第5章 サイド5の死闘(前編)

 

 グラナダでいろいろとあったものの、カノン隊は予定通りにサイド5に向けて出港した。カノン隊は月上空でフレーザー大佐の第68戦隊と合流し、合計で9隻の陣容となった。だが、第68戦隊は旧式のマゼラン級戦艦1隻にサラミス級巡洋艦が3隻という編成なので、カノン隊のカノン級戦闘空母1隻にサラミスA4隻にはかなり見劣りしている。
 サイド5の掃討作戦を前にしてカノンでは作戦会議が開かれていた。カノンの作戦室にカノン隊の主要メンバーとフレーザーとその幕僚が集まっている。カノンの作戦室は大艦隊の旗艦となることを想定されていたので、この程度の艦隊の旗艦としては無駄に広く、充実した設備を持っている。
 全員の前で秋子が背後のスクリーンに宙域図を映して説明している。

「今度の任務は索敵攻撃です。本来なら散開して探した方が効率的なんですが、本艦の索敵システムは過剰に優れていますので、密集していても十分な索敵が可能です。よって、今回は無理をせず、艦隊はカノンのMS隊の傘の中で行動してください。また、私達の突入に合わせて8時の方角からも第12機動戦隊が突入することになっています」

 そこで秋子はスクリーンを切り替えた。艦隊の配置図が映る。

「陣形はカノンを先頭に第8独立艦隊が前に、第68戦隊が後ろについてください。MS隊は全機戦闘配置のまま待機、1個中隊ずつ交代で直衛についてください」

 そこまで説明して全員を見渡す。意見を求めているのだ。それに促されてフレーザー大佐が発言する。

「大体のことは分かりましたが、潜伏している敵戦力はどの程度と予想しているのです?我々よりも大規模な戦力が潜伏している可能性は?」

 フレーザーの質問に秋子は頷いてみせた。

「はい、情報部は多くて1個戦隊程度と報告していますが、実際にはこれより遥かに多いはずです。私の個人的な調査では、この宙域の傍では連邦艦に対する襲撃事件が頻発していますし、先のルナツー襲撃の際にカサブランカを襲撃した敵は4隻いたことが確認されていて、そのうち3隻がこちらに向かったそうですから」

 秋子の話に祐一が小さく震える。あの日のことを思い出しているのだろう。

「つまり、ここには最低1個戦隊程度の戦力、と考えるのが適当でしょう。そして、その艦隊には相沢中尉やアルハンブル中尉と互角に戦うほどのパイロットがいるということです」 

 そう言って秋子は改めて全員を見る。どの顔にも緊張と、少量の怯えがあった。やはり、祐一とトルビアックの2人が苦戦するほどの実力を持ったパイロットというのが重くのしかかっているのだろう。もっとも、祐一とトルビアックの2人はあの時の借りを返すことを考えているのだろうが。

「大丈夫ですよ、今回はあくまで索敵が任務です。どれほどの残党が潜伏しているのか、大雑把に分かればいいんですから」

 場の雰囲気を変えようと秋子が明るく言う。
 そこで、今まで黙っていた佐祐理が口を開いた。

「ところで、敵の拠点に非戦闘員がいたらどうしましょう?下手に攻撃するわけにもいきませんし」
「その可能性は無い、と言いたいのですが、実際のところは分かりません。まあ、拠点に対する攻撃は極力控えるという方針でいくしかないでしょう」

 秋子も困ったように言う。この可能性を考えていなかったわけではない。ジオンを脱出した艦隊はそれなりの人数の民間人を伴って行ったらしく、その民間人が何処にいるのか分からないのだ。一ヶ所は分かっている。アクシズに行った艦隊にそれが含まれていたのだ。
 だからと言って作戦を放棄できるわけでもなく、巻き込まないよう注意するといったことしか出来ない。それが分かっているだけに、佐祐理もそれ以上追求はしなかった。




 作戦会議を終えてフレーザーたちが帰った後、祐一たちは作戦室でMS隊の交代サイクルを決定して散開した。何故か祐一や北川とすっかり仲良くなったトルビアックは会議が終わった後も2人と一緒に談話室に来ていた。

「なあ、この作戦、どうなると思う?」
「どうって言われてもな、俺はお前らと違って別に恨みは無いしな」
「悪かったな、お前は後から来たから分からんだろうが、あのゲルググBは凄い腕前だったぞ」

 祐一がむっとした顔で言い返す。

「それは分かってるさ。俺だって別にお前が弱いと思ってるんじゃない」
「……おい、2人とも、俺はそういうことを聞いたわけじゃないぞ」

 トルビアックが口をはさむ。

「じゃあ、何だ?」
「なんて言うのかな、こう、嫌な予感がするんだ」
「何だそりゃ?」
「だから、俺にも良く分からないんだよ。ただ、何て言うのか、このまま進むと良くないことが起こる。そんな気がするんだ」

