第66章  南海への道標





 オーブ首長国連邦にある地球最大規模のマスドライバー、カグヤ。マスドライバー保有国の大半が交戦国となった現在、唯一と言っても良い大型マスドライバーでもある。当然民間の宇宙港としては中心的な存在となり、各地の流通がここから宇宙に綱がる事になっている。
 これがもたらす経済的な利潤は計り知れず、この戦争の中にあってオーブは中立を保という政治的選択によって莫大な利益を上げる事に成功している。このちっぽけな島が、いまや世界の中心地の1つとなっているのだから。
 このカグヤのレールに今、1機の特別機が準備されている。その機体にはオーブの識別マークが描かれており、この機体がオーブ所属である事をはっきりと示している。

 このカグヤの管制室で、オーブ首長国の全代表であるウズミ・ナラ・アスハとラクス・クラインが顔を向け合っていた。

「ラクス殿、諸国の訪問、ご苦労でしたな」
「いいえ、これもプラントと地球の友好の為ですから」
「そして、この戦争を終わらせる為、ですな?」

 ウズミの言葉にラクスは笑顔を作った。その為に彼はラクスに膨大な資金と物資を秘密裏に援助しており、マルキオはジャンク屋を通じて密かに装備を集め出している。元々ジャンク屋は大量に出ているデプリを集めるのが仕事で、その中には相当量の軍事兵器も含まれている。アークエンジェルもデプリベルトで無傷のシグーを拾ったりしており、運にさえ恵まれればこのような完動状態で遺棄されたお宝に巡りあえる事もある。
 もっとも、これ等は回収された時点で保有国に所有権利が生じる為、本来なら保有国に売却するのが筋である。だからジャンク屋はこの事を戦後に追及されるとかなり不味い事になるのだが、その辺りの事を彼らは余り深刻には考えていなかった。
 マルキオはこれ等を集めさせ、戦争で無人になった廃棄コロニーを隠れ蓑のして戦力を揃えているのだ。これを扱う為に傭兵や軍人崩れを集めてもいる。
 これ等を受けとったラクスは自分に従うザフト軍人に再編成させ、独自の義勇軍を組織しようとしていた。ラクスは既にプラント強行派との和解の道を自ら閉ざしており、更に父、シーゲルを中心とする穏健派にも見切りをつけている。自分がやらなくてはならないと考え、それが世界を救う唯一の道だとも信じていた。
 そしてウズミは大筋でラクスの思想に共感している数少ない人物でもあった。ラクスが目指すのはナチュラルとコーディネイターが平和に共存できる理想社会であり、それはウズミの言うオーブの理念と見事に一致してもいる。マルキオはラクスにウズミを紹介し、2人のパイプ役をやっているのもウズミがラクスと協力し合えると考えたからだった。

 だが、ウズミは未だに自身の手を血に染める事を忌避している。理想は武力で勝ち取る物ではないと彼は考え、ラクスに武器や兵力を供給する事はマルキオの再三の説得にも拘らず、頑なに拒み続けている。この頑固すぎるまでの強固な意志こそがウズミを国際社会にオーブの獅子とまで言わせるほどの大物にしているのだ。
 ラクスもマルキオもウズミのこの強固な意志を尊敬してはいたが、苦々しくも思っていた。強固な意志をもつという事は、もし意見を違えたときは譲歩させる事ができないということだから。もしウズミがオーブ軍を義勇軍として貸してくれていたら、ラクスはもっと早く行動を起こす事が出来ていたかもしれない。
 だから今ここで笑顔で話している2人の間には、同じ理想を持つ同士という間柄でありながら、僅かに冷ややかな空気が流れている。目指す未来は同じでも、取るべき手段に生じている差異が2人の間に溝を生じているのだ。

「では、プラントまでの道中、無事を祈っていますよ。近頃は連合も勢力を盛り返してきていますから、宇宙も物騒になってきていますからな」
「ザフトが月基地攻略に失敗して以来、連合に制宙権を一部奪い返されてしまったというお話は伺っていますが、それほど酷いのですか?」
「連合も大量のMSや新型MAを投入するようになったようで、ザフトは月−パナマ間の補給路を遮断できなくなっています。この為、月基地が息を吹き返したようでして。今では頻繁に小規模な艦隊戦が起きています。どうやら連合はザフトに消耗戦を仕掛けているようですな。数で圧倒的に劣るザフトには辛い戦いとなるでしょう」
「……連合は、私たちの予想よりも早く戦力を回復してきている、と言うのですね?」

 ラクスの言葉に、ウズミは眉間に深い溝を刻んむほどに険しい表情で頷いた。これは2人がもっとも憂慮していた事態であり、場合によってはプラントは一方的に殲滅されかねない。少なくともラクスは今のブルーコスモスの勢力が強い連合は、プラントを壊滅させて市民を皆殺しにするつもりだと確信している。
 これを何とかする為にラクスは武力を選択し、ウズミは言葉を選択した。どちらが正しいと言い切ることは出来ない。言葉では止められないと言う人もいる。武力では何も解決しないと反論する人もいる

