第34章 敗北者の烙印


 郁美に問い掛けられたトルクは愉快そうに郁美に答えた。

「うん、なんだ、俺が生きてちゃおかしいか?」
「何であんたがヴァルキューレに乗って、私に攻撃してるのかって聞いてるのよっ!!」

 アレックスUが無理やりトルクを押し返す。トルクは郁美に逆らわずに少し距離をとった。

「なんで、か。そうだな、教えてやるよ。俺はあの戦いの後、正直何があったのかはよく分からん。だけどな、気が付いたらこの無敵の肉体と信じられない力を手に入れたんだ。これさえあれば、俺は隊長を超えられる。隊長を倒せるんだ」
「・・・・・・」
「そうさ、これだけの力があれば俺は隊長を倒して、舞を実力で手に入れられる男になれるんだ」
「・・・その為に、悪魔に魂を売ったって訳?」
「悪魔? アヤウラのことか。あんな奴を気にする必要は無いさ。あいつはギレンの亡霊に過ぎん。昔はどうか知らんが、今では2流の悪徳テロリストさ」

 おどけた調子でヴァルキューレの両手を軽くあげて見せる。どうやらトルクはアヤウラを敵とは思っていないらしい。まあ、最近落ち目だからねえ。

「トルク、何だかすっかり悪人が板についてるわね」
「ああ、人間開き直ると結構楽に慣れるぞ。多分アヤウラなんかも昔は真面目だったんだと思うぜ」
「・・・ほんと、ずいぶん変わったわね」

 郁美の声には呆れと言うよりも、諦めがあった。そして、1つ溜息をつくと静かにライフルを構えなおした。

「もういいわ、これ以上は聞くに堪えない。これ以上喋れないようにしてあげるわ」
「・・・へえ、俺に勝てると思ってるのか、面白い冗談だな」

 トルクもビームグレイブを構える。それが合図になった。郁美が再びビームライフルを撃ちまくるが、今度はトルクに冷や汗をかかせる射撃が幾つもあった。明らかに照準が正確になっている。
 だが、健闘は所詮健闘でしかない。郁美の射撃はトルクにとって厄介ではあったがかわしきれないものではない。郁美の攻撃の代償はいくばくかの冷や汗でしかなかった。
 懐に飛び込んだヴァルキューレのビームグレイブがアレックスUの胴体を薙ぎ払おうと振られ、辛うじてそれをかわしたアレックスUがビームライフルでヴァルキューレを殴りつけた。ビームライフルで殴られたヴァルキューレは大きく揺らいだ。そこに至近距離から頭部バルカンと両腕のガトリングガンをフルオートで撃ちまくった。高速徹甲弾がヴァルキューレの機体を激しく叩き、凹ませていく。

「おおおおおおおおおっ!!」

 銃身が焼きつかんばかりに連射されたバルカンとガトリングガンはすぐに弾が尽きてしまったが、撃ちこまれた徹甲弾は1000発を下るまい。カラカラと乾いた音を立てる銃身をヴァルキューレに向けたまま、郁美はヴァルキューレが破壊されていることを祈った。
 しかし、これだけの打撃にもトルクのヴァルキューレは持ち堪えた。装甲は激しい打撃に大きく歪み、両腕の110mm速射砲は完全に潰れている。よく弾薬が誘爆しなかったものだと感心するほどだ。

「そ、そんな、いくらヴァルキューレが重装甲だっていっても、この至近距離からこれだけ叩き込まれて無事なはずが・・・」

 信じられないと言いたげに何度も首を横に振る。そんな郁美の前でヴァルキューレのモノアイが怪しく光った。

「ふう、流石に今のはやばかったよ。もう駄目かと思ったぜ」

 頭部を庇っていた両腕を解く。その機体は外見こそ酷く痛めつけられているが、どうやら内部はたいした損傷も無いらしい。

「どうして壊れないか不思議か。こいつはお前の知ってるヴァルキューレとは違う。高槻がヴァルキューレをファマスの技術で徹底的に改装した、まあヴァルキューレ改だな。装甲はチタン・セラミック複合材ではなく、ガンダリウムβ合金に換えられてるし、ジェネレーターや電装系も最新の物。こいつはヴァルキューレなんかとはまったくの別物だよ」

 再びビームグレイブをを起動して刃を形成する。

「こいつの装甲は間違いなく最高だ。まあ、こいつをぼこぼこにしたのはたいしたもんだ、褒めてやるよ。そして、こいつがご褒美だ」

 ビームグレイブをアレックスUの頭めがけて振り下ろす。郁美はそれをビームサーベルで辛うじて受け止めたが、圧倒的な出力差がアレックスUのビームサーベルを徐々に侵食していた。