 トルビアックが気弱に言う。その様子を見て祐一と北川が互いに顔を見合わせた。

「おい、それってまさか、噂のニュータイプって奴じゃないだろうな」
「ああ、確かあのアムロ・レイもそんなことを言ってたって」
「・・・まさか、そんな訳無いさ」

 2人の慌てぶりを見てトルビアックは笑った。それを見て2人も苦笑を浮かべた。

「そうだよな、そんな訳無いよな」
「ああ、そんなのがごろごろしていたらびっくりだけどな」



 
 3人はそれで済ませたが、実のところ、トルビアックの悪い予感は当たっていた。この時、すでにカノン隊はみさき達が事前に配置しておいた監視衛星に捉えられていたのである。カノンを中心とする9隻の連邦艦の接近は直ちにオスローに伝わり、オスローのジオン残党は慌てふためいていた。
 だが、慌てふためく連中を尻目に、みさきはさっさと決断を下してしまった。

「オスローを放棄するよ」

 その一言に全員の動きが止まる。

「中佐、今、なんて言いました?」
「オスローを放棄するって言ったんだよ」

 部下の問いかけにみさきははっきりとした声で答えた。それを聞いて部下達がいきり立って詰め寄ってきた。

「中佐、何を考えてるんです?このオスローを放棄するなんて!」
「そうです、第一、ここを捨てて、我々に何処に行けって言うんですか?」
「ここまできて、連邦から逃げるのは面白くありません!!」

 皆が口々に反対するが、みさきは何も言わず、顔を雪見に向けた。それで察したのか、雪見が口を開く。

「分かったわ、すぐに脱出の準備をする」
「「「なっ!!」」」

 雪見があっさりと受け入れたのに周囲は驚きの声をあげた。

「本気なのか?」
「ええ、じゃあ聞くけど、この基地の戦力でこの連邦艦隊を相手に出来ると思うの?特にこの超大型艦、これって確かカノン級とかいう新型の戦闘空母でしょう。これ1隻で私達を圧倒できるんじゃない?」

 雪見の剣幕に周囲の者は静まり返った。現実問題として、彼らの戦力は迫り来る連邦艦隊を相手に出来るほどのものではない。まして、連邦でも最強と言われる超大型戦闘空母カノンの戦闘力は未知数だ。断片的な情報によると、この艦の搭載機は100機を超えると言う。自分達のMSはこの半分程度でしかない。MSの力を自ら実践しただけに、それが数で押し寄せてくるというのがいかに恐ろしいか、知らぬ者は無い。
 やがて、ぽつぽつと脱出論に同調する者が出始めた。

「仕方が、ないのか」
「また、あの屈辱を味わうのか……」

 誰もが断腸の思いでいる。彼らはあのア・バオア・クー戦を体験しており、その後撤退、いや、逃亡している。連邦軍に追い回されてかろうじて逃げ切ったのだ。また、あのような惨めな思いを味わうのかと思うい、彼らは苦悩しているのだ。
 だが、結局は全員がしぶしぶ同意した。幸い、みさきは先のルナツーに対する攻撃に参加することで火星のジオン軍に受け入れてもらえる約束を取り付けている。脱出しても行く先はあるのだ。
 全員が退出した後、みさきは雪見に頭を下げた。

「助かったよ、雪ちゃん」
「別にいいわよ、私だって死にたくは無いしね」

 雪見は笑顔でみさきに返した。

「だけど、どうするの?誰かが連邦を食い止めなくちゃならないのよ。いくら浩平君達が強くても、6機やそこらじゃどうしようもないし・・・」
「・・・いざとなったら、私が出るよ。あれは使えるんでしょ?」

 みさきの言葉に雪見はみさきの方を掴んだ。

「あれって、まさか、みさき、本気なの!」
「うん、分かってるよ。私があれに乗って戦ったら、浩平君たちに避けられちゃうかもしれないけど、でも、誰かがいなくなるよりずっといいよ」

 みさきは笑顔に僅かな悲しみを込めて答えた。それを見て雪見も手を離す。

「分かったわ。どうせ何を言っても聞かないだろうし、あれは住井君が完璧に整備しているはずよ」
「そう、住井君にも迷惑をかけるね」

 そこで、みさきは顔を上げた。

「そうだ、雪ちゃん。茜ちゃんはどうしてるのかな?」
「あの娘だったら、もう1つの連邦艦隊に向かったわ。今ごろ、終わってるんじゃないかしら?」

 雪見はこともなげに言う。どうやら何の心配もしていないようだ。みさきもそれを聞いて大きく頷く。

「そうだね、茜ちゃんなら心配はいらないよね」




 カノン隊と連動してサイド5宙域の捜索を任されていた第12機動戦隊は混乱の極みにあった。暗礁宙域の開けたところで敵の襲撃を受けたのだが、迎撃に出した部隊があっという間に音信不通になってしまったのだ。
 第12機動戦隊の旗艦であるトラファルガー級空母アークロイヤルの艦橋で司令官が怒鳴っている。

