第159章  見えぬ道標


 

 その日、プラントから大勢の若者が軍へと送り出されていった。アスランが校長をしているアカデミーは勿論、プラント各地に建設されているアカデミーの分校からも半数以上の在校生がザフトへと送り出されようとしていたのだ。
 アカデミーでは校長であるアスラン・ザラが校庭で出陣していく1000人を超える生徒たちを前に校長として最後の訓示をしていた。前線で戦い続け、地球からの撤退戦のほぼ全期間を戦い抜くという最悪の戦場を駆け抜けてきたこの男は、生徒たちに彼が戦場で得た教訓のようなものを生徒たちに聞かせていた。

「君たちはこれから本国防衛隊の教育部隊において実地訓練を受けた後、各部隊に配属される事になる。そこで教官たちの教えをしっかりと聞き、すこしでもそれを覚えておく事だ。基本は退屈に思えるかもしれないが、基本を守れない奴から戦場では死んでいくという事を忘れないで欲しい。そして上官の命令に従う事だ。それがどんなに理不尽に思えたとしても、上層部は君たちの知らない事を知っていて、それを元に作戦を立てているものだからだ」

 戦場ではどんなに理不尽に思える事でも実行に移さなくてはいけない。上官の命令に従って作戦を遂行しなくては、自分だけではなく仲間を巻き込んでしまう事になる。戦場では自分勝手に動く奴は大抵死んでしまうのだ。
 アスランは目の前の学生たちの、果たして何割が初陣を生き残れるだろうかと考えてしまった。訓練をきちんと受けた者でも初陣で多くが死んでいくものだ。そんな初陣を碌な訓練もこなしていないヒヨッコが潜り抜けられるのだろうか。あのジャックやエルフィとてザラ隊に来た頃は見ていて危なっかしい程であったが、あれでも新兵としては優秀な部類だったのだから。


 一通りの訓示を終えて訓練生たちが解散していく。それらを壇上から見送っていたアスランであったが、降りてきた所で久しぶりな顔が彼を出迎えてくれた。

「よお、ザラ校長、なかなかの威厳じゃないか」
「ディアッカ、来ていたのか」
「ああ、俺のところにも大勢のパイロット候補生が回されてくるからな。これから鍛えるガキどもの顔を拝みに来た」

 本国防衛隊の教導隊に配属されたディアッカ・エルスマンだった。ディアッカはアスランと握手を交わし、久しぶりに会えた事を皮肉を交えて喜び合っている。だが、懐かしい気分は束の間であり、ディアッカは沢山の在校生たちを見回して懐かしそうな顔でアスランに問いかけた。

「なあアスラン、俺たちの同期、何人生きてるか知ってるか?」
「いきなりだな、どうしたんだ?」
「ちょっと調べたんだけどさ、俺たちの同期生、もう大半が死ぬか負傷して退役だったぜ。信じられるかよ、1年ちょっと前には全員ここに居たんだぜ?」

 ザフトの人材は地球での戦いで多くが失われてしまった。それはアスランの同期でも例外ではなく、アスランの仲間だけでもラスティ、ニコル、ミゲルと相次いで失われている。アスランの仲間は凄腕が多いからこの程度の犠牲で済んでいるのであり、他の部隊では判定全滅が当たり前と言える状況であった。
 特にカーペンタリアの降伏で地上に残っていた残りが全て失われてしまったのが大きい。だがこれを救出する手段はその時には既になく、エザリア・ジュールはこれを切り捨てる決断をした。結果としてそれは正しかったのだろうが、地上軍から回収できたのはおよそ半分の50万人程度で20万ほどが戦死したと言われているので、30万の将兵を見捨てた計算になる。この事はプラント内に大きな衝撃をもたらした。
 大勢の知り合いを無くしてしまったという喪失感が胸を駆け抜け、アスランとディアッカは何処か暗い物を背負いながら肩を並べて校舎の周りを歩き出した。

「寂しくなったよな、お互いに」
「……なあディアッカ、今度、ニコルたちの墓参りにでも行くか?」
「ああ、そうだな。折角プラントに居るんだし、それも良い」

 アスランの誘いを彼にしては珍しく快諾し、アスランも表情を綻ばせた。昔は友人どころか仲間とも呼べないような関係であったのに、随分と変わったものだと思ってしまう。
 だが、2人で一緒に歩いていると、卒業生の一団がアスランに声をかけてきた。

「ああ、ザラ校長――!」
「メ、メイリン!?」

 メイリンを見たアスランは反射的にビクッと半歩身を引き、駆け寄ってきたメイリンに引き攣りまくった笑顔を向けている。

「ザラ校長、私は新造戦艦の艦橋に配属が決まったんですよ!」
「へ、新造戦艦?」
「ミネルバですよ。ほら、この間完成したばかりの」
「……なんで最新鋭艦に訓練生がいきなり配属なんだ。まず教育部隊に配属だろう?」
「何でも戦艦のテストの間に訓練を平行してやるとかで、そのまま配属だそうです」