「くうう、駄目、パワーが違いすぎる」
「当たり前だ、シェイドMSと力比べをして勝てるとでも思ったのか。所詮はお前も欠陥品だな、鹿沼葉子や巳間晴香と同じだ」
「葉子さんと晴香って、ちょっと、2人に何をしたのっ!?」

 敵味方に分かれてしまった友人の名を出されて郁美は冷静さを失う。それを見てトルクは愉快そうな笑い声を出した。
「ははははは、そんなに気になるのか?」

「いいから答えなさい!」
「・・・まあ、生きて入るさ。もっとも、鹿沼葉子のほうは全治3ヶ月くらいの重傷だがな」
「なっ!」
「心配するなよ、あいつも一応シェイドだからな、多分一月、いや、3週間くらいで退院できるんじゃないか」
「・・・・・・」

 郁美はそれには答えなかった。ただ肩を震わせ、怒りに満ちた目でトルクを睨んでいる。そんな郁美を面白そうに見やり、トルクは通信画面に向かって手招きして見せた。

「どうした、こいよ。まさか怖気ずいたわけじゃあるまい?」
「・・・・・・」

 次の瞬間、悪寒を感じたトルクは咄嗟に機体を下がらせた。すると目の前を巨大なビームサーベルが通り過ぎていく。それはトルクには見覚えがあった。

「こいつは、エクスカリバーのメガビームサーベル」

 さらに大きく下がると、自分と郁美の間に立ちはだかるように七瀬のエクスカリバーVと栞のRガンダム、中崎のジムキャノンUが割り込んでいた。ちなみに中崎はケリィとの戦いでジムカスタムを大破され、代わりにトルクが使っていたジムキャノンUを貰い受けたのだ。もともとバランスのいい中崎は何に乗ってもそれなりに使いこなすことができるので、今ではすっかり七瀬隊の支援ユニットと化している。

「七瀬か、元気そうで何よりだ」
「トルク、あんたいつボケキャラからシリアスキャラに転向したのよ?」
「・・・ボケキャラと言うなあっ!!」

 ビームグレイブが振るわれたが、これはあっさりとメガビームサーベルに止められた。初めてまともにビームグレイブを止められてトルクが目を剥く。

「流石にエクスカリバーか、だがな!」

 すかさず鍔迫り合いを解いて素早い連激に切り替える。

「オールドタイプのお前が俺についてこられるか?」

 七瀬はオールドタイプだ、それは間違いない。だが、トルクは間違っていた。ニュータイプは確かにオールドタイプよりも有利な面が多いが、だからといってオールドタイプがニュータイプに劣るというわけではない。なぜなら、ニュータイプは所詮反応速度と勘が優れているだけなのだから。そしてその差はオールドタイプでも決して補えないわけではない。七瀬や北川、祐一や浩平のようにニュータイプと互角以上に戦えるオールドタイプもいる。そして七瀬は、舞と互角に戦えるオールドタイプである。
 自分の攻撃すべてを止められてトルクは少し下がった。その動きには明らかな焦りがある。

「なんで、何でついて来れるんだよ。俺は最強クラスのシェイドで、しかもニュータイプなんだぞ。どうしてオールドタイプのお前が俺に追いつける?」

 トルクの声には狼狽と否定が微妙にブレンドされている。どうやらすっかり現実逃避しているらしい。そんなトルクに七瀬は誇らしげに宣言して見せた。

「そんなの決まってるでしょ、私が乙女だからよっ!」
「んなこと理由になるか――っ!」

 再び2機の武器がメガ粒子を散してぶつかり合う。パワー、武器の出力ともにそれほどの差がないのか、力の比べあいは殆ど何の効果も上げていない。
 そんな事をしている間にさらに北川と佐祐理まで駆けつけてきた。

「気をつけろ佐祐理さん、ありゃシェイドMSだ」
「はええ〜、噂のシュバルツって、シェイドの事だったんですね〜」

 この状況でも佐祐理の声はほえほえしている。これを余裕と見ていいのか、単に状況が理解できないのかは定かではない。
 だが、この2人のエースの参入は流石に自信2乗なトルクでも蒼ざめた。北川に佐祐理、確かに目立たない2人だが、その射撃技術は決して舐めてかかれない。特に北川の腕は驚異的といっていいほどだ。
 七瀬と北川、佐祐理に栞に中崎の5人を相手にトルクのヴァルキューレが立ち回るが、これでは流石に勝負にならなかった。

「畜生、手前ら汚いぞっ!」
「あははは〜、悪人に人権なんかありませんよー」
「「「「「おいおい」」」」」

 さらりと無茶苦茶キツイ一言をかましてくれる佐祐理さんに、その場にいる全員が突っ込んだ。
 北川が巧みに間合いを取りながらジムライフルを叩き込み、佐祐理が常に背後を取ろうと動き回る。一旦離れようとすれば中崎が巧みに退避コースにビームを叩き込んでくる。そして栞と七瀬が斬りつけて来るのだ。
 この厄介極まりない敵を相手にトルクは曲がりなりにも渡り合っていた。全身に弾痕を刻まれ、紙一重で回避したメガ粒子の粒に機体を焼かれても致命傷だけは懸命に避けていた。
 これだけの猛攻を凌ぎつづけるトルクの腕に、4人は焦りにも似た感情を持ち始めていた。