 ただ1つ言えるのは、何もしないという選択は最悪だという事だろう。黙って事態を見過ごし、終わってみれば想像していた最悪の未来が訪れてしまったということもありえるからだ。
 そして2人はそれぞれの道を選び、それを実践している。それはプラントと連合の双方から非難される行為かもしれない。売国奴と罵られ、裏切り者と蔑まれる選択かもしれない。それでも2人は理想の社会建設を目指し、不退転の決意を持ってこの現実に立ち向かっている。
 問題があるとすれば、2人が自分の理想が正しいと思い込んでいる事だろう。崇高な理想を掲げる革命家や思想家は時にその理想に酔い、自分が間違っているかもしれないとは考えない傾向がある。そして崇高な理想とは暴走し、最悪の奇形児を生み出す可能性を常に孕んでいる。歴史上、多くの理想主義者が自らの理想と正義の名の下に虐殺と破壊を繰り返し、国を滅亡させてきたのだから。


 そしてウズミと別れたラクスは側近のダコスタと共にシャトルに乗り込み、プラントへの帰途に付いた。プラント友好国への表敬訪問という表向きの仕事と、連合諸国の反戦派の有力者とコンタクトを取るという裏の目的の両方を果したラクスは、自分たちの組織が次の段階へ移行する時期に来た事を認識してはいたが、その段階でひとつの問題があった。

「ダコスタさん、あなたに任せてあった件はどうなりましたか?」
「それが、かなり難航しています。バルドフェルド隊長が戦死した後、隊長に変わる人材を求めて何人かにそれとなく話を持ちかけてみましたが…………」
「誰も私達に手を貸してくれそうではなかった、という事ですか」
「はい。バルドフェルド隊長に匹敵するような人材となると、本当に限られてきますから。仮面の男ラウ・ル・クルーゼをはじめ、主だった指揮官達は皆ザラ議長派ですし」
「人材の質を落とすしかないというのですね?」
「残念ながら、そうするしかありません。まさかクルーゼ隊長やユウキ隊長に話を持ちかけるわけにもいきませんし」
「…………アスランは、どうでしょう?」
「アスラン・ザラですか? 確かにマドラス戦で指揮官としての才能を見せたようですが、彼にはまだ実績が殆どありません。頼りにするのは些か心許ないのでは?」

 ラクスたちの組織は弱小勢力である。連合に参加している小国の国軍を相手にすることさえ出来ないほどの小さな勢力である。そんな組織であるだけに冒険は出来る限り避けなくてはならない。だからダコスタは経験豊かで実績ある人材を探していたのである。そんな彼にしてみれば、アスランはパイロットとしては欲しい人材かもしれないが、指揮官としては考慮外の存在といえた。
 だが、ラクスの考えを聞いたダコスタは、その驚きをすぐに失望に変えてしまうことになる。

「彼もまたSEEDを持つ者です。それにフィリスからの報告でも、指揮官として有能だと言ってきていますから」

 SEEDという部分に、ダコスタは僅かな苛立ちを感じていた。SEEDを持つ者、それがどういう存在なのかは幾つかの学説で大雑把に説明されているが、未だにどういうものなのか明確に断言されてはいない。いや、そもそも本当にそんな人間がいるのかという疑問もある。ラクスやウズミ、マルキオやシーゲルはその存在を信じているようではあるが、自分のようにその存在に疑問を感じる人間は決して少ない数ではない。
 この理想論を前面に押し立てている事がラクス派が協力者を増やせない要因の1つでもあるのだが、この問題はラクス派の根底に関わるだけにダコスタにも手の打ちようが無く、方々を駆け回って地道に奇特な協力者を探し回る日々を続けている。

 打ち出されたシャトルの窓から見える景色が徐々に暗くなり、シャトルが成層圏を抜けて宇宙に出てきた事を知ったラクスは、少し懐かしそうな声を出した。

「宇宙に出たようですわね」
「はい、後はプラントまでそう時間は掛からないでしょう。連合軍もこの辺りまではまだ進出してきていないそうですから」
「そう願いたいですわね。このような場所で倒れるわけには行かないのですから」
「そう、ですね」

 ラクスの言葉にダコスタは些か複雑な表情で頷いた。
 ラクス派の実働面を1人で支える男、マーティン・ダコスタ。彼の苦労は留まるところを知らず、この先も更に増大していく事になる。






