令和5年に実施された豊橋地区試聴会でArito'sAudioLabさんから、
新企画の出力トランス「何方か使ってアンプ製作しませんか?」
とのお話があり、早速手を挙げて製作する事にしました。
このトランスはスクリーングリッド回路が別巻線になっている為、
スクリーングリッド電圧が低くて使い難かったテレビ用水平出力管
を使ったアンプ製作には有難いトランスです。
25E5 UL接続PPアンプの製作
1 出力管の選択
手持ち真空管から25E5を選択した。
水平出力管が敬遠される原因はトッププレートで配線が面倒、プレートキャップが視覚的に目障りだと思われますが、その辺りはデザイン、装飾でなんとか成らないかと製作に取りかかった。
2 アンプの基本構成
初段は手持ち真空管の都合もあったが12AT7と2SK117カスケード接続にOPampを用いたcascomp回路で駆動し、差動回路接続により位相反転をすることにした(後に回路変更。後述)
終段の25E5ヒーター回路は4本を直列に接続しAC100Vで点灯する事にした
終段バイアス回路はArito'sLabさんが考案されCSPPアンプで実績のあるバイアスサーボ回路を採用する事にした
3 電源回路
前記の動作をさせるに必要な電源と方法
給電箇所 回路 トランス
終段+B電源 280V 絶縁トランスの二次巻線120Vを倍電圧整流 絶縁トランス
出力管スクリーングリッド電源 145V 終段+BよりMosFETレギュレーターにて得る 〃   〃
ドライブ球プレート電源 245V 終段+Bよりデカプリング 〃   〃
CascompOPamp電源 +8v -8v 小型トランスAの0-6-12vをブリッジ整流して得る 小型トランスA
バイアス用電源 -40V 小型トランスBの0-12-24V巻線の24Vを倍電圧整流して得る 小型トランスB
終段25E5ヒーター電源 AC100V 絶縁トランスの一次電圧100Vを使用
ドライブ段のヒーター電源 AC12.6V 小型トランスBの二次電圧0-12Vを使用 小型トランスB
その他 必要に応じて適当に得る
電源関係の検討
電圧整流回路は倍電圧整流とし後にチョークコイルを使ったリップルフィルターとした
スクリーングリッド電源はMosFETによる簡易エリミネーター電源とした
電源トランス(絶縁トランスの改造)
今回使用する絶縁トランスPM-100WSはEI枠締め型ですが、ゴミ箱に有ったトランスのトップカバーが丁度同じコアサイズだったので再塗装して伏せ型に変更出来た。
更に、出力トランスと電源トランス(絶縁トランス)の高さを揃える為に絶縁トランスに下駄(28mm)を履かせたら、小型トランス2個がシャーシー内部に収まる。
シャーシーの向きとサイズ、レイアウトを検討
真空管式アンプシャーシーは横長か前後に長い縦長のレイアウトが多く、横長タイプも数多く作ったので今回は縦長にしようと検討、シャーシーサイズもホームセンターで売っているアル板 W=300 D=200 2t を使う事にした。
オークションサイトをうろうろしていたら丁度よいシャーシーが出品されていた
しかし、深さが50mm(有効深さ45mm)で見た目はスッキリしてよいが部品の収まりを考えると可也厳しい部分もある,「何とか成るだろう」と決断”ポチ”
届いたシャーシーが下の画像    レイアウト検討 横長に      縦長に