93章  異邦人達



 ネオジオンがコンペイトウ−ペズン間の防衛ラインを突破した、という知らせはたちまち連邦宇宙軍の中を駆け巡り、ティターンズ方面を担当するエニー・レイナルド中将は指揮下の部隊から戦力を割いてサイド5の防衛に回そうとしたのだが、間の悪い事にthターンズがこの時動いていたのだ。
 偵察部隊からの報告と長距離観測による確認でティターンズの部隊、恐らくは木星師団と思われる艦隊が動いている事を知ったエニーはよりによってこんな時に、と罵声を放ってティターンズの動きを罵っていたが、おかげで部隊を回す事が出来なくなってしまった。敵が動いた時にこちらを薄くしてしまうと、弱くなった所を突かれて全体にドミノ式に影響が広がってしまうからだ。
 だが、エニーは間が悪いと感じた木星師団の動きは、実はネオジオンとの裏取引による成果であった。デラーズの要請を受けてシロッコが部隊を率いて連邦軍部隊に向けて示威行動をしていたのだ。
 しかし
、ロンバルディアの艦橋で椅子に腰を沈め、組んだ足の上で両手を合わせていたシロッコは詰まらなそうであった。

「技術交換はありがたい申し出だったが、この一手はどうなると思おうかね、サラ?」
「私はデラーズという人物は嫌いです、あの目には狡猾な光がありました」

 傍らに立つサラ・ザビアロフが思ったままの感想を口にする。それを聞いたシロッコはおかしそうに小さく笑い、サラの顔を見上げる。

「お前の抱いた感想は間違ってはいない、確かにあの男は知略に富んだ男だ。前に寡兵を持ってリビック提督や水瀬提督を翻弄し、連邦軍の防衛線を破ってコロニー落としを強行した事もある」
「信用出来る相手ではないと思うのですが?」
「ああ、私もあの男を信用はしていない。だが外交とはそれが当然の世界だからな、それに本国の意向もある」
「木国とアクシズ、いえネオジオンは未だに繋がっているのですか?」
「ああ、本国はネオジオンを通じて地球圏の情報を得ているようだからな。あるいは私を信用していないのかも知れんな」

 木星開発事業団の上層部が何を考えているのかはシロッコにもはっきりとした事は分からない。だが彼らが抜け目の無い集団であり、自分を地球圏に派遣した事にも腹黒い理由がある。
 だがシロッコ本人は木星の思惑に乗るつもりは無かった。シロッコはこの内戦を自分の目指す未来への道筋を作るために利用し、世界を変革する第一歩とするつもりでいたのだから。そういう意味では彼もまた物凄い野心家だと言えるだろう。
 これからどう動くか、そんな事をシロッコが考えていると、ロンバルディア艦長を務めているシスコ中佐が連邦軍の動きに変化があることを知らせてきた。

「大佐、敵の布陣に変化が見られます」
「どう動くともうかな艦長?」
「攻勢に出ようとしているように思えますな、我々を叩いた後でサイド5に向かうつもりかもしれません」
「そう来たか。勇将レイナルド提督らしいと言えるが、我々がジオンの亡霊の為に血を流すのも馬鹿らしいな。よし、敵の動きに合わせてこちらも退け」

 こちら側の連邦軍を誘き出して時間を稼ぐ、という約束は第3艦隊を引きずり出した事で果たしたとシロッコは考えていた。既にネオジオンの攻撃は開始されている筈で、今から第3艦隊が引き返して援軍に間に合うようなら、作戦は最初から失敗していたという事だろう。
 だが、撤退の指揮を艦長に任せたシロッコはこの作戦が教えているネオジオンの内情と、デラーズの目的を考えて冷笑を浮かべていた。幾ら連邦軍の力がかつてに較べれば衰微しているとはいえ、まだまだ圧倒的な物がある。その連邦軍の本拠地に寡兵を持って強襲をかけるなどは正気の沙汰ではないのだが、ここにネオジオン特有の問題があった。

「戦って勝たなくては国内を纏められない、ネオジオンの脆さをよく表している戦いだな。幾らミネバ・ザビを擁するとはいえ、これを集団として纏めているキャスバル・ダイクンは大したものだよ」
「ですが、パプテマス様はキャスバル総帥の事はお嫌いなのでは?」
「ああ、あれは所詮NTの出来損ないでしかない。彼には人類を率いる事は出来んよ、未来を作るのは私やキャスバルではなく、女だ」
「たとえば、水瀬秋子のような?」
「それはまだ分からん。それに私も彼女に期待する所はあったが、彼女にその気は無さそうだったな」

 前に一度秋子と会談した際にシロッコは秋子がいずれ敵となると感じていた。あれほどの力を持つ者がどうして現状を受け入れ、歴史の流れに身を任せようとするのか分からないが、彼女は連邦の軍人としての枠を超えようとはしない。もし彼女が世界を変革しようと立ち上がってくれれば、自分も喜んで彼女の元に馳せ参じただろうに。
 だがそれが実現する可能性は無さそうだ。シロッコも既に彼女ではなく次の人材を探している。だが未だに彼の理想に適うような人材は見つかっていなかった。