『何だよこいつは、化物か?』

 懸命にビームキャノンを撃ちながら心の中で中崎は毒づいた。こうなる前のトルクも強かったが、今のトルクはもはや化物だ。シアンとすら比較しえるではないかと思わせるその技量に恐怖すら覚える。
 だが、ここに来てついに均衡が崩れた。中崎のジムキャノンUのビームキャノンがエネルギー切れになったのだ。

「やべえ、弾切れだ!」
「ええええええええぇぇぇ――!!」
「ちょっと、冗談でしょ!」

 中崎の悲鳴に栞と七瀬が上ずった声を出す。中崎の支援はトルクの動きを著しく制限していただけにこれは不味かった。逆にトルクはビームが飛んでこなくなったことで一気に行動の自由を回復していた。

「よっしゃ、やっと終わったな」

 こうなるのを待っていたトルクは加速性に物を言わせて3人を引き剥がしにかかった。こうなるとシェイドMSの持つ異常な加速性能についていくことはできない。3人は凄腕だが、人間の限界は超えられないのだ。
 しかし、トルクにはまだもう1つの試練が待っていた。

「・・・さない・・・」
「え?」

 トルクが間の抜けた声を出す。いままで忘れられていたかもしれないが、この場にはもう1人いるのだ。天沢郁美というシェイドが。

「許さない、許さないゆるさなゆるさないゆるさないユルサナイユルサナイィィィィィィっ!」

 郁美がアレックスUを強引に加速させ、ヴァルキューレに追いすがった。その圧倒的な速さは明らかにアレックスUの通常の機動性を大きく上回っており、郁美が手動で何らかのリミッターをきったことは確実だった。

「殺してやる、殺してやる、殺してやるー!」
「チィ、怒りに我を忘れてやがる、厄介な」

 キレた郁美の攻撃は今までとは打って変わった直線的でトリッキーな物になり、勢いと力技が全てになっていた。普通に考えるとこの戦いかたならトルクの方が有利なはずなのだが、今までの戦いで機体にガタがきており、武器も殆ど残ってはいなかった。頼みのビームグレイブもすでに誘導体がいかれており、ただの棒となっている。
 そんな攻撃をしばらく続けていると、いきなり郁美の動きが止まった。今までの激しい動きが嘘だったようにその場に停止し、死んでしまったのかと錯覚させるほどに動きがなくなってしまった。

「ちょっと、どうしたのよ、何で動かないのよっ?」

 コクピットで郁美が懸命にスティックを動かすが機体は何の反応もしない。郁美は気付いていなかったが、機体が限界を無視して酷使されつづけたために駆動系が焼きつき、次いでジェネレーターがオーバーヒートしたのだ。
 いくら連邦の技術の結晶であるアレックスUでも、シェイドの無茶苦茶な動かし方にはついていけなかったのだ。
 郁美が追えなくなったところでトルクはようやくこの絶望的な状況から逃げ出すことができた。もっとも、この状況でここまで頑張ったならむしろ賞賛されても良いだろう。だが、トルクの心は敗北感に打ちのめされていた。最強と信じていた自分の力を持ってして、機体も実力も格下だと断言できる相手に負けたのだ。プライドの高い彼にとって、これは看過できる事態ではなかった。


 全てが終わり、事の顛末を見届けたマイベックは旗艦であるアキレウス級戦艦パトロクロスで安堵の息を吐いた。指揮官席ではオスマイヤー准将が指示を飛ばしている。

「終わったな、潜宙艦と俺たちの戦いも」
「終わった、ですか?」

 部下が不思議そうに聞き返してくる。マイベックは部下を見やって嬉しそうに説明してやった。

「終わったさ、今までの攻撃の規模からして連中の戦力は大体10隻から20隻だ。だが、今回襲ってきたのは10隻に満たなかった。内4隻を沈め、MSの大半を破壊、ないしは鹵獲したんだ。もうまとまった戦力など残ってないだろう」

 それだけ言うと、マイベックは予備の椅子に深く腰掛け、軍帽を顔に乗せて目を閉じた。

「すまんが、少しだけ眠らせてくれ。ここしばらく寝てないんだ」
「分かりました、水瀬提督から通信が届くまでお休みください」

 部下の言葉を聞いて、マイベックは睡魔に身を委ねた。
 マイベックの予測は当たっていた。今回の作戦の失敗を知ったアヤウラは即座に作戦の中止を決定、残存艦を連れて火星への帰路についている。結果としては潜宙艦隊は壊滅といって良いほどの損害を受けたのだが、彼らが命がけで稼いだ数日と言う時間は、ファマスにとって宝石よりも貴重なものであった。この数日の間にファマスは火星宙域とフォスターUの防備を整える事ができ、万全の状態で連邦軍を迎え撃つことが可能になったのだ。アヤウラに対する批判は多いが、この数日という時間を稼ぎ出したアヤウラの功績は誰もが認めざるを得なかった。