 何て無茶苦茶な人事だと思ったが、ここまで戦況が不利に傾けばもう形振りなど構っていられないということなのだろう。
 そしてアスランはメイリンと一緒にやってきた学生たちから次々に別れの挨拶を告げられ、アスランはそれに笑顔で返していた。一部の者はアスランと一緒に居たディアッカにも挨拶をしていく。彼も赤服を着ていたし、教育部隊で指導してくれる教導隊の指導員だと自己紹介されて納得している者もいる。
 そしてアスランは、その中に赤服を着ている少年少女の姿を見た。2人はメイリンたちより一歩後ろに退いた所で自分を見ている。アスランはその成績優秀だった2人の顔を勿論知っていた。彼自らの手でザフトレッドの証たる赤服を送ったからだ。

「オリバーに、アヤセか。どうしたんだ」
「お別れを言いに来ました」
「私たち、前線のクリント基地に配属になったんです」
「クリント基地に……」

 それが意味することを、アスランは知っていた。クリントは現在地球軍との戦いの最前線拠点であり、そこに送られるという事は、2人は即最前線で戦う事を意味している。赤服を着ているというのが理由だろうが、まさかそんな戦場に向かわねばならないとは。
 ディアッカもその事を知っているのだろう、厳しい顔で2人に頷いている。その様子が変わった2人を見て集まってきていた生徒たちがおろおろしており、メイリンがどういう事なのかをアヤセに聞いた。

「ねえアヤセ、クリントって、何かあるの?」
「ううん、何でもない。ただみんなより一足早く敵と戦う事になりそうってだけ」
「あ、そっか、そうだよね。アヤセもオリバーもザフトレッドだもんね」
「そう、貴女のお姉さんと同じよ」

 赤服なのだから即戦力と見られてもおかしくは無いとメイリンは納得してしまったが、それを誰も訂正しようとはしなかった。ただアスランとディアッカは2人の前に来ると黙って右手を差し出し、2人はそれを握り返してくる。

「気をつけて、な。生徒が校長より先に死ぬんじゃないぞ」
「大丈夫ですよ、僕は生きて帰ってくるつもりです」
「私もですよ、校長先生」
「ま、何かあったら俺が駆けつけてやるよ、心配するな」
「ははは、一応期待してます」

 ディアッカの冗談のような声援にオリバーが笑顔で返し、オリバーとアヤセが敬礼を残して校舎の方へと歩いていった。周囲の者たちもそれを見て挨拶を残してアスランたちの傍から離れていき、残された2人はなんともやりきれない物を抱え込んだ顔になっていた。

「くそったれ、俺たちは安全な後方で油を売ってて、あんな素人に毛が生えた程度の奴らが最前線かよ」
「言うなディアッカ、今は戦争中で、それが俺たちの任務だ。お前は訓練生に実地訓練を施して、俺は残っている訓練生を鍛え上げる。それしか出来ないんだ」
「分かってる。でもなアスラン、俺は納得できないんだよ。ニコルもそうだ、何で15やそこらの奴が前線で死ななくちゃいけないんだ。その結果がこれじゃ、無駄死にじゃないかよ?」

 前線勤務が長く、自分より年下の奴がぞろぞろと新兵としてやってくるのを見てきたディアッカは、それが異常だと感じるようになっていたのだ。しかもやってきた連中は多くが初陣で消えていき、それの補充にまた子供が送り込まれてくる。ベテランの穴も子供で埋められていく。そしてみんな死んでいき、自分たちだけが生き残って今もこうしてここに居る。
 こんな無茶苦茶な話しがあって良いわけが無い、新兵は消耗品でもなければベテランの盾でも無いはずだ。だが現実には新兵は殆ど生き残れず、多くが戦場に消えていく。自分たちがどんなに訓練をしても、それを生かせる兵は半分も居ないのだから。
 だが、アスランはディアッカの不満に同調はしなかった。彼はディアッカに無駄死にじゃないと反論したのだ。

「無駄死になんかじゃないさ、誰も無駄死になんかしていない」
「何処がだよ、プラントはどんどんおかしくなってるんだぜ。イザークたちだって特攻してこいって言われてるんだ」
「……それでも、まだここには平和があるだろ。少なくともプラントはまだ戦場じゃない」 

 アスランは周囲を見回した。そう、ここにはまだ多くの人が生きていて、戦火に怯える毎日を過ごさずにすんでいる。確かに地球軍にザフトは追い詰められているし、攻撃がプラントにまで届いて犠牲者が出る事もある。だがそれでもここにはまだ本格的な戦火は及んでおらず、人々は物資の困窮に苦しんではいるが、まだ普通の生活をおくれている。それはザフトが前線で地球軍と必至に戦っているおかげなのだ。