 連邦軍第3艦隊との衝突を避けて木星師団は後退と前進を繰り返し、時折長距離から申し訳程度の砲火を交えてはまた退いていく。その人を馬鹿にしたような時間稼ぎにエニーは激怒し、彼女の幕僚達はその怒りが自分に向かないようにそっと後ろに下がっていた。





 サイド5を射程に捉えたネオジオン艦隊、彼らはハスラー艦隊から分派してきた12隻の分艦隊であり、バルクホーン大佐に率いられている。1年戦争の頃はドズルの指揮下でムサイの戦隊を率いていた男で、1年戦争後はア・バオア・クーから脱出してアクシズに逃れている。
 ア・バオア・クーでは最後まで戦場に留まり、その為に脱出の機会を逸しかけたという意味では戦場の流れを読めない男だとも言えたが、ドズルの部下らしく実直で自分の仕事に忠実である。
 その彼が今回ハスラーから与えられた任務は、サイド5とフォスターUに出来るだけ被害を与えて連邦の生産力をそぎ落とすことである。ただし損害を極力抑えること、特に船は全て連れ帰ってくれと言われているのが辛い所であったろう。
 だが、エンドラ級8隻にM級4隻という強力な艦隊を率いていた彼であったが、偵察機からもたらされたサイド5の防御体制の報告を纏めた文書を見た事でどうするか迷っていた。

「サラミスやリアンダーは分かるとして、アイリッシュ級やアーガマ級、ネェル・アーガマ級が居るというのはどういう事だ、あれはエゥーゴの船だぞ?」
「接収した連邦が戦力化したのではありませんか?」
「それにしては早過ぎるように思うがな。まさかエゥーゴの連中をそのまま使っている訳ではあるまいし」

 幾らなんでもついこの間まで殺しあっていた連中を投降してきたからといってそのまま戦力化する筈は無い、少なくともネオジオンならばありえない。ネオジオンは4年前に加わってきたファマスからの脱出組ですら未だに信頼を得る事が出来ず、重要な任務を任せてもらえる立場には無いのだ。エゥーゴの将兵も同様であり、今回の作戦には参加していない。いや、それどころかアクシズ創設時のメンバー間ですら激しい対立を抱えていて、異なる派閥の者は重用されないようになっている。
 この作戦はデラーズ総長のプランであるから、中心に居るのは彼に近しい人物とザビ派の人間となっている。そんなネオジオンの人間からすれば、ついこの間投降してきたばかりのエゥーゴを戦力化していたり、ジオン共和国軍を迎撃部隊の中核として使うというのは出鱈目な行為に思えたのだ。
 だがそれは現実であり、このサイド5を守る連邦、エゥーゴ混成艦隊の指揮をとっているのは元エゥーゴの艦隊指揮官として幾度も連邦と戦火を交えてきたヤング准将だ。他にもブライトやヘンケンといったエゥーゴの指揮官達が出てきている。ただMSはネモ系とリックディアス系ばかりであり、エゥーゴの象徴的なMSであるZ系列機の姿は見当たらない。バルクホーンらは知らなかったが、エゥーゴの誇るエースパイロットたちもリックディアスに乗っていた。

「数は船が30隻から40隻、MSが100機前後というところか」
「確認出来ていない戦力も含めますと、近付くのは危険すぎませんか?」
「確かにな。宇宙港にも相応の数が残っているだろうし、接近戦は自殺にも等しい」
「では、MSだけで?」
「ハスラー提督からも船は連れ帰れと言われているからな。幸いまだこちらは掴まっていないようだし、無理はしないでおこう」

 1年戦争で艦隊がMSと一緒に要塞に突入したのは、MSの作戦行動半径が短くて要塞砲の外から発進させられなかったからだ。だが今は違う、MSを要塞砲の射程外から送り出しても十分に戦ってもらう事が出来るのだ。
 MSによる長距離攻撃を仕掛けることが決まり、各MSには増槽とスペースジャバーが用意される。第1波として52機の艦載機がカタパルトデッキに上げられ、整備兵たちが出撃前のチェックを始める。そしてパイロット達がそれぞれの機体に乗るべくガンルームから飛び出した。
 旗艦であるムサカからは3機のザクVと、データ取りの為に持ち込まれている2機のドーガ型MSが出撃する事になっている。指揮を取るのはラカン・ダカラン少佐である。

「攻撃はフォスターUの宇宙港と浮きドック、それに軍事コロニーのオスローに集中させる。船も手当たり次第に沈めろ。MSの相手をする必要はないぞ!」
「出てきたMSの相手はどうするんですか?」
「そっちは強化人間やシェイドの仕事だ、せいぜい役に立って貰うさ。数が多ければガザ隊を突入させてMSが迎撃する」