 


 5月17日、本当なら5月上旬には出撃できるはずだった連邦艦隊はようやく出撃準備を終えようとしていた。圧倒的な大軍である連邦軍だが、それだけに補給の確保は大問題であり、これが途絶えると二進も三進も行かなくなってしまう。その意味ではアヤウラはよくやったのだが、絶対的な物量差を前にはやはり限界に達してしまったのだ。
 今度の作戦は秋子が自ら作戦案を立案していた。これはリビックが秋子のもつ戦術家としての才幹を見込んでの采配で、その為に秋子は多くの時間をこれに割いていた。そして、マイベック達が船団とともにフォスターTに入港しようとした所で彼らは変なものを目にすることになる。

「大佐、工作艦が変なものを引っ張ってます」
「工作艦が? コンテナか何かか?」
「いえ、どうもただの隕石らしいんですが・・・」
「隕石?」

 マイベックが艦橋の外を見ると、確かに工作艦が1隻辺り5個ほどの隕石を牽引している。

「・・・確かに隕石だが、なんにするんだろうな?」
「さあ、いくらなんでも武器にはできんでしょうし・・・」
「それはそうだ、いくらなんでも工作艦から切り離したくらいの勢いじゃ要塞や艦隊の砲火ですぐに破壊されてしまう・・・でも、ならなんだろうな?」

 マイベックと艦橋詰のクルーたちは訳が分からないといった顔を見合わせた。
 同じ頃、カノンは奇妙な客を迎えていた。

「まさか、君が私の部下となるとはな・・・」

 シアンが苦笑を顔に貼り付けて右手を差し出す。

「歓迎しよう、アムロ・レイ中尉。俺がシアン・ビューフォートだ」
「中佐の噂は聞かされています。カノン隊最強のエースだということも」

 アムロがシアンの右手を握り返す。その後ろにはクリスとバーニィもいる。彼らはアルビオンとともにベルファストにいたのだが、今度の作戦にあわせて秋子が呼び寄せたのだ。ティターンズは当然この話に難色を示したのだが、ティターンズといえども秋子の影響力を無視することはできず、しぶしぶとこれを受け入れている。実際のところ、ただの一治安部隊に過ぎないティターンズがこういった人事に干渉してくること事態がおかしいのだが、コーウェンが去ったことで連邦軍首脳部がティターンズの影響下に入りつつあるということなのだろう。
 3人はシアンの案内で艦橋に招かれ、秋子と直接会うことになった。この会見は秋子がアムロに会ってみたいという願望から実現した物だったが、秋子に会ったアムロは僅かに眉をひそめた。

『なんだ、この感じ・・・ララァとは違う、もっと穏やかな・・・』

 アムロは秋子のニュータイプとしての力を敏感に感じ取っていた。秋子もアムロとの接触で感じるものがあったのか、珍しく笑顔を消している。

「・・・アムロ中尉、ですね?」
「はい、水瀬提督の噂はかねがねお伺いしております。このような艦隊に・・・」
「まあまあ、そんな無理して社交辞令なんて言わなくてもいいですよ」

 秋子が再び笑顔に戻ってアムロを制す。

「今日は1年戦争の英雄である「白い悪魔」と話してみたいだけです。別にあなたをどうこうしようなんて考えはありませんよ」

 秋子の口調はすっかりいつものものになっていた。すでにペースになれているシアンや艦橋のクルーたちは別段気にもしていなかったが、これが初めてなアムロやクリス、バーニィはかなり面食らっていた。