「戦争では誰かが生き残る為に、誰かが死んでいくものなのさ。この目の前の平和な時間は、前線で戦っている奴らの命で得た代価なんだよ」
「ふんっ、1人の命の代価で何日貰えるんだよ?」
「例え、それが一瞬の平和だったとしても、そこには無限の価値があると俺は思っている」
「……お前がそんな恥ずかしい事を言うとは思わなかったな」

 ディアッカはすこし驚いた顔でアスランを見ている。ディアッカの驚いた顔を見たアスランはすこしムッとしたが、すぐにそれを苦笑に変えてしまった。そしてこれは自分で考えた台詞ではなく、パトリックの受け売りだと白状した。それを聞いたディアッカはなるほどねと頷き、視線を空へと向ける。

「ヴェザリウスに居た頃が懐かしいぜ、あの頃は暢気な俺で居られたんだけどな。ラスティが死んでもう1年、お互いに色んな物を背負わされちまった」
「そうだな」

 大勢の仲間を無くして、大勢の犠牲者の屍の上に自分たちは生き残ってきた。そしてここに来るまでに多くの人から多くの物を託されてきた。今更それを投げ出す事なんて出来ないのだ。
 この日、ディアッカはアスランを飲みに誘い、アスランも珍しくそれを受けて2人で酒を飲みに行った。そこで色々と溜まっていた不満をぶちまけあったりして、泥酔するまで飲みまくったりして翌日とんでもない事になっていた。





 幾多の衝突が繰り返される地球軍とザフトの最前線。そこには当然ながら両軍が拠点として使用している複数の前線基地が設営されており、小惑星を利用した堅牢な物から、完全な人工物であるステーション型の物まで色々とある。大抵は堅牢な小惑星型が前に出て脆いステーション型が後方に配置されるのだが、このうちの1つがザフトとは異なる敵の襲撃を受け、破壊されてしまった。
 襲い掛かってきたのは地球軍の輸送艦を改造した物で、そこからM1Bの改造機と思われるMSと対要塞戦装備のゲイツが出てきて攻撃してきたのだ。その統一性の無さから海賊か傭兵だと考えられたが、装備が充実している点が気にかかった。だが攻撃された以上は反撃するのが当然で、基地からは駐留していた8機のストライクダガーが出撃している。
 相手は2機なのですぐに終わると考えていた基地司令部であったが、それはすぐに驚愕へと取って代わられた。出撃した8機のストライクダガーはたった2機のM1モドキとゲイツに歯が立たなかったのである。ステーションからは慌てたように残りのMSとファントム、そして駆逐艦が出てきたが、それは余りにも遅すぎる対応であった。青いM1がダガーを引き付けている間にステーションに迫ってきたゲイツは両腕に抱えてきた4発の対要塞大型ミサイルを発射し、うち2発がステーションを捉えてこれを大破させることに成功したのだ。
 攻撃を終えたゲイツとM1は仕事は終わったとばかりにさっさと逃げていってしまい、出撃した駆逐艦は追撃よりもステーションの生存者の救助活動に忙殺されてしまってこれを取り逃してしまう事になる。
 このような傭兵か海賊の襲撃と思われる事件は幾度か繰り返されており、地球軍はこれに対抗するために哨戒部隊を増派すると共に、補足撃滅する為の任務部隊を2つ送り込むことになる。だが、これはザフトの陽動作戦であった。




 地球軍の艦艇打ち上げを阻止するべく、プラントから艦隊が出撃しようとしていた。指揮を取るのはエザリア派のハーヴィック提督で、指揮下には4個部隊15隻の戦闘艦艇と、機雷を運ぶ為の輸送艦8隻が同行する。更にこれとは別に支援部隊として別コースでクルーゼが率いるカリオペを旗艦とする打撃部隊12隻が出撃する事になり、此方は既に先発していた。此方にはエース級のパイロットと最新鋭機が多数配備されており、実質的な戦力ではクルーゼ艦隊の方がハーヴィック艦隊より上だろう。
 参加する部隊の中には特務隊上がりのベテランを要するジュール隊や、数少ない古参兵で編成されたサトウ隊なども含まれており、数の割には強力な部隊だと言える。ただ、それでもアメノミハシラを守る地球軍から見れば半数程度の兵力であり、しかも地球軍には周囲から幾らでも援軍がやってくるという強みがある。
 この作戦に参加するザフトの将兵は、この作戦が特攻であると感じていた。圧倒的な大軍が展開する敵の拠点にこんな少数で突入するというのだから、これが特攻でなくてなんだと言うのだ。確かに作戦は軌道上に機雷をばら撒くだけであるが、果たして何隻がたどり着けるか。いや、そもそもただ散布しただけの機雷にどれほどの効果があるだろうか。
 イザーク自身もこの作戦には疑問を持っていた。ザフトは確かに機動力を生かした作戦を得意とするし、昔はこの程度の戦力差は跳ね除けてきた。だが今は状況が違う、2倍の敵を相手に勝てると思えるほど、ザフトの優位は残っていないのだ。質で引っくり返せるのはせいぜい敵が此方の5割り増し程度だというのが今のイザークの判断であった。