 ラカンは強化人間やシェイドが嫌いなようで、侮蔑を隠そうともしない声で吐き捨てるように言う。彼にしてみれば彼らのような連中は卑怯に思えるのかもしれない。まあラカン自身も決して公明正大な人物というわけではないのだが、ネオジオンの武人型の軍人の多くは得体の知れない強化人間やシェイドといった連中を好いてはいなかった。
 自らのザクVのコクピットに乗り込み、端末を操作して気体の状態にチェックを入れながら、ラカンは不満そうな表情で呟いていた。

「デラーズ総長が直接俺に声をかけてきた、か。親衛隊のガトーとの確執とグレミー・トトがデギン公王かギレン総帥の息子であるという噂、満更出鱈目ではないということか。だが、権力争いでこんな作戦をやらされる方はたまらんわ」

 かつてデラーズとガトーは盟友であり、デラーズフリート時代においては優秀な指導者と信頼出来るエースパイロットとして戦ってきた関係だったが、それがアクシズに移ってから徐々に変わっていき、今では潜在的な敵同士となっているという。勿論それは噂であり、両者の間に目に見えるような対立は見られない。だがガトーを擁している筈のデラーズが自分を必要としているという事は、彼は既にガトーを仲間と看做していないことを示しており、噂が真実である事を暗に教えてくれている。
 アクシズ時代から武闘派で鳴らし、一匹狼を気取っていた自分であるが、これからを考えればデラーズに組するのも悪くは無いかもしれないと思う。ただグレミーのような若造に頭を下げるのはどうにも気に入らないのであるが。

「あんな餓鬼に頭を下げるのは気に食わんな。だがキャスバル総帥もかなり胡散臭い男だ、どっちに付いても不満が溜まるのは同じか」

 どちらも頭にいる奴が気に食わないならば、まだ気前の良い方に付いた方がマシだろう。そう考えるラカンは、デラーズがちらつかせるであろう餌がどれだけ美味かによってどうするかを決めようと考えていた。この時彼は、既にネオジオンが分裂して内戦状態になることを予感していたのかもしれない。

 そんな事を考えていると、いきなり船が大きく振動した。どうやらミサイルを発射したらしい。その揺れが収まった後でオペレーターがMS隊に発進命令を伝えてきた。

「第1次攻撃隊出撃してください、攻撃隊発進後、艦隊は第2次攻撃隊出撃ポイントに移動、その後回収ポイントに向かいます」
「分かっている、会合ポイントで待っていろ」

 オペレーターに苛立ちをぶつけ、ラカンはザクVをカタパルトに乗せて打ち出させた。




 ジンナ参謀長はエゥーゴ艦隊をサイド5よりやや前進した位置に展開させて迎撃任務に当たらせ、第1艦隊の残りとフォスターU駐留艦隊をサイド5の直衛として使う為に分けていたのだが、遠方から放たれた多数のミサイルがコロニー群に襲い掛かってきた為に直衛の艦隊を迎撃に振り向けざるをえなくなった。
 ミサイルの飛来した方向に向けて索敵機を放ったのだがネオジオン艦隊は発見されず、そしてまた違う方向からミサイル群が飛来してくる。どうやらネオジオン艦隊は不断に位置を変えながら長距離からの攻撃に専念するつもりのようだと分かったのだが、それはこの上なく厄介な問題であった。

「厄介な手に出てくれたな、まあ隕石をばら撒かれるよりはマシだが」
「長距離からのミサイル攻撃でサイド5を壊滅できる、とは流石に考えていないでしょうな」

 部下の参謀達がこれまでの攻撃を表示させた戦術パネルに新たなデータを表示させていく。攻撃は常に一定の規模で、1度に70発前後が飛来してくる。これはそれなりの攻撃ではあるが、せいぜい嫌がらせ程度の効果しかない。多数の艦艇と迎撃衛星、MSや戦闘機に守られた拠点を叩くには数百発を纏めて叩き込まねば有効打は望めないのだ。
 現にこれまでの3波のミサイル攻撃はサイド5には何の実害も与えてはいない。コロニーや要塞に届いたミサイルは1発も無いのだ。これでは弾の無駄撃ちにも等しいが、連邦軍はこの後に艦隊が突撃してくると見ていた。まさかこの程度の嫌がらせをする為だけにこんな規模の作戦を発動したわけではあるまい。

 そしてその予測を裏付けるように、前衛のエゥーゴ艦隊が迫るネオジオンMS隊を捕らえた。数は全部で50機程度で、複数の集団に分かれてサイド5に向かってきていると。散っているので全てのMSを阻止する事は出来ないという弱音を聞かされたジンナはサイド5に来る前に全ての敵機を叩き落せとヤング准将に厳命し、更に虎の子の天野大隊と教導団にエゥーゴの撃ち漏らしを叩くように命じる。
 ジンナの指示を受けて天野は指揮下の部隊を予想される敵の侵攻ルート上に展開させたのだが、これで良いのかと首を傾げていた。