「どうした、迎撃機はどうなったんだ」
「分かりません。この状態ではレーダーは何の役にも立ちませんし、通信も途絶えたままです」

 オペレーターが情けない声をあげる。彼も混乱していたのだ。無理も無い、迎撃にはジム3機に12機のセイバーフィッシュを付けて出したのに、それが2分と経たずに音信不通となったのだ。いったい、この先に何がいるのか、誰もがその恐怖にパニックを起しかけていた。

「と、とにかく、全機緊急発進させろ!見張りは全周囲を警戒するんだ!」

 アークロイヤルの甲板から次々とセイバーフィッシュが、コア・ブースターが発進していく。この艦に残る48機全てを出した。さらにコロンブス級母艦からジムが9機発進していく。さらに艦隊は空母とMS母艦を中心に周囲をサラミス3隻とサラミスC型2隻で固める。全方位からの攻撃を警戒した陣形だ。たとえ相手がMS1個中隊であってもたやすく撃退できる、はずだった。だが、彼らの前に現れたのは1機の漆黒のMSだった。姿はゲルググ・イエーガ―に似ている。ただ、右肩の背負い式の砲と、漆黒のカラーリングが機体を特徴的にしている。

「1機、だと・・・」
「は。それ以外には確認できません」

 司令官とオペレーターが信じられないように呟きあう。流石に信じられないのだろう、3機のMSと12機の戦闘機を2分と立たずに全滅させたのがたった1機のMSだというのが。
 先行していたセイバー・フィッシュ中隊がこのMSに向かっていく。だが、次に瞬間、信じられないことが起きた。そのMSが信じられないような速さで動き、12機のセイバーフィッシュは何が起きたのかも分からぬうちに全滅していた。

「一体、何が……」

 かすれた声で艦橋の誰かが呟く。その時、そのMSから通信が入ってきた。オペレーターがそれを繋ぐと、メイン・スクリーンに18,9歳ぐらいの、お下げを両肩に流した少女が映し出された。

「貴方達に勝ち目はありません。素直に帰ってください」

 少女の勧告に司令官はいきりたって怒鳴った。

「ふざけるな!!我々は最後まで戦う!!」
「……どうしてもですか?」
「交渉の余地は無い!!」

 返答を聞いた少女はしばし瞑目し、ややあって口を開いた。

「分かりました。貴方の愚かなプライドに、私の力で持って答えましょう。シェイドに挑んだことを、後悔してください」

 そう、悲しそうに言って通信が切れた。司令官が隊内通信のマイクを掴んで怒鳴り声で命令する。

「全艦隊、全力攻撃開始!!」

 この命令を受けて艦隊は全ての放火を開いた。MSや戦闘機も突撃を開始する。そんななかの1機、コア・ブースター隊を率いるキョウ・ユウカ大尉は部下の11機を連れてMSの横に回り込もうとしたが、それが無駄に終わったことを悟った。そのMSはコア・ブースターを遥かに上回るスピードで艦隊に突入していったのだ。その余りの速さにキョウは驚いた。

「そんな馬鹿な!あんな加速のしかたで、パイロットがもつわけが無い!」

 そう、目の前の漆黒のMSは異常な加速率で動いている。少なくとも、自分なら耐えられないような加速率だ。一体、あの少女はどういう体をしているんだ?キョウの頭にはそんな疑問が渦巻いていた。
 だが、彼は幸運だった。回り込んだおかげでこのMSの目標からとりあえず外されたのだから。こいつの前に立ちはだかった他のMSや戦闘機は全く相手にならず、最後の1機が落とされるのに4分かからなかった。特に威力を発揮したのが手持ち式のビームマシンガンの弾幕射撃だ。これに狙われるとMSと戦闘機を問わずに蜂の巣にされてしまう。また、両腕の110ミリ速射砲とビームサーベルもすさまじい威力を発揮している。艦隊はあっという間に丸裸にされてしまった。

「そ、そんな、そんな馬鹿な?」

 司令官は目の前の光景が信じられず、同じことを幾度も繰り返していた。そして、それが彼の最後の言葉となった。漆黒のMSの右肩に背負われていた砲から強力なメガ粒子が打ち出され、アークロイヤルを一撃の元に撃沈したのだ。このメガ粒子砲は下手な戦艦の主砲を上回る威力を持っていたのだ。
 他の6隻も攻撃法こそ違うものの、同様の最期を遂げ、後には12機のコア・ブースターと漆黒のMSが残った。キョウ達は目の前で艦隊がものの数分で全滅したのを見て恐慌状態に陥りかけていた。キョウは多少は冷静さを保っていたが、所詮は程度の違いでしかなく、その顔には恐怖がにじみ出ている。