『・・・なんだか、おおらかと言うか、アバウトというか・・・』
『ここって、本当に軍隊よね』
『おれ、なんか場違いなところに来たような気が・・・・』

 それぞれに口にはできない感想をもごもごと呟く。だが、それはシアンの言葉によって驚愕に変わった。

「秋子さん、いくらなんでも始めて来た相手にその口調は不味いですよ。面食らってますよ」
「あら、そうですか?」

 呆れたようなシアンの忠言に秋子はニコニコと笑って答える。その、とても少将と中佐の会話とも思えない会話に3人が度肝を抜かれる。

「ちゅ、中佐、そんな、提督に対して、その・・・」

 バーニィが口篭もる。さすがに「秋子さん」等とは言えないのだろう。それが理解できるシアンは苦笑してバーニィの肩を叩いた。

「言いたい事は分かる。俺も最初はそうだった」

 そして、何か大切な物を諦めたような声で呟いた。

「君達も、すぐに慣れるさ、この艦隊の空気に」

 呆然とする3人。そこに、秋子の止めとも言うべき言葉を付け足した。

「慣れるというより、染まるんじゃないかしら?」
「・・・そうとも言いますね。朱に交われば赤くなる、ですか」

 「ふうぅ」と深く思い溜息を吐いたシアンだった。
 3人が混乱と驚愕に頭を悩ませていると、艦橋に名雪が入ってきた。

「水瀬准尉、来ました」
「おお、来たか名雪」

 シアンが名雪にこいこいと手招きをする。

「すまんが、こいつらを案内してくれんか。居住ブロックにこいつらの部屋があるから」
「うん、分かったよ。じゃあ、ええと・・・」
 
名雪が少し困った顔で3人を見る。それで3人は名雪の疑問に気付いた。

「ああ、俺はアムロ・レイ中尉だ」
「私はクリスチーナ・マッケンジー中尉、クリスでいいわよ」
「俺はバーナード・ワイズマン准尉、バーニィでいいぞ」
「あ、すいません。私は水瀬名雪准尉です」

 3人の自己紹介を受けて名雪がぺこりと頭を下げる。だが、3人は名雪の自己紹介を聞いてまた首を捻っていた。

「あの、すまないが」

 意を決してアムロが名雪に話し掛ける。

「その、水瀬というのは、もしかして・・・」
「?」

 聞かれている意味が理解できない名雪に変わって、秋子が答えた。

「ええ、名雪は私の娘ですよ」
「「「なにぃぃぃぃぃっ!」」」

 驚愕の叫びを上げる3人。これもいつものことなのでいまさら驚かない艦橋クルーとシアン。秋子はなにやら嬉しそうにニコニコしてるし、名雪は事態の変化についていけずにおろおろしている。毎度の事ながら、名雪が秋子の娘というのは秋子を知らないもの全てを驚かせている。そう、彼らは皆、一様にこう思うのだ。

「この人って、今幾つなんだっ!?」

と。


 帰ってきた郁美たちを出迎えたシアン達は、そこで驚愕する事実を伝えられた。辛そうな顔で報告する七瀬に全員の視線が突き刺さる。

「・・・・・・トルクが、あいつがファマスにいると言うんだな。しかもシェイドになって?」
「はい・・・ヴァルキューレとか言う機体に乗っていました」

 七瀬の答えを聞いてシアンは大きく息を吐いた。なにか、重い物を背負わされたかのような徒労感を感じさせる。そのままシアンが黙ってしまったので、周囲がざわめきだした。

「あいつと戦うのか」
「生きてたのかよ・・・」
「何をトチ狂ってんだ、あの馬鹿は!」

 皆が顔を歪ませて怒りをあらわにする中で、舞が僅かに顔色を変えてこの場を後にした。それを見送った佐祐理は慌てて追いかけようとしたが、後ろからシアンに肩を掴まれた。

「・・・お前は行くんじゃない」
「何でですか、舞のあの顔を見たでしょう!」
「トルクと舞の問題に首を突っ込んでいいのは、1人だけだ。分かってるだろう?」

 最後の台詞は佐祐理に向けたものではなかった。それが分かったのだろう、キョウが慌てて舞の後を追いかけていった。それを見送って、シアンが全員に言い聞かせるように大きな声を出した。

「トルクのことはこれまでだ。あいつの事は俺が何とかする」
「な、なんとかって?」

 祐一が恐る恐る、といった感じで聞くと、シアンは僅かに表情を歪めた。

「・・・・・・あいつが出てきたら、俺が相手をするということだ」
「・・・・・・・・・」

 誰も何も言えなかった。シアンとトルクは師匠と弟子のような関係にある。そのシアンが自分で相手をするというのだ。その覚悟を考えれば、何も言える訳が無かった。

 舞の後を追ったキョウは、気がついたら展望室にたどり着いていた。この短時間でよくこんな所までこれたと変なところで感心しながらも必死に舞を探す。
 
「ちっ、こういう時は鑑賞樹がうっとおしくてしょうが・・・いた!」

 いくつもあるベンチの一つの前で舞は佇んでいた。そのベンチにキョウは見覚えがあった。

『あれは確か、あの戦いの前に俺とトルクが舞にデートを申し込んだ所だったな』

 まあ、結局は2人とも断られてしまったのだが。そういえばあそこが舞とトルクが最後にあった場所だったな。
 そんな事よりも、今は舞の方だ。と気持ちを切り替え、キョウは舞の傍まで歩いていった。ベンチの前に佇んでいる舞は最初は泣いてでもいるのかと思ったが、別に泣いてもなく、ただじっとベンチを見つめている。
 今日は舞の背後まで来て、声をかけた。

