39章  最強の矛

 5月28日、出撃がもう目前というこの時期に、秋子は宇宙艦隊司令長官、ハンフリー・リビック提督の乗艦、バーミンガムにやってきていた。何故リビックがこの時期に自分を呼び出したのかが不可解であったが、リビックが意味もなく自分を呼び出すとも思えない。一体どんな用件なのか。
 やがて、長官執務室にやってきた秋子は、インターホンで到着を告げた。

「長官、水瀬秋子少将、参りました」
「おお、来たか。入ってくれ」

 すぐに扉が開き、秋子は中に足を踏み入れた。中にはリビックのほかに参謀長クルムキン大佐や、フォスターT警備隊長などが顔を揃えている。

「水瀬、良く来てくれたな。忙しいところすまんかった」
「いえ、それよりも、どのような用件でしょうか?」
「まあ、そこに座ってくれ。詳しい話はわしよりも警備隊長にして貰った方が良いじゃろう」

 勧められるままに秋子はソファーに腰を下ろした。そして警備隊長が備え付けられている戦術スクリーンにフォスターTの宇宙図を映し出す。

「昨日、三つのパトロール部隊が消息を絶ちました」
「・・・・・・攻撃を受けたのですか?」
「分かりません、どの部隊も一切通信を送ってよこしませんでしたから」
「はっ?」

 秋子は驚いた。いくらなんでも通信の一つも送る事が出来ないほどに一瞬で殲滅されたとでも言うのだろうか。
 秋子の困惑の視線を受けて、警備隊長は続きを話した。

「派遣した捜索部隊は、パトロール部隊の残骸を発見し、生存者を救出してきました。その生存者の話によると、襲撃してきた部隊は漆黒のMS複数に、MA部隊まで加わっていたそうです」
「漆黒のMS・・・・・・」
「さらに、砲撃してくる艦隊にはグワジン級戦艦と、バーミンガム級戦艦の姿があったそうです」
「ファマスに、バーミンガム級戦艦が?」
「勿論、ファマスにバーミンガム級があるわけがありません。これは強奪されたエアーでしょう」

 秋子は表情を曇らせた。駆逐艦と巡洋艦で編成されたパトロール部隊では、確かにエアーやグワジンを擁し、シェイドMSやMAまで装備する部隊相手では連絡を寄越す暇も無く殲滅されてしまうだろう。
 だが、そうなると自分を呼んだのは・・・・・・・・・・

「まさか長官、私の部下を迎撃に出せとおっしゃるつもりでは?」
「そうじゃ、敵の戦力を考えると、こちらも精鋭を出す必要がある。ティターンズがあれこれ言っておるが、誰が考えても連邦最強部隊はお前さんの機動艦隊じゃからな」
「ですが、わが艦隊はまだ機種転換訓練が完了していません。出せる戦力には限界があります」
「分かっておる。他の部隊からも腕利きを集めて臨時に部隊を編成するのじゃ。ただ、主力はお前さんとこの部隊になってしまうだろうがの」

 リビックの言い分は秋子にとって受け入れるしかない内容ではある。だが、自分達が主力となるという事は、当然指揮は自分が取るべきだろう。

「では長官、私がその部隊の指揮を取らせて頂けますね」
「なんじゃ、指揮をとりたいのかね?」
「幸い、カノンの整備は万全ですし、遊撃部隊の旗艦ともなればそれなりの機動性が必要でしょう。それともバーミンガムを出すおつもりですか?」
「いや、今回はエニ−に指揮を任せようと思っておるんじゃ」
「エニーにですか?」
「うむ、エニーはMSの運用がまだよく分かっておらんところがあるでな。経験を積ませたいんじゃよ」

 エニーに限った事ではないが、連邦軍の将官はまだMSの運用という物がよく分かっていない。
 秋子は連邦MSの黎明期に自らMSを操縦して前線に立ち、現場の経験と理論をもとにMS部隊の運用に関して研究を重ねて来たという、連邦きってもMS戦指揮官である。連邦宇宙軍でも最大のMS運用能力を持つ機動艦隊の指揮官は彼女以外には考えられなかっただろう。
 だが、エニーやクライフ、リビック、エイノー、ヘボンといった他の指揮官達は異なる。彼らは艦隊指揮官としては有能であったが、MSを使った機動戦術には理解が浅い。ジオン軍のように小規模な機動部隊を編成し、その機動力を発揮させ、MSと艦艇を有機的に機能させるという理論が上手く理解できていないのだ。エニーはエイノー、ヘボンはMSを敵MSに対する迎撃機と考えており、それ以上の積極的運用をしようとは考えていない。リビックとクライフは機動戦術を理解はしているが、実践する事が出来ない。だから大軍どうしがぶつかり合うような戦場ならともかく、このような少数部隊を使った機動戦術には対処できないのが実情なのだ。
 だから、リビックはエニ−に経験を積ませたく思っていた。これはその良い機会なのだ。もっとも、敵の戦力を正しく把握していたら間違い無く秋子に指揮をとらせていただろう。
 秋子は内心では不満だったが、司令長官の命令では致し方ないと自分を納得させた。

