第69章  第1次軌道会戦



 地球軌道に幾つもの光の花が生まれる。その1つ1つが戦闘の輝きだ。そこでは連邦軍とティターンズの艦隊が激しく激突して、幾つもの命が散っている。だが何時もなら小競り合いで終わるはずの戦いが、今日は様子が違っていた。ティターンズの軌道防衛艦隊は、圧倒的多数の連邦艦隊に文字どおり蹴散らされていたのだ。
 総旗艦カノンの艦橋で全体の動きを確かめていた秋子は、先行させていたシドレとイーストウッドの高速部隊が地球軌道のティターンズ艦隊を叩き出したのを確認して大きく頷いていた。

「まずは予定通りですね。本隊を地球軌道に。降下部隊を降ろしますよ」
「提督、もう少し待たれたほうが。まだ周辺の索敵が完了したとは言えません」

 ジンナ参謀長が慎重論を唱えるが、秋子は首を横に振ってこれを退けた。

「降下作戦はスピードが命です。一度やると決めた以上、多少のリスクは覚悟してでも時間を優先します」
「分かりました」

 秋子の言い分のも一理ある。そう認めてジンナは引き下がった。参謀はあくまで補佐役であり、司令官に判断材料を提供する役割でしかない以上、司令官が判断したのだから自分の仕事は終わったと考えたのかもしれない。
 秋子の命令を受けてカノン率いる本隊に護衛された多数の輸送艦とペガサス級強襲揚陸艦、そして空母部隊が地球軌道に向っていく。最初に降下するのは大量の武器弾薬と予備MSを満載した強襲揚陸艦部隊で、これらはミノフスキークラフトによって大気摩擦を使ったエアブレーキに頼らずに降下することが可能となっている優秀な艦だ。ただ、その為に降下軌道がバリュートやウィブライダーとはかなり異なる為、途中で分離する事になる。
 秋子率いる本隊は地球、旧フランス領への降下軌道に侵入していく。ここから地球に多数の部隊を降ろすのだ。輸送艦には宇宙往還機も搭載されており、これで多数の物資を下ろすことになる。MS部隊はアヴェンジャーとバ
リュートで投入する事になる。あとはティターンズの妨害が始まる前にどれだけ降ろせるかだ。
 カノンからの管制を受けながら輸送船団が一斉に地球軌道に展開する。それはかつて無い規模の大降下作戦であったが、カノンの持つ高度な艦隊指揮システムがこれだけの艦艇を自在に動かす事を可能としている。カノンとはこのような大艦隊を動かす為の艦艇なのだ。元々はファマス戦役において100隻単位の部隊を動かす為の旗艦級戦艦が必要という戦訓から計画がスタートした艦だったが、ここに来てようやくその任務を果せていた。
 ペガサス級と護衛艦を切り離した艦隊からは、まず第1次降下部隊としてアヴェンジャー攻撃機とダガーフィッシュ戦闘機、そして相沢大隊と北川大隊が降下準備に入っていた。彼等はアヴェンジャー攻撃機の背中に乗り、直接ヨーロッパの前線に降下して戦闘に加わる事になっている。その為に全機がサイド5で生産された陸戦用モジュールを装備していた。これは開戦前の降下で祐一がテストした地上用ホバーユニットに加えて、地上でのジェネレーターの冷却を簡易式の空冷システムを追加した物だ。本格的な陸戦使用ではないが、なんとかなるだろうと考えられている。少なくとも祐一の時は使えたのだから。
 降下準備中のカノンの格納庫では各部隊の隊長が集められて最後のブリーフィングが行われた。集められた各部隊の指揮官達に祐一がホワイトボードに書かれた降下作戦の概要を説明し、各部隊に役割を徹底している。

「今回は俺と北川が先陣を切って地球に降りる事になる。ヨーロッパの友軍はかなり梃子摺ってるらしいから、正直どうなるか分からん。後続のバリュート部隊が遅れればこっちが降下ポイントを確保できずに殲滅されるかもしれないんだ。だから遅れずに降りて来いよ」

 祐一の説明に隊長たちの威勢の良い返事が唱和される。それを聞いた祐一は頷くと、指示用の棒をホワイトボードにおいて全員を見回した。

「それじゃ、そろそろ作戦時間だ。幸運を祈る」
「幸運を祈るなんて、少佐には似合わない言葉ですね」
「馬鹿野郎、人がせっかく真面目にやってんだ。茶化すなよ」

 珍しく柄にもない事を言ったらあっさりと部下に似合わないと返されてしまい、祐一は少しむくれてしまった。自分でも似合わないとは思っていたのだ。それでブリーフィングルームに笑い声が響き渡り、祐一はわざと怒った調子で全員にさっさと艦に戻れと命じた。
 それを受けて指揮官達が笑いながらブリーフィングルームから出て行く。祐一はその中の1人、天野と浩平を呼び止めた。