 出撃するヴェザリウスの艦橋に仁王立ちして周囲の艦隊を見ていた。そしてその数の少なさに失望感を覚え、フィリスにボソリとそれを漏らした。

「敵の勢力圏下に侵攻しようって言うのに、たったこれだけか。少なくなったな」
「これでも精一杯です。大半はボアズと幾つかの前線基地に送られていますから」
「全部捨て駒だ。クリントに配置されてる部隊なんかは死守しろと言われたも同じだ」
「一応、現地司令部に撤退の判断は任されているという事ですが……」
「配置されてる兵力に対して艦艇が少なすぎる。とても全員は乗せられん。逃げてくるにしてもどうやって逃げるんだ?」

 これは時間を稼ぐ為の玉砕戦略だ。プラントに住む大勢を救うために数千を切り捨てるというのは決して間違っている訳ではないが、最初から玉砕前提というのは上層部の無能の証明だ。いや、それとも既にそんな作戦しか立てられないほどにザフトは追い詰められているという事だろうか。
 しかもクリントに配置されているMSのパイロットの半数は経験が浅い、あるいは全く無い新兵だ。せめてもの救いは配備されているMSは新型のゲイツ系が中心ということだろうか。
 
「フィリス、MS隊の仕上がりは?」
「ジャックさんの指導の下、まあ何とか役に立つくらいにはなりました。ステラさんも命令には素直に従ってくれるので助かってます」
「やれやれ、あんなのを使わないといけないとはな」
「ジュール隊長」
「分かってる、あいつの前では言わん。そんな責める様な目で見るな」

 フィリスがムッとした顔をしたので、イザークはすこし慌てて取り繕うようにそんな事を口にした。それを聞いたフィリスはすこし表情を改めたが、それでもまだ機嫌は直っていないようだった。

「隊長はどうしてステラさんをそんなに嫌うんです、良い娘じゃないですか。艦のクルーからも評判良いですよ」
「俺はああいうボケた奴は苦手なんだ。どうにもこう、波長が合わないというかな」
「それはまあ分かりますが」

 イザークの性格からすればステラのポケポケした性格は合わないだろうというのは分かるのだが、隊長なのだからその程度の事は我慢して抑えて欲しい物だ。まあ隊長という役職に慣れていないのだろうが。
 足りない部分を補うのが自分の役目だとは分かっているが、流石に性格の不一致までは面倒見切れないと思うフィリスであった。



 そして、出撃していくザフト艦隊の旗艦である改エターナル級のジェミナスでは、ハーヴィックが不満げに口を尖らせていた。

「気に入らんな、こんな作戦に何の意味がある」
「提督、そんな事を言ってエザリア議長の耳にでも入ったら大変です、自重してください」

 ハーヴィックの愚痴を聞いた参謀長がハーヴィックに忠告し、それにハーヴィックは小さく頷いて。今のザフトにはエザリアが反対派を見つけるために送り込んでいる密告者が多数入る込んでいるといわれており、実際に幾人もの提督や隊長が突然更迭されたり、反逆の嫌疑をかけられて拘束されている。まあその中にはラクスに協力していた者も多いので、一概に密告だとも言えないのだが。
 エザリアは独裁者が陥り易い弊害、誰も信じられなくなる病気にかかっていたのだ。何しろ自分がザラ派を追いやって自分に従う人間で要職で固めるという手に出た彼女であり、その権力基盤には市民の支持も無ければザフトの忠誠を得ているわけでもない。パトリックとは比較にならないほどに脆弱な彼女は、いずれ自分も力で倒されるのではと恐れるあまり、ザフト内に独自の監視システムを設けたのだ。
 この事はザフトのある程度の地位にいる者ならば誰でも感づいている事であり、本音を口にするのはなるべく避けるようになっている。だがそれも何時までも我慢していられるものではなく、エザリア派の軍人であった筈のハーヴィックでさえ不満を溜め込んでいたのだ。
 逃げる事も出来ず、この作戦に同行しなくてはいけない将兵には気の毒だと思うハーヴィックであるが、もうどうしようもない。ハーヴィックにできることは、せめて1人でも多く連れ帰ってやる事だけだろう。