 

 これによって、エニーのバーミンガム級戦艦ケントを中心に機動力の高いアキレウス級戦艦4隻、ラザルス級空母1隻、アレキサンドリア級重巡洋艦1隻、リアンダー級巡洋艦8隻、ペガサス級強襲揚陸艦2隻、セプテネス級駆逐艦12隻が集められた。戦闘隊長は階級と実績から機動艦隊戦闘隊長のシアン・ビューフォート中佐が任されている。また、艦隊副司令として機動艦隊からロバート・ディル・オスマイヤー准将がアキレウス級戦艦ディオメデスと共に参加していた。
 エニーはこの任務に張り切っており、早速ケントに主だった士官を集めてブリーフィングを開く事にした。戦力分析はすでにシアンが行っており、ブリーフィングの場で披露する事になっている。
 シアンはエニ−と顔を合わせて苦笑を浮かべた。

「お久しぶりです、レイナルド少将」
「エニーで良いわよ。元気そうね、シアン」
「第4独立艦隊以来ですか、こうして顔を合わせるのは」
「そうね、まだそんなに経ってないはずなのに、随分昔のことのような気がするわ」
「まったくです」

 ファマスとの戦いが始まって以来、二人は最前線で戦い続けてきた。いいかげん疲れも出てくるだろう。
 昔を懐かしむのを終えると、シアンは集まっている全員を前に一礼して説明を始めた。

「まず、敵の戦力ですが、これをご覧ください。襲撃されたパトロール部隊のブラックボックスから回収した映像です」

 シアンは戦術モニターに一隻のマゼランS級戦艦を映し出した。淡いライトグリーンに塗装されている事から、それがファマスの艦艇である事がわかる。

「これは今までに幾度も戦場で目撃されてきた艦です。艦番号からしてこれはリシュリューでしょう。反乱を起こし、ファマスへ合流した斉藤中佐の乗艦です」
「斉藤中佐・・・・・・・」

 場がざわついた。斉藤は用兵巧者として知られており、彼の指揮するリシュリュー隊はファマスの主力部隊の一つである。

「このリシュリューの他にもエア−、グワジン級戦艦などが確認されています。指揮をとってるのは斉藤中佐、いえ、ファマスでは大佐でしたか。斉藤大佐だというだけでこの部隊が侮れない敵であることが分かります」
「ふん、その程度の敵、恐れるまでも無い!」

 シアンの言葉をバスクが笑い飛ばしたが、他に笑うものは居ない。

「そして主力MSですが、シュツーカ以外にもブレッタ、ジャギュアーの姿が確認されています。また、今だ対抗が困難であるヴァルキューレも複数確認されており、見た目の戦力を遥かに上回る強敵であると言えます」

 シアンは続いて味方の損害の一覧を出した。

「被害はすでに巡洋艦3隻、駆逐艦5隻、フリゲート14隻にのぼっています。どれも数隻という少数で行動中を狙われたわけですが、敵の狙いはおそらくこちらの数を減らす事なのでしょう」
「そう言い切れるのか?」

 シアンの説明にスタリオン艦長のガディ・ギンゼー中佐が疑問を口にした。

「こちらの警戒網に穴を空ける事が目的だとも考えられるが?」
「その可能性もありますが、それなら昨日のうちに強襲部隊が要塞に突入してきたでしょう。しかし、いまだそのような報告はありませんし、パトロール部隊もすでに補充されてしまっています。よってその可能性は低いと思われます」
「なるほど」

 ガディは素直に引き下がった。彼はティターンズの思想に共鳴しているが、別にシアンにどうこうという感情を持っているわけではない。そういう意味ではバスクよりも遥かに付き合いやす相手である。

「それで、我々はパトロール部隊全てに警告をし、救援要請があり次第高速部隊を先行投入し、艦隊が到着するまでの間戦闘を維持すると共に、敵の逃走を阻止させます。この任務には機動艦隊の最精鋭部隊をあて、私が陣頭指揮をとります」

シアンはさらにいくつかの事を話すと、全員を見渡した。

「話は以上ですが、なにか質問は?」
「一つ、良いかな?」

 サラブレット艦長、長瀬源三郎中佐が手を上げている。シアンが頷いたのを見て、彼は疑問を口にした。

「今回の作戦にカノンが参加しなかったのはどうしてかね。あれ1隻で戦艦数隻分の戦力になると思うのだが?」
「そ、それは・・・・・・・・・」

 シアンは返答に詰まってエニーを見たが、エニーはプイッと横を向いてしまった。

「・・・・・・・ええと、その長官の指示だと伺っております」
「ふむ、お上のお達しか」

 まあそれでは仕方ないと自分を納得させて、長瀬中佐はそれ以上の質問はしなかった。他に質問は無いようなので、こうなるとあとは敵が出てくるのを待つだけということになる。
だが、シアンはそれがすこし気に食わなかった。自分の乗艦であるラザルス級空母ラザルスに移る途中のランチで小さな声で呟いている。