 インド洋を東に向けて穏やかな航海を続けるアークエンジェル。だがその艦内では今、物凄く不穏な空気が流れるようになっていた。拾ってきた女の子を見たキラ、サイ、トール、カズィの4人が若い男の子の欲望に忠実な言葉を叫んでしまった為、フレイとカガリとミリアリアが怒ってしまったのだ。まあ自業自得と言ってしまえばそれまでだが、このことが元で男の子と女の子の間にベルリンの壁も凌ぐかのような厚く高い壁が立ちはだかる事になった。
 今も艦橋では冷戦が続けられており、物凄く険悪な流れている。もっぱらCICが発生原因なのだが、巻き込まれているチャンドラはたまったものではなかった。カガリは現在非番でここには居ないのがせめてもの救いだろうか。
 そっと背後に腰掛けるサイの顔を寄せ、小声で耳打ちする。

「なあアーガイル、いい加減に何とかしろよ」
「そんな事言われても、どうにもなりませんよ。声をかけても返事が凄いですし」

 そう答えたサイは、隣に腰掛けているミリアリアに声をかけた

「あ、あのさあ、ミリィ」
「……何、アーガイル君?」

 ものすっごく冷たい視線を叩きつけてきた挙句、アーガイル君である。この一言でたちまち挫けてしまったサイはとほほ顔でチャンドラを見る。

「ね、取り付くしまも無いんです」
「……俺が悪かったよ」

 チャンドラは素直に謝った。
 でもまあ、サイはまだマシな方で、同じような対応を受けたトールに至っては露天甲板で膝を抱えてぼんやりと海を眺めている状態だ。流石に危ないのでキースが胴綱を結ばせているが、敵の攻撃を受けたらちゃんと戦えるのだろうか。
 キラはフレイとカガリからやっぱり赤の他人扱いされており、「何か用ですか、ヤマトさん?」と言われたショックで露天甲板で膝を抱える君2号と化している。
 操舵席からそんな2人を見ていたノイマンは、前に艦長に袖にされたフラガ少佐もあそこで膝を抱えていた事を思い出し、あそこには傷心男を呼び寄せる何かがあるのだろうかと少し真剣に考えてしまっていた。

 この騒動の原因となった少女はというと、今は会議室でマリューとナタル、フラガとキースから質問を受けていた。もっぱらキースとフラガが質問して少女が答えるという形になっている。
 少女と向き合うように腰掛けたキースはとりあえず形式的な質問からはじめた。

「まあ、名前と年齢、後どうしてあんな所で漂流してたのかを教えてくれるかな?」
「……名前はアーシャ・マクラレン、17歳です。漂流していた理由は、その、買出しに出た船が攻撃を受けて沈められてしまったんです」
「攻撃された? ザフトか?」
「分かりません、海中から突然攻撃されたものですから。私たちの乗っていた船はただの連絡船でしたから、あっという間に沈んでしまいました。私が助かったのは、船員の人たちが私をボートに乗せて放り出したからで……」

 そこでアーシャと名乗った少女は俯いてしまった。自分だけ生き残ってしまった事に罪悪感でも感じているのかもしれない。
 だが、この少女の話は4人に深刻な問題を提示していた。この海域には民間船にいきなり攻撃をしてくるような部隊がいるというのだ。

「まあ、戦時下ですし、単独でのこのこ海に出たのは非常識と文句を言いたいところですがね」

 キースがどうしたものやらという顔でマリューを見る。マリューにしてみれば気持ちのいい話ではないが、襲ったのがザフトか連合かで話が変わってくるから問題だ。ザフトならこの近くを潜水艦隊が行動している事になるし、連合なら問答無用で民間船に手を出したようなキチガイが居る事になる。
 マリューとキースが考え込んでしまったので、続きをフラガが聞く事にした。

「えっと、アーシャちゃんで良いのかな?」
「はい、良いですけど、何でしょうか?」
「君は一体何処に住んでるの? 通り道ならこの艦で送ってあげても良いけど?」
「え、えっと……私が住んでいる所は……」

 それを聞かれた途端、アーシャは言い難そうに口を閉ざしてしまった。それを見てナタルが瞳に露骨な不審の光を浮かべ、フラガもちょっと警戒心を持ってしまう。そしてアーシャは2人の問い詰めるような視線に屈するように渋々自分の住所を明かした。

「私は、アルビムの住人です」

 観念するように口にしたのだが、それを聞いたフラガとナタルの反応はアーシャの予想とは少々違っていた。何というか、神妙な顔付きで必死に考えているようだ。

「……アルビム?」
「そんな国がありましたか?」
「さあ、俺は聞いたこと無いんだけど」

 フラガとナタルが顔を見合わせて困り果てている。それを聞いたアーシャはというと、こちらも困った顔になっていたりする。こういう反応は想像していなかったのだろう。そんな2人に情け無さそうな声がかけられる。

「アルビムとは、東南アジアに拠点を置くコーディネイター勢力ですよ」

 キースだった。なにやら右手で顔を押さえて情け無さそうな溜息を漏らしている。

「東アジア共和国や大西洋連邦のインド洋艦隊と幾度かぶつかった事もある国家規模の組織ですよ。知らないんですか?」
「いや、全く聞いた事も無いんだが」
「すいません、私もです」