「天野、折原、ちょっといいか」
「何ですか、相沢さん?」
「おう、何だ」

 呼ばれた2人が祐一の前に来る。祐一は他の全員が出て行ったのを確認すると扉を締めてロックし、改めて2人に向き直る。

「今回の作戦、あいつ等には軽い調子で言ったが、本当はかなりヤバイらしい。陽動作戦をしているレイナルド提督の報告じゃ、ルナツーの部隊はあらかた誘き出せたそうだからな」
「じゃあ、こっちに来るのは」
「ああ、グリプスのブライアン・エイノー提督だ」

 エイノー提督。リビック亡き今、連邦系としては恐らく最高の艦隊司令官。斉藤やみさきなら戦えるだろうが、彼等にはそれほど大部隊が無い。もし護衛部隊より多数の艦を率いてここに現れたら、果たして護衛部隊は守りきれるのだろうか。

「もしエイノー提督が来たら、間違いなく総力戦になる。俺は降下するから艦隊の守りはお前らに任せるしかない。だから、もしそうなたら天野、お前が全体を纏めるんだ。秋子さんもこれは了承している」
「私が、全体をですか?」

 これには天野も驚いた。まさか自分にそんな大任が与えられるとは思っていなかったのだ。確かに臨時に大部隊を纏めた事もあるが、それでもこんな大部隊を率いた事は無い。   
 それに、今回の参加部隊には選任の大尉や少佐も多数いるのに、大尉の自分が指揮をとるわけにはいかないだろう。それでは指揮系統が保てない。だが、その反論を予想していたのか、祐一はニヤリと悪巧みをしている顔だ。
 祐一は懐から階級生を取り出すと、その切り札を天野に差し出した。

「そういうわけで、今日からお前さんは中佐」
「中佐って、相沢さん!?」
「今回だけの戦時階級だ。秋子さんの了承マークも入ってるぞ」

 確かに階級章の裏には秋子の手書きで了承と書いている。何でこんな無駄なことに力を入れているのだろうと脱力してしまった。そしてもう諦めの表情で頷いてしまった。

「分かりました。了承が出た以上、もう拒否権は無いですね」
「な、無いのか?」

 あの頑固で融通が利かない天野があっさりと引き下がったのに浩平が驚いている。その浩平に天野はフフフフッとなんだかやけに荒んだ声で空虚な笑い声を漏らしていた。

「折原さんも、あれを食べれば2度と逆らう気が起きなくなりますよ。あのオレンジを食べれば」
「オレンジ……?」

 何を言われているのか分からない浩平だったが、ある事を思い出してだんだんとその顔色が青褪めていった。それは連邦に参加してから七瀬や雪見に聞かされた悪夢のような話、秋子が誰彼構わず薦めてくるこの世の物とも思えない食べ物、あのみさきが一口食べて2度と口にする事は無かったという秋子の部下達が戦死の次に恐れている伝説の食べ物、オレンジのジャム。
 あのみさきが2度と食べたくないとまで言ったというそれを、浩平は食い物とは思っていなかった。最も旧カノンメンバーに言わせればあれを食べて「食べたくない」で済む事それ事態が驚愕すべき事実であり、暫くの間祐一たちはみさきを化物を見るような目で見ることとなってしまう。祐一たちはあれを食べると意識が飛んだり、記憶が失われたり、変な症状に苦しんだりしているのだから。

「ああ、それから折原、お前は天野の補佐を頼む。誰かが従わないと箔が付かん」
「あのな、俺はサクラか?」
「まあな。セコイとは思うけど、仕方ないだろ」
「そりゃまあ、分かるがな」

 若いということはそれだけで不利に働く。特に天野は祐一や北川と同等のキャリアを持ちながら、その目立たなさのせいで2人ほど高い評価を受けていない。いや、北川も祐一に較べれば評価は低い。やはり祐一が一番目だっているのだ。
 その天野を指揮官にする以上、誰かが率先して天野の指示に従って見せるくらいやらなくては他の指揮官達が従わないだろう。祐一は実は既に他にも幾人かの指揮官達、ヘープナーや七瀬などの昔馴染みの指揮官達にも同様の事を頼んでいた。旧機動艦隊出身の指揮官達は天野の実力を良く知っているので、祐一の頼みを快く引き受けてくれている。天野の指揮官としての指揮能力は祐一以上なのだから。
 なお、祐一が少佐なのに天野が中佐なのも箔を付けるためだった。軍隊において階級は部下に命令を聞かせる為の最上の手段だからだ。職業軍人というのは上位者の命令に従う事を骨身に染み込まされているので、これが一番効果がある。これに加えて秋子の後ろ盾もあれば内心はともかく、表向き逆らうような馬鹿はいないだろう。

 祐一に後を任された天野は正直ご免蒙りたかったのだが、祐一にここまでお膳立てをされては嫌と言う事も出来ず、渋々受け入れる事になる。これで祐一が居ない間の第1艦隊MS隊隊長が暫定的に決まった事になる。