「・・・・・・上手くいったとしても、パトロール部隊一つが犠牲になる。やるならもっと積極的に動けば良いのだが」

 だが、自分の仕事はMSやMA、戦闘機の指揮であって、作戦方針を決定する立場ではない。やれる範囲で最善を尽くすしかなかった。ラザルスに着くなり、シアンはメカニック達に指示を飛ばした。

「セイレーンとセレスティア、ザイファ、エクスカリバーVにアタックブースターを付けておいてくれ。フルバーニアン隊とアレックスU隊はスペース・ジャバーに搭載して待機。ブースターを付けるのを忘れるな。他のMSもプロペラントを積んで待機だ。ハリファックス隊もスタンバイさせておけ!」
「中佐、そんな事をしたら、本艦のプロペラントタンクを使い切ってしまいます!」
「構わん、勝負は一回きりだ!」

 シアンは緒戦でかたをつけるつもりで居た。その為にラザルスに機動艦隊のエースを掻き集めたのだから。

「しかし、今ここでラザルスが吹き飛んだら、機動艦隊の戦力はがた落ちだな」

 そう考えると結構危ない橋を渡ってる気がするが、自分達は何時も危険な橋を渡らされてきたのだ。そう考えると今更という気もする。苦笑を張りつけて歩いていると、周りから奇異な視線を向けられてしまった。
 だが、待機の時間はほとんど無かった。シアンが少し休もうかと待機所へと足を向けた途端、艦内に警報が鳴り響いた。

『R―13パトロール部隊から敵MSの襲撃を受けたと急報あり。全艦第一級戦闘配備。繰り返す、第一級戦闘配備!!』

 それを聞いたシアンは慌てて艦内電話をとり、艦橋に繋いだ。数瞬の後、モニターに艦長が出る。

「艦長、第一波を出します!」
「シアン中佐か、わかった、出してくれ」
「私も第一波と一緒に出ます。第二派のタイミングは北川に任せてください!」
「分かった、気をつけろよ」
「了解!」

 艦内電話を切ると、待機所から飛び出してきたパイロット達に檄を飛ばした。

「俺は第一波と共に出る。北川、第二派はお前が指揮しろ。運用は一任する!」
「お、俺ですか!?」

 北川が驚いている。シアンは北川を励ますように大きな声でもう一度言った。

「そうだ、お前が指揮するんだ!」
「だ、だけど、倉田さんの方が先任ですよ!?」
「良いんだ。お前が指揮を取れ。お前ならやれる。俺を信じろ!」

 北川はまだ迷っていたが、そうまで言われては断ることも出来ない。しぶしぶという感じではあったが、何とか頷いた。
 艦内通信機から離れて周囲に指示を飛ばしていると、背後から自分を呼ぶ声がして振りかえり、一瞬硬直してしまった。

「中佐、第一波で出るって本当ですか!?」
「せ、千堂少尉・・・・・・」

 思わず半歩下がってしまう。瞳はこれで見た目は清楚な美女で、艦隊内美人ランキングでも上位に食い込んでいるのだが、見た目によらずシアンに対するアタックは熱烈で、栞と天野が激烈な皮肉の応酬と悪巧みで北川を争っているとすれば、郁美と瞳は周囲の動きを一言で止める絶対零度の皮肉と、肉弾戦でシアンを争っているのだ。もっとも、こちらはシアンが幾度もはっきりと郁美と恋人同士である事を宣言しているので、北川の方とは少し事情が異なっている。
 いずれにしても、瞳と一緒に居るところを郁美に見つかろうものならまた喧嘩が始まってしまう。シアンは郁美が出てこない事を神に祈っていた。

「や、やあ少尉、君は第ニ波だろう。早く準備をしたまえ」
「それは勿論しますけど、中佐」
「な、なにかな」

 ずいっと近づかれ、シアンの顔が俄かに引き攣った。周囲のパイロットや整備員達がそそくさと逃げて行く。下手に近くに居れば郁美と瞳の喧嘩に巻きこまれかねないからだ。
 シアンはまさに幾度めかの絶体絶命のピンチを迎えようとしていた。
 だが、そこに救世主が現れた。

「何をやってるんです、千堂少尉?」
「・・・・・・あ、天野大尉?」

 ギギギ、と音を立てそうな感じでゆっくりと後ろを振り向くと、彼女の直接の上官である天野美汐大尉がいた。年は自分よりも二つ下なのだが、模擬戦闘ではまるで歯が立たないほどの技量を持っている。ついでに言うと、怒らせると怖い。

