2011-08-02
ミ
ス
タ
|
馬
瀬
が
復
活
今日の馬瀬は昨日の
瀬にあらず−。前夜の
雨で水位が25a上がり、
アユの活性は一気に低
下。この過酷な状況で
次々とと脱落する選手
がいる中、ミスター馬瀬の小
沢聡選手が帰ってきた。前回
大会の決勝では廣岡保貴選手と小澤剛選手の息詰ま
る掛け合い。
同じ決勝の舞台に立った小沢聡選手は前半で「親
子どんぶり」をしてから失速し、一人だけ蚊帳の外。
「ミスター馬瀬」が「ミスった馬瀬」となってしま
った。「前回は悔しかった。今回はじたばたしても
いいから、頂点を狙おうと決めました」と小沢選手。
予選は3位とギリギリ通過で、準決勝も1匹差で
薄氷を踏む戦い。場荒れが激しい馬瀬で、目まぐる
しく動き回るなど、「じたばた」しながら勝ち上が
ってきた。2時間の決勝でも40分でわずか1匹。さ
らにバラシ。仲間でもある奥村選手は5匹と初優勝へ快
走を続けている。
まともな場所ではアユは掛からない。サオ抜けをどれ
だけ探すか。それは技を超越して、どこに追い気のある
アユがいるかを探す戦いでもあった。しかし暑さと渋い
コンディションが選手の体力と思考能力を奪っていく。
馬瀬にの女神が選手たちを試す瞬間だった。奥村さん
のペースが落ちた中盤に小沢聡さんは一気にトップギア
へ。勝負所となるや否や、冷静に8.5bの短竿で分流な
どのサオ抜けポイントをテンポよく攻撃。
ラスト15分から、4連発して奥村選手を一気に抜き去
り、ゴールになだれ込んだ。過酷な状況に叫ぶ
選手もいるほど、厳しい状況だった。馬瀬川。
集中力を維持したまま、クールに粘り強く掛か
るという可能性を探る−。小沢選手の言う「じ
たばた」とはこういう意味だろう。
ファンから差し出された色紙にV4と書いた
小沢選手。フーと大きく息をして、この大会を
取った重みをかみしめた。馬瀬川が過酷になれ
ばなるほど強い小沢選手。釣技を超えて、体力
と嗅覚(きゅうかく)を兼ね備えなければ、勝て
ないとも証明してくれた。これからも、勝つた
めにじたばたし続ける。
準優勝の奥村選手
遅咲き男が頂点に肉薄
巨体を揺らしながら頂点まで迫った奥村選手
だったが、残り10分で力尽きた。本誌のアユロ
ードにたびたび登場するなど、読者にはおなじ
みでギャラリーも多く、「声援や拍手が僕を後
押ししてくれた。ありがとうございます」と頭
を下げた奥村選手。
トーナメントを本格的に始めたのは5年前。
この大会では敗者復活戦1位、準決勝進出と回
を追うごとにステップアップしてきた。「いろ
いろなトーナメントがありますが、これが頂点
を決める大会。いつか表彰台に上がりたい」と
語っていた夢が現実となった。
決勝前には仲間から差し入れられたどら焼き
を平らげて夢舞台へ。開始2分、分流で1匹掛
けると、深瀬へオトリをねじ込む攻めの釣りで
良型を連発。いいオトリをたっぷり確保して、
次のエリアに向かったが一気にスローペース。
残り15分、動き回る力は残っていなかった。
狙っていたチャラ瀬用に用意していたナイロ
ン 0.125号は封印したままだった。「もう足が
フラフラでしたが、最後まで全力で戦ったので
悔いはありません」と汗をぬぐった。風は奥村
選手に吹いていたが、それをしっかり受け止め
て疾走する力が残っていなかった。課題は来年
に持ち越さ
れた。
ギャラリー
は「よく、ここまで頑張った」と拍手
で迎えた。この大会への思いの強さは
人一倍強い。遅咲き男が50歳をすぎて
トーナメントをはじめてもやれること
を実証した。
真の王者お預け
小澤剛選手は準決勝敗退
3位の高橋選手
三度目の正直
○・・・九頭竜川大会チャンピオンの高橋
選手は3度目の出場で表彰台へ。過去
2度はいずれも予選敗退で、「今回は
馬瀬の女神がいたずらして3位にして
くれました」と満足そう。来年の出場
権を獲得し、「また楽しみが増えまし
た。東日本大震災で被災された方もい
るのに、私はこの夏も友釣りができて
幸せです」と喜びをかみしめていた。
○・・・本誌を手に熱戦を見守るファ
ンは回を追うごとに増えている。可
児市の浅井吉夫(75)は富山・神通川
の釣行後に立ち寄って観戦。「前回
覇者の廣岡選手の泳がせを勉強したくて来まし
た。サオさ(69)は「小沢兄弟の釣りが間近にに
見られて満足です」と話していた。耳のご不自
由な方も手話を交えて、ギャラリーに熱戦の様
子を訪ねていた。
【寄贈】選手が釣り上げたアユの一部は、下呂市の「知
的障がい者厚生施設・益田山ゆり園」に寄贈された。
中スポ杯@一年中フィッシング