真空管式カーオーディオ計画 設計編その2 (2005.10.2)(2008.9.38追加)

 データ収集ばかりしていましたが、連休を使って、なんとか暫定版の回路図を作成することができました。まだ製作していないので、今後どのように変更するかわかりません。電圧変動に対しては、B電源、C電源、ヒータともに何らかの安定化対策をを施してあります。ノイズ対策は、今後の試行錯誤によります。(2005.7.18)
 
 電源部の製作にかかったところ、負荷をかけた場合にB電源の定電圧回路が動作しません、現在検討中ですので、電源部の回路図は掲載しないこととします。(2005.8.27)

利得の計算(2005.8.31)
 アンプ設計の前提として利得をどの程度にするかという問題があります。先日購入したナカミチのチューナー+デッキにはAUX入力端子があるので、AUX入力に入った信号がどの程度増幅されるのかを測定してみました。1KHzで100mVを入力したところ、238mVの出力が得られたので、2.38倍(約7.5dB)のゲインがあります。FMチューナーの出力レベルも測定してみたところ、平均600mV程度、ピークでは2000mVの出力がありました。室内で使用しているチューナーの出力レベルは、平均で250mVピークで600mV程度でしたので、プリアンプの分2倍強の利得があることがわかります。
 室内で使用しているアンプのゲインは、2A3ppアンプが約14倍、6BM8が6.4倍、45シングルアンプが6.4倍です。現状では、プリアンプは用いず、ボリウムを通してチューナーやCDを直接接続していますので、プリアンプの分とあわせて最低6.4倍程度利得があればよいと考えます。従ってプリアンプの出力をこのアンプで2.7倍に増幅すればよいことになります。電源は未完成ですが下の回路図で仮組みした結果、無帰還で4.2倍の利得がありましたので、負帰還を3.8dB程度かけられます。通常のメインアンプとしては利得が少なすぎますが、カーオーディオのプリアンプの出力が高めなのでこれでも成立すると考えられます。

元の回路図(2005.10.8修正)
利得を増やしてみる(2005.8.31)
 上の回路図で大丈夫と思ったのですが、車内は騒音レベルが室内より高いので、もう少し利得を高くしておいたほうがよいのではないかという不安もあります。そこで、5670の負荷抵抗を10KΩから20kΩに変更することを考えました。これにより、利得は約1.25倍増加するので、同じ負帰還の量で3.3倍の利得が得られる計算です
聴感上はわずかな差かも知れませんが、今回の場合、完成後に回路を変更することは面倒なので、少し安全を見たいと思います。

利得を増やした回路図(2005.10.8修正)
仮電源でのテスト(2005.9.4)

 安定化電源が完成していないので、抵抗で代用した点と、室内では12V電源がとれず、DC-DCコンバータが利用できないことから別のトランスから交流で6.3Vをとった点が完成予定とは異なりますが、アンプ部の配線ができましたので、仮電源で利得や雑音を測定してみました。
 負帰還なしでの利得は5.5倍でほぼ予想通りでした。負帰還を3.9dBかけて利得を3.5倍とした場合、残留ノイズは0.14mVでした。また、この時のダンピングファクタは2.78になりました。ほぼ、目標とする性能が得られているようです。

 心配される点は、発熱が大きい点で、1時間ほどで、ケース全体がかなり熱くなりました。放熱穴をあけたり、フロントパネルをもう少し離してみる等熱対策を考えてみたいと思います。



仮電源での歪率測定(2005.10.2)

 測定編に移動しました。
電源回路が一応完成(2005.10.2)
 トランジスタ式の定電圧回路にてこずっておりましたが、一応電源部も完成しました。インバーターの代わりに100VACを用いた実験ではうまくいっています。AC100Vを発生するインバータは電源投入後数秒たってから負荷の電源を入れるよう、説明書に書いてありましたので、トランジスタを用いたディレイ回路を設けました。結果としてAC100V電源の家庭用のアンプに比べて大変大掛かりな電源となってしまいました。バッテリーの測定結果から考えて電圧変動が大きく、定電圧回路は必須だと判断しましたのでやむを得ません。

電源部の回路図(2008.3.9修正)

B電源定電圧電源を改造(2008.9.28)

 2005年秋の完成後、毎日の通勤や仕事での移動に使用しておりましたが、今年(2008年)の夏の間、クーラーなどを使用しているとバッテリーの電圧低下がおき、電源部のDC−ACインバータに設定された最低電圧を下回り使用中に頻繁にシャットダウンしてしまうようになりました。車を修理に出してわかったのですが、車のバッテリーとオルタネータが故障し、電圧低下が起こっていました。その過程で、カーオーディオの電源のON-OFFをくりかえしていたら、B電源の定電圧電源のトランジスタがいかれてしまいました。
 故障の原因は電源ONの際の突入電流ではないかと推察し、トランジスタを交換し、回路にも改良を加えました。2SD5460は手持ちがあったのですが、手持ちが無くなっていた2SD799はすでに入手が困難になっていましたので、同等品として若松通商で売っていた2SD1409Aを使用しました。また、突入電流を制限するため2SD1409Aのエミッタに抵抗をかませてみました。これで本当の対策になるかどうかまだよくわかりませんが、対策後、1週間ほど経った現在まで故障はありません。


(修正後の電源部回路図 2008.9.28)
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