「彼方は今臨戦待機でしょう。早く待機所に戻りなさい」
「は、はいっ!」

 逃げ出す様にこの場から立ち去って行く郁美をゆっくりと追いかけながら、天野が振りかえった。その目がはっきりとこう言っている。「これは貸しにしておいてあげます」と。

「ああ、今度奢るよ」

 シアンの返事を聞いてか、天野は待機所の方へと歩いて行った。シアンはそれを確認すると第一波として出るべく機体に向かおうとして、ふと視界の片隅に捕らえたものに慌てて進路を変えた。それは、蹲っている郁美であった。

「どうした、天沢少尉?」
「す・・・・・・すいません、急に気分が悪くなって・・・・・・」
「気分が悪い、か。仕方ないな、出撃は取りやめて医務室に行って来い」
「い、いえ、行けますよ」

 だが、言った傍から口を押さえて吐き気を堪えている。シアンはその様子と顔色を見て、出撃を許すつもりは無かった。厳しい目で郁美を見る。

「駄目だ、許可できない。医務室に行って休んでろ。これは命令だ」
「・・・・・・・・・はい」

 命令とまで言われては逆らう事は出来ない。郁美は仕方なく頷いた。シアンは先ほどまでとはうって変わったやさしい顔になると、周りを見渡して見つけた女性を呼んだ。

「名雪、ちょっと来てくれ!」
「え、なに?」

 名雪が手近なMSの装甲を蹴ってこっちにやってきた。

「郁美が体調を崩したらしい。医務室に連れて行ってやってくれ。俺は第一波だから付いていけん」
「うん、分かったよ。任せておいて」

 名雪が快く請け負ってくれた。シアンは名雪に頭を下げると、床を蹴ってザイファの方に飛んでいった。それを確認すると、名雪が郁美を立ちあがらせた。

「さあ郁美ちゃん、こっちに来て。もうすぐハッチが開いて空気が無くなっちゃう」
「え、ええ・・・・・・」

 郁美は頷いたが、その顔色はかなり悪い。名雪は格納庫から出ると、重力ブロックの手近なトイレに郁美を連れて行った。

「郁美ちゃん、一度吐いた方が良いよ」
「え、ええ、ありがとう、名雪」
「いいよ、それよりも早く」

 郁美はよろよろとトイレの中に入っていった。名雪はそれを見送ったが、郁美のあまりの急変ぶりに内心で首を傾げていた。

『郁美ちゃん、さっきまで何とも無かったのに、どうしたんだろ。いきなりあんなに辛そうになるなんて』

 名雪は医者ではないので、郁美の急変の理由は分からない。悩んでも答えが出るわけが無かった。
 


 R―13パトロール部隊はサラミス改1隻、とセプテネス3隻で編成される、パトロール部隊としてはそれなりに強力な部隊だったが、現れたのは僅かに巡洋艦1隻という一見弱体なものである。だが、それは何とエターナルであった。あらかじめ敵に遭遇する危険性を警告されていたからこそ救援を呼ぶことが出来たし、反撃する事も出来たが、警告が無ければなにも出来ずに殲滅されていただろう。
 ジム改とシュツーカがライフルを叩き込み合い、艦砲が交叉する戦場を見ながらみさきは渋い顔をしていた。エターナルの通信班が目の前のパトロール部隊から発せられた救援信号を捕らえているのだ。

「うーん、そろそろ来るかなあ、雪ちゃん」
「多分ね。連邦も馬鹿じゃないから」
「斉藤さんも無茶言うよねえ。エースパイロットを軒並み連れて行っておいて、エターナル1隻でこっちを何とかしろなんてさ」

 みさきが愚痴を立て並べていると、雪見がその頭を軽くこずいた。

「いたっ、う−、酷いよ雪ちゃん、いきなり何するの?」
「斉藤大佐の悪口ばっかり言ってないで、これからどうするかを考えてなさい」
「うう〜、雪ちゃん、ひょっとして斎藤さんの悪口言われて怒ってる?」
「な、何言ってるのよみさき、そんなわけないでしょ!」
「えー、そうかなあ、なんか妖しいよ」

 みさきの声にとても楽しげな響きが混じる。会話をそれとは無く聞いていた艦橋クルー達も忍び笑いを漏らしている。雪見が斉藤に気があるのはもうエターナルの誰もが知ってる事だからだ。
 そんな楽しげな笑いが漏れる中で、レーダー主の緊張を孕んだ声が響き渡った。

「艦長、新たな機影多数を確認。戦場に向けて急速接近中です!」
「ッ! みさき!」
「うん、いよいよ来たね雪ちゃん」

 みさきは大きく頷くと、指揮下の部隊に通信を送らせた。

「作戦はこれまで。急いでここから逃げ出すよ!」

 みさきから撤退の指示を受けてパトロール部隊と適当に戦っていたMS達が急いで戦場から後退して行く。パトロール部隊の生き残りはそれを呆然と見送っていたが、より意表を付かれたのは応援に駆けつけたMS部隊だった。