 どうやら本当に知らなかったらしい。まあキースは元ブルコスという立場から知っていたという組織なので、戦争だからコーディネイターと関わっているという立場の2人が知らないのも無理はないのかもしれない。
 だが、彼女がアルビムの人間という事は、彼女はコーディネイターだという事になる。このことが些か事態を複雑にしてしまった。この艦のクルーは何かとコーディネイターと接触する事が多いせいでコーディネイターだから敵、という短絡的な考えは持っていないが、それでもキースからアルビムは地球連合の潜在的な敵と説明されては放置も出来ないのだ。
 単なる質問は取り調べにと形を変え、アーシャはナタルの詰問を2時間にわたって受けることになる。もっとも彼女はアルビムの市民にしか過ぎないようで、知っている事もごく僅かであった。そんな組織の人間がわざわざ船で近くの街に向ったというのも、戦争の影響で医薬品等の消耗物資が密輸業者から入手出来なくなり、自分達で買い出しに行くしかなくなったからだという。まあそれはおかしな話でもないだろう。
 問題なのは、アルビムが潜水艦やMSまで保有する組織だという事だ。アルビムはザフトから奪ったり、ジャンク屋から裏取引で入手したMSで武装しており、東アジア共和国や赤道連合でさえそうそう手が出せないほどの軍事力を持っているというのだ。
 アーシャの説明とキースの補足を聞き終えた3人は困り果てた表情を向け合っていた。アルビムは確かに潜在的な敵勢力といえるが、一応表向きには民間人と言える。この少女を送り届けるのは難しい事ではないだろうが、下手をすれば近付いた途端問答無用で攻撃されかねない。そんな危険を冒してまでこの少女を助ける義理は無いのだが、じゃあこの少女はどうすれば良いのかという問題になる。

「……アークエンジェルで送りますか?」
「そうもいかんだろう。シンガポールで水と食料の補給も受けなくちゃいかんし、下手をすれば戦争だぜ」
「ですが、このまま連れて行くわけにも行きませんよ」

 3人はどうしたものかと困り果ててしまっている。そんな3人を横目にキースはアーシャに問い掛けた。

「ところで、イタラさんはまだ元気かい?」
「イタラ様ですか? まだお元気ですが、どうしてそんな事を?」
「昔に何度か話した事があってね。久しぶりに顔を思い出したんで、ちょっと気になったのさ」

 少女の疑問に答えたキースは困っている3人に声をかけた。

「なら、シンガポールに着いた所で彼女に船を1隻都合してやるか、アルビムに連絡して迎えに来させりゃいいんでは?」
「ですが、もし迎えに来れないと言ったらどうします?」
「どうしても駄目なら俺がスカイグラスパーで運んでやるよ。滑走路が無いならキラかフレイのMSで運んでやればいいさ」

 ナタルの質問に簡単に答えたキースは、俺の意見は出したという感じで黙ってしまう。フラガはキースの案に同意したようで小さく頷いたし、ナタルは考え込んでしまった。こうなると決めるのはマリューになるのだが、マリューは中々決断できなかった。そして決断を躊躇うようにアーシャのほうを見る。

「アーシャさんは、シンガポールに行くのは構わないかしら?」
「あ、あんまり行きたくは無いんですけど、私には選択権は無いですから。それに、シンガポールなら必要な物も揃えられますし」

 どうやら立場は分かっているようだ。それを聞いたマリューは仕方無さそうにキースの案を受け入れる事にした。ここから彼女を送るという手もあるのだが、相手が相手なのでいきなり行くのは避けたい。



 

 だが、シンガポールに向ったアークエンジェルは、そこでいきなりとんでもない通信を受けとる事になった。通信席で暇そうにしていたカズィが何処からか届いた電波を拾ったのだが、その内容に首を捻っていたのだ。

「あれ、なんだろこれ?」
「どうした?」

 背後に居たパルが振り返ってカズィを見る。カズィもパルを振り返って困惑した声を上げた。

「それが、さっきから変な通信が入ってるんですよ。どこかの無線機の電波だと思うんですが、良く聞き取れなくて」
「ちょっと音を大きくしてみろ」

 パルに言われてカズィは音を大きくした。すると艦橋内に大きな雑音が響き渡り、突然のことに他の者達が迷惑そうに2人の方を見上げる。艦長席のマリューも驚いて上を見上げた。

「ちょっと、どうしたのよ?」
「何か通信が入ってるんです。良く聞き取れないものですから」
「通信?」

 眉を潜めてマリューもその雑音に聞き入ると、確かに人間の声らしきものが混じっていた。それも、大半が悲鳴のようだ。

「何これ、どこかの戦闘の交信?」
「でしょうね。それも負けているようです」

 CICに居たナタルが辛そうに顔を顰める。聞き取れる通信には助けを求める声や悲鳴、罵声が散りばめられている。恐らく地上の歩兵部隊がザフトと交戦しているのだろうが、これではもう全滅も間近ではないのだろうか。
 誰もがそう思っていると、いきなり叩き壊すような音が響き渡り、それと同時にただの空電の音だけが聞こえるようになってしまった。どうやら通信機が壊されてしまったらしい。