 降下作戦準備に入ったカノン。カノンは軌道上に固定されて前線統制艦となっており、輸送船団から吐き出された降下用バリュートを装備したMSや物資を満載した突入カプセルが突入のタイミングを待っている。
 そして、カノンの格納庫からはMS部隊が発進準備を整えていた。その先頭には祐一のゼク・アインが待機状態になっている。その格納庫にやってきた祐一は、出撃準備をしているパイロット達に声をかけながら名雪のゼク・アインのところに来た。名雪は整備兵たちと最後の話をしていたのだが、祐一が来たのを見て嬉しそうな笑顔を見せた。それを見て気を利かせたのか、整備兵たちが離れていく。

「祐一、ブリーフィングは終わったの?」
「ああ、後は天野に任せてきた。あいつなら上手くやるだろ」
「美汐ちゃんなら大丈夫だよ。こういう時は優秀な後輩が居ると助かるよね」
「まあな。それじゃ、次は地球で会おうな。頼むから目には出ないでくれよ」
「任せてよ。私はスナイパーなんだから」

 スナイパーが前に出るわけないよ、という名雪に祐一はそうだなと笑って答えてゼク・アインの装甲を蹴って離れていった。それを見送った名雪の耳にハッチ開放5分前の放送が聞こえ、ヘルメットを被ってノーマルスーツの気密を確認する。これを怠って宇宙の藻屑となった人間がどれほど居るだろうか。
 そしてコクピットの中でじっと待っていると、遂に格納庫のハッチが開放されて発進体制となった。いよいよ降下作戦が始まるのだ。まず祐一のゼク・アイン隊が発進し、ついで北川のゼク・アイン隊が出て行く。周囲の艦からも次々にジムVやゼク・アインや艦して編隊を整えている。どの機体も地上で暫く粘る必要があることから予備の弾薬を大量に装備しているようだ。彼等はウェイブライダーでもあるアヴェンジャー攻撃機の背中に乗って一斉にヨーロッパの前線に降下する事になっているので、空母から出てきたアヴェンジャー攻撃機と合流していた。護衛のダガーフィッシュ隊は機体下部を覆うような奇妙な円錐型のカバーのような物を装備しているが、これが突入用の耐熱コーンだ。MS用のバリュートが使えないのでこんな物を装備している。
 彼等は合流を終えると降下軌道を目指して移動していく。いよいよ地球に降りるのだ。しかし、このまますべて順調に行くと誰もが期待しだす中で、遂に恐れていた事が起きた。警戒は位置に付いていたシドレ艦隊から敵発見の知らせが飛び込んできたのだ。

「ティターンズ艦隊接近、数およそ50隻!」

 この報を受けた秋子はいよいよ来たかと僅かに実を固くした。この艦隊を率いている指揮官の情報はないが、この重要な局面で出てくる相手など1人しかいない。この作戦をバスクに指揮させるほどジャミトフは愚かではない筈だ。
 だがカノンはここから動く事が出来ない。斉藤とみさきは優れた将だが、2人とも佐官だ。シドレとイーストウッドは大艦隊の指揮には向かない。ここに来て秋子は誰かに指揮を任せるか、あるいはカノンを軌道上から外して迎撃の指揮を取るかの2択を迫られる事になる。だがカノンを外せば降下作戦が混乱する。今回の作戦は地上に部隊を降ろすことが目的なのだから、これを邪魔されれば敗北なのだ。
 暫く悩んでいた秋子は、遂に決断を下した。出来れば避けたかった選択肢を彼女は選んだのだ。

「……参謀長、ダニガン中将を呼んで下さい」
「提督、まさかダニガン中将に指揮を?」
「彼しか居ません、この戦いを任せられる指揮官は」

 ダニガンの指揮能力は先のサイド3会戦で良く分かっている。彼は優れた指揮官だ。秋子の個人的な感情を別とすれば、クライフやエニーと並んで位置方面を預けるに足る人物といえる。
 だが、元ジオンに指揮を任せても良いのか。そう目で問いかけるジンナに、秋子は他に人が居ないといって再度命令を出す。それを受けてジンナは渋々ダニガンを呼び出した。少し待って、秋子の端末のモニターにダニガンが現れた。

「水瀬提督、何か?」
「中将、貴方に迎撃の指揮を任せます。なんとしてもティターンズを食い止めてください」
「……私を信用なさるので?」
「他に人が居ません。私としては不本意ではありますが、貴方にこの場を任せるしかないのです」
「…………」