「舞」
「・・・・・・トルクの顔を見たのは、ここが最後だった」
「・・・ああ、そうだったな」

 キョウは舞が悲しんでいるのか、怒っているのか分からなかった。ただ、僅かに高い声から感情が高ぶっている事が推察できる程度だ。

「・・・お兄ちゃんは多分・・・トルクを自分で倒すって言うと思う」
「・・・・・・・・」
「・・・でも、させない」
「舞、だけどそれは・・・」
「トルクを仕留めるのは、私だから」
「・・・・・・舞さん?」

 ようやくキョウは気づいた。舞は怒っているんだということに。舞はすでにトルクを殺る気満々であった。

「・・・・・・あの、もしもし?」
「・・・皆に心配させておいて・・・今度は敵になったなんて・・・」

 相当怒ってるみたいです。これは愛情の揺り返しと見ていいんでしょうか? 
 キョウは何か言おうと必死に考えたが、やがて諦めたようにがっくりと項垂れ、心の中でトルクに詫びた。

『す、すまんトルク、俺には祈る事しか出来ねえっ!』

 

連邦が秋子の立案した作戦に添って兵力の再編成を終えている頃、フォスターUでもファマス艦隊が集結を終えようとしていた。フォスターTから脱出してきた艦隊がフォスターU守備隊に加わり、その戦力は戦闘艦艇86隻、小型艦艇140隻、支援艦艇46隻に達している。連邦艦隊から見ればまだまだ少数だが、要塞自体の戦力も考えれば決して不利でないと言い得る状況である。
 フォスターU司令官であり、第3艦隊司令官であるロバート・バウマンは自ら宇宙港に出向き、後退してきたチリアクスを出迎えていた。

「チリアクス、御無事でよかった」
「バウマンか、むざむざと要塞を明け渡してしまったよ」
「何を言われる、あそこで戦っても兵を無駄死にさせるだけの事。気になされるな」

 バウマンはチリアクスを慰めたが、自らの拠点を明渡してしまったことへの屈辱は自分には理解できない物があるのだろう。チリアクスは拳を握り締め、口を真一文字に結んでただ何かに耐えていた。
 これ以上何を言っても気休めにしかならない、と断したバウマンは部下にチリアクスを自室まで案内させ、自分は他の士官に労いの言葉をかけた。

「斎藤、川名、ショウ、よく無事に帰ってきてくれたな」

 バウマンは3人の顔をじっと見詰め、そっと右手を差し出した。斎藤たちはやや困惑したが、すぐにその手を握り返してくる。

「疲れていると思うが、君たちには連邦軍の戦力など、聞きたい事が山ほどある。すまんがもう少し我慢してくれ」
「いえ、ただ、できれば我々以外には聞かれない場所の方がよろしいかと」

 斎藤がそっと耳打ちし、バウマンもそれには頷いた。
 3人がバウマンに招かれたのはバウマンの執務室だった。

「まあ、適当に座ってくれたまえ」

 そう言ってバウマンは棚からスコッチの瓶とグラスを取り出してくる。

「まあ飲んでくれ、少しは気休めになるだろう」

 3人の前にスコッチが満たされたグラスが滑るように置かれる。以外にも最初にそれに手をつけたのはみさきだった。

「う〜ん、やっぱり高いお酒は美味しいよ」
「・・・みさき、君は酒が飲めたのか?」

 意外そうにショウが聞いてくる。まあ、みさきは外見だけなら清楚な美人で通るから、こんな強い酒を平気で飲めるとは思ってなかったのだ。

「うん、ちょっと前にね、目覚めたんだよ」

 なんとも美味しそうに飲むみさきにつられてか、斎藤とショウもグラスを口に運んだ。
 3人がスコッチを飲み終わるのを見計らってバウマンが切り出した。

「それで、連邦軍はどうかね。あのリビック提督が率いている以上、かなりの強敵だとは思うが」
「そうですな、少なくとも今の連邦艦隊は間違いなく史上最強だと思います。将兵は今までの実戦で鍛え上げられ、指揮官はリビック提督以下、エイノー中将、エニー少将、クライフ少将、水瀬少将といったそうそうたる顔ぶれが揃っています。MSも新型に切り替わっているようですし、その数も多い」

 斎藤の答えは簡潔で分かり易かったが、同時に何の救いもなかった。一気に暗くなった場の空気を何とかしようとショウが口を開けたが、暫しパクパクと動いただけでまた閉じてしまった。結局何も思いつかなかったらしい。
 重苦しい空気の中、バウマンが僅かに溜息をついた。