「………………」
「全滅、でしょうね」

 絶句したまま硬直しているマリューに変わってナタルが恐怖を交えた声を漏らす。他の者達も唖然として言葉をなくしており、シンガポールはどうなっているのかという不安がたちまち胸中を支配してくる。

「バ、バスカーク一等兵、シンガポールと連絡は付けられるかしら? 補給が受けられるかどうかも聞いてみて頂戴」
「ちょっと待ってください、やってみます」

 カズィが慌てふためいて通信機を操作しだした。ニュートロンジャマーのせいで長距離通信は使い難くなっているが、カズィは苦労の末に何とかシンガポール基地の管制との回線を開く事に成功したが、そこからも緊迫した声が飛び出してきた。

「こちらシンガポール基地だ!」
「こちらは宇宙軍第8艦隊所属、アークエンジェルです。今からそちらに……」
「ア、 アークエンジェルか!?」

 カズィが補給の申請をしようとするよりも早く向こうの管制官が歓喜の声を上げてきた。それに艦橋にいる全員が面食らってしまったが、向こうはそんな事は気にしていないようだった。

「頼む、近くにいるならすぐに来てくれ。こちらは今、ザフトの攻撃を受けて応戦中なんだ!」
「攻撃? 敵の規模は?」
「MSが10機ほどに、戦闘機がやはり10機くらいか。海上からミサイル攻撃も受けている!」
「その程度の敵に押されているんですか?」

 マリューが意外そうな声を上げたが、それはマリューの方が感覚が狂っていると言える。アークエンジェルにしてみればその程度の部隊は鎧袖一触かもしれないが、戦車主体の部隊にしてみればMS10機はかなりの脅威となる。撃墜スコアが20機に達するトールがヘッポコ扱いされているような非常識な部隊を率いていると、どうにもその辺の常識が失われるらしい。
 とにかくシンガポールが落ちると補給が受けられなくなるので、マリューは援軍を出す事にした。アークエンジェルを増速させると共に足の速いスカイグラスパー2機を発進させる。キラのストライクとフレイの105ダガーも出せるのだが、これまで出すとアークエンジェルの守りが薄くなりすぎるので待機させている。




 スカイグラスパーは以外と早くシンガポール上空に来る事が出来た。シンガポール上空には幾つもの黒煙が立ち上っており、地上をゾノやグーンが暴れまわっている。見慣れたヴァデッド戦車が迎撃に出ているのだが、どうにも分が悪いようで湾口の岸壁辺りで何台かスクラップにされている。
 それを見下ろしたフラガは顔を顰めたが、そんな感傷に浸っていられる時間は短かった。スカイグラスパーの接近を察知した2機のディンと4機のインフェストスが向ってきたからだ。フラガは火器の安全装置を外すと、雄たけびを上げてこれに挑んでいった。
 その一方で、キースはフラガよりかなり上空にあって下を見下ろしていた。フラガは相変わらずふざけた技量を見せ付けており、あれだけの戦力差で1機のディンをアグニで仕留めている。

「さっすがフラガ少佐、回るのが上手いねえ」

 格闘戦が苦手な自分では到底出来ない芸当だ。自分はただこんなふうに上下を繰り返す一撃離脱しか能が無い。だから時々あんなふうに動けるフラガに嫉妬する事もある。

「まあ、能が無いから一点特化したんだし、仕方ないんだけどな」

 これしか芸が無いから、ひたすらこれを磨き続けた。それは結果として成功したようで、激戦の中を今日まで生き抜いてこれた。何度も撃ち落されてきたが、何度も脱出して次の機体に乗り続けてこれた。そして今ではシップエースとして名声も得ている。思えば数奇な人生だ。
 目を閉じて大きく息を吸い込み、それを吐き出すとキースは1機のインフェストスに狙いをつけて機体を急降下させた。この驚異的な対G能力が与えてくれる加速こそが自分の唯一にして最強の武器であり、誰にも負けないと自負している切り札である。
 そして高高度からふざけた角度で落ちてきたスカイグラスパーに狙われているインフェストスのパイロットはようやく気が付いたらしい。キャノピー中でパイロットがこちらを見上げているのが見える。それが若いのか年寄りなのか、男なのか女なのかはヘルメットのせいで分からないが、キースは迷う事無くバルカンのトリガーを押し込んだ。機首に装備された4丁の20mmバルカンが火線を叩き込み、インフェストスのキャノピーを一撃で砕き真っ赤に染め上げ、その直後に機体が粉々に砕かれてしまう。20mmバルカン砲は近接空戦用火器としては致命的な代物である。
 キースは急降下の勢いを殺さぬままに地上を目指し、目に付いたゾノめがけてミサイルを4発放って急上昇をかけた。適当に撃ったミサイルなので当然当たる訳は無いのだが、そのゾノの足を止める事は出来た。足を止めたゾノは怒ったように上空に駆け上がっていくスカイグラスパーを見上げたが、既に手を出すのは不可能な高度まで駆け上がってしまっているのでどうしようもない。