 ダニガンは暫し考え込んでいたようだが、自分の中で何かを纏めたのか、秋子に向って敬礼をしてきた。

「分かりました、全力でやらせていただきましょう」
「頼みますよ」

 ダニガンが通信モニターから消え、秋子はふうっと重苦しい吐息を漏らした。1年戦争から幾つもの戦いに参加し、多くの戦功を積み重ねてきた秋子ではあるが、その性格は決して戦いを好むような物ではない。彼女が戦い続けるのは、亡き夫が守ろうとしていた連邦を自分の手で守り抜きたい。という拘りに過ぎない。ただ、それだけに彼女の連邦に対する執着は強い。
 だが、それは秋子にとって辛いことでもあった。結婚してからは退役して家庭を守る事に身を投じた事からも分かるように、本来の彼女は家で料理でもしている方が似合う女性だ。それが夫がテロに倒れ、名雪を養う為に軍に戻った彼女には、幸か不幸か指揮官としての才能があった。己の才能で一艦の艦長にまでなった秋子は、今度は1年戦争で実戦指揮官としての力量を発揮し、実戦の中で更に栄達して行った。そして辿り着いたのが今の地位だ。
 これは皮肉というしかない運命だろう。ただ娘を養えれば良いという気持ちで戻った軍なのに、周囲の状況が彼女の才幹を放ってはおかず、彼女は望みもしない地位を手に入れてしまった。それを渇望しながらも得られない者が幾千もいるであろうに、それを望んでいなかった者がその地位に付いてしまう。これは神の悪意か、それとも悪魔の善意なのだろうか。
 だが、苦悩はあっても躊躇はしない。秋子は降下作戦の開始を命令した。




 エイノーは旗艦としてマゼラン級のブル・ランからドゴス・ギア級のバンドーラに乗り換え、艦艇46隻を纏めて地球軌道にやって来ていた。これに対して連邦艦隊は70隻を持って迎撃に出てきており、数では互角以上の勝負をする事が可能だ。
 だが、問題はMSの性能だろう。グリプスから出てきた以上、この艦隊はティターンズの切り札的な艦隊だ。その搭載MSは確実にこちらを上回る性能を持っている。特にグーファーを何機持っているかが問題だ。
 迎撃の指揮を取るダニガンはクラップ級巡洋艦のエレクドラから迎撃艦隊の指揮を取っていたが、この大規模艦隊決戦に感心した声を漏らしていた。

「双方合わせて100隻以上か。こんな戦いは1年戦争以来だ」

 こんな物量戦を見るのは何年ぶりだろうかとダニガンは驚きをもって見ている。ジオン公国軍のレベルで戦力を考えてしまうダニガンにとって、主力部隊とはいえ一方面を任されているだけの艦隊が50隻近くに達するというのは十分に驚くべき事なのだ。あの1年戦争の最後の戦場となったア・バオア・クーではジオンが投入できた艦艇は50隻に満たなかったのに、ティターンズは平然とこれだけの部隊を投入してこれるのだ。

「なるほど、我々がジオン共和国を守り切れなかったわけだな。これが現代戦の現実か」

 目の前の敵に較べれば小数だったネオジオン艦隊に歯が立たなかった自分達では、国を守る事など夢物語だったのだ。目の前に広がる光景は、ダニガンにサイド3を取り戻したとしても、連邦とどうやって付き合っていくべきなのかを考えなくてはいけないと思わせるに足る圧倒的な戦力だった。
 そして敵艦隊との距離がつまってくると、ティターンズ側がまずMSを出してきた。

「ティターンズ艦隊から艦載機の発信を確認しました!」
「遠いな。可変機か?」

 ティターンズはネオジオンほどではないが可変MSの導入に熱心だ。この戦争が始まる前から多数の可変MS、可変MAを運用してきた。その過去から見ればこの攻撃部隊は恐らく可変機だろう。ダニガンは各部隊に迎撃機の発進を命じると共に、シドレ、イーストウッド両部隊にいつでも突撃できるように準備をしておくように命じた。




 地球軌道で連邦艦隊を捉えたエイノー艦隊は直ちに第1派攻撃隊を出撃させた。この部隊にはティターンズ可変MSの主力機となったガブスレイの他に、主力とはならなかったもののその生産性の良さから多数が作られたハンブラビ、生産性は悪いが圧倒的な加速性能と攻撃力を持つメッサーラーとギャプランも投入されている。
 これらの可変機と共に出撃しようとしているのがバリュートを抱いたマラサイやバーザムと、その護衛機たちだった。エイノーは今回の降下を完全に防ぐのは無理だと判断していて、ヨーロッパにこちらも応援を送り込もうとしていたのだ。
 降下部隊に加わるバーザムの中には、あのジェリドの姿もあった。階級章は中尉になっている。彼は部下達に指示を出しながらアル・ギザの格納庫を漂っていた。

「バリュートのチェックは怠るなよ。そいつが作動しなかったら摩擦熱で焼け死ぬ事になる」
「中尉、中尉は降下の経験はあるんですか?」
「訓練で3回な。2度とやりたいとは思わなかったけどな」

 部下の質問に苦笑いで答え、それに部下達が同意して笑い出す。大気圏突入なんてリスクの大きい事、やりたくないに決まっている。それでもやらなくてはいけないのが今回の作戦だ。格納庫で笑い声を上げているジェリドを見上げて嗜めるような声でエマ中尉が注意してくる。

