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第21章  デュエルVSデュエル

 


 アークエンジェル隊はザフト防衛線を完全に突破していた。クライスラーの第48装甲師団がその穴から防衛線の後方に回り、ザフト部隊を次々に包囲撃破していく。後方が遮断されると知ったザフトは浮き足立って次々に後退をはじめるが、完全に包囲された地上部隊の運命は悲惨の一言に尽きる。MSでさえ次々に戦車隊に捕捉され、各個に撃破されていったのだ。
 アスラン達より早く出撃していたジュール隊の面々は地上で行なわれている戦いに息を飲んでいた。

「おいおい、一方的にやられてるじゃないか!?」
「ナチュラルに、これだけの力があるなんて・・・・・・」

 ディアッカが呆れた声をあげ、フィリスが驚きの声を漏らす。地上にはジンやディン、シグーといったザフトのMSが残骸となって散らばっており、すでに戦線が崩壊したことを教えている。
 イザークは怒りに顔を赤くしながら目指す目標を捜し求めた。

「何処だ、何処にいる足付き。何処にいるんだ!?」
「落ちつけイザーク、俺達の任務は・・・・・・」
「足付きを落すことだ、それが俺達の任務だ!」

 ディアッカを怒鳴りつけると、イザークは更にグゥルを進めて行った。味方MSの残骸を追っていけば足付きに辿りつくと考えたのだ。そして、ほどなくしてイザークは自分が賭けに勝ったことを知った。
 暫くして視界にようやくアークエンジェルの巨体が見えてきたとき、イザークは喝采を上げた。

「やったぞ、足付きだ!」
「ひゅぅ、負けたぜイザーク。大した勘だ」

 ディアッカが口笛を吹いてイザークを褒め称える。新兵2人もイザークの力量に感心していたが、フィリスだけが慎重論を唱えた。

「ですが隊長、我々の受けた命令は地上部隊の援護です。足付きの撃破はザラ隊の仕事ですが?」
「フィリス、この隊の隊長は誰だっ!?」
「・・・・・・ジュール隊長です」
「そうだ、お前は俺の命令にしたがってれば良い!」

 有無を言わせぬ口調に、フィリスは渋々頷いた。

「了解です、隊長」
「よし、俺とディアッカで敵のMSを片付ける。お前達は足付きの足を止めろ!」

 それだけ言うと、イザークは低空へと降下して行った。目指すのはストライクやデュエルだ。戦車や戦闘機などに用は無い。


 ジュール隊の接近はすぐにアークエンジェルにも知られる事となった。ロメロがレーダーに映る新たな機影を照合し、驚いた声を上げる。

「新たな敵MS5機接近。うち2機はデュエルとバスターです!」
「なんですって!?」
「くっ、またあいつ等か」

 ロメロの報告にマリュ-が驚きの声を上げ、ナタルが忌々しげに呟く。マリュ−はミリアリアにキラを呼び戻す様に命じた。ミリアリアが通信機で必死にキラを呼ぶ。

「キラ、今すぐにこっちに戻って、キラっ!」
「どうしたのミリアリア。こっちも忙しいんだけど!?」
「デュエルとバスターが来たの。フレイとハウプトマン准尉じゃ持たないわ!」


 デュエルとバスターと聞いてキラの顔色が変わった。あの2機はビーム兵器を持っているのだ。フェイズシフト装甲もビーム兵器には意味が無い。だが、戻ろうとした途端、ストライクのコクピットに警告音が鳴り響いた。

「何・・・・・・イージス、アスランか!?」

 新たに現れた5機のMSにキラはビームライフルを放った。そんなものに当たるザラ隊ではないが、牽制くらいになればと考えたのだ。だが、アスランはそんな甘い相手ではなかった。

「ニコル、お前は右側のデュエルを押さえろ。俺がストライクを叩く。ミゲルはジャックとエルフィを連れて左のデュエルの動きを止めるんだ!」
「分かりました!」
「やれやれ、俺は引率かよ。まあ良い、付いてこい、2人とも!」

 ミゲルがグゥルから飛び降りる。それに続いてジャックとエルフィも地上へと降下した。ニコルとアスランもその後を追う。地上に降りてきたイージスとブリッツにキラは舌打ちして戦う態勢を取った。

「こんな事してる暇はないのに、なんで来るんだよ、アスラン!」

 駆けて来るイージスにビームライフルを放つが、それを回避してイージスが迫ってくる。キラはストライクを走らせてイージスとの距離を取りつつ、スコットのデュエルに通信を繋いだ。

「スコットさん、下がってください。この2機は強いです!」
「馬鹿を言うな、お前1人置いて逃げられるか!」
「え、1人?」

 言われて周囲を確認したキラは、何時の間にかレナンディーのデュエルが後退しているのを見て愕然とした。一体何時の間に。 
 愕然としたキラを見て、スコットの顔に怒りが浮かぶ。

「これが俺達への対応さ。コーディネイターを使い捨ての道具くらいにしか見てないんだ、中尉は!」
「・・・・・・・・・・・・・・・・・」
「とにかく、俺達も下がるぞ。このままだと孤立して危険だ!」