 2機のスカイグラスパーの加入で制空権は半ば連合側が握る事になった。ディンもインフェストスもフラガとキースの敵ではなく、返り討ちにあって1機、また1機と撃ち落されていく。
 だが地上の戦いはこうはいかない。フラガのランチャーパック装備グラスパーでは火力がありすぎて都市部では逆に役立たずになってしまう。下手に撃てばMSの代わりにビルや倉庫の1ブロックも吹き飛ばしかねないからだ。一方キースの量産型はエールパックに準拠した装備を持っているので地上掃射も可能だが、やはりビーム砲や大口径キャノンで都市部を掃射するのは不味い。
 こういう壊してはいけない物の破壊を避けるために戦車やMSといった、戦う相手を選べる兵器が存在するのである。いくら戦闘に勝利できても、手にした戦果が荒れ果てた荒野では何の意味も無いのだ。航空機ではどうしても攻撃精度を絞るにも限界があるので、1度の攻撃で広範囲を吹き飛ばしてしまう。
 そして最終的に軍事拠点や都市部を制圧するのは歩兵の仕事である。戦車やMSといえども最後には主役を歩兵に譲らなくてはならない。宇宙要塞の攻略なども最後は歩兵による突撃が行われるのだ。

 このシンガポール襲撃部隊には歩兵部隊はいないようなので、目的は占領ではなく破壊だという事が分かる。守備隊に大きな損害を与え、後に地上部隊が突入してくるつもりなのだろう。
 フラガとキースは地上部隊の援護のためにアークエンジェルが早く着てくれる事を望んでいたが、それは以外と早く叶った。全速で駆けつけてきたアークエンジェルがようやくストライクと105ダガーを出してくれたのだ。
 湾口部に降りた105ダガーが1機のゾノめがけてビームライフルを撃ったが、初弾は空しく外れてしまった。それに少し遅れてキラのストライクも着地したが、フレイはキラを待たずに前に出ようとしている。それを見てキラは慌ててフレイに声をかけた。

「フレイは僕の後ろに。ダガーは装甲が脆いんだから!」
「嫌よ、誰がキラの後ろになんか居るもんですか!」

 どうやらまだフレイは怒っているらしい。そういえば格納庫でもまともに視線も合わせてもらえず、作戦の打ち合わせも出来なかった事を思い出してしまい、キラは情けない顔で肩を落としてしまった。

「そりゃ、あの娘を見て喜んだのは悪いと思うけどさ。でもそんなに怒る事ないじゃないか……」

 ブツブツと自己弁護を始めるキラ。だが、その間にフレイはどんどん前に行ってしまったので、キラは湾口部にぽつんと取り残される事になってしまった。敵のMSはフレイに追い立てられて逃げ出しているようで、周囲にその姿は無い。代わりに連合の地上要員と思われる兵士達がぽつぽつと周囲に現れていた。
 これなら自分の出番は無いかもしれないと考えたキラだったが、やはり心配なので後詰に付いていこうとストライクを歩かせた。その時、いきなりコクピットに警報が響き渡った。

「敵、右から!?」

 側方監視モニターを見れば、海から1機のゾノが立ち上がってきている。油断していたキラは咄嗟にそのゾノに反応する事が出来ず、一瞬の隙が出来てしまう。その間隙を突いて距離を詰めてきたゾノの右腕が横薙ぎに振るわれ、その歪な巨腕がまともにストライクの頭部を捉えた。
 ストライクの装甲はフェイズシフトだけあって確かに強靭だったが、駆動部にはそこまでの強度は無い。ストライクの頭部はゾノの腕が直撃した衝撃に持ちこたえる事が出来ず、一撃でもぎ取られてしまった。
 その衝撃でキラのストライクは横転してしまい、上半身を倉庫に突っ込ませてしまった。それで勝てると考えたのか、ゾノは地上に上がってきて更にストライクに蹴りを入れて岸壁を転がした。
 キラはその衝撃に危うく目を回すところだったのだが、その強靭な肉体はかろうじて意識を保たせた。朦朧とする頭を振って意識をはっきりとさせ、カメラをサブに切り替えて機体を起こそうとしたが、機体の状況を確かめようとモニターに視線を走らせた時、そこに映っているものを見て凍り付いてしまった。
 サブカメラによって表示された映像は些か不鮮明であったものの、そこに映っているものを判別する事はできたからだ。キラを凍りつかせたのは、カメラに移されたストライクの下半身のあちこちに付いている、赤い絵の具をぶちまけたような箇所だ。それが何であるのか、わざわざ考え込む必要もあるまい。アストライクの近くには何人もの人間がいたのだから。