「だ、だ、駄目だ。全機、散開して逃げろ!!」

 それは絶叫とも言える命令だったが、部下達は即座に反応した。12機がてんでばらばらの方向に逃げるのだ、何機かは確実に生き残れるはず。キョウはそう考えてこの判断をしたのだが、これは一応の成功を見た。12機のコア・ブースターのうち、5機が戦場から離脱できたのだから。だが、言い換えるならこのMSは逃げに入った一瞬の間に7機のコア・ブースターを撃墜したことになる。恐るべき反応速度と射撃能力と言える。
 キョウは助かったことを神に感謝したが、同時にそれは寿命が束の間延びたに過ぎなかった。MSに比べて遥かに推進剤消費が大きい戦闘機の戦闘可能時間は悲しいほど短い。まして、全速で無茶な機動を繰り返したのだ。本当ならすぐに母艦で補給できるという計算があっての行動だったのだが、母艦が沈んだ以上、推進剤切れで宇宙を漂流するごみの仲間入りをするしかない。キョウがこのことに気付いた時には、すでに愛機の推進剤は切れかかっていた。




 第12機動戦隊の全滅を知らないまま、カノン隊は第12機動戦隊との会合宙域に来ていた。しかし、相手からは何も言ってこない。流石に心配になった秋子は周囲に偵察機を出すことにした。
 偵察に飛び立ったMS隊は1個小隊ずつに分かれて自分の担当宙域に向かう。その中には暇を持て余していた祐一や北側の姿もあった。
 祐一は名雪とあゆを連れて暗礁宙域を縫うように進んでいた。特にあゆの動きは流れるようで、下手をすれば祐一よりも上手いかもしれない。名雪も短期間に随分上達している。流石はあの1年戦争の連邦のトップエースの一人、オレンジの恐怖と呼ばれた水瀬秋子の娘と言ったところだろう。そうなると、祐一はたんなる普通の人ということになるのだろうか。2人のあふれんばかりの才能を見せ付けられて祐一は少しブルーな気分になっていた。

「うぐぅ、どうしたの、祐一君?」

 祐一に元気が無いのを不審に思ったのか、あゆが心配そうに聞いてくる。

「いや、何でもない。気にするな」
「? そう?」
「ああ、男には辛い時もあるのさ」
「??? 何だか分かんないけど、頑張ってね」
「…………」

 あゆに励まされて祐一はますますブルーになった。それでもすいすいと残骸を避けているのはエースパイロットとしての本能だろうか。その時、名雪が珍しく緊張した声で通信を入れてきた。

「祐一、大変だよ!」
「どうした、名雪?」
「連邦艦艇や戦闘機の残骸をたくさん見つけたんだよ。残骸の状態と周辺のエネルギーの残り方から、ついさっきやられたんだと思うよ」

 名雪の話を聞いて祐一とあゆも名雪の方に向かう。そこには確かにかつてはサラミスやセイバーフィッシュだった物がたくさん漂っている。その中に、祐一がはっきりとした証拠を見つけてしまった。

「あれは、トラファルガー級空母の飛行甲板じゃないのか?」
「じゃあ、あれがアークロイヤルなの?」

 祐一の声にあゆが呟く。信じたくは無かったがこれで間違いは無い、第12機動戦隊は全滅したのだ。

「うぐぅ、みんな死んじゃったのかなあ」
「ああ、残念だけど、これじゃ生存者を探すだけ無駄だろうな」

 祐一の言う通り、7隻の艦艇は全て完全破壊されている。他の戦闘機やMSは言うまでも無くばらばらだ。これではたとえ脱出した奴がいたとしても発見は困難だろう。

「祐一、とりあえずお母さんに連絡しないと」
「あ、ああ、そうだな」

 名雪に言われて祐一はカノンに通信を入れる。残留ミノフスキー粒子と大量の障害物の為に通信状態はすこぶる悪かったが、何とか繋がった。

「カノン、こちら相沢中尉だ。第12機動戦隊を発見した」
「こちらカノン、了解しました。今、水瀬司令に繋ぎます」

 少し待ち、秋子の声が聞こえてきた。

「祐一さん、それで、どうでしたか?」
「駄目です。すでにアークロイヤルを含めて、全艦が沈められていました。とりあえず、これからどうしますか?」
「……とりあえず、生存者を探してください。私達もそちらに向かいますから」
「しかし、この状態では無駄かもしれませんよ」
「それでもかまいません」
「分かりました。やってみます」

 祐一がそう言うと、秋子は微笑んで通信を切った。白濁するスクリーンを見て祐一は嘆息する。

「と言ってもなあ、この状態でどうやって探せって言うんだろうな?」

 祐一がぼやくのも無理は無い。目の前には数え切れないほどの漂流物が存在し、ノーマルスーツと金属の破片の区別も難しいくらいだ。ここを3人で探すなど、どぶ川で砂金をさらうくらいにむなしく、そして難しい。だが、命令である以上やらなくてはならない。軍人さんの辛いところだ。