 スコットに言われてキラはストライクを後退させはじめた。アークエンジェルのことも気になるし、こんな所で死にたくは無いからだ。だが、下がりだしたストライクを見て、アスランは激高した。

「逃げるのか、キラ!?」

 逃げるストライクを追うイージス。イージスの執拗な攻撃にキラは苛立ちながらも必死に応戦する。対ビームシールドでビームを弾き、ビームを撃ち返す。すぐ隣ではスコットのデュエルがブリッツの攻撃を受けて苦戦していた。

「くそっ、こいつ、ちょこまかと動き回りやがって!」

 巧みに回避運動を取りながら距離を詰めてくるブリッツにスコットは忌々しさを隠せない。だが、これはさまざまな理由がある。スコットの使用しているGAT−102Bデュエルは原型となったX−102よりも機械的な性能面では優れている。だが、OSの性能は遥かに劣っており、スコット自身の技量もニコルに劣っているからだ。

 

 

 苦戦しているキラとスコットをみて、艦橋にいたカガリは立ちあがってマリュ−を見た。

「おい、キラが危ないぞ。援護しないのかよ!」
「こっちだって手一杯なのよ。そう簡単に言わないで!」
「じゃあ見捨てるのかよ!」

 喧嘩腰にマリュ−に食って掛かるカガリ。誰もが自分の仕事に手一杯で2人の言い合いを止めようとする者はいない。いや、1人だけいた。言い争いを止めようとはしなかったが。

「ハウ二等兵、ストライクとデュエルを下がらせろ。ゴッドフリート照準、目標はイージスとブリッツ!」
「副長!?」

 サイが驚いた顔でナタルを見る。まさか、ここでナタルが2人を助けようとするとは思わなかったから。

「何をしている、急げ!」
「は、はい!」

 怒鳴られて慌ててミリアリアが慌ててキラを呼び戻す。すでにアークエンジェルの周囲にはジン3機のほかにデュエルとバスターまで飛んでいるのだから無茶も良い所だ。だが、ナタルは命令を撤回はしなかった。

 

 

 アークエンジェルのゴッドフリートが放たれたのを見ながら、フレイは懸命にデュエルを操っていた。すでに疲労は限界に近かったが、足を止めればたちまち殺されてしまう。上空にはデュエルとバスターがおり、ビームを撃ち降ろしてくるのだ。これにだけは当たる訳にはいかない。

「畜生、あのコーディネタ−はどこに居やがる。何で戻ってこねえ!」

 ハウプトマンの悲鳴にフレイは何も返さなかった。そんな余裕も無かったし、キラが帰ってこないのは自分も手一杯だからだと何となく分かるから。それに、さっきからビームを撃ち下ろしてくるデュエルが鬱陶しい。

「この、しつこいんだから!」

 空を飛ぶデュエルにビームライフルを放つ。最初は震えて必死に撃ち返すことしか出来なかったフレイだが、幾度かの補給と出撃を繰り返す内にどうにか戦いというものに慣れ始めていた。襲いかかってくる敵が怖いという感覚は消えないが、それでパニックを起す事だけは無くなった。デュエルに対する攻撃もちゃんと狙って行っているものだ。しかも、かなり正確に狙っている。
 空を飛ぶイザークはデュエルの反撃に顔を顰めていた。

「ちっ、こいつ、なかなかやる。ストライクほどじゃないがな」

 イザークにして見ればナチュラルがここまで戦えるという事が信じられない。ストライクのパイロットは異常だとしか言えないが、このデュエルもなかなかによく戦っている。だが、その認識がよりイザークの不快感を煽った。

「ふざけるなあ、ナチュラル風情が、このイザーク・ジュールを梃子摺らせるのかぁ!」

 叫んで動きを止めた所をハウプトマンのバスターに狙われた。両肩から撃ち出された大量のミサイルが自分めがけて跳んでくるのを見て、イザークはグゥルを捨てて地上へと向った。グゥルはイザークの身代わりとなってミサイルを受け、四散してしまう。落ちてくるデュエルをアークエンジェルのイーゲルシュテルンが狙うが、数発が命中しただけでダメージとはなっていない。地上に立ったイザークのデュエルはフレイのデュエルとハウプトマンのバスターを睨みつけると、ディアッカに通信を入れた。

「ディアッカ、お前はバスターを殺れ!」
「へいへい。イザーク、熱くなり過ぎだぜ」
「うるさい!」

 ディアッカに言い返すと、イザークはフレイのデュエルに向かって行った。フレイは下がりながらビームライフルを続けて放つ。

「こ、来ないで、来ないでよ!」

 迫るデュエルにビームライフルを撃ちまくるが、イザークは巧みにそれを回避しながら迫ってきた。ビームライフルをアタッチメントに固定し、ビームサーベルを抜いている。これはフレイにとってかなり不利だった。格闘戦はかなりの技量を必要とする戦いだからだ。
 イザークのデュエルが懐に飛び込んできてビームサーベルを振るう。フレイは必死に機体を操ってその一撃を回避したが、ビームライフルの銃身が切られて破壊されてしまった。

「ラ、ライフルが!?」

 ライフルを失った事で青褪めるが、すぐに役立たずになったライフルをイザークのデュエルに投げつけて後退する。イザークはそれを追おうとしたが、その頭上からアークエンジェルのミサイルが降り注いできたために追撃のタイミングを逃した。