「つ、潰した、人間を、僕が……?」

 キラが故意にやったわけではないが、数十トンの金属の塊が転がったのだ。近くに居た人間は逃げる暇さえなかっただろう。自分が人間を潰したと理解してしまったキラは、その認識から来る恐怖心と嫌悪感から吐き気を催し、ヘルメットのバイザーを開けてその場で吐いてしまった。
 そして上げた視線の先に、先程のゾノが右手をこちらに向けているのが見えた。それはゾノのフォノンメーザー砲で、当たればストライクの装甲でも貫かれてしまうかもしれない。
 それを理解したキラは、顔を恐怖に引き攣らせてビームサーベルを抜き、悲鳴のような声を上げてゾノに斬りかかった。対するゾノもビームサーベルが届く前にフォノンメーザーを放ったが、それはストライクの左肩を貫いてしまい、ストライクを仕留めるには至らなかった。そしてゾノの懐に飛び込んだキラはビームサーベルをゾノに突き立て、ゾノの動きを止める事に成功した。




 ザフトのMSを撃退したアークエンジェルは所属機を回収してシンガポールに降りたものの、その状況は目を覆わんばかりの酷さであった。ついこの間まで居た平和なマドラスが、その実どれほど危ういバランスの中で平和を保っていたのかがここに来た途端に実感できてしまう。
 ここの市街地は幾度もの攻撃を受けてボロボロであり、市民は地下などに逃れてどうにか生き長らえている有様だ。ザフトのマーケット作戦によって陸の孤島となってしまったシンガポールには援軍も来ず、物資も送られてこないらしい。守備隊にはMSは1機も配備されていないようで、南下してくるザフトを戦車部隊で必死に食い止めている有様だ。
 期待していた補給は受けられそうも無く、せめて水だけでもと思っていたのだがそれも難しそうだった。シンガポール島はジョホール水道で切り離されており、水資源が極端に乏しい島となっている。水は水道管で送られてくるのだが、この浄水施設を押さえられたらシンガポールは水が枯渇して降伏を余儀なくされるのだ。

 マリューはシンガポール駐留の司令官からこれ等の事情を説明され、表情を曇らせてしまった。補給も援軍も無く、孤立した軍ほど惨めなものは無い。ヘリオポリスから地球に降りるまでのマリューは何の知識も無く、ナタルから侮蔑さえ向けられるほどに役立たずであったのだが、ここまでひたすら激戦を潜り抜けた経験のおかげでその辺りの問題は理解できるようになっている。ただ実戦で得た知識だけなので、かなり偏りがあるのは否めないのだが、元々技術士官なのでしょうがないところだろう。全体で見ればマリューは素人にしては良くやっている。

 アークエンジェルに戻ってきたマリューはこの事情を幹部に話し、ここに留まって補給を受けるのは無理だと説明した。それを聞いたナタルが困った顔でマリューに1枚の書類を渡す。それを受け取ったマリューはざっと目を通すと、眉を潜めた。

「オーブに付くまで、水が乏しくなるの?」
「残念ですが。元々ここで補給を受けられるという前提で立てた計画でしたから。ここで受けられないとなりますと、かなり厳しい事になります」
「…………不味いわね。赤道連合から買う事は出来ないの?」
「不可能とは思いませんが、入港を許可してもらえるかどうか。あそこは一応中立ですから」
「じゃあ、どこかに無いかしら?」

 マリューの問いに、ナタルは困り果ててしまった。シンガポールがこの有様では、近隣の東アジア共和国の都市は何処も大して変わらないに違いない。そうなると頼れるのは赤道連合かオーブ首長国となるのだが、どちらも中立政策を維持しているので頼り難い。こちらにはカガリが居るし、すでにオーブにカガリを送るという事は伝えてあるのでオーブの領土になら入れるかもしれないが、下手をすれば拒否されるかもしれない。
 流石のキースやフラガも自分にはどうしようもない問題であるだけにこれには答える事が出来ない。下手な事をすれば国際問題になるので、手を出したくないという事情もある。

 この悩んでいる4人に、声をかけてきた男が居た。

「なら、アルビムに貰えば良いのではないですかな?」
「……どういうことだ、ヘンリー?」

 キースが露骨に胡散臭げな視線をヘンリーに投げ掛ける。それを受けても彼は平然としており、それが更にキースを苛立たせている。どうやらキースはこの男が嫌いらしい。そもそも、何で民間人がこんな所にいるのだ。
 だが、キースの内心などどうでも良いマリューはヘンリーにどういうことかを問い掛けた。

「どういう事です?」
「アルビムの海底都市、アーモニアは半ば自給自足が可能になってる筈です。当然海水を真水に精製する機能もあるはずですから、あのアーシャちゃんを送り届ける代わりに水を貰えば良いじゃないですか」
「それって、あの娘を交渉材料に使えって事ですか?」
「一番確実でしょう?」