「とりあえず、手分けして探すぞ。あゆは俺の左側、名雪は右側だ」
「分かったよ」
「うん、頑張るよ」

 2人が元気に返してくる。それを聞いて祐一も少しやる気を取り戻した。
 探し始めてから、あゆは奇妙な思いにとらわれていた。まるで、誰かが呼んでいるような気がするのだ。

「うぐぅ、誰、誰が呼んでるの?」

 あゆは悩みながらもその呼びかけてくる方向に向かっていく。すると、そこには1機のコア・ブースターが漂流していた。近づいてみるとパイロットはまだ無事らしい。

「うぐぅ!祐一君、生きてる人を見つけたよ!」
「なにぃ!マジかあゆ。偉いぞ!」

 驚愕の叫びをあげて祐一がやってくる。祐一もそのコア・ブースターを確認したらしく、コア・ブースターを抱えるようにして確保する。

「おい、大丈夫か?おい!」
「う、ううう……」

 接触通信で話し掛けると、どうやら気が付いたのか僅かな反応がある。とりあえず生存者を確保したことで少し余裕が出来たのだろう。状況を少しは冷静に考えられるようになった。

「あゆ、名雪、2人は周辺を捜索してくれ。俺はこいつを抱えてビーコンを出しつづけてるから」

 この残骸だらけの中では迷子になる可能性もある、下手をすればカノンにすら発見してもらえないかもしれないのだ。そう考えると祐一の判断は正しい。しかし、2人はそう思わなかったようだ。

「祐一、ひょっとしてサボろうとしてない?」
「うぐぅ、祐一君、どうなの?」
「……どうしてそういう考えが出てくるんだ?」
「祐一、因果応報という言葉を知っている?」

 名雪にしみじみと言われて流石の祐一も黙った。悔しいが反論できないのだ。
 3人は何だかんだで(働いてるのは2人だが)周辺を捜索し、駆けつけてきた他の偵察隊の協力もあってさらに4機のコア・ブースターを発見することが出来た。しかし、艦隊1つの生存者がたったの5人だという現実に、捜索に参加したパイロットは忸怩たる思いに駆られた。




 カノンに収容されたコア・ブースターとそのパイロット達は全て無事だったものの、パイロット達は皆何かに怯えたように震えていた。それでも秋子は全員から一応の話を聞き出すことに成功したのだが、その顔にははっきりと困惑の色が見えた。普段はいつも笑顔を絶やさない、と言うより、笑顔以外の顔をみせないだけに、この困惑顔は驚きを持って迎えられた。もっとも、秋子は顔を傾げただけで特に気にしなかったが。
 ブリーフィング・ルームに集められたパイロット達とカノンの主要幕僚は秋子からただならぬ雰囲気を感じて気圧されていた。

「今回、集まってもらったのは第12機動戦隊の戦闘報告に関することです。とはいっても、断片的なものに過ぎませんが。生き残ったパイロット達の話によると、第12機動戦隊はたった1機のMSによって全滅させられたそうです」

 秋子の話にブリーフィング・ルームは騒然となった。

「そんな馬鹿な!たった1機のMSが1個戦隊を全滅させたってのか!?」
「まさか、赤い彗星じゃないだろうな!?奴は1機で7隻沈めたらしいからな!」
「第12機動戦隊のパイロット連中は何をやってたんだ!?」

 パイロット達のざわめきが静まるにはかなりの時間を必要とした。ようやく騒ぎが収まると、秋子は話を再開した。

「もちろん、第12機動戦隊が怠けていたわけではありません。アークロイヤルには60機もの戦闘機がありましたし、コロンブスには12機のジムが搭載されていました。生き残ったコア・ブースター隊の隊長、キョウ・ユウカ大尉の話によると、第12機動戦隊は保有する全戦力を挙げてこのMSに立ち向かい、たったの数分で全滅させられたそうです。攻撃してきたMSはゲルググニに似た新型機で、漆黒の塗装をされていたそうです。残念ですが、細かい性能などは分かっていません」

 そこまで言って秋子は部屋を見渡した。誰もが呆然とした顔をしている。あの祐一や北川、トルビアックでさえそうなのだ。普通のパイロット達が信じられるわけはない。

「我々としてはこの漆黒のMSが出てきた場合、どう対処するかが問題ですが、幸いにして撃墜する必要はありません。私達の目的はあくまで偵察ですから。しかし、もし出てきたとしたら、現時点でこれと戦えそうな機体は1機しかありません」