「ちぃ、足付きめ!」

 イザークには忌々しい相手だが、その実力は認めるしかない相手が足付きだ。余程凄腕の艦長がいるのか、攻撃と防御の双方にまるで隙が無い。先ほどのミサイルもあのMSの援護をしたのだろうが、あの至近距離にいた2機を分かつ様に着弾させるとは。
 だが、このまま引き下がるつもりも無い。態勢を整えると逃げたデュエルの追撃を始めた。

 

 

 アークエンジェルの足が止められた事で、連合軍全体の進撃速度が鈍りだしていた。後方で指揮を取っているヨーロッパ方面軍司令部はアークエンジェルの停滞に危機感を募らせていたが、MS十数機に襲われていると言われては黙るしかない。もうサイは投げられたのだ。今更後に引く事はできないのだ。
 クライスラー少将の指揮する第48装甲師団はアークエンジェルの停滞を知ってはいたが、遮二無二前進を続けていた。まだザフトの混乱は続いており、このまま押しきれると判断したのだ。
 クライスラー自身もリックベイル級陸上戦艦エウリアに座乗し、指揮を取っている。

「急げ、アークエンジェルの足が止められようとも、このままザグレブ基地を落せばカスタフ作戦は成功する。ここで勢いを止められれば、今度はこちらが押し返されるぞ!」

 戦車や装甲車、自走砲、攻撃ヘリ部隊を擁する部隊が土煙を上げてザグレブ基地を目指す。残り僅か40kmなのだ。ザフト側も必死に反撃しているが、勢いの差というものはそのまま戦力差となって出てくるものだ。そして衝撃力という要素もある。勢いのままに突入してきた敵を食い止めるのは困難な事この上ない。加えて、ここに来るまでに相当数のMSがアークエンジェル隊によって撃墜されており、反撃に必要なMSの絶対数が不足し過ぎていた。真正面からぶつかればMSも戦車も大して差はない。物を言うのは砲数だ。
 空戦では連合の物量がより顕著に現れていた。ザフトはディンに頼ってこの方面へのラプターの配備数をケチっていた事が災いし、連合のサンダーセプターの大編隊に護衛されたスティングレイ地上攻撃機の地上攻撃や、スレイヤー重爆撃機の絨毯爆撃を食い止める術を持たなかったのだ。さらに熟練パイロットを中心に配備されだしたスカイグラスパーもある。これはアークエンジェルに配備されている機体の量産使用型で、エールストライカーパック装備型をベースに開発された機体だ。機動性重視のオーソドックスな機体だが、サンダーセプターをあらゆる面で上回る新型の制空戦闘機となっている。
 ジンのパイロット達は突入してくるヴァデット戦車の大群と、上空から降り注ぐ爆弾や砲弾に怯みだしていた。士気もみるみる衰えていく。

「何なんだよ、こいつらは!?」
「駄目だ、どれだけ叩いても止まらない!」
「撤退命令は、撤退命令はまだなのか!?」

 悲鳴が通信網を駆けぬけ、それがより士気を落してしまう。ザフトは自分で自分の首を締めていたのだ。この連合の勢いを止めるには予備兵力の投入が必要だが、ギリシアで大損害を受け、そちらに予備を回したザフトは余力に乏しい。通信網を駆けぬける悲鳴も少しづつ少なくなり、やがては消えていってしまう。ジュール隊がアークエンジェルに向ったツケはなかなかに大きなものになろうとしていた。

 この時、クライスラー少将の第48装甲師団の他にもかなりの数がザフト軍の背後を遮断しており、特に北部から攻勢に出ていた部隊は正面のザフト部隊を完全に粉砕してしまっていた。MSの多くをアークエンジェルの足を止めるのに使ってしまったのが響いてきている。MSが無ければザフトの地上での優位は失われてしまうのだ。戦車や作戦機の数では比較する事が馬鹿馬鹿しいほどの差が両軍の間には横たわっている。
 クライスラーが密かに目論んでいた、目立つアークエンジェルを囮にしてMSをそこに集めるという思惑は、見事に成功したのだった。

 

 

 アークエンジェルを巡る戦闘はアークエンジェル側に不利なまま推移していた。キラのストライクとスコットのデュエルがイージスとブリッツに拘束されており、フレイのデュエルとハウプトマンのバスターも敵のデュエルとバスターに追い詰められている。
 唯一レナンディーのデュエルだけは強敵を相手にしてないが、変わりにザラ隊とジュール隊のジン部隊の猛攻を受けている。
 フレイのデュエルはイザークのデュエルを相手によく健闘していた。戦っているフレイ自身がどうして自分がまだ生きてるのか不思議に思っているくらいだ。右手に持つビームサーベルのエネルギーも残り少ない状況で、後どれだけ戦えるかという問題があるが。
 そして、この均衡が遂に崩れる時が来た。ハウプトマンのバスターがディアッカのバスターの収束砲に撃ち抜かれたのだ。