 だが、彼らにとっての最大の不幸は、出撃したその瞬間から彼らの動きは地球軍に筒抜けだったという事である。地球軍は制宙権を奪還するに連れて多くの偵察部隊をザフトの勢力圏内に送り込んでおり、プラント周辺にも多数の偵察衛星が張り付いている。それらをザフトは排除して回っているのだが、排除された途端に新しいものが送り込まれてくるというイタチゴッコが続いている。
 この監視システムに引っ掛かったハーヴィック艦隊とクルーゼ艦隊はすぐに索敵部隊によって現在位置から航路まで割り出され、地球連合総司令部はこれを第1、第2艦隊の打ち上げ阻止だと判断した。
 これを受けてアメノミハシラに迎撃準備が命じられると共に、アメノミハシラに到達する前に阻止するべく近隣の部隊にこれに対する攻撃命令が出された。


 第8任務部隊にも攻撃命令が出されたのだが、これを受けたマリューはどうしたものかと迷ってしまった。現在の第8任務部隊はプトレマイオス基地への帰還の途中であり、数度に渡る戦闘で物資も消耗して損傷も増えている。出来れば戦闘は避けたいところなのだ。

「参ったわね、どう思うノイマン?」
「そうですね、本艦はまだ大丈夫ですが、ヴァーチャーは中破ですから無理でしょう。護衛の駆逐艦にも損傷艦が多いですから、断った方が良いんでは?」
「そうしたいけれど、断るわけにもいかないでしょう」
「そうですよねえ」

 マリューとノイマンが考え込み、そしてマリューは周囲からの意見も求めた。それを受けて艦橋クルーやCICクルーが考え込み、そしてCICで指揮官代行状態のチャンドラが艦隊を分けてはどうかと意見した。
 それを聞いたマリューは健在艦だけで向かうという意見に数が少なすぎるのではと懸念を示したが、チャンドラはアークエンジェル1隻でも並の戦艦数隻分の戦力になると答え、それがマリューを動かした。

「そうね、それも手か。ではカズィ君、その旨を全艦に伝えて頂戴。パルは火器管制のチェックを。本艦は第2級臨戦態勢に入ります!」
「分かりました、すぐに伝えます」

 マリューの命令を受けてカズィが通信機を操作し、パルが兵装のチェックを始める。そして艦内に第2級臨戦態勢の警報が流され、俄かに艦内が騒がしくなった。警報を受けて艦内のクルーが配置に付き出したのだ。この対応の速さがアークエンジェルが歴戦の艦である事を証明しているが、そんな中にも迅速に対応できない間抜けなクルーが居たりする。
 士官用の個室の中からドタバタという何とも慌しい音が響き渡り、そして中から転がりだすようにトールとミリアリアが出てきた。トールはズボンが上手く穿けないようで片足立ちであるし、ミリアリアは上着を羽織ってスカートを引っ張り上げるという何とも情けない状態であったが。

「ああもう、何でこんな時に敵が出るのよ!」
「ああミリィ、せめてスカートのジッパーは上げてから!」
「トールこそベルトしめなさいよ、恥ずかしいでしょ!」

 2人はお互いのだらしない格好に文句をぶつけながらそれぞれの部署へと走っていく。ミリアリアは艦橋に駆け込んでCICに入ったが、マリューから襲いと怒鳴られてしまった。

「遅いわよミリアリア、敵の奇襲だったらどうするの!」
「す、すいません、すぐに配置に付きます!」

 ミリアリアが急いで自分の席に入ろうとしたが、その服装の乱れを見たマリューはすこし吃驚し、そして微笑を浮かべてミリアリアを少しだけからかってやった。宇宙服の内線を規則違反を承知で操作し、ミリアリアとの個人回線を開いて小声で語りかける。

「ところでミリアリア、ケーニッヒ少尉とはどうだったの?」
「は……?」

 問われたミリアリアは最初その意味が理解できなかったが、振り返ってマリューの微妙な笑顔を見てその意味することに気付いたのか、顔を真っ赤にして自分の受け持ちのパネルに噛り付くように顔を俯かせて小さくなってしまった。その反応を見たマリューは自分の予想の正しさを確かめてまた微妙な笑みを浮かべていた。
 最も、その予想は半分は外れていたりするのだが。





 ザフトが動いた。それをアズラエルが知らされたのはスカンジナビア王国のメッテマリットの私邸でであった。ここにやってきたアズラエルはラクスと会うだけの予定であったのだが、まさにその矢先にこんな情報が入ってきたのだ。それを聞かされたアズラエルは小さく頷くに止め、それに関しては特に感想を漏らさなかった。 
 そして家人の案内で通された部屋に足を踏み入れたアズラエルは、メッテマリットと共に円卓に向かっている見慣れない少女に戸惑ってしまった。

「おや、ラクス・クラインは何処ですか、メッテマリットさん?」
「あら、貴方の目の前に居るわよ。見えないかしらアズラエル?」
「目の前って、まさかその娘が?」

 目の前に居る黒い髪の少女がラクスだといわれたアズラエルはまじまじと彼女を見詰め、そしてようやくそれが事実だと受け入れた。あのピンク色の髪が印象的過ぎて気付かなかったが、なるほど、言われてみれば確かにラクスの顔だ。