 そう言って秋子はトルビアックを見た。見られた方は滑稽なくらいに慌てふためいている。

「ま、まさか、自分がそいつの相手をしろと言うんですか!?」
「そのまさかです、うちで唯一ガンダムタイプに乗ってますから。それに腕の方もトップクラスでしょう」

 うろたえまくるトルビアックに秋子は穏やかに、しかしはっきりと断言した。断言されたトルビアックは死刑宣告を受けた囚人のように顔面蒼白となった。

「ちょ、ま、待ってください。いくらなんでも、俺1人でそんな化け物相手に出来るわけないじゃないですか!?」
「もちろん、1人でとは言いません」
「……へ?」
「貴方を隊長に相沢中尉、北川中尉、それに中尉が希望するメンバーをつけます。つまり、この漆黒のMSに対する迎撃チームの指揮をとってもらうんです。もちろん、メインで戦うのは中尉ですけど」

 そう言って秋子はにっこりと微笑んで見せた。この微笑を見た祐一と北川は深い溜息をついた。2人は知っているのだ。この笑顔を見せた時の秋子に、何を言っても無駄だということを。
 一方、トルビアックの方は必死に人選を練り始めた。少しでも強いメンバーを揃えないととても対抗できないからだ。

「・・・それでは、川澄少尉と月宮曹長、あと美坂曹長を回してもらえますか?」
「了承」

 秋子がこう宣言すると、もはや誰にも変更は出来ない。3人の参加は決定されてしまった。ちなみに、あゆはとても不安そうに、香里は沈痛な表情で、舞は無表情に秋子を見つめていた。
 ブリーフィングが終わるとトルビアックは秋子を捕まえて話し掛けた。

「艦長、正直に答えてください。その漆黒のMSというのは、シェイドじゃないんですか?」
「……そうかもしれません。ですが、もしそうだったとしても、他に方法がないんです」
「しかし、もし本当にシェイドなら、あのソロモンの化け物と同等の力を持つということでしょう?あんなのに、たった6機で立ち向かえと言うんですか」

 トルビアックが真剣な顔で詰め寄る。そこには恐怖がにじみ出ていた。体験した者にしか分からない恐怖と言う物が世の中にはあるが、トルビアックが体験したのはまさしくそれだったのだろう。それに対して、秋子は何も言えず、ただ唇をかんで下を向いていた。
 その時、香里が口をはさんできた。

「もういいじゃない、トルクもそれくらいにしておいたら?」 
「何を言ってるんだ。このままじゃ俺達は確実に死ぬんだぞ」
「まだそうなると決まったわけじゃないわ。それに、秋子さんに詰め寄ったって、事態が変わるわけじゃないでしょう。秋子さんだって命令で仕方なくここに来てるんだし」

 香里の言葉にトルビアックは勢いをなくした。自分は秋子に命令されたが、秋子も上司に命令されているのだ。本当ならすぐにでも艦隊をまとめて引き返したいのだろうが、ここで引き返せば秋子は命令無視で処罰されるだろう。それが分かってしまったために、トルビアックは怒りの方向性を失ったのだ。
 トルビアックが黙ったのを見て、香里は秋子に話し掛けた。

「でも、確かにトルクの言うとおり、私達だけじゃシェイドには対抗できないわ。せいぜい足止めがいいところね。何か考えはあるんですか?」
「……無い事もありません」
「どんな方法です?」
「飽和攻撃をかけます」

 秋子が少しだけ力をこめて言う。飽和攻撃というのは、相手の対処能力の限界を超えた規模の攻撃をかけ、多少の被害を覚悟の上で相手に打撃を与える戦法だ。堅実な戦法だが、こちらも確実に被害を出してしまうのが欠点である。

「艦隊の対MSミサイルを一斉に発射します。かなりの数が打ち落とされるでしょうけど、何発かは命中するはずです。それで何らかの被害を与えられるでしょう」
「つまり、その照準をする間、私達にシェイドの足止めをしろ。と言うんですか?」
「そうです。無茶なことは分かってますが、無茶を承知でお願いします」

 そう言って秋子は頭を下げた。頭を下げられた方は困った顔でお互いを見やる。

「時間稼ぎ、か」
「死んでこいと言われてるようなもんだが」
「やるしかないんだよな」
「うぐぅ、倒さなくてもいいんだよね」
「でも、私達以外の連中じゃ、何の役にも立たないわよ」
「……うん」

 6人はお互いに額を向かい合わせて悩んでいた。答えはもうとっくに出ているのだが、まだ踏ん切りがつかないでいるのだ。そして、舞が秋子に向き直った。

「……やってみる」
「御免なさいね」

 秋子の謝罪に舞は首を小さく横に振った。

「艦長のせいじゃない。それに、私の為でもあるから」
「私の為?」

 秋子が聞き返したが、舞はもう何も言わなかった。
 舞が秋子の頼みを受け入れたためか、残った5人もしぶしぶと受け入れた。ささやかではあったが、彼らは秋子の最強の持ち駒となったのだ。しかし、シェイドに対抗しうるかはまだ分からない。全ては戦ってみてからなのだ。