「うわぁっ!!」

 悲鳴を残してハウプトマンのバスターが爆散してしまう。

「ハウプトマン少尉!」

 フレイはそれをサブモニターで確認して辛そうに顔を顰めた。余り良い印象の無い相手だったが、初めてともに戦った仲間を失ったのだから、その死を悼むくらいはしても良いだろう。
 ハウプトマンのバスターを仕留めたディアッカはすぐに上にいるアークエンジェルを狙って収束砲を放ったが、ラミネート装甲はこの熱量を容易く受け止めてしまい、何の被害も与えていなかった。

「ちっ、相変わらずふざけた装甲だぜ!」

 吐き捨てるとディアッカは砲身をフレイのデュエルに向けた。こちらなら致命傷を与えられるからだ。こちらに背面を向けているフレイのデュエルは気付く様子も無い。

「背中からってのは卑怯だが、悪く思うなよ」

 フレイはイザークのデュエルにイーゲルシュテルンを叩き込みながら距離を計る様に数歩下がる。その時、ふいにフレイは何かを感じた。脳裏に自分の死のイメージが浮かび、背筋が冷たくなる。ここにいては殺される、そう感じた。

「何よ、一体!?」

 慌てて機体を後ろに跳躍させ、シールドをそちらに構える。すると強力なビームがつい先ほどまで自分がいた辺りを貫いていった。シールドを構えていなければ周囲へのエネルギーの余波で機体を焼かれていたかもしれない。
 助かった、とフレイは思った。自分の勘に助けられたと。
 だが、撃ったディアッカは驚愕していた。

「何だ、嘘だろ、気付いてたのかよ!?」

 まさかあの一撃を避けられるとは思わなかったディアッカは驚き、足を止めてしまう。そして、それを見過ごすようなナタルではなかった。たちまちミサイルがバスターに降り注ぎ、回避行動の遅れたバスターはミサイルを立て続けに浴びて吹き飛ばされてしまう。ディアッカも体を激しく揺さぶられて脳震盪を起し掛けている。

「ディアッカ、大丈夫か!?」
「あ、ああ・・・・・・だが、こいつは不味いな。悪いが下がる」
「分かった、後は任せろ!」

 後退していくバスターを見送ったイザークは残るデュエルを見た。その顔に肉食獣の笑みをうかべる。

「さてと、そろそろ終りにしてやるよ!」

 イザークの殺気をまともに受けたフレイは怯み、逃げ腰になった。今まではなんとか耐えられたのに、今は目の前のデュエルが恐ろしかった。怖かった。このままでは殺されるとの確信が持てた。

「嫌、なによ、これ。助けて・・・・・・助けて、キラぁ!!」

 周りは敵だらけというこの戦場で、フレイはキラに助けを求めた。聞える筈が無いのに、来てくれる筈が無いのに。

 

 

 アスランと戦っていたキラは、背後の戦闘が気になって仕方なかった。アスランさえいなければすぐにでも駆け付けたいのに、そう出来ないのだ。

「アスラン、邪魔しないでくれ!」

 言ってもアスランが引く筈が無い。だが、力押しで勝てるほどアスランは甘い相手ではない。だが、アスランにキラが手間取っている内に、隣で戦っていたスコットがニコルに追い詰められていた。

「くそっ、こいつ!」

 ビームライフルを放ったが、ニコルのブリッツはこれを上手く避けて懐に飛び込んできた。トリケロスに取り付けられた3連ランサーダートが至近距離から放たれ、スコットのデュエルを直撃する。フェイズシフト装甲は不条理なまでの防御力を見せてこの攻撃さえも弾いて見せたが、衝撃だけはどうにも出来ず、制御の限界を超えた負荷にデュエルは仰向けに吹き飛ばされてしまう。地面に叩き付けられた衝撃に目の前が暗くなるが、必死に意識を繋ぎとめて機体を起こす。

「こいつ、強い・・・・・・」

 自分では勝てないと思い知らされるスコット。同じGシリーズなのだから、腕に差があれば勝てないのも当然だ。それでも諦めずに抵抗を続けるが、ついにスコットの一撃を避けて懐に飛びこんできたブリッツのビームライフルがコクピットに押し当てられた。その直後、コクピットはビームの熱に焼かれた。
 スコットのデュエルが爆発するのを見たキラは一瞬我を忘れ、それを見続けていた。

「ス、スコット、さん・・・・・・スコットさんっ!?」

 スコットの言った言葉がキラの内心を過る。帰ったらみんなで飲もうと言ってくれたのに、自分を一人前の男と認めてくれた人だったのに。連合に来て初めて出会えた、自分と同じ境遇の人だったのに。
 その時、キラの耳に1つの悲鳴が聞こえてきた。通信機を介した訳でもないのに、それはとてもはっきりと聞えたのだ。

『助けて、キラぁ!!』
「フレイッ!?」

 確かにフレイの悲鳴だった。サブモニターでアークエンジェルの状況を確かめたが、フレイのデュエルの姿までは分からない。だが、さっきの悲鳴は、間違い無くフレイのものだと確信できた。
 フレイが危ないのだ。そして、アークエンジェルも。