「これはまた、驚きましたねえ。髪の色と髪形を変えるだけでこうも別人のイメージになりますか」
「すいません、あの姿では目立ちすぎますから」
「いやいや、それは当然でしょう。でもこれなら一見しただけでは誰だか分からないでしょうね」

 謝るラクスに身振りで不要だと伝えて、アズラエルも席に着いた。そして円卓の上で腕を組み、そこに顎を乗せてじっとラクスを見る。

「それで、僕を呼びつけてお話とは、一体どういう了見なのでしょうねえ。あらかじめ言っておきますが、私はボランティアはしませんよ」
「それはどういう意味でしょうか?」
「簡単ですよ。前回の時はまだ貴女に投資する価値があったという事です。ですが今の貴女にどんな価値がありますか、ラクス・クライン?」

 アズラエルはラクスにはもう価値が無いと言い切った。親という後見人とオーブという後ろ盾を無くし、メンデルに集めていた実戦部隊も大半が討ち取られ、残りは散り散りになってしまった。
 これらのカードを失ったらクスにはもう価値が無い。少なくともアズラエルからすれば投資する価値を失っている。そんなラクスが何を良いに来たのか、アズラエルがここに来たのはメッテマリットに対する義理と、ここに来て彼女が自分に何をお願いしてくるのかに興味があったに過ぎない。アズラエルはラクス個人には何も期待していないのだ。

「まずはこれまでの支援に感謝を述べさせて頂きますわ。アズラエル財団の支援が無ければ、メンデルにあれだけの兵力は集められませんでした」
「それはどうも。ですが、それももう潰されてしまったのでしょう。それとも、もう一度作るからまた金を出せとでも?」
「いいえ、それはもう無理でしょう。あれだけ苦労をして作り上げたのです、もう一度といわれても、そう簡単には」
「ふむ、それが分かってるなら結構。もしそれを言われたら、私は席を立ってました」

 アズラエルは腕を組みかえると、ラクスに何を言う為に自分を呼んだのかと聞いた。仮にも軍需産業連合の理事であり、地球圏でも指折りの巨大財閥の会長でもあるアズラエルだ。その社会的地位は下手な国の閣僚などより上で、国家代表と肩を並べるような存在だ。そんな男を呼びつけてラクスは何を言うつもりなのか。
 そしてラクスは、アズラエルにとんでもない提案をしてきた。

「ですが、プラントにはまだ地下組織が残っています。規模のそれなりのものです」
「……ラクスさん、貴女の考えは甘すぎます。実戦部隊が殲滅された今、プラントではラクス派の狩り出しが行われているでしょう。獅子身中の虫を放置しておくほど、世の中甘くありませんよ」
「私の同志が、そう簡単に捕まると?」
「プラントは閉鎖空間ですよ、その気になれば調べられますよ。ましてエザリア政権はパトリック以上の強硬な統治を行っています。不満分子の狩り出しは熱心でしょうね」

 エザリアはパトリックのような磐石の基盤を持っているわけではない。だが立ち向かう状況は彼以上に過酷であり、こんな最悪の状況となれば彼女でなくとも武力による高圧的な統治にならざるをえまい。
 そんな状況を考えれば、ラクス派はプラントを裏切った連中として吊し上げる事が出来る貴重なスケープゴートなのだ。エザリアは積極的にこれを狩りだし、見せしめとして処刑しているだろう。それが潜在的な不満分子への丁度良い牽制となるからだ。

「……でも、私はプラントへ戻ります」
「戻ってどうします。例え地下組織が生き残っていたとしても、何も出来ないでしょう。貴女は自分を特別な存在だとでも思っているのですか?」
「アズラエル、少し言いすぎよ」
「いいえ、言わせて貰います」

 メッテマリットがラクスに助け舟を出したが、アズラエルはそれを跳ね除けた。

「貴女はマルキオ導師のSEED理論に傾倒していたそうですが、貴女は自分がSEEDを持つ者だとでも思っているのですか。何も出来ない小娘が救世主だと?」
「マルキオ様は仰いました、私はSEEDを持つ者だと。そしてキラ様とカガリ様、アスランとフィリスも。だから私は世界を救おうと行動を起こしました。それがいけないと?」
「ええ、キラ君とカガリさんはそうだという事は私も聞いています、イタラ老がそう言っていましたからね。そして2人は私に可能性を信じさせるだけの事をしてくれましたが、貴女には信じられる要素が何も無い。いいえ、そもそも救世主など居ないのですよ、そんな便利な道具は存在してはいけないのです!」