「ジェリド中尉、作戦前ですよ」
「そう怒るなよエマ、作戦前から緊張してたら身が持たないぜ」
「それはそうですけど」

 ジェリドに言い返されて不満そうな顔をするエマ。それを見て更に何か言うとしたジェリドであったが、その機先を別の声が制した。

「2人とも、それくらいにしておけ」
「アデル大尉」

 アル・ギザに乗り込んでいるMS中隊をまとめているチャップ・アデル大尉、1年戦争、ファマス戦役を戦い抜いたティターンズでも屈指の戦歴を持つベテランパイロットだ。その実力はティターンズ生え抜きのエリートであるジェリドやエマなど比較にならない。プライドが高く、反骨精神が強いジェリドでさえ大人しくさせてしまう迫力を持つ歴戦のエースだ。
 アデルは整備兵からいくつか話を聞いた後、ジェリドとエマ、そして第4小隊をまとめるマゥアー・ファラオ中尉を呼び寄せた。

「俺たちの今回の仕事は地上に降りる連邦軍の妨害だ。無理に降りる必要はないが、敵の降下が成功したら我々も降りる事になる。バリュートは何が何でも死守しろ」
「大丈夫ですよ、そんなヘマはしません」
「ジェリド、お前が大丈夫でも部下がミスをすればお前の責任だぞ。何時までも気楽な少尉のつもりでいるな」

 アデルに釘を刺されたジェリドは不承不承頷いて、エマやマゥアーが笑いを噛み殺している。それにジェリドが過敏に反応しようとしてまたアデルに窘められる。これがアル・ギザの格納庫で良く見られる光景であった。
 そして少し後方のラザルス級空母オクタシアでは出撃準備中のガブスレイやグーファー部隊が最後の準備を行っている。その中にはアデルの戦友であるモンシアやベイトの姿もあった。だが、モンシアは今回の作戦がかなり不満のようで、辛気臭い顔でつまらなそうに作業中の格納庫を見下ろしている。

「ふん、何が連邦軍の地球降下を阻止しろだ。面白くねえ」
「モンシア、若い奴に聞かれたら不味いぞ」
「けっ、構うもんかい。対ジオン残党対策専門部隊とかいう触れ込みを信じて入ったのに、何で俺たちは連邦軍を相手に戦争してるんだ?」
「そいつは俺も色々思うところはあるけどな」
「やってきた仕事なんて殆どがコロニーで宇宙人を脅してただけじゃねえか。こないだなんざ避難民乗った輸送船を沈めさせられたんだぜ。俺はジオンの真似事する為にティターンズに入ったわけじゃねえよ」
「昔は給料と有給休暇が増えたって喜んでただろうが」

 やれやれと肩を竦めるベイト。だが、彼もモンシアと同じ気持ちだったので反論はしていない。ついでに言うとティターンズの内部対立はかなり深刻で、下で働いている自分達にも何かと影響が出るのだ。

「バニング大尉、今は地球だったっけなあ?」
「ああ、ヨーロッパでシナプス准将の下にいる筈だぜ」
「やっぱあっちに居た方が良かったかなあ。今からでも乗り換えるとかしねえか?」
「……それも手かもなあ」

 ティターンズに入って以来ずっと苦労ばかりして来たベイトは、今回は珍しくモンシアの愚痴に同意していた。地味に総合力が高いベイトは部隊の総指揮官のような仕事をさせられる事が多いので、その分苦労も多いのだ。バスク派とエイノー派の対立に巻き込まれて身動き出来なくなったことも一度や二度ではない。元々こういう世界に足を突っ込む気などなかったベイトにしてみれば、いい加減うんざりしていたのだ。
 だが、今は愚痴をもらすくらいしか出来ない。連邦に寝返りたくても、頼るツテは地球にしかないのだから。

「そういや、ウラキとキースはどこに居やがるんだ?」
「あいつ等も地球だろ。俺の知る限りじゃバニング大尉と一緒にトリントンに行ったはずだから、一緒にヨーロッパに居るんじゃないかな」
「じゃあ、地球に降りたらあいつ等に連絡とってみるか?」
「あいつ等が生きてたらな」

 ベイトの夢も希望もない返答にモンシアはガックリと項垂れてしまった。もうあいつ等は戦死している可能性があるのだから。




 ティターンズと連邦のMS同士が激突する光景を遠目に見ながら、祐一たちはアヴェンジャーと共に地球に降下しようとしていた。この瞬間が一番危ないのだが、降下中でも多少の機動が出来るアヴェンジャーに乗っているのでバリュート降下よりはだいぶマシなのが救いか。それにまだ敵の突破を許してはいない。
 祐一は自分を中心に編隊をまとめながら、後方のカノンと連絡を取り合っていた。