 子供を取引の材料にするというヘンリーの言葉にマリューは嫌そうに顔を顰めたが、ヘンリーは名案だろうと言いたげに胸を逸らせた。それを見てマリューはどうしたものかとナタルを見たが、ナタルにも名案は無いようで力なく頭を左右に振っていた。
 キースとフラガにも当然ながら代案は無く、マリューは肩を落としてヘンリーの提案を受け入れる事にした。

「分かりました、それでいきましょう」
「そうですか。じゃあ私はこれで」

 ひらひらと手を振って艦橋を出て行こうとしたヘンリーだったが、ふと足を止めてマリューのほうを振り返ってきた。

「そうそう、キラ・ヤマト少尉は何処にいるか、御存知ですかな?」
「ヤマト少尉でしたら、自室だと思いますが」
「そうですか。では、ヤマト少尉へのインタビューをしてきますよ。一応本職は従軍記者ですからね」

 そう言ってヘンリーは艦橋から出て行ってしまった。それを見送った4人はそれぞれに困惑した表情を向け合っているが、その中からキースが動き出した。

「俺も行ってきます。なんか、気になりますから」
「そうね、お願いするわ大尉」

 マリューの許可を貰ったキースは足早にヘンリーの後を追いかけていく。それを見送ったマリューはぐったりと疲れた顔をフラガに向けた。どうにもあの妙な記者が乗り込んできて以来、何かと疲れる事が増えているのだ。マドラスでは特に考え無しにOKしてしまったが、今はその事を激しく後悔している体たらくだ。

「新聞記者って、みんなああなんですかね?」
「さあなあ。俺は新聞記者と付き合ったことなんか無いから、ちょっと分からないな」

 マリューの問いに困惑した顔で答えるフラガ。それを聞いたマリューは落胆を隠そうともせずにフラガから視線を外した為、フラガは焦りまくった声で文句を言い出した。

「な、何だよ。俺が悪いわけじゃないだろ!?」
「ええ、少佐が悪いわけではないですわ」

 口ではそう言いながらも目は合わせようともしないマリュー。フラガは助けを求めて艦橋の中を見回したが、全員が自分から顔をそらせたのを見て自分が見捨てられたのを悟った。

「お前ら、そりゃ無いだろぉ?」



 なお、キラの自室にやってきたヘンリーとキースは、そこで奇妙な物体というか、ベッドの上で膝を抱えているキラを発見し、どうしたものやらと考え込む事になる。どうやら先のシンガポール戦での精神的ショックからまた落ち込んでしまったようで、中破したストライクを回収した整備班は機体にこびり付いた血と肉片を落とすのに苦労したらしい。
 何時もならこういう時はフレイやカガリがフォローしていたのだが、今だに冷戦は継続しているようで、キラはすっかり放置されていたりする。
 もっとも、最近ではクルーもこういう事態に慣れてきたようであり、昔ほどキラの情緒不安定さは艦内に影響を及ぼしてはいない。そのうち仲直りするさ、と誰もが考えるようになったのだ。

 こうして、子供達の冷戦はなお終結の道筋さえ見えないままにアークエンジェルはアルビムの都市、アーモニアを目指す事になった。




後書き

ジム改 ストライク、また壊してしまった。
カガリ フレイもミリィも怒ってるなあ。
ジム改 ラクスもやっと宇宙に戻って、世界情勢も次の段階へ。
カガリ お父様が初めて出てきたな。
ジム改 オーブもやっと前に出てきたし、これから出番も増えるだろう。
キラ  というか、僕の出番は!?
カガリ あ、準主役。
キラ  準主役って言わないでよ! 何で僕がゾノに負けるのさ!?
ジム改 まともに奇襲食らえば誰だってあんなものだよ。
キラ  うう、ガンカノの方に出てればきっと…………
カガリ あっちのが怖いと思うんだが。
ジム改 あっちにはこっちより怖い人が多いからねえ。

ハマーン このような所で朽ち果てる、己が身の不幸を呪うがいい!
シロッコ この俗物が!
シャア  まだだ、まだ殺られはせんよ!
アムロ  落としてみせる!
カミーユ お前は、生きてちゃいけない人間なんだ!
あゆ   うぐぅ、祐一君のいじわる……
ヤザン  戦争を教えてやる!

ジム改 こんな人たちがゴロゴロしてるんだぞ?
カガリ いや、1人変なのが混じってるだろ?
キラ  うちに較べると、濃い人たちが沢山だね。
カガリ ここに入ったら、キラなんて存在感ゼロになりそうだな。
ジム改 みんな個性派でキャラ立ってるからな。
キラ  う、うわああああああ!!
カガリ あ、泣きながら走って行っちゃった。
ジム改 あいつキャラ弱いからな。内心気にしてたんだろう。
カガリ では次回。キラを襲う女難の嵐と、出撃してくるジュール隊だ。
ジム改 ちょっと話の展開が早くなるから、プロット整理が大変です。
カガリ マドラスがちょっと延びたからな。


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