「な、なんだ?」
「あいつら、逃げちまったぞ?」
「こっちの数にビビったんじゃねえのか?」

 さまざまな憶測が飛び交う中、シアンは祐一とキョウに通信を繋いだ」

「どう思う、二人とも?」
「何て言うか、数が少ないから逃げたんじゃないすかね?」
「俺もそう思います。巡洋艦1隻の戦力でしたからね」
「・・・・・・俺は、そうは思わんのだ」

 シアンは顔色を僅かに青くしていた。いつもに較べて妙に声に張りが無いシアンに二人が訝しげな声をかけて来る。

「あの、シアンさん?」
「じゃあ、何だって言うんです?」

 二人に問い掛けられて、シアンは最悪の想像を口にした。

「もしかしたら、こいつは囮じゃないかと思ってな」
「「囮?」」
「ああ、俺達が艦隊から引き離されている間に、敵の本隊が艦隊を急襲するという手だ」
「「・・・・・・・・・・・・・・」」

 二人は黙りこんでしまった。シアンの不安を杞憂と言い捨てるには、二人は場数を踏みすぎている。まして、敵にはあの戦巧者、斉藤がいるのだ。

「ま、まさか・・・」
「艦隊と連絡を取ってみます!」

 キョウがハリファックスに取りつけられている強力な通信機で艦隊との連絡を取ろうと試みる。暫くの雑音の後、何とか艦隊との回線が繋がった。だが、そこから飛びこんできたのはまさに悲鳴だった。
 次々に飛びこんでくる戦場特有の喧騒を耳にして、三人は完全に青褪めた。嵌められた事を悟ったからだ。

「相沢、キョウ、お前たちは先に戻れ。まだ推進剤はあるだろう!」
「間に合うかどうか分かりませんよ!?」
「良いから行け、届くのはお前等だけだ。こっちのアタックブースターはもう推進剤切れなんだ!」
「りょ、了解!」
「分かりました!」

 シアンに言われてハリファックスとスペース・ジャバーに乗ったMSが艦隊へと戻っていく。アタックブースターを装着していたMSは推進剤切れなのでそれを追う事が出来ない。仕方なくパトロール部隊の駆逐艦から補給を受けて再出撃する事になるが、それが何時になるかは分からない。

「・・・・・・くそっ、無事で居てくれよ、郁美」

 シアンはコンソールに拳を叩きつけた。

 

 シアン達が飛び出して行ったのを確認した斉藤は、迎撃艦隊の主力を見据えてその表情を僅かに綻ばせた。勝てる、という確信をした笑みだ。
 暫く内心で悩んだ後、斉藤はアサルムを呼び出した。暫くしてモニターにクルーガーが映し出された。

「おお、すまんな。呼び出したりして」
「いえ、それよりも用件は何ですか?」
「ああ、厄介な相手のほとんどが出て行ってくれた。シェイドMS隊を出す準備をしておいてくれ」
「それはいつでも出せますが、必要がありますかね?」
「楽に勝てるならそれに越した事は無いさ」
「なるほど、了解しました」

 敬礼をしてクルーガーはスクリーンから消えた。斉藤はスクリーンから視線を離すと、全軍に周囲への警戒を指示した。何処から敵が来るか分からないからだ。そしてじっと敵が艦砲の射程の飛び込んでくるのを待ち受ける。レーダー戦が半ば無力化されているこの時代においては、待ち伏せは有効な戦術のひとつとして復活している。最初の一撃で敵に大損害を与えられれば、そのまま勢いで勝利する事も夢ではないのだから。


 エニーを中心として編成された迎撃艦隊はシアン達に追いつこうと全速で航行していた。各艦の艦内ではMSの発進準備が整えられ、戦場に到達次第発進させられる体制が整えられている。
 ケントの艦橋でエニーが部下達を叱咤激励していた。

「もっと加速しなさい。奴等を逃がすわけにはいかないのよ!」
「しかし提督、それでは推進剤に不足をきたしてしまいます!」
「帰りの推進剤を気にする必要はないわ。補給艦を送ってもらえばいいだけのことよ!」
「し、しかし・・・・・・」

 渋る参謀だったが、指揮官の命令に逆らう事も出来ない。仕方なくエニーの命令は各艦に伝えられて行った。もし指揮を取っているのが秋子やリビックであればもう少し慎重に進んだであろうが、エニーは巧遅よりも拙速を尊ぶ勇将である。その特徴は艦隊行動速度にあり、彼女の指揮する第3艦隊は連邦宇宙軍でも最速の艦隊行動速度を誇っている。
 だが、その時艦橋にオペレーターの悲鳴が響き渡った。