「フレイを、アークエンジェルのみんなを、絶対に死なせたりしない」

 この時、キラの中で何かが弾けた。
 迫るアスランのイージスの動きが妙にはっきりと分かる。次のイージスの動きさえ手に取るように分かった。キラはただ、イージスの次の動きに合わせて機体を動かし、素早く左腕で抜いたビームサーベルをイージスの右肩に下から斬り上げた。ビームの刃がイージスの右腕を本体から切り離してしまう。それが地面に落ちる前にキラはストライクを下がらせていた。ニコルのブリッツがこちらを振りかえった時にはすでにビームライフルがブリッツをロックオンしている。
 放たれたビームにブリッツの頭部が撃ち抜かれ、擱座させてしまった。あれだけ苦しめられていたイージスとブリッツが一瞬で無力化されてしまったのだ。アスランとニコルは何が起こったのか分からずに呆然としている。

「な、何なんだ、あの動きは?」
「一体何が起きたんですか?」

 呆然と呟くアスランとニコル。キラは2人にとどめを刺す暇さえ惜しんでアークエンジェルの方に戻っていった。ミゲルとジャック、エルフィのジンがそれに追い撃ちをかけるが掠りもしない。仮に当たっても何のダメージにもならなかっただろうが。

 


 フレイのデュエルを追い詰めるイザークのデュエル。フレイはビームサーベルとシールドで必死にこのデュエルと殺りあっていた。相手のビームサーベルを盾で受けとめ、返す刃で相手を一瞬だけ後退させる。運良く掠めた一撃がアサルトシュラウドのシヴァを破壊したが、それだけだ。G兵器同士の戦闘では実体弾は決定打とはなり得ない。
 追い詰められていくフレイをアークエンジェルの艦橋では焦りさえ浮かべて見守っている。動きが早くて援護がし辛いのだ。更にフィリス達のジンが纏わり付いてくるのが邪魔だ。

「ハウ二等兵、ストライクはまだ戻らないのか!?」
「イージス、ブリッツは沈黙した様です。キラはもう少しで到着します!」
「そうか、だが、すでにデュエルとバスターを1機ずつ喪失か。訓練度の差は如何ともし難いのか」

 ナタルは唇を噛んだ。ストライクが間に合えばいいのだが。

「フラガ少佐は、キース大尉は!?」
「駄目です、2人ともディンの相手で手一杯です!」
「レナンディー中尉のデュエルは!?」
「敵のジン3機に拘束されています!」
「たかがジン3機にか!」

 ナタルは不甲斐ないレナンディーに悪態を付いた。初陣のフレイでさえ敵のデュエルと渡り合っているというのに、デュエルに乗ってジン3機に梃子摺るとは。だが、このジン部隊がザラ隊であることを考えればレナンディーの苦戦も仕方の無いものかもしれない。

 

 

 上空ではフラガのスカイグラスパーが強敵と遭遇していた。アークエンジェルに取り付こうとするディンを叩き落していたフラガだったが、その中に白いディンが現れたとき、フラガにはそれが誰か分かってしまったのだ。

「この感じ、ラウ・ル・クルーゼか!」
「やはりいたか、ムウ・ラ・フラガ」

 フラガのスカイグラスパーとクルーゼのディンが激しい空中戦を行う。だが、この勝負は機体性能の差でフラガの方が不利だった。互いの武器は一撃で相手を仕留められるが、空中での運動性能で負けているのだ。
 激しい機動を繰り返すフラガはGに顔を顰めている。それを笑いながら撃っているクルーゼだったが、ふいに感じた違和感に眉を顰めた。

「なんだ、この感じは。私やムウのような者がこの戦場にいるのか?」

 クルーゼをして無視できない何かがこの戦場にいる。そして、それはフラガも感じていた。フラガはクルーゼとは違い、この気配に覚えがある。

「まさか、この感じは、フレイか。何であいつが!?」

 

 

 イザークは苛立っていた。目の前のデュエルはどうしてまだ立っているのだ。このイザーク・ジュールが本気で相手をしているのに、どうしてまだこいつは立っている。自分よりも遥かに劣るナチュラルのくせに。

「生意気なんだよぉ!」

 怒りに任せてビームサーベルを振るう。この一撃もフレイは盾で止めて見せた。フレイ自身もどうして目の前のデュエルの動きに付いていけるのか分かってはいない。ただ、何故か敵の動きがフレイには見えていた。イザークのデュエルが何処を狙ってくるのか、何を狙っているのかが分かる気がするのだ。そして、今の所その勘は外れていない。
 イザークは敵のデュエルの反応が異常に速過ぎるのが気にかかっていた。フレイの反応速度はナチュラルにしては速過ぎる。まるで薬物強化でもしてるんじゃないのかと思わせるような動きだ。しかも、何故か時折イザークが動くよりも速くフレイはそれに対応して動いてさえいる。
 だが、勝つことは出来ない。フレイではイザークには勝てない。フレイにはイザークを押しきれるだけの経験も、技量も無いのだから。

「しつこいのよ、あんたは!」

 振りこまれたビームサーベルを盾で受けとめ、頭部のイーゲルシュテルンを至近距離から叩きこむ。フェイズシフト装甲には無力だが、アサルトシュラウドにはそれなりの効果がある。機体上面を包みこむ火花にイザークは慌てたが、それで怯んだりはしなかった。勢いのままに体当たりをかけ、フレイのデュエルの体制を崩す。