「秋子さん、こっちはもうすぐ降下準備完了です!」
「祐一さんはそのまま降りてください。敵はダニガン中将が食い止めています。もし突破してくるようならカノンを盾にしてでも止めて見せますから」
「怖い事言いっこ無しですよ秋子さん、ちゃんと帰ってきますから、帰る場所を残しといてください」

 秋子のカノンを盾にしてでも、という部分に祐一は真顔で答えていた。秋子なら本気でやるという事が祐一には分かっていたから。だが降下部隊は一瞬完全に無防備になるので、護衛部隊は艦を盾にしてでも降下部隊を守るものだ。そういう意味では秋子のやろうとしていることは間違っていない。
 ただ、祐一としては秋子にそんな無茶をして欲しくはなかったので止めてくれといった。連邦宇宙軍の軍人としては秋子はもう欠く事のできい人でもあるし、私人としては恋人の母親で自分の叔母でもある。そんな人に無茶をして欲しくはなかったのだ。まあ、MSの攻撃くらいでカノンが沈むとは思えなかったが。あの防御力は反則だ。


 そんな事をしているうちに降下時間になり、まず護衛のダガーフィッシュ隊が降下を開始する。耐熱コーンが摩擦熱で赤く輝きながら地上に向けて降下して行き、それに続いてアヴェンジャーに乗ったMS隊が降りていく。

「いいか、アヴェンジャーの機体から絶対にはみ出るな。出たらそこが焼けていくぞ!」

 祐一の指示が全機に飛び、そして祐一が乗ったアヴェンジャーが大気圏に降下していく。それに続いて次々に祐一の部下が突入して行き、それに続いて北川の部下達が降下していく。だがそれに対して地上から迎撃ミサイルが発射されてアヴェンジャー隊が攻撃され、それを見た秋子は援護のミサイル攻撃をするよう命じた。

「支援艦隊は弾道ミサイルによる対地攻撃を。迎撃ミサイル発射地点を叩き潰します」

 都市部付近にミサイル基地があれば民間人を巻き込む恐れがあるが、止むを得ないと割り切る他ない。降下部隊が大きな損害を出せばヨーロッパがティターンズの手に落ちるのだから。
 支援艦隊の各艦から次々にミサイルが発射され、弾道コースで地上の目標めがけて飛んでいく。それは程なくして地上の狙った目標に着弾し、地上に爆発の小さな煙を上げさせた。実際には精度が甘い弾道ミサイルなのでかなりばらついた着弾だろうが、宇宙から見れば一箇所に集中しているように見える。
 ただ効果はあったようで、迎撃ミサイルの発射はすぐにとまった。それを確認して秋子はホッとし、降下して行くMS隊を映しているモニターに視線を移した。

「頼みますよ祐一さん、後はあなたたち次第です」
「水瀬提督、続いて第2波、降下態勢に入ります!」
「はい、了承」

 第1波が降りた以上、間をおかずに第2波を投入しなくてはいけない。そうでないと孤立した第1波が逆に殲滅されてしまうからだ。一度開始した降下作戦は途中で止める事ができないと言われるのも、これらのリスクの大きさゆえだ。
 しかし、降下態勢に入ろうとする第2波を管制していた支援艦隊に、迎撃部隊を突破したティターンズのMS隊が迫ってきた。

「提督、ティターンズMS隊の一部が迎撃隊を突破しました!」
「MSだけですか。艦隊は?」
「艦艇は1隻も突破していません。MSが20機前後です」
「……たいした数ではないですね、迎撃戦の用意を。輸送船団は降下終了まで現位置に固定。本艦を盾としてでも敵機を防ぎます!」

 秋子は本気だった。本気で祐一たちに手を出させまいとしている。その無言の覚悟が伝わったのか、艦橋のクルー達は一様に顔つきを引き締めていた。自分達にとっての正念場はここからなのだ。





 地球に降下した祐一たちは、アヴェンジャーからのデータで下の様子をある程度確かめる事ができた。モニターに表示された荒い映像の中には既に空中戦の様子が映し出されており、先に降下したダガーフィッシュ隊がティターンズの迎撃機とぶつかっているのが分かる。

「ちっ、やっぱり素直には通してくれないか。ギャプランが来てなければ良いんだけどな」

 今の所ギャプランは居ないように見えるのだが、何時出てくるか分からない。あれが出てくる前に降下できたら良いと祐一は普段は気にもしていない神様に祈っていた。まあ、こんな奴のお願いを神様が来てくれる事は無いだろうが、幸いにもこの時ギャプランは出てきていなかった。航続距離の短さが災いし、逆に降下が開始されてから出撃しないと迎撃時間がまともに得られなかったのだ。
 おかげで祐一たちはギャプランの迎撃を受ける事無く地球に降下することが出来た。周辺では連邦のダガーフィッシュを迎撃する為にティターンズのセイバーフィッシュやティン・コッドが上がってきているようで、激しい空中戦が繰り広げられている。特に高高度戦闘機として設計されているティン・コッドの高高度性能は素晴らしく、低空ではダガーフィッシュの相手ではない機体でも得意の高高度戦闘ではダガーフィッシュと互角以上に戦っている。
 その制空権争いの中を祐一たちは地上に降りていく。地上では連邦のMSや戦車がティターンズのMSや戦車と激突しているようで、最初は単なる光だったが、だんだんとはっきりと見えてくるようになった。