「隊長、どうかしたんですか?」
「敵の所在が掴めない以上受身になるのは仕方が無いですが、エゥーゴが前に出すぎているような。それに数も少なすぎます、あれでは抜かれますよ」
「じゃあ我々も前に出ますか?」
「参謀長の命令です、そうもいかないでしょう」

 そんな事をすればジンナの顔を潰す事になってしまう、ネオジオンの動きは気になるがここで直衛に専念するしか無かった。

「それに、幾らアムロたちでもリックディアスじゃザクVやドライセンの相手はきついでしょうしね」
「あの面子なら何とか出来そうな気もしますがね」

 アムロたちの強さはファマス戦役で何でも目にしてきた。ファマスの化け物を相手に渡り合ってきた彼らならば、リックディアスでザクVを落とす事も十分に可能だろう。天野大隊のパイロット達から見てもアムロや舞の戦闘能力は規格外なのだ。





 サイド5に迫ったネオジオンのMS隊の幾つかの集団は迎撃の為に出てきたエゥーゴのMS隊に掴まってしまった。出て来たのはネモやリックディアスばかりだったので、ガ・ゾウムやドライセンといったネオジオン主力MSに対して劣勢であり、数で勝っていてもかなり苦戦を強いられていた。ネオジオンMSに同等か勝る性能を有するネロや、超高性能機であるZ系列機は1機もエゥーゴには与えられていなかったのだ。だからアムロや舞、トルクといったトップエースたちですらリックディアスに乗って戦っている。まあ彼らは化け物じみて強いのでリックディアスでザクVの相手をする事も出来るのだが、普通のパイロットにはそんなことは出来ない。
 ガ・ゾウムやドライセンが1機落ちる間にネモやリックディアスが3機、4機と落ちていく。そんな中でアムロは舞と、トルクはクラインと組んで強力なザクVを狙おうとしていたのだが、彼らはより厄介なMS、キュベレイとヴァルキューレの相手をする羽目になった。50機程度の少数で挑んできたのだから余程の馬鹿か相当の精鋭である事が予想されていたが、なるほどこういう手駒を用意していたわけだ。

 アムロは強化人間特有の雑念と、シェイドが発する異様なプレッシャーを前に不機嫌さを隠そうともしていなかった。強力なNTであるだけに感受性も強い彼だが、それだけに敵が発する気配が不快で仕方が無いのだろう。

「この感じは、強化人間とシェイドか!」
「強化人間?」
「昔にジオンが研究していた、NT能力の弱い人間を人工的に強力なNTに変える技術だ。戦後に連邦が接収してティターンズも同じ研究をしてた」
「ようするに、シェイドみたいなもの?」
「いやまあ、似てるような違うような……」

 舞はNTではないので、NT能力の強化と言われてもピンと来ない。周りにNTの知人がゴロゴロしている舞でもそうなのだから、世間一般ではNTが超能力者と同一視されても仕方の無い事であろう。実際の所アムロもNTが何なのかはっきりと理解しているわけではないのだが。
 アムロの説明を当然の如く理解できなかった舞はしきりに首を傾げて彼女なりに理解しようとしていたのだが、何を想像したのか少し怯えたような顔になってしまった。

「強化人間、怖い……」
「舞、言っておくが強化と言っても別に身体を機械にしたり脳をチップにしたりするわけじゃないからな」
「おいアムロ、舞、その辺にしとけ!」

 クラインが注意を喚起するように鋭い声を上げ、クレイバズーカのトリガーを引く。放たれた放たれた砲弾はヴァルキューレ部隊の間を駆け抜け、彼らを散開させた。そして思い思いの方向から襲い掛かって来たのだが、それを受けてたったアムロたちは性能に劣る筈のリックディアスで自分に向かってきたヴァルキューレをクレイバズーカで、ビームピストルで容易く撃破して見せた。直撃を受けて機体の一部を持っていかれたヴァルキューレたちは如何にも慌てふためいた様子で後退して行く。

「なんだ、シェイドにしては弱すぎるぞ。俺の間違いだったか?」
「ううん、違うアムロ。多分こいつ等は私や香里よりずっと後に作られた、第3世代以降のシェイドだと思う。アクシズは能力を犠牲にして安全性を増した量産型の研究をしてるってファマス戦役の頃に聞いた事がある」
「てことは、まだシェイドの研究を続けてたのかジオンのクソッタレどもは!」