「3時方向から高エネルギー反応、および熱源多数、艦隊に向けて向かってきますっ!!」
「・・・・・・・・・・・」

 一瞬、エニーは反応できなかった。彼女がそれを理解できた時には、多数のビームとミサイルが艦隊に襲いかかってきていた。

「駆逐艦エリクソン中破!」
「巡洋艦ノーフォーク、爆沈を確認!」
「戦艦ディオメデスに直撃弾、航行に支障なし!」

 次々と寄せられる損害報告に我に返ったエニーは矢継ぎ早に指示を飛ばし出した。

「全艦右舷回頭、個艦で応戦を開始!」
「MSは直ちに発進、敵機の迎撃に当たりなさい!」
「損傷艦は後退しなさい、戦闘の妨げになる!」

 とりあえず出せるだけの指示を飛ばすと、ドサリと指揮椅子に腰を落した。

「私とシアンが手玉に取られたってわけ・・・・・・・やってくれるじゃない、斉藤」

 エニーはおそらく敵の指揮を取っているであろう男の顔を思い浮かべ、苦々しげに呟いた。
 完全に先手を取られた連邦艦隊は半ばパニックに陥っていた。こうなると混成部隊の弱みがもろに出てしまい、統一した動きが出来ない。そんな混乱の中から飛び出したのはやはりと言うか、連邦最精鋭を歌われる機動艦隊とティターンズであった。バスクのアレキサンドリアが一歩前に出て砲戦をはじめ、MSを次々に射出して行く。それに並ぶようにオスマイヤーのディオメデスがリアンダー級巡洋艦二隻を伴って前に出てきた。

「各艦はMSを発進させろ。艦隊はビームの弾幕を展開し、敵をこれ以上寄せ付けるな!」
「やらせてます!」
「ラザルスはノーストンを付けて後方に下がらせろ。砲戦には空母は邪魔だ!」
「もう下がってます。それと、ラザルスからMS隊が発進しましたっ」
「よし、急いで展開させろ。これ以上やつらの好きにさせるな!」

 ディオメデスの艦橋でオスマイヤーが吼えている頃、アレキサンドリアの艦橋ではバスクが吼えていた。

「いいか、今度こそティターンズの実力をカノン隊の奴等に教えてやれ。なんとしても敵艦を殲滅するのだっ!」

 重巡一隻でそんな事出来るものか! と、聞いていた誰もが思った。MSデッキでジムクウェルに乗りこもうとしていたアレキサンドリアMS隊隊長のアヤザン・ゲーブル中尉も忌々しげに天井を見上げている。

「はっ、上はお気楽だな。ほざくだけなら怪我はせんからなっ!」
「中尉、回りに聞こえますよ」

 コクピット脇まで付いて来ていた整備兵が小声でヤザンに注意したが、ヤザンは小さく鼻を鳴らしただけでそれに答えはしなかった。見た目は粗野で危険な雰囲気を漂わせるヤザンだが、これで以外に部下思いな所があり、気に食わない事を言ったくらいで部下を怒鳴りつけるような事は無い。アレキサンドリア内での人望においては確実にバスクより上であろう。
 ヤザンは自分の機体をカタパルトに乗せると、甲板長に通信を繋いだ。

「ヤザン機、出るぜ」
「わかった、行くぞ」

 甲板長の返事に少し遅れて衝撃が来た。電磁カタパルトで撃ち出される時の強烈なGだ。訓練生はこのショックで気絶する事があるくらいに強烈で、リニアシートが実用化されるまでは訓練と経験を重ねる以外に対処法は無かった。
 Gが収まったところでヤザンは戦場を見渡した。やはりと言うべきか、すでに機動艦隊のMS隊が展開を始めている。クリスタル・スノーを付けているから一目で区別がつくから楽だ。

「ちっ、悔しいが、やるなあいつら」

 自分の周囲にもジムクウェルが集まってきていたが、錬度で負けているのは間違い無かった。少し向こうではスタリオンのジムクウェル隊が展開を始めている。
 そして、ファマスのMS隊が突入してきた。


 突入してきたファマスMS隊を率いているのは久瀬大尉だ。彼の指揮下にはエースだらけなので、今日の彼はちょっと嬉しそうである。なにより、随分久しぶりに数の上で互角の勝負が出来る気がしていたのだ。

「さあてと、予定通りMS隊は敵のMSを叩いてくれ。クライン大尉は戦場を迂回して敵艦隊にっ!」
「任せてもらおう!」

 クラインから返事が返り、最後尾についていたMA部隊が分離して行く。MS同士の乱戦を大きく迂回して敵艦隊に向かうのだ。それを確認した久瀬が全MSを連れて連邦MS部隊に向かっていく。

「もう一度言うが、我々の目的は敵MSの殲滅だ。艦隊はクライン大尉たちの獲物だから、間違っても欲をかかない様に。分かったね、折原大尉?」
「な、何で俺を名指しで!?」
「君が一番暴走しそうだからだよ」
「さっすが大尉、わかってるんだよ」
「確かに、浩平は勝手な行動をしますからね」
「大尉は偉い〜」
「(さすがなの)」