 ラクスのやっている事は世界を混乱させるだけだ。彼女がしてきた事が建設的な方向を向いた事はただの一度もなく、プラントを多少混乱させただけで何の意味もなかった。いや、地球軍としては僅かばかりでも敵を混乱させてくれたという点ではありがたい存在といえただろうが、ラクスは世界を建設的な方向に持ってくという考えを遂に打ち出せず、最後まで夢のような事を言い続けた。それがアズラエルには許せなかった。
 あるいはラクスもSEEDを持つ者なのかもしれない。英雄が世界にとって有意の人材だとは限らないからだ。時としてそれは唯の害悪であり、反面教師として歴史に記録される。その行為が本人には意味があったとしても、周囲から見ればそれはただの迷惑でしかない場合が多いのだ。
 だが、このアズラエルの否定はラクスにとっては容認できないものであった。アズラエルはラクスが寄って立つSEED理論を否定しているも同然であったからだ。そしてそれは、ラクスの中にあった強固な枷、聖女としてのラクス・クラインという面を外してしまった。この時、ラクスは感情を荒げて怒鳴ったのだ。

「アズラエル様はSEED理論を、私やマルキオ様の理想を否定するのですかっ!?」
「私はSEEDを信じていないから貴女を信じないのではない。カガリさんやキラ君を信じて貴女を信じないのは、貴女には自分の考えが無いからです」
「私の考えが無い?」
「違うのですか。私には貴女がマルキオ導師の言葉を流すスピーカーに見えます」
「違います、私はマルキオ様に出会って、自分の進む道を見つけたのです。私が行くべき道をマルキオ様は示して下さいました!」

 ラクスがそれだけは許せない、という風に激情してアズラエルに言い返している。それに対してまたアズラエルが言い返そうとしたが、それはメッテマリットに止められた。そして2人とも感情を荒げすぎだと言い、少し休んでお互い落ち着くように言ってアズラエルを誘って部屋の外に出た。ラクスは1人にした方が良いと思ったのだ。
 部屋から出て行くアズラエルとメッテマリットを見送ったラクスはアズラエルが座っていた席を睨みつけるようにしてみた後、視線を落としてごく小さな声で搾り出すように呟いた。

「違う、私は、私で考えて動いていました。私は……」

 

 外に出たメッテマリットはアズラエルを庭園へと誘い、植え込みの間を歩きながらアズラエルに疑問をぶつけた。

「貴方が感情を荒げ易いのは今に始まった事ではないけど、ああいう場で感情を剥き出しにするのは感心しないわね、アズラエル」
「反省してますよメッテマリットさん。ですが、おかげで面白い物が見れました。ラクスさんでもあんな風に怒る事があるんですね」
「あの娘にとっては、マルキオ導師の教えが全てなんでしょうね。盲目的にそれを信じてしまったから、それ以外が見えなくなった」

 それは信仰と言うべきか。盲目的にそれを信じたからこそ、アレだけの行動力を示せた。プラント内で同志を増やし、犠牲を恐れずに活動してこの戦争を終わらせようとした。自分たちにはそれが出来ると信じて疑わなかった彼女の強さはそこから来ていたのだ。
 アズラエルは罵倒しているが、ゼロから初めて戦艦多数を擁する武力集団と支援組織を整えて見せたラクスのカリスマ性と行動力は賞賛に値する物である。そのやった事の是非はともかく、彼女は決して無能ではない。マルキオの理想を求めたが故に最後まで自分の道を曲げず、世界の平和と安定を求めた信念を最後まで貫き通した事も決して間違っていた訳ではない。ただ、その貫き通した信念で誰も幸せになれなかった事が悪かったのだ。結果で全てが否定された好例と言えるだろう。
 だからそれを否定された時、ラクスは過剰に反応してしまった。心の拠り所としてきた何かを失った時の人間はとても脆いものだから。

「あの娘も、世界を良くしたいという気持ちは本物。理想の世界を本気で願って、それを追い求めていたわ」
「……それは分かります。ですが、それは最も難しくて、困難な道です。幾多の偉人が求めて手に出来なかった物を、彼女のやり方で手に出来ると思いますか?」

 誰もが普通に生きていく事が出来る平和で争いの無い理想の世界。それは太古から多くの思想家が、宗教家が、政治家が追い求めた理想の社会だ。だが彼らは常に現実という壁に阻まれ続けた。幾つかの大国はそれを限定的に実現したが、それは弱小国を搾取して実現した物であった。共産主義は制度としてそれを求め、結果として全てを不幸にしてしまった。幾多の試みが繰り返されて、幾多の失敗が繰り返されて今の世界がある。その積み重ねによる経験は多少は人を前に進ませたが、それは理想を求める者には愚かに移るものなのだ。
 マルキオもまたそういった理想を求めた宗教家の1人であり、ラクスはそれに共鳴して行動を起こした革命家と言える。彼女たちが選んだ手段は復古的な武力を用いた暴力革命であったのが問題だったろう。この手段は最も短絡的であり、そして大抵は膨大な流血の末に失敗していく。