「ハイザックが多いな。後はマラサイか。バーザムはそんなに居ないみたいだけど、ティターンズも地上には高性能機を回してないのか?」

 あれなら後続部隊のジムVでもどうにかなると思えた祐一は、少しだけ気が楽になった。てっきり最前線にはグーファーがうじゃうじゃ居て、前線で全滅を覚悟した陣地死守をしなくてはいけないと思っていたので、これはむしろ拍子抜けだ。
 ある程度降下したところで祐一はアヴェンジャーから飛び降りた。後続の部下達も次々に降下し、地上に降りていく。それは連邦にとっては頼もしい援軍の到着であり、ティターンズにとっては悪魔の襲来であった。特に最初に降下してきた機体にはクリスタル・スノーが描かれており、それを見たティターンズのパイロット達が気圧されたかのように後ろに下がっている。
 
 降下した祐一は次々に降りてくる部下達を周囲に展開させ、まず橋頭堡の確保にかかった。とにかく降りれる場所を制圧しなくては何も出来ないからだ。これを少数部隊で達成する必要性から、第1波にはそれなりの精鋭が割り振られる。今回もその例に漏れず、秋子の手駒では天野大隊に次ぐ戦闘力を誇る相沢大隊と北川大隊が降下したのだ。だがそれでも数は2個大隊合わせて72機、降下中に何機かが失われてしまったのでその数は更に少なくなっている。ヨーロッパという戦線全体を見ればこんなものはごく僅かな数であり、ティターンズが本気で潰しにこれば橋頭堡は簡単に潰されてしまう。連邦はその前にこの脆い橋頭堡に部隊を降下させ、敵を押し返せるくらいの戦力を展開しなくてはいけないのだ。

 地上に展開した祐一たちに続いて北川大隊も降下を完了し、地上に展開を開始する。とりあえず初手は成功したと言えた。部下を各方面に展開させた祐一は北川のゼク・アインに機体を寄せ、遮蔽物で遮蔽を取りながら話しかけた。

「北川、とりあえず何機降りた!?」
「さあな、60機は降りたと思うが!」

 遮蔽の影からマシンガンを放ち、1機のハイザックをスクラップへと変える北川。マラサイやバーザムさえ残骸に変えるこのマシンガンにかかればハイザックの装甲など紙にも等しい。目の前に出てきた相手の大半は旧式機のようなので暫くは持ち堪えられるだろうと北川は祐一に伝えてきた。

「まあ、相手があれなら暫くは持ちそうだな。後は第2波以降の連中やヨーロッパの味方が何時来てくれるかだな」
「サイコガンダムが出てきたらどうする?」
「その時は勿論全力で逃げる」
「まあそうだな」

 祐一たちのような歴戦の兵士になると逃げるという事に躊躇は無くなる。逃げるべき時に逃げられない兵士は死ぬだけだ。それを見極められるか否かが生存の可能性に明確に関わってくる。
 祐一もそれには同感だったが、出てきたら逃げるとは流石に言わなかった。幾らなんでも総指揮官がそれを言ったら洒落にならない。代わりに別の事を口にしていた。

「この作戦が終わったら、パリでなんか食おうぜ。名雪たちも誘ってさ」
「相沢、お前もう少し状況考えろよ」
「何だ、反対か?」

 祐一の誘いに呆れた声を返してきた北川に、祐一は意外そうに聞き返した。そう聞かれた北川は少し考えた後、ふぅっと小さな溜息を漏らして笑い出した。

「くくくく、そうだな、それも良いか。どうせならバシッと服も決めてな。俺たちはタキシードでも着て、美坂たちはドレスでも着てな」
「おお、それは良いな。じゃああゆにはタイヤキの着ぐるみでも!」
「お前、それ聞かれたらまた殴られるぞ」
「いや、あいつだと体当たりだろ」
「……なるほど」

 言われてみれば確かにと思い、北川は真顔で頷いてしまった。だが、そんなアホな事を言っていた2人の後ろには、いつの間にか怖いお嬢さんが立っていたりする。そして2人の後ろからやけにドスの利いた声をかけてきた。

「誰がタイヤキの着ぐるみを着るのかな?」
「何聞いてたんだよ、そんなの決まって……」
「あら……?」

 後ろを振り返れば、タイヤキマークをつけたガンダムmk−Xの姿が。これには祐一も北川も顔を引き攣らせて焦りまくっている。ついでに言うと手に持つビームライフルはしっかり2人の背中に突きつけられていたりする。