 はっきりと言われて浩平は反論しようと口を開こうとしたが、それより先に仲間達に言いたい放題言われてしまい、情けなさに口を閉ざした。

「それじゃあ、折原大尉達は左を。僕は左から行くよ」
「了解」

 浩平達が離れて行く。久瀬も自分の部下を連れて突入しようと部下たちに新ためて声をかけた。

「それじゃ、僕等も行くか」
「はいっ」
「ええ」
「・・・・・・・・・・」

 由衣と晴香は返事をしたが、何故か葉子だけが返事をしない。

「どうした鹿沼少尉、返事をしたまえ」
「・・・・・・・は、はい」
「どうした、辛そうだが?」
「な、何でもありません、もう大丈夫です」
「・・・そうか、分かった。それでは、こちらも突入する!」
「「「はい!」」」

 久瀬は葉子の返事に若干の不信を感じたが、この状況ではそれを追求する事は出来ない。とりあえずは生き残った後だと割り切ると、気持ちを戦場に向けた。

 これに対して、連邦MS隊は大きく三つに分かれていた。北川の率いる機動艦隊のMS隊と、ヤザン率いるティターンズMS隊、そしてヂュラハンの第一艦隊MS隊だ。エニー直属の第3艦隊MS隊は技量が低いのでこの作戦には参加していない。
 そして、これらの部隊はその指揮官の性格によって全く違った行動を取っていた。北川は艦隊を護る事を考えてあまり前に出ようとはしなかったのに対して、デュラハンとヤザンは前に出て積極的な迎撃を行ったのだ。
 連邦MS隊の先鋒はデュラハン直属の部隊で、4機全てがジム・フルバーニアンとなっている。第一艦隊の虎の子のMS隊だ。

「来やがったな、セルゲイとレベッカとフェイは右に行け。俺は左に行く。堕とされるんじゃねえぞ!」
「「「了解!」」」

 デュラハン隊は機動艦隊のエースパイロットと較べてもさほど見劣りはしない程の技量を持っている。連邦でも屈指の小隊といえるだろうが、今回は相手が悪すぎたかもしれない。第一艦隊のMS部隊は突然襲ってきたビームに混乱を起していた。

「な、なんだっ!?」
「何処から撃って来やがった!?」
「MSなんかいなかったぞ!?」

 これが機動艦隊のパイロットならばサイコミュ兵器について多少の教育を受けているし、今までの戦闘でビットと交戦した経験を持つパイロットもいるからだ。だが、第一艦隊のパイロットはそういう経験が無かった。サイコミュ兵器の存在さえ知らないパイロットが多かったのである。混乱するのも無理は無かった。
 この大混乱を引き起こしているのは澪と繭のテンペストから放たれた計8基のビットであった。

「これがミューたちの強さ!」
「(私たちの実力なのよ)」

 随分久しぶりというか、澪と繭が一方的に敵を叩いている。今までは敵にもニュータイプやら化け物オールドタイプが多かったせいで活躍できなかったが、普通の敵が相手ならビットは驚異的な武器なのだ。
 そのビットによる援護を受けてエターナル隊が第一艦隊MS隊の群れに突入してきた。

「行くぞ、数を落せ!」
「久しぶりの実戦だもん!」
「腕が鈍るところでしたよ」

 エターナルが誇る三人のエース、折原浩平に長森瑞佳、里村茜が物凄い勢いで突っ込んでくる。ファマス屈指の化け物パイロット、NT並みの古参パイロット折原浩平に高レベルNTの長森瑞佳。そしてS級シェイドの里村茜の3人が一纏めで襲いかかってくるのだ。今までにこの三人を相手に出来たのはサイレンのパイロットか、機動艦隊の大隊長級のパイロットしかいない。並みよりマシ、というレベルの第一艦隊パイロットで止められるはずが無かった。

「バートンが殺られたぞ!」
「畜生、何て速いんだ!」
「右から来るぞ、近づけるな!」

格の違う相手を敵にしたパイロット達は狼狽し、連携を無視した勝手な動きをしだしている。連携を保てなくなった部隊は個の集団に過ぎず、三人に続いて飛びこんできたMS隊に捕捉され、次々に被弾してある機体はその場で動かなくなり、ある機体はよろめきながら戦場を離脱していく。
 これに立ち向かうべきデュラハン達はどうしてるかというと、こちらはこちらで四機共厄介な敵に拘束されていた。

「セルゲイ、回りこんで!」
「・・・・・・無理だな、速過ぎる」
「何言っんのさ、こっちは最新型なんだよ!」
「そうは言っても、向こうのが速いんだ!」

 セルゲイとレベッカ、フェイ三機がかりで一機のヴァルキューレに振りまわされていた。そのヴァルキューレを操っている男は、かつて連邦軍で勇名をはせた男、トルビアック・アルハンブル大尉である。
 トルクは見た事の無い新型MSの機動性に結構てこずっていた。パイロットの腕もいいので、思うような動きが取れない。