「そうか、分かった」

 バウマンの呟きは、絶望という意味をこの上なく体現していた。
 みさきとショウが立ち去った後、部屋に残っていた斎藤にバウマンは一瞬躊躇い、口を開いた。

「斎藤大佐、君はどう思う、今の連邦と、我々のこれからを?」

 問い掛けられた斎藤はグラスに2杯目のスコッチを注ぎ、一気にそれを飲み干した。

「・・・・・・正直に言いまして、今の連邦は1年前に比べるとずいぶんとよくなっています。ゴップ提督らは軒並み軍を追われ、後には平凡ですが誠実なオンデンドルフ大将を中心とする人たちが座りました。連邦政府にも倉田連邦議員やクリステラ連邦議員、バウアー高官などが影響力を持ち始めてます」

 斎藤はここで一旦言葉を切り、バウマンにスコッチを満たしたグラスを差し出した。

「そして我々ですが、正直に言うなら負けでしょうな。後1回くらいなら勝てるかもしれませんが、それで最後です。連邦軍は残存する戦力をまとめて再度侵攻して来るでしょう。それに対して我々は対抗する術を持ちません」

 斎藤の話に、バウマンは小さく頷いた。

「そう、だろうな」
「ですが、だからと言って負けを認めるつもりはないのでしょう?」
「ああ、まだ戦う力を残しているのに負けを認める事はできんよ・・・・・・まったく、軍人というのは救いようがないな」

 バウマンが皮肉に口を歪め、小さく吐き捨てるように答える。このあと、2人は瓶が空になるまでスコッチを酌み交わしていた。


 フォスターUに到着した所で、リシュリューMS隊隊長の久瀬隆之大尉とエターナルMS隊隊長のフレデリック・クライン大尉は、これからの事を話し合うためにフォスターU駐留のMS隊指揮官と顔を合わせていたのだが、そこに待っていたのはなんと見えない、気難しそうな男だった。
 気難しそうな男、アナベル・ガト―少佐は2人が入ってきたのに気づくと、机に積み上げられた書類を脇に押しやって机の正面をあけた。

「クライン大尉と久瀬大尉だな。話は聞いている。散らかっていてすまんが、まあ座ってくれ」

 ガトーは隅のほうに立てかけてある折り畳み椅子を指し示す。どうやら随分急な人事で配属されたらしい。あるいは、冷遇されているかだ。
 クラインと久瀬は椅子を引っ張ってきて腰掛けると、ガトーと向き合った。それを確認してガトーも口を開く。

「君達の守備エリアだが、正直言って君達と連携訓練をしている時間的余裕はまったく無い」
「・・・・・・でしょうな」

 クラインが嘆息して頷く。ガトーの言う事は当然で、時間的余裕などはまったく無いのだ。

「そこで、私としてはフォスターT守備隊はここの部隊で独立して行動して貰いたいと思っている。そのほうが君達もやりやすいだろうし、こちらとしても悩まずにすむ」

 

フォスターUに帰還してきたアヤウラ達を出迎えたのは歓呼の嵐だった。僅かな戦力で連邦軍に多大な犠牲を払わせ、貴重な時間を稼ぎ出した潜宙艦隊は、この絶望的な状況において、まさに快挙に映ったのだ。
艦艇の甲板には乗組員が並び、一斉に敬礼を送ってくる。アヤウラは流石に苦笑を浮かべたが、ツィタデルの横を通るときは艦橋に向けて敬礼を行った。そこにはチリアクスが居るはずだからだ。
 入港した潜宙艦隊の乗組員達には全員休暇が与えられた。アヤウラにはバウマンがじきじきに労いの言葉をかけ、その手を握ってくる。アヤウラは仕方なくそれを握り返したが、内心では早く寝かせて欲しいと思っていた。
 あてがわれた部屋に向かうアヤウラは、通路に立ちはだかっている人間に気付き、それが誰であるかを見て驚いた。

「ゼンカ、か?」
「はい、久しぶりですね、父様」
「・・・・・・そうだな、アクシズに預けてからだから、もう2年近くになるのか」

 アヤウラは難しい顔をしたが、小さく左右に頭を振ると、ゼンカを部屋に招きいれた。

「アクシズはどうだ。マハラジャ殿は元気か?」
「いえ、お体を崩しています。現在のアクシズの指導者はキャスバル閣下ですよ」
「シャア大佐が。いや、キャスバル大佐がな。なるほど」

 何に納得したのかは分からないが、アヤウラは大きく頷いた。そして僅かに相好を崩す。普段は絶対に見せない、穏やかな顔だ。

「それで、お前はどうしてここに? 寂しくて会いに来たのか?」
「いえ、私もここに配属されているんです」

 それを聞いたとたん、アヤウラの顔色が変わった。

「配属だと、何故だ、お前はまだ14だろう」
「年は関係ありません。私の望んだ事です」
「だが、学徒動員でも15歳が徴兵基準だぞ。何もお前が戦争に出なくとも・・・・・・」