 トルクが苛立った声で吐き捨てる。彼自身もアヤウラに捕縛された後にシェイド化された身であるが、幸運な事に即席でシェイドに適合する事が出来た稀有な例だ。だがシェイドにされた人間の多くは拒否反応のような現象、ロストと呼ばれる症状を引き起こし、力を暴走させて周囲に破壊を撒き散らせながら自滅してしまう。過去にこの状態から正気に戻った事例は舞の知る限り、月宮あゆだけである。いや、彼女の例はロストとは違うような気もするが。


 ヴァルキューレやキュベレイは数が少なかったので決定的な戦力とはなり得なかったのだが、それでもアムロや舞といった人外魔境なレベルの化け物たちを一時的に拘束してくれたのは大きかった。1人で戦場の流れを左右するような連中が出てこなければエゥーゴにザクVを止める事は困難だ。
 指揮をとっているラカンはシェイドや強化人間たちが敵のエースたちを目論み通りに食い止めているのを見て満足そうな笑みを浮かべ、部下達にエゥーゴを無視してサイド5に向かうように指示する。今回の作戦の狙いはあくまでも軍事コロニーの破壊やフォスターUの宇宙港などであって、敵戦力の撃滅ではないのだから。
 ネオジオンのMSが自分たちを無視してサイド5に向かおうとしていると知ったブライトはヤング准将の部隊と共にこれを撃滅しようとしたのだが、味方のMSよりも相手の方が速く、包囲する前に振り切られてしまう。僅かに届いた部隊も数が少なく、返り討ちにあうだけに終っている。

「駄目です、ネモやリックディアスじゃ追いきれません!」
「まあ、幾ら改良型といっても所詮は第2世代の最初期の機体だからなあ」
「艦長、悟ったこと言ってないで指示を下さいよ」
「ああ、すまんなトーレス。だが今からじゃ何も出来んだろう?」
「そりゃそうですけどね」

 こっちよりも速いMS隊を後ろから追いかけて細く出来る訳が無い。かといって艦砲射撃などすればサイド5のコロニーに当ててしまう可能性があるので怖くて出来ない。
 だがこの時、ラカンたちの頭を塞ぐようにしてエゥーゴのもう1つの部隊であるヘンケンのラーディッシュ隊が展開を始めていた。ヤングやブライトとは別の宙域に展開していたおかげで間一髪で間に合ったのだ。
 4隻ほどの艦と20機ほどのMSに行く手を阻まれたラカンは作戦の修正を余儀なくされた。あれを無視してサイド5に行くことは出来ないし、迂回しようとすれば後ろの敵に追いつかれてしまう。

「仕方が無いか、ガ・ゾウムとガザEはこのまま手近なコロニーにミサイルを叩き込め。ドライセンとザクVは目の前の敵の相手をする。生きて戻れよ!」

 ラカンの命令を受けて護衛用のガ・ゾウムと対要塞ミサイルを抱えたガザEなどのMA隊がMS隊から離れ、一気にサイド5へと突入して行く。そしてザクVやドライセン、ズサがラーディッシュ隊へと向かった。
 MS隊がこちらに向かってきたのを見たヘンケンは対MS戦を命じ、艦隊を対空戦闘用の形に組み変える。だが6隻では相互支援といっても限界があるので、余り頼りにはならないのだが。連邦軍のように何十隻もの艦艇が陣形を汲んで相互支援をすると洒落にならない事になる、あのルウム戦役で連邦艦隊はジオン艦隊に惨敗したと言われているが、濃密な対空砲火と艦砲射撃でジオン軍も壊滅的な被害を蒙っていたのだから。当時でそうなのだから、戦術が進歩した現在ではさらに恐ろしい物へと変わっているのだ。まあそんな事を普通にやってくる連邦が異常なだけで、他の勢力は普通何十隻もの大艦隊を編成する事は滅多に無いのだが。
 ラーディッシュとサラミス3隻が砲撃を開始し、ラカンたちがそれを避ける為に散開する。そして向かってきたリックディアスの1機をスカート装備のビーム砲で仕留め、サラミスの対空砲火を掻い潜って距離を詰めた。
 そしてサラミスの側面に入り、ビームライフルを中央部から機関部にかけて続けてビームを叩き込んで離脱していく。防御スクリーンがあると言っても複数の強磁性体でメガ粒子を逸らす物なので、なんとかゼロ距離にまで詰めれば効果は著しく減じる。ラカンにビームを叩き込まれたサラミスは数箇所から爆発を起こし、船体が完全破壊はしなかったものの廃艦同然の姿になってしまった。船の懐に突っ込むというのは宇宙空間では常識的な戦術ではあったが、濃密な対空砲火を見てしまうとどうしても腰が引けてしまうものだ。その辺はベテランであるラカンの経験勝ちだったろう。
 あっという間に1隻沈められたヘンケンは吃驚していたが、すぐにMS隊にあのザクVを止めろと命じている。だが少数のリックディアスやネモで数に勝るネオジオンMSの相手をするのは不可能であり、逆に返り討ちにあって数を減らされてしまう有様である。
 その味方MS隊の不甲斐無さにヘンケンは情け無さそうに文句を言い、そしてせめて百式やリックディアスUがあればと愚痴る。

