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■11月27日 《これでどうだ!》





《なにが共存共栄だ!、もう限界だ!!。》

荒らされた者にしかこの悔しさはわからない。
そろそろ収穫しようかという時に、決まってアイツらがやってきて踏み荒らす。
後の始末を思うと泥棒に入られたほうがまだましだ。

『国で猪除の柵を支給してくれるようだ』と聞き、すぐに話がまとまった、
いっそ出沢全体を柵で囲おうかという意見もでたが、山の中腹では設置も管理も 大変だ。
結局、出沢をいくつかのブロックに分け囲うことに落ち着いた。

実際に設置してみると何となく狭苦しく圧迫感がある。どう見ても柵の外にいる
猪のほうが自由に思える。しかし、あのグシャグシャに踏まれた田圃を思うと
多少のことは我慢するしかない。 これで枕を高くして寝ることができる。(=^ 0 ^=)(=^ 0 ^=)
・・・少なくとも、そう思って一年間過ごせる。

中ケ谷の田圃を囲うのに≒1000m、補助がなければ200万の金がいる。
圃場面積約一町歩、2年分の収穫の売上だ。

「たんぼが荒れんようにするだけだなあ・・・」
山の獣達との戦いは続く。
■9月13日 《常生歯》




 猪は自分で牙をとぐ。

 猪の下の牙(犬歯)は他の歯と違って歯根がなく、 中は空洞で顎の骨の奥深く埋まっている。 (常生歯・三分の二以上は顎骨の中)
 歯根がないので一生の間伸び続けるのだ。 放っておくとどんどん伸びてしまうので、 いつも上下の牙を噛み合わせて研いでいる。 そのため下の牙はカミソリのようになっていて、 先端は鋭く尖っている。

 牙で岩を起こすと言われているが、いつ獲っても 牙がきれいなので、おそらく、牙はあまり使わずに、 もっぱらあの万能の鼻で起こしているに違いない。
 雑食の猪にとっては、牙はそれほど役にはたたず、 むしろ邪魔になるだけの存在なのかも知れない。 研いでも研いでも伸びてくる牙にイライラして、 いつもガチガチと歯噛みしているのだろう。

 それにしても猪の牙は美しい。飽きない。
 じっと見ていると、何者にも負けない力と 山神のプライドを分けて貰えそうな気がしてくる。