「音の出る雑誌」 朝日ソノラマについて (2005.10.9)
 妻の実家から、古いレコードを譲り受けました。その中に、「朝日ソノラマ」というものが混ざっていました。1960年発行の第3号と第4号です。雑誌のところどころに、ソノシートが挟まっており。雑誌をターンテーブルにのせて音を聞くこともできるというものです。最初、ソノシートのページを切り取ってしまいましたが、途中で雑誌のまま載せることができるよう、各ページの真中にレコードと同じく穴があいていることに気が付きました。
 「朝日ソノラマ」という名前は聞いたことがありましたが、「音の出る雑誌」という形態であったことは知りませんでしたので、新鮮な発見でありました。「朝日ソノラマ」という会社は現在もあるようですが、当然ながら現在ではこのような形式の雑誌は発行していないようです。

参考リンク
 「朝日ソノラマ」会社概要
 「朝日ソノラマ」に関して記載のあるWebページ
 中身のソノシートの音を聞いてみました。ぺらぺらのシートを見て、ちゃんと音が出るのか心配しましたが、結構まともな音がしました。針飛びもなく、プツプツといった雑音も少なかったのは意外でした。私が子どものころ聞いた「ソノシート」の音の記憶よりずいぶんとHi-Fiな音に聞こえたのは、レコードプレーヤーの違いも大きいと思います。

 内容としておもしろかったのは、1960年3月発行の第4号にあった「雅楽からジャズへ」というタイトルのもので、「雅楽の演奏を録音したテープを8倍速にして再生するとジャズに似たリズムになる。」ということを説明している部分でした。「音の出る雑誌」というメディアの特性をうまく生かしていると思いました。ジャズの演奏のメンバーは、北村英治クインテットとトランペット・松本文男 テナーサックス・宮沢明 フルート・渡辺貞夫 トロンボーン・上野信一と記載されています。

 個人的に興味深いのは、裏面の広告です。中学生のころ(1970年代中頃)、広告にある「東芝ファミリーステレオ」のようなタイプの古くなった真空管式ステレオを親戚のおじさんから譲り受けて分解したことを思い出します。出力管の30A5 2本と出力トランスはいまだに私の部品箱に眠っております。東芝ファミリーステレオの定価が27,000円と広告に記載がありますが、最近のミニコンポも安いものはこのくらいの価格です。
1960年からの物価上昇を考えると、普及品オーディオも卵並みの「物価の優等生」といえるかも知れません。
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