「もらったあ!」

 突き込まれたビームサーベルがフレイのデュエルの頭部を貫き、破壊してしまう。それでフレイの運命は極まったかに見えた。センサーの大半を失ったフレイのデュエルは自力で立つことさえままならなくなり、その場に転倒してしまう。

「きゃああああっ!」

 衝撃に悲鳴を上げるフレイ。光を失ったモニターを急いで操作し、サブカメラに切り返る。少ししていささか不鮮明な画像が表示されたが、そこにいたのは自分にとどめを刺そうとしているデュエルの姿だった。
 殺される。そう確信した時、フレイは思わず叫び声を上げた。

「いやあ、助けて、キラああ――――っ!!」

 その叫びを聞いたのは戦闘管制をしていたミリアリアだけだった。ミリアリアはフレイがキラの名を呼んだことに驚いたが、すぐに我に帰るとフレイの名を呼んだ。

「フレイ、逃げて、フレイっ!」

 逃げられる訳が無い。だが、そう言わずにはいられなかった。通信機からフレイの絶命の叫びが聞えてくる瞬間を想像して目を閉じる。だが、次に飛び込んできたのは想像したものとは違っていた。

「フレイに手を出すなぁ―――!」
「キ、キラ?」

 キラのストライクが間一髪で戻ってきたのだ。ビームライフルがフレイとイザークのデュエルの間を貫き、イザークが舌打ちして下がろうとする。だが、キラのストライクはイザークのデュエルを逃がすつもりは無かった。

「デュエル、またお前かああっ!」

 キラの脳裏に撃ち落とされたシャトルが蘇る。あの時にこいつがシャトルを撃たなければ、それ以前にこいつを撃墜しておけば、あの幼女は死なずに済んだのだ。後悔しない為には、敵は倒せる時に倒さなくてはいけない。それがキラの得た答えだ。例えこれに同朋が乗っていようと、今のキラには倒すことへの迷いは無い。そう、もうあの幼女や、ブカレストで死んだ兄妹のような人を出さないためにも。
 まして、こいつはフレイを殺そうとしたのだから。

「お前は逃がさない。ここで倒してやる!」
「チィ、ストライクか!」

 素早く態勢を整えるデュエル。だが、今日のストライクの動きは何時もと余りにも違っていた。動きが速過ぎる。自分が付いて行けないほどだ。

「なんだ、こいつはぁ!?」
  
 慌てて下がるデュエル。歴戦のパイロットの勘が告げていたのだ。こいつと戦ってはいけないと。
 下がるデュエルを追い掛けるストライクに、部下のジンが援護射撃をしてきた。

「隊長、早く逃げてください!」
「馬鹿、来るな!」

 イザークが部下を怒鳴りつけるが、それは余りにも遅すぎた。銃撃してくるジンに目をやったキラは感情の篭らない瞳でそのジンを見やり、機械的な動作で迷わずビームライフルで撃った。直撃を受けたジンが一撃で爆発してしまう。
 その犠牲でイザークは安全圏に逃げられたが、初めて持った部下をいきなり失ったという喪失感がイザークを襲っていた。

「くそぉおおおおお、ストライク、そしてあのデュエル、次は必ず仕留めてやる!!」

 イザークの後退に合わせて2機のジンも下がっていく。フィリスのジンが殿に残りながら牽制の銃撃を加えている。イザークを撃退したストライクに喧嘩を売る気はさすがに無いようだ。

「・・・・・・あのストライクとかいうMS。ザラ隊長に、ニコルさん、ジュール隊長まであっさりと撃退するなんて。あれがラクスの言っていたストライクのパイロット、キラ・ヤマトですか・・・・・・最高にして禁断のコーディネイター。そしてあの動きは恐らく、SEEDを発動させている」

 その余りの戦闘力の高さにフィリスは恐れと同時に高揚感を感じていた。整った容姿である分だけに機械的な冷たさを宿す事の多いコーディネイターにしては自然的、と表現しうる柔らかな美しさをもつフィリスだが、今はその顔に冷静な観察者としての仮面を被せている。
 そして、フィリスはもう1つの気になる存在に目を向けた。こちらにもまた驚きを隠せない。

「・・・・・・ナチュラルであれほどの動きをするなんて。天才なのか、それともあれもコーディネイターが乗っているの?」

 フィリスはアークエンジェルから十分に距離をとったと見ると、機体を翻して逃げ出した。ストライクがこちらに狙いをつけたような気がしたから。

 

 