「仕方ない後退しろ、このままでは全滅するぞ!」
「艦長、前を!」

 ヘンケンは仕方なく部隊を下げようとしたが、その時操舵手が悲鳴のような声で注意を促してくる。その声に反応してシートの受話器から注意を正面に向けたヘンケンの視界に飛び込んできたのは、艦橋の正面に現れたズサの姿であった。ズサはガザEと並ぶネオジオンの対艦MSであり、多数積み込まれたミサイルを持って船に大打撃を与えるのが仕事だ。今回もその役割を忠実に守り、ラーディッシュの正面から大量のミサイルを発射して船体各所を打ち砕いていった。
 ラーディッシュの大破と前後して残りの2隻のサラミスも沈黙させられ、瞬く間に壊滅するラーディッシュ隊。味方が何も出来ずに壊滅する様を見たブライトとヤングは声も無く、その様をただ見ている事しか出来ない。そして彼らがラーディッシュ隊の元に辿り着いた時には既にネオジオンは去った後であり、彼らに出来る事は生存者の捜索だけであった。




 ラーディッシュ隊を壊滅させたラカンは僅かに数の減ったMS隊を率いてMA隊との会合ポイントに向かった。そこでは先に攻撃を終えたはずのMA隊が待っている筈であり、実際に待ってはいたのであるが、そこに居たのは僅かに4機のガ・ゾウムだけでガザEに至っては1機も姿が見えなかった。
 まさかここまでの惨状とは思っていなかったラカンは流石に不断の余裕を失い、焦った声で何があったのかを問いかける。

「おい、何があった!?」
「それが、サイド5にはゼク・アインを中心とする守備隊が展開していて、こちらは短時間の戦闘で一方的に撃破されるばかり。僅かに数発のミサイルがコロニー外壁に当たって程度の戦果しか上げられませんでした」
「ゼク・アインが居たと言っても、MAを全滅させるなど……」
「それがあいつら桁違いの凄腕ばかりで、気が付いたら上や背後に回りこまれてたんです。回避したと思った先に敵がいるという感じでして」
「……まさか、残っていたのか、あいつらが?」

 第1艦隊配備で秋子の要請に応じて何処にでも投入され、またアグレッサーとしても使われるゼク・アイン装備のエース部隊、天野大隊。情報部の報告ではティターンズ方面に出ていた筈だったが、戻ってきていたらしい。あれが居るとなればサイド5攻撃は余りにも無謀な物となるだろう。

「なんという事だ。全機急いで帰還するぞ、第2波を止めなくては!」
「ですが、もう間に合わないのでは?」

 部下は既に第2波は出ているのではないかと言うが、だからといって急がなくていいわけではない。ラカンは部下を纏めると急いで艦隊との合流ポイントに向かって移動していった。
 しかし、この時既に第2波は出撃しており、艦隊と合流したラカンが得たのは第2波もまた半数を失って敗退したという知らせだけであった。これを受けてバルクホーンは撤退を決定し、残ったミサイルをサイド5に叩き込んでL1宙域から離れていった。




 サイド5への攻撃が終る頃にはハスラー率いる本体も撤退を開始していた。バルクホーンと同じくハスラーも艦隊保全が第1であり、連邦軍と必要以上に距離を詰める事はせず、ひたすらに長距離からの打ち合いとMSを用いての戦いに終始している。
 ある程度粘らないとサイド5に向かった別働隊を見捨てる事になるので暫くは戦っていたが、そろそろ良いだろうと切り上げにかかったのだ。
 しかしダニガンもドズルに信頼された名将であり、彼を振り切るというのも容易ではない。撤退を開始したハスラー艦隊の動きを読んですぐに追撃を仕掛け、なかなか距離を稼げない。余り時間をかけると第6艦隊が戻ってくる可能性が高くなるし、目の前の部隊との戦闘でMSが磨り潰されてしまう。回復力が隔絶しているのでここで磨り減らされると再建出来なくなるかもしれない。
 そこにさらに悪い事に、後退していたみさきの部隊が戻ってきてノイエ・ジールに苦戦している左翼部隊を援護し始めた。浩平や瑞佳、澪の参加はノイエ・ジールに苦戦していた連邦MS隊にとってまさに救い神であり、ネオジオンにとっては疫病神となってしまう。それまで頑張っていたノイエ・ジールの1機が撃墜されたという知らせが届くのは、それからすぐの事であった。



 空母から飛び立ってきたGレイヤー部隊の相手をする事になったノイエ・ジールはかなりの苦戦を強いられていた。元々Gレイヤーはデンドロビウムをベースに開発された、ノイエ・ジールへの対抗機種であり、これに対して相性上の優位に位置している。実弾系主体の武装もIフィールドで身を守るノイエ・ジールを想定したものである。今3機のノイエ・ジールは5機のGレイヤーに追い掛け回され、ミサイルのシャワーを浴びて次々に被弾している。
 ガトーでさえもこの図体と小回りの悪さでは回避し切るのは難しく、何発かをメガ粒子砲で撃ち落しても何発かを被弾してしまい、衝撃に歯を食いしばって耐えている。