 話が終わった後、祐一達は食堂に集まっていた。何故か名雪に佐祐理までいる。8人はここで昼食を食べながら今後のことについて話し合っているのだ。

「でも、シェイドかあ。関わらないですむなら、一生関わりたくなかったな」

 祐一が自分の正直な気持ちを口にする。それに北川にあゆが大きく頷いた。

「ああ、そんな化け物と戦わずにすめばそれに越したことはないからな」
「うぐぅ、そうだよね」

 だが、トルビアックと香里、舞は何も言わなかった。それを不審に思った祐一は3人に話し掛けた。

「どうしたんだ、3人ともそうは思わないのか?」
「いや、俺はもう関わってるし」
「いまさら困ったってどうにもならないでしょう」
「…………」
 3人ともそれぞれな反応をする。それを聞いた祐一は肩をすくめて隣に視線を向けた。そこでは名雪が幸せそうな顔でAランチを食べている。

「しかし、何で軍艦の食堂に学校のAランチがあるんだ?」

 祐一の心からの疑問に香里が追い討ちをかけた。

「それを言ったら、どうして軍艦の食堂に鯛焼きや牛丼があるの?」

 そう、このカノンの食堂にはさまざまなメニューが存在する。普通、軍艦の食事というのは炊事班が同じ物をまとめて作るのだが、このカノンでは食べたいメニューの食券を購入してカウンターで受け取るのだ。その中には鯛焼きまでが存在しているのだ。

「なんでも、この船を受け取った時、お母さんが無理を言って改装したらしいよ〜」

 名雪が幸せボケした声で答えてくれる。どうやらイチゴのムースを食べているらしい。

「はえ〜、秋子さんって凄いんですねえ〜」

 佐祐理にまで言わせる秋子さんは只者ではない。だが、食堂に力を入れた軍艦って、どれだけ機能を無駄遣いしたのだろうか。居住性が向上するから、長期の戦闘にも耐えられるようになるのだろうが。
 祐一の隣では北川と香里が話している。

「なあ美坂、お前ここんとこ何も食べてないんじゃないか?」
「……そんなことはないわよ」
「そうか?俺の知る限り、お前が何か食べてるところを一度も見たことがないんだが」
「どうして北川君が私の食生活を知ってるわけ?」
「だって、俺と美坂は同じ小隊だし、暇な時は良く、相沢や水瀬といっしょに行動してたからな」

 そう言われて香里は少し考え込んだ。

「そういえば、そうだったわね」

 そこで香里は小さく息を吐いた。それからいつものポーカーフェイスを北川に向ける。

「でも大丈夫よ。少しは食べてるから」
「そうか、ならいいんだが……」
「ええ、私はまだ、倒れるわけにはいかないもの」
「美坂?」

 その時、北川は妙な違和感を覚えたが、香里の表情からは何も読み取ることは出来なかった。ただ、Aランチを食べ終わった名雪が心配そうに香里を見ていた。
 食事を終えた8人はそれぞれの部屋に散っていった。祐一は北川を誘って自分の部屋でジュースを酌み交わしている。流石に作戦行動中に酒を飲んだりはしない。
 グラスを傾けていた北川が口を開いた。

「なあ、相沢、緊張しないか?」
「あたりまえだ、いつ敵が来るか分からないんだからな」
「そういうんじゃないんだ。何ていうか、怖いんだよ。こんなのは新兵の頃以来だ」

 北川はそう言って自分の右手を見る。その手はかすかに震えていた。

「まったく、1年戦争を戦ってきた俺が、たった1機のMSにビビるなんてな。部下に知られたら笑われちまう」

 そう言って右手を左手で軽く抑える。そんな北川を見て祐一は天井を見上げた。

「俺だって怖いさ。だけどな、怖がっていても敵は来るんだ。その時に怖がってたら死ぬことになるぞ」
「ああ、分かってるさ。だけど、ここまで自分が無力に思えたのは初めてなんだ。初陣の時、セイバーフィッシュでザクに挑んだ時だってここまで無力だとは思わなかった」

 北川の不安は祐一にも分かる。相手はたった1機で1個戦隊を全滅させるような相手なのだ。自分なら絶対にそんなことは出来ない。それが分かるだけに、祐一も恐怖心と無縁ではいられない。ただ、北川が先に言い出したのでなんとなく気にせずにいられるだけだ。




 MS格納庫はいつもうるさい。整備兵たちがMSや戦闘機を常に最高の状態で維持しようとベストを尽くしているからだ。銃弾が飛び交うわけではないが、ここもまた一つの戦場だった。そんな中、舞は1人で自分の愛機に乗り込んでいた。機体の遊びをほとんど零にしたカスタム機、それだけにこの機体を操れるのは自分しかいない。しかし、舞には分かっていた。この機体では勝てないことを。