 敵が逃げ出したのを見ると、キラはようやくビームライフルを降ろした。そしてフレイのデュエルの所に来る。

「フレイ、大丈夫?」

 だが、問い掛けに対する答えは無い。怪我でもしたのかと思ったが、暫く待っているとようやく返事が来た。

「え、ええ、大丈夫、よ」
「そう、良かった」

 キラは安堵の声を漏らした。フレイを守れたという満足感と安心の混ざった心境だ。
 だが、フレイはそう単純にはいかなかった。今のキラは何時もの優しいキラだ。だが、さっきのキラは何なのだ? 苦戦していたはずのイージスとブリッツを圧倒し、デュエルも容易く撃退してしまった。さっきのキラは何だと言うのだ。コーディネイターという言葉だけでは片付けられない力を、恐ろしさを感じた。
 怖かった。さっきのまるで化け物のようなキラが怖かった。多少とはいえMSを動かせる今のフレイには、さっきのキラがどれほどの化け物なのか分かるのだ。戦闘中に感じていた何か、としか言えない感覚もキラを危険だと告げている。
 だが、今のキラは何時ものキラだ。そう思うとようやく肩の力を抜くことが出来る。キラはストライクでフレイのデュエルをアークエンジェルへと運んでいく。その間、フレイはじっと考えていた。先ほどの戦闘で感じた不思議な感覚と、キラの変化について。

「なんだったのよ、あの感じは。相手の動きが感じられたというか、周りの状況が見えたというか・・・・・・変な感じだったわ。それにあのキラは一体・・・・・・?」

 分からなかった。何がどうなっているのか。ただ1つだけ確実なのは、自分の初陣はこれで終わりだという事だ。頭部を失った以上、この作戦にこれ以上参加する事は出来ないだろう。
 それに、ようやく自分は1つだけだが答えを見付けられたのだ。その事がとても嬉しく、そして悲しい。そう、自分は、とても酷い過ちを犯していたのだから。戦場とは自分の望む様にはならない。本気を出さないなんて余裕は全く無い。自分が何時殺されるか分からない。そんな恐怖に晒され続けるのだ。

「ご免ね、キラ。私が間違ってた」

 悔恨とともに、フレイはそう呟いた。父を救えなかった事でキラを恨んだのは間違いだった。あの時は何も知らなかったから、ただ感情のままにキラを責めてしまった。あの時はまだ仕方が無かったかもしれないとも思う。だけど、その後にキラを利用したのは、復讐の道具にしようとしたのは間違いだった。
 自分には、あの優しさに包まれる資格は無い。キラと共に居てはいけない。許しを請うことも出来ないだろう。

「・・・・・・全てを話そう。そして、キラの部屋から出ていこう。きっとキラは怒るだろうな。もう2度と口も聞いてもらえないかもしれない」

 そう思うと凄く辛いが、これが自分の背負う罪なのだ。それに、このまま騙し続ける方がもっと辛いから。

 フレイのデュエルをアークエンジェルに運びこんだキラは補給を受けると再度出撃していった。まだまだ敵は多いのだから。アークエンジェルもザグレブ基地目指して進撃を再開する。

 

 

 ザラ隊とジュール隊の敗北は、そのままザフトの敗北を決定づけたと言える。再び前進を再開したアークエンジェル隊は苦戦する第48装甲師団の先鋒に戻り、再びザフトMSを蹴散らし始めたのだ。ストライクの猛攻に次々にMSを失ったザフトは総崩れとなり、ついにザグレブ基地から撤退を余儀なくされたのだ。
 ザグレブ基地に入ったクライスラーはヨーロッパ方面軍司令部に作戦成功の暗号通信を送った。これを受けたヨーロッパ方面軍は予備兵力を前線に投入し、一気に勝負に出た。ザグレブ基地という補給拠点を失ったザフトの抵抗は急激に弱まり、指揮系統も寸断され、遂に降伏か玉砕かの選択を迫られる部隊が続出することになる。


 ザグレブ基地に下りたアークエンジェルは完全に制圧され、安全が確保された基地でようやく一息付く事が出来た。あの激戦からやっと解放された乗組員の疲労は大きく、持ち場で倒れこむ様に寝てしまう者も少なくはない。
 そんな中で、フレイは1人で戦火の跡が生々しいザグレブ基地を歩いていた。あちこちに擱座した戦車やMSの残骸が見られ、戦死した両軍の兵士の遺体が回収もされないままに放置されている。フレイはそんな中で、1人のまだ若い、自分と同じくらいのザフト兵士の死体が持っている物に気付き、屈んでそれを手にとって見た。それは、おそらくプラントに残してきたであろう家族の写真だった。両親と、まだ小さな弟と一緒にこの兵士が写っている。
 この兵士は何を思ってこの写真を見ていたのだろう。もう会えない家族への謝罪か、それとも望郷の念か。この写真に写っている家族はとても幸せそうだ。戦場になど出てこなければこの幸せを維持できただろうに、どうして出て来たのだろう。

「・・・・・・あなたも、守りたかったの。家族を?」

 きっとそうなのだろう。プラントを戦火から守るため、この写真の家族を守るために武器を取ったのだ。キラも友達を守りたくて武器を取っている。敵も味方も同じ理由で武器を手に殺し合っている。なんて空しい行為なのだろう。

「・・・・・・でも、今は戦うしかない。そういう時代なんだから」

 写真を返して、フレイは立ち上がった。乾いた風が赤い髪を揺らす。その顔には深い悲しみの色があった。だが、目を逸らす事は無い。この悲惨な光景を忘れてはいけない。これが戦争なのだと、自分の胸に刻まなくてはいけないのだ。