「ちい、連邦も大型MAを持ち出してくるとはな!」
「ガ、ガトー少佐、このままでは!」
「落ち着け、そう簡単にノイエは落ちん!」

 あの巨大戦闘機のようなMAは大量の対MSミサイルで武装していて、数撃ちで勝負してきている。勿論大型の対艦ミサイルなども持っているだろうが、ノイエ・ジールの装甲ならそうそう破られる事はない。
 しかし、そこに3機のゼク・アインが突入してきた事で状況が変わった。ゼク・アインはそれまでにも目にしていたが、この3機は明らかに動きが違っていた。ガトーは自分が放ったメガ粒子砲の連射を容易く回避して距離を詰めてくるゼク・アインの姿に只者ではない事を悟っていた。そしてそれに続いて多数のゼク・アインが姿を現し、ガトーはそちらへの対応に追われる事になってしまう。

「今になって新たなエースクラスが出て来たというのか!?」
「しょ、少佐、駄目です、スラスターをやられてき離せません!」
「待っていろウォルフ、今援護に回る!」

 ガトーはゼク・アインを振り切って部下の援護に回ろうとしたが、2機のGレイヤーから大量のミサイルを叩き込まれてスラスターの幾つかを潰され、加速と運動性がさらに鈍っているウォルフのノイエ・ジールに先ほどの3機のゼク・アインが襲い掛かり、3方からマシンガンを浴びせかけてきた。
 次々に大口径の砲弾を叩き込まれたノイエ・ジールの装甲は歪みだし、ついには貫通されてしまった。内部を引き裂き、炸裂する砲弾にノイエ・ジールの巨体が身悶えし、遂には一箇所から爆発を起こしてしまった。そしてミサイルランチャー付近から一際大きな閃光が生まれ、ノイエの巨体が3つに引き裂かれて大爆発を起こしていった。
 その輝きは、この戦場の中でどうにか保たれていた微妙なバランスを完全に崩す物であった。



 ノイエ・ジールの撃墜はそのままネオジオンの防衛ラインの崩壊を呼んだ。壁を破って押し寄せてくる連邦軍を呼び戻したMSと巡洋艦で必死に食い止めながら何とか敵を引き離そうと考えるハスラーであったが、ダニガンが一瞬でも止まってくれなくてはどうにもなりそうも無い。何か的の動きを止める手は無いか、そう考えているハスラーの下に、移動熱源が接近しているという報告が届いた。

「何だ、第6艦隊が戻ってきたのか!?」
「違います、これは連邦艦隊に向かっています。反応の強さと速度からミサイルかと」
「ミサイルだと、一体誰が?」

 この戦場に自分たち以外の誰が、と思っているとダニガン艦隊が追撃の足を止めて回避運動に入るのが目に入った。誰が撃ったのかは知らないが、これはまさに絶好のチャンスだろう。ハスラーは全艦に急速後退を命じ、一気に距離を離す事に成功する。そしてようやく彼はダニガン艦隊を止めた援軍の正体を知る事ができた。

「ミサイル艇、だと?」
「巡洋艦アリシューザの姿もあります。どうやらコバヤシ大佐の部隊のようですな」
「コバヤシ大佐が何故、こんな所に?」

 彼は陽動部隊の1つとして撹乱に当たっていた筈なのに、どうしてこんな所にまで進出しているのだ。それも新鋭のM級とはいえ巡洋艦1隻にミサイル艇8隻という弱体な戦力でだ。MSもまともな物など持っていないだろうに。
 だがアリシューザもミサイル艇も怯んだ様子も無く、果敢に距離を詰めてミサイルを放ち、離脱しようとしている。この第2波ミサイルでダニガンたちは更なる回避運動と迎撃を余儀なくされてしまい、ハスラー艦隊を取り逃す事となる。
 みさきたちも飛来してきたミサイルの迎撃の為に時間を食われ、敵が逃げるのを歯噛みして見送る事しか出来ないでいた。

「あの程度の敵に何をしている、さっさと沈めてしまえ!」
「ミノフスキー粒子が濃すぎます、この距離ではあのサイズの目標には当たりません!」
「ならMS隊を向かわせろ!」

 あの程度の敵に邪魔されたダニガンはネオジオン艦隊を取り逃した苛立ちを押さえきれずに無茶な命令を出してしまっている。可変MSの配備数が乏しい連邦軍ではミサイル艇のような高速艇を追いかけるのは困難なのだから。
 案の定距離が離れていたアリシューザ隊に追いつけるようなMS隊はなく、推進剤の不安が出た辺りで追撃を断念する事になる。
 怒るダニガンとは違い、みさきは仕方無さそうな顔で生存者の捜索に移るように雪見に指示を出していた。それを受けて雪見が部下に指示を伝達し、ランチの用意がなされる。