 アヤウラの顔には珍しく焦りと狼狽が浮かんでいる。庫の男も一応は人の子だという事だろう。ゼンカは父の様子に僅かに微笑を見せ、はっきりと答えた。

「私はグスタフのパイロットです」
「グスタフだと! あの試作品が実戦に投入されてるのか!?」
「はい、先のデラーズ閣下の決起の折に私が操縦しました」
「・・・なんて、無謀な事を」

 アヤウラは片手で顔を抑えた。椅子に座ってはいるが、その姿は今にも倒れてしまいそうなほどに弱々しさを感じさせる。いつも発散している威圧感が無い為だろうか。

「あれが欠陥機なのはお前も知ってるだろう?」
「防御力に難があるのは知ってますが、それはMSも同じことです」
「あれはMS程に運動性は高くない。確かに機動性はあるが・・・」
「それで十分でしょう。それに、あの火力はビグロタイプ10機分にはなります」
「・・・・・・死ぬかもしれんのだぞ」
「分かっています。ですが、いつまでも後ろで守ってもらうのは、もう嫌ですから」
「・・・・・・・・・・・・」

 アヤウラはそれには答えなかった。黙ったままじっとゼンカの顔を見ている。そのままどれだけ時が過ぎただろうか。ついにアヤウラは大きく息を吐き出し、椅子の背もたれに体を預けた。

「・・・言ってもどうせ聞かんだろう」
「はい」
「余計な所ばかり似てくるな、お前は」

 大きく肩を竦めると、アヤウラは頷いて見せた。それは、ゼンカの参戦を認めるものであった。

「・・・死ぬんじゃないぞ。私から言えるのはそれだけだ」
「・・・・・・・・・・・・」

 約束できるわけがない。戦争である以上、被弾して死ぬ可能性は常に付き纏うのだ。だが、ゼンカは頷いて見せた。たとえその場だけの約束であろうとも、それは必要なことだったのだ。
 ゼンカが部屋から立ち去った後、アヤウラは机に立てかけた妻の写真に苦笑を貼り付けた顔で語りかけている。

「まったく、あいつはお前と同じだな。後方にいろと言ってるのに、守ってもらうだけは嫌だと言って、前線に出てくる」

 彼の妻、リーン・イスタスもまた、無理を言って前線の病院船に乗り込んだのだ。結局それが元で彼女は戦死してしまったのだが、ゼンカがそれと同じ運命をたどらない事を、アヤウラはただ祈る事しかできなかった。


 全てが収束へと向かう中で、1人の青年が誰もいない展望室で自軍の艦隊を見ていた。その顔には常に消える事のない空疎な笑みが浮かんでいる。

「この戦いは終わりに向かってる。だけど、全てが終わるにはまだかなりの時間がひるようだろうね」

 誰もいない部屋で1人呟く。
「うん、あの人たちはまだ止めるつもりはないだろうからね」

 誰もいない部屋で、青年の言葉に答える声が響く。
「そう、彼らはまだ止めるつもりはない。彼らにとっては全てが自分たちのためだけのものだと思ってるからね。そのために踊らされる人は哀れだよ」
「・・・人間は皆、自分の事で精一杯だよ。私はそれを責める気にはなれないな」
「そう、精一杯なんだ。本来ならね」

 青年の顔から僅かに笑みが消えた。

「だけど、それに立ち向かうべき人たちはまだそれに気付いていない。気付いた時にはいつも手遅れさ」

 そう言って、青年は展望室に背を向け、部屋を出て行った。
 後に残るのは1つの気配。

「・・・あなたは、いつまでそうやって傍観者でいるつもりなの?」

 白いワンピースを着た少女は、そのまま虚空に消えていった。

 



後書き
ジム改 ようやく連邦軍が再び動き出そうとしています。
浩平  俺の出番は?
ジム改 次回はちょっとした新機種に乗り換えですな。ようやっと祐一君もジムカスタムから卒業して、現時点で最高のMSに乗せてあげることにしました。
浩平  いや、俺の出番は?
ジム改 来るべき決戦に向けて、この辺りでそろそろ主人公らしくしておかないといけないかなあ、などと思ったりしたし。
浩平  人の話を聞かんかぁぁぁ!!
ジム改 むう、怒鳴らなくても聞こえとるよ。
浩平  なら無視するんじゃねえ。
ジム改 まあ気にするな。
浩平  気にするわい。第一、祐一が新型貰えて、俺にはないのか?
ジム改 ジャギュアー乗ってるのに、なにが不満だ?
浩平  瑞佳だってエトワール乗ってるのに、俺は未だにジャギュアーなんだぞ!
ジム改 エトワールとジャギュアーなら対して変わらんだろうに。
浩平  でも、やっぱりカスタム機やワンオフ機が欲しい。
ジム改 ・・・・・・・・・まあ、考えといてやろう。
浩平  おお、絶対だぞ。
ジム改 ・・・・・・・・・・考えるだけだけどね。


 

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