「え、ええと、あゆさん?」
「その銃口は何でございましょうか?」
「見て分からないかな、ビームライフルだよ」

 聞く分にはいつものあゆの声だったが、ビームライフルのトリガーにかけられた指はいつでもトリガーを引いてくれそうで、祐一たちは顔色を青褪めさせていた。不味い、あゆはマジで怒っている。
 知らず知らずのうちに虎の尾を踏んでいた事に気付いた2人は慌てながらあゆに謝ろうとしたが、それより早くいきなりあゆのライフルが動き、トリガーを引いてしまった。それを見た祐一と北川が目を閉じて身を固くしたが、幸いにして自分の機体は爆発していない。着弾の衝撃も無い。それにおやっと思った2人が恐る恐る顔を上げると、mk−Xはビームライフルをいつの間にか戦場へと向けなおしていたのだ。

「何してるの2人とも、敵が来てるんだよ?」
「お、おう……」
「ああ、そうだったな」

 あゆに窘められた2人は呆けたように頷くと砲を敵へと向けたが、横につけたあゆがさりげなく怖い事を言ってきてまた身を硬くしてしまった。

「2人とも、ボクにもパリで何か奢ってね」
「な、何を言ってますかあゆさん!?」
「何時奢る事に!?」

 何時の間にそんな事にと騒ぎ出した2人に、あゆはニッコリと笑って脅し文句を告げてくる。

「2人が名雪さんたちにタイヤキの着ぐるみ着せてパリで食事に連れて行こうとしてたって、2人に教えちゃおうかな」
「ま、待て、何でそうなる。俺は名雪に着せようとしてたわけじゃ!?」
「へえ、じゃあ誰に着せようとしてたのかな?」
「……うぐぅ」
「あ、相沢、逆らわない方が良いぞ」

 あゆの素敵な笑顔が怖すぎて祐一は反論に詰り、北川はあっさりと屈服した。ぶっちゃけあゆと戦ったら勝てない。あゆに言い負かされた祐一は悔しいそうに唸り声を漏らし、そしてその怒りをティターンズに叩きつけていった。

「くっそおお、お前等邪魔だああ!」

 ゼク・アインのマシンガンが唸り、放たれた銃弾が容赦なくハイザックやマラサイを打ち倒していく。ぶっちゃけ完全な八つ当たりであり、叩きつけられたティターンズは良い迷惑だったろう。
 この後に名雪や香里たちも加わり、橋頭堡は少しずつ拡大していく事になる。やはり地上では使われていなかったゼク・アインというバーザムを超える強力な機体を投入してきたという意味は大きく、圧倒的なパワーと火力、強靭な装甲、そして優れた機動性を持つMSにティターンズは押し返されていた。特にホバーユニットは効果的で、ストライク・マラサイのようにホバーで駆け抜けながらマシンガンで掃射したり、接近戦を挑んだりしている。
 この祐一たちの拡大した橋頭堡に今度はバリュート降下のジムV隊が補給物資と共に降下してきて、橋頭堡はますます強化されていた。だが、ここに来て制空権争いにティターンズのギャプランやアッシマーが現れるようになり、制空権争いが激化しつつあった。降下部隊の混乱からティターンズも立ち直ってきていたのだ。


 地上への部隊降下と、それを巡る両軍の戦いはいよいよ激しさを増そうとしていた。秋子が降下を成功させれば連邦の勝ち、降下を妨害できればティターンズの勝ちというこの戦いは、遂に宇宙だけではなく地上を巻き込んだ熾烈な激突の段階へと移行したのだった。




後書き

ジム改 地上に降りたぞお。
栞   これで舞台は地上に移りますね。地上でも私は暴れまくりです!
ジム改 でも地上じゃmk−Xはインコム使えないから地味なのよね。
栞   だ、大丈夫です、きっと何とかなります!
ジム改 あっそ。
栞   ところで、地上の敵は弱いんですか?
ジム改 何故にいきなりそんな事を?
栞   だって、ハイザックなんて宇宙じゃ2線級の機体ですよ。
ジム改 地上は宇宙ほど機体の性能差が出ないんだよ。だからまだ役に立つの。
栞   そういえば、地上は交戦距離が近かったですね。
ジム改 そう、だからザクマシンガン改やジムライフルが未だに現役で使われてる。
栞   宇宙じゃ信じられないような話ですね。
ジム改 宇宙じゃマラサイが旧式呼ばわりだからな。
栞   雑魚扱いのジムVが地上じゃブイブイ言わしてますからねえ。
ジム改 それでは次回、ティターンズと連邦の空軍の激突が激しさを増す中で、宇宙ではダニガンとエイノーの戦いが続く。そこに来栖川とシロッコも現れ、連邦軍は苦戦を強いられる事に。連邦の守りを突破して地上に降下するティターンズMS隊、そして出撃するサイコガンダムmk−Uとジ・オ。次回「戦慄のジ・オ」でお会いしましょう。