「帰ろう、アークエンジェルに」

 踵を返し、フレイはアークエンジェルへと戻った。次にすべき事を自覚して、決意を秘めた目で1歩を踏み出す。もはや、迷いは無かった。



機体解説

ヴァデット戦車
兵装  90mmリニアガン
    12.7mm車載機銃×2
<解説>
 連合圏で広く使われている主力戦車で、4つのキャタピラを持ち、走破力と旋回性能に優れている。ジンに対抗するには非力だが、その主砲は一撃でジンを仕留める事が可能。連合はこの戦車を多数投入することでジンに対抗しているが、消耗も激しい。カスタフ作戦では3000両が参加したといわれている。


F−550  スカイグラスパー
兵装  4連装機銃
    砲塔型ビーム砲
    75mm機関砲×2
    多目的兵装庫
<解説>
 フラガやキーエンスが使っているFX−550スカイグラスパーの量産型。機動性が高いエールストライカーパック装備時をベースに設計されており、基本状態でエールパック装備時の試作スカイグラスパーに近い機動性を確保している。追加装備のはずのエールパックが最初から基本設計に組み込まれているために安定性は向上しており、一般パイロットでも扱いやすくなっているのが特徴。変わりにストライカーパックの換装という特徴は失われ、ただの戦闘機になってしまった。
 攻撃力は高く、サンダーセプターを圧倒する空戦性能と、軽爆級の爆弾搭載能力を持つ。武装庫には爆弾からミサイル、対潜爆雷などの装備を搭載できるので、多用途性にも優れている。
 その性能に満足した大西洋連邦軍は量産を指示しており、いずれ大量に運用される日が来るだろう。その高性能から、宇宙戦闘機型の開発も進んでいる。


AT−90 スティングレイ
兵装  4連装機銃
    多目的ハードポイント2箇所
    爆弾搭載量6t
<解説>
 連合で広く使われている戦術攻撃機で、ハードポイントにさまざまな兵装を付け替えて運用される。一番多いのは対地攻撃用の90mmガンランチャーや面制圧用多連装ロケット砲などである。最近ではビーム砲も用意されるようになったが、弾数制限の問題でパイロットには嫌われている。主に地上車両を狙って攻撃する機体だが、MSを攻撃することもある。
 空戦性能は低く、足も遅いので、護衛戦闘機が不可欠の機種である。


SL−15 スレイヤー
兵装  防御用機銃6基
    多目的兵装庫
    爆弾搭載量30t
<解説>
 連合の主力重爆撃機。主に絨毯爆撃に使用されるが、多目的兵倉庫に地上攻撃用ロケットランチャーを取り付けて、制圧攻撃に使用されることもある。基本的には高高度からの戦略爆撃に使用される機体であり、敵基地や補給線への攻撃に使用される。ディンが到達できないその飛行高度そのものが高い防御力を与えており、高高度での戦闘力に乏しいザフトには厄介な相手となっている。

 


後書き
ジム改 カスタフは終了〜
カガリ 私の台詞がちょっとしかないぞ!
ジム改 仕方なかろう、まだ君はメインには食い込めん
カガリ 詐欺だ。私はヒロインの1人だぞ!
ジム改 まあ、心配せんでもこれからも出番はあるって。お前さんにも仕事はあるし
カガリ 便所掃除か?
ジム改 まあ、それもある
カガリ あるのかよ!
ジム改 では、今回は後書きらしく、今回でたキラの変化について語りましょう
カガリ 無視しやがったな。まあいい。で、変化って?
ジム改 通称、種割れ状態だが、これが発動すると何故かキャラの戦闘力が跳ね上がるw
カガリ 主人公特権と言っちゃいけないわけだが、種割れしたキラに勝てる奴っているのか?
ジム改 同格の機体で戦ったら、最強無敵だね。救いは常動能力では無い事だ
カガリ それくらいが弱点か。ところで、もう1つのフレイは何なんだ。こいつも種持ちなのか?
ジム改 違う。フレイは種を持ってない
カガリ じゃあ、フレイの力は何なんだ?
ジム改 ……フレイはねえ、覚醒した人類なんだよ
カガリ NTかよ!
ジム改 NTと言っちゃいかん。建前でもSEEDにはNTはいないという事になってるのだから
カガリ 建前かよ。じゃあ本音だと?
ジム改 フレイはNTです。しかも結構強力です
カガリ じゃあ、フラガやクルーゼがフレイに感応してるのも?
ジム改 うむ、2人ともNT覚醒してるからだ
カガリ で、この3人以外にはそういうのは居ないのか?
ジム改 いや、連合には昔はメビウス・ゼロ部隊というのがあったそうだから、それなりに居るようだ
カガリ フラガみたいなのが沢山居たのかよ!?
ジム改 まあ、グリマルディ戦線で殆ど戦死したそうだけどね。まだ生き残りも居るだろう
カガリ つまり、フレイはそういう連中と同種だと?
ジム改 そうなる。SEEDでは面倒だが覚醒者と呼ばれる予定だ。NTと表記してもいいんだけどね
カガリ でも、まだフレイは弱いよな?
ジム改 覚醒したばかりだからねえ。急激に成長するけど
カガリ おいおい
ジム改 では、次からはまた話が急展開。フレイの選択はどういう結果をもたらすのか。ご期待ください