番外編6: iPod用マッチングトランス(2015.12.31)
ゲインの少ないアンプにiPodをつなぐ

 しばらくS家に預けていた6BM8プッシュプルアンプですが、今度は甥にプレゼントすることになりました。10年ほど前に制作した際には、ポータブルCDプレイヤーを接続することを想定し、ゲインは16dB(6.4倍)としたため、iPod等をつなぐには、ゲインが不足です。そこで、簡単に接続できて電源もいらないマッチングトランスを前段に接続することにしました。
 経験上、トータルで20倍程度のゲインがあれば使いやすいので、3倍から4倍の昇圧ができるトランスを選択しました。この条件に合いそうで安価なものに山水のST-75がありました。橋本電気委託制作とのことで、ノグチトランスのウェブサイトで購入しました。1次側10kΩ:2次側600Ω(CT付き)という仕様です。これを1次側と2次側を反転して使用します。2次側には、10kΩの抵抗を接続しました。「ST-75」と入力してネットで検索したところ、同様の試みをされた方(「おんにょ」さんのページ)がいらっしゃるようで、特性もなかなか良いようです。


回路図


制作
 トランスと抵抗を12Pのラグ板に組み込み、小型のアルミケースに収めました。寸法は、80mm(W)*50mm(D)*30mm(H)です。入力端子はステレオミニジャックとし、出力端子はRCA端子としました。数時間で完成しました。


測定
 WaveGeneとWwveSpectraを用いて周波数特性と出力対歪率特性を測定してみました。結果は下記のとおりです。参考にさせていただいた「おんにょ」さんのページにも測定データがありましたが、同様に良好な周波数特性となりました。20Hzと40Hzでの歪が多いのがやや気になりますが、トランスの価格を考慮すれば、十分満足のいく特性だと思います。





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