルミアングルをネジ止めしてアルミシャーシを内部に作りこみました。
 二つの立方体は、縦に重ねても横に並べても使用できます。主な発熱源である6K6GTの排熱については、底面と背面の空気穴から行うので、箱の横の穴はふさがれても排熱には問題は生じません。

側面の穴から真空管が見られます

背面に6H6が見えます
使用してみて

 5mくらいのビニル線を室内アンテナにして使用しています。この程度のアンテナでも豊橋市内にはAMラジオの送信所があるため、市内東部にある我が家からはNHKラジオ第1(1,161Hz)と中部日本放送(1,485Hz)は比較的よく聞こえます。ラジオ第二放送(1,359Hz)も、なんとか受信できます。東海ラジオの周波数(864Hz)あたりは、ノイズが多くうまく受信で着ない日と、ノイズが少なく問題なく受信できる日があります。音については、以前製作した再生式(0-V-2)よりはHi-Fiな気がします。また、発振してしまう心配がないのも利点です。土曜日のお昼にNHKラジオ第一放送「ひるのいこい」を聞きました。田園風景を思わせるテーマ曲が真空管ラジオので再生され、昭和の音がよみがえる思いです。

モジュレーションハム対策(2017.3.5)

 使用し始めて、強い信号のラジオ局を受信する際にブーンというハム音が聞こえることが気になりました。中学生のころから持っていた「初歩のラジオ技術」(誠文堂新光社 昭和41年第1版 私が買ったのは昭和48年発行の第12版)という本の中に、奥沢清吉氏による「ラジオ故障修理一覧表」という記事があり、この中の故障例として「放送に同調したところでハムが出る」というものがありました。モジュレーションハムという現象のようです。対策のひとつとして、「電源線を0.001〜0.01μでアースする。(シャーシーにつなぐだけでなく、本当のアース線につなぐ)」とありましたので、これをとり入れたところ、ハム音はしなくなりました。40年以上前に買った本が役に立ちました。


6SQ7GT(左)と6SK7GT(右)

6K6GT
縦積み配置も可能

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