「まあ、落ち着いたら彼女をデートにでも誘ってみましょうかね」
「あら、どこに?」
「そうですね、オーブに行ってカガリさんと対面させてみましょうか。あの人なら僕以上に辛辣なことを言ってくれますよきっと。他にも声をかけて見ますかね」
「……まあ良いんだけど、楽しそうねアズラエル?」
「ええそれはもう。ここ最近ブルーコスモスの邪魔をしたりロゴス内で意見を纏めたり、大統領と話し合ったりで忙しかったですからねえ。たまには遊びたいんですよ」

 お前の何処にストレスという言葉があるのか、とメッテマリットはツッコミを入れたそうだったが、それは結局口にはしなかった。ラクスに手を貸してくれそうな酔狂な人間は、地球にはアズラエルくらいしか居ないから。流石のメッテマリットもスカンジナビア王国を戦火に巻き込む危険を冒してラクスを助けるという事は出来ないのだ。
 恐らくラクスはスカンジナビアの中立国という立場を利用してプラントに向かう船に乗り込み、プラントに密航するつもりだったのだろうとメッテマリットは考えていたのだが、それを許す事は彼女には出来ないのだ。もし発見されれば、スカンジナビアとプラントの関係は悪化する。それは最後の中立国というスカンジナビアの立ち位置を揺るがす事になりかねないのだ。ただでさえスカンジナビアでは危険な交渉が進められているというのに。

「アズラエル、貴方はプラントと大西洋連邦のパイプ、何処まで知ってるの?」
「ササンドラ大統領からある程度までは。パーネル・ジェセック議員を中心とするグループがパトリック・ザラの頃に作ったルートを使って講和の条件交渉を進めているそうですね」
「ええ、うちの国を経由してね。交渉のパイプ役をしていたプラントの在オーブ武官だったサカイ武官が今はこの国で活動しているわ」

 パトリックが作り上げた講和の為のシステムは未だに生きていたのだ。それはジェセックへと受け継がれ、エザリアの目を掻い潜って大西洋連邦との講和の話し合いを継続していた。勿論その内容はパトリック進めていた頃よりもプラントにとって過酷な物であり、条件付の降伏と呼べるものだ。だが、このまま滅ぼされてしまうよりは良いに違いない。

「しかし、ジェセック氏はどうやってこのパイプを維持してるんでしょうねえ。エザリア・ジュールとて無能ではないでしょうに」
「ザフトの中に協力者が居るのよ。彼らが途中まで情報を運び、ジャンク屋に登録している仲間がそれを受け取って地球まで運んでいるのよ。それを中立国であるここでサカイ武官が受け取り、大西洋連邦の外交官に伝えるという形」
「ジャンク屋ですか。なるほど、物は使いようですね」

 ジャンク屋には連合もプラントも手を出せないというルールがある。もう両方共に我慢の限界に達しているのだが、一応まだこのルールは生きている。それを利用して連絡網をどうにか残していたのだろう。通信を一切使わず、時間がかかってでも手渡しという手段を使っているのも機密保持の為に違いない。
 この交渉を続けているプラント側の人間からすればラクスは憎んで余りある仇敵だろうが、もしラクスがプラントに帰ってきたら彼らはどういう反応をするのだろうか。それを想像してしまったアズラエルは、悪い事を考えてまた悪人の笑みを浮かべていた。

「久しぶりに楽しい事になりそうですねえ」



後書き

ジム改 次回、地球軍は随分久しぶりのオールスターだ。
カガリ またアメノミハシラが狙われるのか、あそこうちのステーションなんだけどなあ。
ジム改 地球軍が修理してくれるんだから文句言わないの。
カガリ うちの宇宙軍は再建は終わったのか?
ジム改 いや、全然。フブキ級の補充も終わって無いし、M1Aの配備数も少ない。
カガリ 何で進んでないんだよ!?
ジム改 忘れてるかもしれんが、オーブ開放作戦からまだ2ヶ月もたっとらんだろ。
カガリ 駆逐艦くらい一週間で建造してみせろ!
ジム改 無茶言うなあ! いや、どっかの国が毎日1〜2隻のペースで船作ってたなあ。
カガリ あれは異常だ!
ジム改 でもまあ、これで久しぶりに派手な勝負が出来るぞ。プロヴィデンスも居るし。
カガリ あれは反則だろ。他にもフリーダムやらジャスティスやら、質だけ見ると凄いんだよなあ。
ジム改 これでゲイツの数が揃ってれば完璧なんだがな。
カガリ 地球軍は雲霞の如く湧いてくるからなあ。
ジム改 まあ数で対抗できないから化け物MSによる少数精鋭なんだし。
カガリ それでは次回、アメノミハシラに迫るザフト、地球軍は途中で迎撃を行ってこれを食い止めようとするが、クルーゼ隊はこれを蹴散らしてアメノミハシラに迫った。これに少し遅れてハーヴィック隊も到着し、これを見たミナは自らMS隊の先頭に立つ。次回「我が城」でお会いしましょう。

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