【43 既存宅地制度 】

2000.11.22



   既存宅地確認制度が平成13年5月19日を以て廃止されます。市街化調整区域内 では原則として建築不可ですが、特例として既存宅地確認制度による救済措置が講じ られました。愛知県の場合、昭和45年11月23日の都市計画法による線引きで市 街化区域は建築可能地に、調整区域は建築不可地に区分されました。既存宅地とは線 引き以前から宅地利用された土地で、法施行による混乱の緩和措置として制度化され 今日に至っています。

   来年の5月の都市計画法の改正施行によりこの制度が廃止されます。既存宅地は調 整区域でも建築可能であることは、資産価値も高く相当の価格で売買の対象にもなれ ます。ところが法改正で廃止になれば商品として既存宅地を所有する不動産業者や、 個人資産家は一大事です。土地の価値の下落を意味するのですから経済的ダメージ は大きいでしょう。

   では何故、法改正してまで廃止かといえば、当初の都市計画法施行過渡期の救済措 置を、30年も経た今日において続行の必要があるかという点で、都市計画の主旨か ら逸脱しているため、廃止が妥当という結論です。線引前は虫食状に無計画な宅地化 が横行し、消防救急その他市民生活上の秩序維持に問題があるためこれを整備する目 的で都市計画施行したにも関わらず、既存宅地確認制度をいつまでも続行すれば何ら の解決にはならないと考えてのことでしょう。でも唐突で何の用意もない市民は困惑 します。

   来年の法改正施行に向けて、既存宅地確認制度に対する過渡的措置が執られます。

その1.
平成13年5月19日までに自己用住宅又は自己の業務用用途(自己用店舗・自己用 事務所など)で既存宅地確認を受けた土地は法施行後5年以内に着工のこと。
その2.
自己用以外の建物用途(分譲住宅・賃貸住宅・貸し事務所など)については、平成1 3年5月19日までに既存宅地確認及び建築確認を受けた後、工事着工すること。
その3.
線引以前から宅地利用されている土地で建築物の用途変更を伴わない建替は、 公的証明が得られる場合に限り建築可能とする。建築確認申請を得た建物についても 用途変更を伴わない場合に限り建替が認められる。
その4.
法施行までに既存宅地確認を受ける場合は明確な用途目的があること。
その5.
調整区域内において正式に建築確認を得た建物についても、用途変更を伴う建替えは 認められない。



   上記でおわかりのように、来春の法改正で土地利用が大きく制約されます。漠然と 既 存宅地確認を受けるだけなら、折角の申請も失効になってしまいます。該当の方はお 早めの対策をお進めします。

  なお、年のため既存宅地の条件を申し添えます。

1.昭和45年11月23日(愛知県の場合)以前より、登記簿謄本が宅地であるこ と。又は建築物が継続して現在も存在すること。その公的証明が得られること。
2.該当地周辺に50メートル以内の間隔で連たんして30u以上の建物が50戸以 上存在すること。
3.建築基準法による道路(2メートル幅員の公衆用道路又は赤道)に接続している こと。


 都市計画法は県ごとに施行時期や内容が異なります。静岡県では線引きは昭和51 年だし近隣の連たん性も不問です。しかし既存宅地確認制度が廃止されるのは全国規 模の決定であり、都市計画法施行の自治体では一律にこの問題は避けられません。詳 しくは最寄りの市町村役場、県総合事務所、又は行政書士までご相談下さい。

 

 

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木下紀代美