「雪ちゃん、あの戦い方は、ショウさんかな?」
「かもしれないわね、あの突撃振りと逃げるタイミングの良さは良く似てたわ。まあ似てるだけかもしれないけど」
「もしショウさんなら、あんまり優遇されてはないみたいだね。ミサイル艇ばっかりだった」

 ファマス戦役時代には多数の巡洋艦を率いて連邦軍の艦列を引っ掻き回してきた猛将が、今では巡洋艦とミサイル艇で編成された2線級部隊を率いているのだ、左遷どころではないだろう。ファマス上がりの将兵はアクシズでは報われていないという話は、本当なのかもしれない。
 いずれにしても、あの敵に回したら厄介な男が力を発揮できない場所に居るというのはありがたい事である。もし今回出てきた高速の新型巡洋艦を多数率いて出てこられたりしたら、かなり面倒な相手となるだろうから。




 L1宙域を脱出し、戦場から離れた所でハスラーはサイド5攻撃に参加していた部隊を呼び集めた。ここからは迂回コースを通ってサイド3に帰還するのだ。ハスラーからの誘導電波を辿ってバルクホーンやショウ、他にも迷子になっていた艦やMSが集まってくる。それらの数が思っていたよりも多い事にハスラーは安堵の吐息を漏らし、そしてショウを呼び出してどうやってここまで来れたのかを尋ねた。

「コバヤシ大佐、君はどうやってここに来たのだ。連邦軍の防衛ラインはどうした?」
「勿論すり抜けて来ましたよ、まあ小部隊だからこそやれる戦術ですが」
「敵の監視網を掻い潜ってきたのか、良くそんな事が……」
「なに、小勢には小勢なりのやりようがある、という事ですよ。身軽な方がやり易い状況というのもあります」

 常識破りにも程がある、と言いたくなるような出鱈目な方法であるが、それを実現できてしまうのだから大したものだ。小型艦主体の小部隊だからこそ出来る戦術と言うべきか。側面から突入してきた連邦の増援があの川名みさきであることも分かっており、ハスラーは改めてファマス戦役で活躍した彼らの有能さに舌を巻いていた。
 こうしてサイド5を巡ったネオジオンの攻勢は終結した。損害だけ見れば痛み分けと言うべき結果に終わり、ネオジオンの方が失う物の多い戦いとなった。だがサイド5への直接攻撃を許したという事は連邦軍にとって大きな失点となり、ジャブローでその事を知らされた秋子は会議室で石化したように固まり、そして一瞬だけ額にぶっとい血管を浮かべてしまった。表情は何時もの穏やかな笑顔であったので異様なまでの迫力をかもし出してしまい、同席していた他の将軍達が気圧されて身を引いてしまっている。
 この一連の戦いは戦術的にはともかく、戦略的、政治的にはサイド5のコロニーへの攻撃を許した連邦の敗北に終ったといえる。秋子は今回の失態では特に誰かの首を切るという事はしなかった、というよりしたくても人材不足で出来なかったので、ジンナ参謀長を初めとする軍令系の面々はとりあえず首を繋ぐ事が出来た。だが、この戦いで人材の不足を改めて痛感させられた秋子は、コーウェンに新たな人材を回すように要望する事になる。




後書き

ジム改 サイド5の被害は微妙でした。
栞   一番酷い目にあったのはジンナ参謀長ですかね、なんか更迭フラグ立てますよ?
ジム改 ジンナ参謀長は参謀としては優れた人なんだけど、指揮官向きじゃないのよ。
栞   秋子さんも指揮は得意じゃないとか言ってますけどね。
ジム改 あの人は弱点が少ない万能キャラだからな。
栞   一応私やお姉ちゃん、天野さんも万能型なんですよね?
ジム改 器用貧乏とも言うがな、一点特化型の方が出た時は目立つし。
栞   おかげで私は出番のわりに影が薄いです!
ジム改 いや、お前さんはキャラ濃いから目立ってないか?
栞   不満です、私主役の回がそろそろ欲しいですよ!
ジム改 栞主役の回……難しい。
栞   そこを頑張るのが貴方の仕事です!
ジム改 まあ次回は少し目立つかもな、次回はのんびり回だから。
栞   のんびり?
ジム改 それでは次回、ジャブローではティターンズの対する攻勢作戦が作成され、連邦軍が動き出す。それは海鳴基地に居る祐一たちが再び戦場に向かう事を意味していたが、当の祐一たちは海鳴の空気のせいかすっかり緩みきっていた。次回「海と山と温泉のロンド」で会いましょう。
栞   ほのぼのじゃなくて遊び回じゃないですか!