「なんだ、隊長達が居ないって言うからつまらん仕事だと思ってたが、結構やるじゃないか」

何よりも戦いを嗜む今のトルクにとって、強い敵はそれだけで価値がある。シェイド強化の過程で闘争心を拡大されているためだ。記憶などは弄らず、この程度の精神操作に止めたのは、城島司の失敗があったからだろう。無理に精神を弄り、過剰な負担がかかる強化をすると、せっかくの貴重なシェイド適性がある兵士を無駄に失う事になってしまうからだ。
 この判断は高槻の合理性を示していると言える。また、ネオジオンのNT技術と一般兵の強化兵化技術が進んでいる事の証しでもある。連邦ではまだその危険性に気付いてはおらず、大量の被験者が人体実験に供されている。だが、現時点ではそれはティターンズの完全に管理下に置かれており、正規軍も政府もその実体を掴んではいなかった。リビックや秋子といえども万能ではないのである。
 
 そこから少し離れた所では一対一の激戦が繰り広げられていた。デュラハンのジム・フルバーニアンがヴァルキューレと殺りあっている。そのヴァルキューレを操っているのは第三世代の最高傑作も言われている第三世代唯一のS級シェイド、国崎往人だ。

「はっ、俺と格闘戦で遣り合えるか。大した奴だが、経験が浅いな!」

デュラハンの一撃がヴァルキューレを掠め、メガ粒子の粒が機体を焼いていく。一撃一撃のダメージこそ小さいが、積み重なればやがて機体にガタが来るだろう。

「・・・まずい、かな。こいつは」

 往人は小さく呟いた。普段は少しお馬鹿という部類に入る男だが、一度戦いが始まると冷血な戦闘マシーンとなるのだ。その冷静な部分がこのままでは押し切られると悟っていた。調整されてすぐに戦いに投入されたので、これがまだ二度目の実戦となる彼にデュラハンは荷が勝ちすぎる相手だ。反応速度と対G能力だけでは戦いには勝てない。

 第一艦隊のMS隊の苦戦を見て取ったエニーは仕方なくティターンズをこれに振り向けた。これで劣勢を挽回できると考えたのだ。

「ふう、シアン達は何時戻ってくるの?」
「連絡では、相沢大尉を中心とする部隊が戻ってきているそうです。推進剤が不足しているシアン中佐たちはパトロール部隊の生き残りと合流し、補給を受けた後に合流するそうです」
「・・・・・・早く戻らせなさい。このままじゃ押し切られるわ」
「はっ!」

 通信士が再び連絡を取っているのを横目に、エニーは敵の艦隊を見据えた。

「まったく、これじゃ撃ち負けかねないわね。アキレウス級戦艦ってやっぱり中途半端だわ」

 エニーの愚痴は4隻いるアキレウス級戦艦の戦力的な意義に向けられていた。なるほど、1個中隊のMS運用能力は確かに凄い。航続距離も長いし、機動性も高い。一見纏まりも良いのだが、いざ使ってみるとこれが使いにくいのだ。正面火力ではマゼラン級に打ち負けてしまうし、1個中隊を運用できても管制能力が低く、しかも格納庫が狭いので整備がしずらいと苦情が出ている。構造上の欠陥で防御にも難があり、隔壁数が少ない。おまけに装甲もサラミス並みに薄いのだ。

「まあ、総合戦力は高いのかもしれないけど、こういう時は巡洋艦にしか思えないのよね。戦艦じゃなくて巡洋戦艦に艦種を変更した方が良いんじゃないの?」

 ようするに、単艦で行動するなら優れている艦だという事だ。ラザルスという優れた空母が同行しているなら別に必要でもない。
 だが、これから先建造される艦はいずれもこういう性格の艦である。ただ、艦自体が大型化していくので、アキレウス級以降の戦艦はもっと優れた艦になっている。
 エニーがどうしたものかと思案していたとき、いきなりレーダー主が悲鳴のような声を上げた。

「て、提督!」
「何、どうかしたの?」
「七時の方角から高速移動物体多数接近。おそらくMAです!」
「・・・・・・・・・・・・・・」

 エニーは暫く何も言えなかった。その隙にもMAは急速に接近してきており、間もなく艦隊の後方においてあった損傷艦や空母に襲い掛かろうとしている。絶体絶命の危機であった。

 


後書き
ジム改 遂にファマス最強部隊と連邦の精鋭部隊の対決が始まったぞ。
祐一  俺の出番はどうしたあ!
ジム改 今回は北川よりお前の方が出番が多いぞ。
祐一  いや、そうじゃなくて、俺の活躍はどうしたんだ?
ジム改 ・・・・・・・・・・・・・・
祐一  何か言えよ、おい!
ジム改 まあ、あるんじゃないかと・・・・・・
祐一  自身なさげだが?
ジム改 で、では次回、空母ラザルスに襲い掛かるMA隊。北川達はどうなるのか。変調をき
    たした郁美は。そして、美貌の死神の実力が今明らかに。香里と栞の出番はあるのだ
    ろうか。
祐一  俺の活躍にも期待してくれい!

 

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