「……茜」

 誰に言うでもなく呟く、とても懐かしそうに、そして、とても悲しそうに。



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人物紹介
 
里村茜 18歳 女性 少尉
 みさきが連れてきた女性仕官で、情報収集などの裏方的な仕事をしている。周囲のものは彼女のことを詳しくは知らないが、実はジオンが戦争に勝つために生み出した最強のMSパイロット、シェイドの1人。シェイドのことはジオンでも第1級の軍機であったため、ジオンの高官でも知る物は少ない。戦後は一部のデータを連邦が接収したらしい。茜はシェイドの中でも試作品で、数万分の1の確立で生まれた成功例である。 


キョウ・ユウカ 25歳 男性 大尉
 連邦軍の戦闘機パイロットで、前大戦から戦闘機隊を率いて活躍している。実力はあるのだが、妙なプライドを持っており、MSが主力となった今でも戦闘機に固執している。第12機動戦隊の戦闘機体隊長を勤めていたが、原隊が全滅したためにカノン隊に移籍することになる。


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機体解説 
FF−X7−Bst コアブースター
兵装 メガ粒子砲X2
   4連装30mmバルカン
   2連装ミサイル
   多弾頭ミサイル
<説明>
 コア・ファイターにブースターを装着した機体で、戦闘機でありながらMSとも互角に戦える最強の戦闘機。特に火力は凄まじく、戦争中は主に対艦攻撃に用いられた。ただ、大型の為に運動性が悪く、ドッグファイトは苦手としており、あくまで一撃離脱に徹する必要がある。

FF−S3 セイバーフィッシュ
兵装 4連装30mmバルカン
   3連装ロケットランチャ−X4
   単装ロケットランチャーX4
<説明>
 1年戦争前から配備されていた連邦の主力宇宙戦闘機で、MSの無い連邦では唯一ザクと戦うことのできた機体。戦闘機としては強力で、現在でも各基地などに配備されている。特に火力が大きく、全身に装備されたロケットランチャーをまとめて撃てばザクでも撃破することができる。

トラファルガー級空母
全長:不明
兵装 不明
搭載機数:60
<説明>
 大戦中にマゼラン級戦艦を改装した補助空母。戦闘機を多数積んで艦隊の防空を行うのが主任務。マゼラン級の両舷を全通型フライトデッキに改装してあり、この甲板で戦闘機を運用する。母体がマゼラン級ということもあり、数はそれほど多くない。なお、データが不明なのは、詳しいデータが分からないから

サラミス級巡洋艦 バッチC
全長228メートル
兵装 単装メガ粒子砲4基
   連装機銃16基
   12連対MSミサイルランチャー4基
搭載機数:無し
<説明>
 サラミスC型と呼ばれる。増大するMSの脅威に合わせて改装された防空巡洋艦で、機銃と短距離ミサイルでハリネズミのように武装している。短距離ミサイルはミノフスキー粒子の影響も考えて全て有線式であり、直接照準で目標に向かう。艦隊の防空の要として期待されるタイプで、サラミス改級に機銃を増設した防空型が存在する。


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後書き
ジム改 さて、本日のお題は連邦の宇宙船です
祐一  ・・・おい
ジム改 ガンダムでは艦隊を構成しているのは戦艦と巡洋艦です。その攻撃力は強大の一言につき、主砲の一撃
     を受ければどんなMSでも確実に破壊されます。
祐一  おい!
ジム改 なんだね、出番の無かった主人公
祐一  なんだ、あの茜の強さは? 化け物か?
ジム改 まあ、オールドタイプの君ではどうしようもない相手だな。彼女の正体は後に判明するだろう
祐一  そうじゃねえ! あんなのに勝てるのかって事だ!
ジム改 今のカノン隊には茜と戦えるようなパイロットは少ないな。機体の差を考えると1人しかいないだろう
祐一  ・・・いるのか?
ジム改 気にするな、それでは、説明の続きです。連邦軍の艦艇は主にマゼラン級戦艦とサラミス級巡洋艦で編成
     され、基本的に一部の改装型以外はMS搭載能力はありません。砲戦能力は高いのですが、MSを積ん
     でいないという弱点はガンダム世界では致命的です
祐一  でもカサブランカは積めるぞ?
ジム改 あれはビンソン計画で建造されたMS搭載能力を与えられたサラミスだ。作中では旧式艦だが、新鋭のサ
     ラミス改よりも総合能力は高い。ただ、その大半が戦没しているから現存する艦は少ないぞ
祐一  それは分かったが、それじゃ連邦はどうやってMSを運んでるんだ?
ジム改 コロンブス級輸送船にしこたま詰め込んで戦場まで持っていくのさ。積める数には諸説が入り乱れてはっ         
     きりきりしないんだが、ここでは50機説を採用している。ただ、こいつは積めるだけで、母艦機能は無い。
     母艦型のコ  ロンブスはMSの整備、 補給施設を搭載したものだが、おかげで搭載機が12機にまで減少
     している
祐一  随分少ないんだな。カノンなんか100機以上積めるのに
ジム改 あんな化け物といっしょにするんじゃねえ!