Ermolaev (Yermoleyev)
(エルモレイエフ or イエルモライエフ)

長距離爆撃機 Er-2 (Yer-2)



Amodel 1/72

 



2015.06.26



 良く「簡易インジェクション」と言われますが、簡易金型というのは試作型で、
大量成形を基本にしていません。 2,3個とか十数個くらいを具象化して、実物
を使った勘合のテストや形状確認に使うのが主な目的です。
 原型を機械加工で作らずに手作業ですると、金型に金属を使っても製品の
タッチは柔らかな印象を持ち、「簡易」風となります。
 タミヤのフィギアも少し前はこの方式で作っていました。最新の方式は生身の
人間を3次元で光りトレースし、そのデーターを使ってレーザー加工機で金属を
加工しているそうです。
 Amodelの製品も量産されているので、「簡易」金型ではありません。
プラヤ木で原型を作る→シリコン反転→耐熱樹脂(石膏等)装填→これを原型に
金属を流し込んで型を取る。・・・こうして金型が作られていると思います。
 MPMの製品は原型のエッジなどがしっかり作られているので普通のインジェ
クションと違和感は少ないですが、Amodelの製品は原型の状態が「ダル」なので、
「簡易」の印象を強く受けます。

 胴体内部には爆弾架の部品がありましたが、出来が悪くオミットしました。爆弾
倉の隔壁は「実機」ぽかったですが、素通しで、ゴミや吹きつけ時に塗料がキャノ
ピーの内側に付く事故を減らす為に赤丸示した隔壁を新たに設けました。






 明かり取りの窓はキットのパーツに多くの傷があったので、
0.5mmプラ板を熱湯で曲げた物に代えました。 
 補強として,内側に黒色の伸ばしランナーを貼ります。

 






ラジエターが余りにも浅い、前面に張り出しすぎている印象です。 




 開口部の位置ももう少し下げた方が写真に近いので、右のような工作をしました。
 開口部の上のラインが翼前縁の最前部に近い位置と思います。







左右の壁を作り、ラジエター前面部を貼り付けて箱状にしました。 





エルロンは上面は一応ハフの波形をしていますが、下面は「ケガキ線」だけです。 






 彫刻刀で波状に削り込みましたが、キットの材質が、ABSの様に粘って柔らかいので、 
エッジをきちっと出すのに少し苦労します。
 原型をプラなどで作る長所は「ハフ張り表現」の箇所に尽きます。ここを押さえていない
Amodelの製品は落第で、MPMの製品はマニアの好みを良く分かっています。


2015.06.26


2015.07.01


 計器盤はメーター部が凹んだ物が入っていましたが、デカールが馴染むか分からなかったので、
プラ板にデカールを貼って、それを使いました。 1/72ではメーターはデカールで十分と思いますし、
メーター内部の細かな目盛りもキャノピー越しにはほとんど見えない場合が多いでしょう。






垂直尾翼のヒンジが省略されていたので再現しました。 






 隔壁が微妙に干渉して合わせ目に微かな隙間が出来るので、クリップと
バイスで無理矢理圧着しました。  





 慎重にすり合わせをしたつもりでしたが、隙間が出来ました。
ここは伸ばしランナーを貼り付けます。
 パテには両面を接着する効果が無いので、プラを充填して
クレオスの流し込みタイプを使うと、貫通材などを使って補強
しなくても十分強度が得られます。 





素材が白く、精度が甘いので、バキュームモデルを作っている気分です。 


2015.07.01


2015.07.05


 

水平尾翼を接着したら,胴体後半が捻れている事が分かりました。
平面形も変で、胴体中心線と尾翼の基準線が直交していません。
対策として、尾翼接着後に胴体を切断して修正しました。水平面での
歪みを修正したので、左画像ではそのまま接着しましたが、右画像では
隙間が出来たので、ランナーを接着剤で練り込みました。







同質のランナーを使って修正しているので、強度的には問題ありません。
削ると接着剤の揮発した小さな穴が目立つので、パテやサフでのケアが必要です。 







 今までの接着剤ではこう言った双尾翼の場合、垂直ー水平尾翼間の接着面積が少ないので、
非常に破損しやすいのが悩みでした。
 クレオスの流し込みタイプと伸ばしランナーを使って少し補強すると随分強くなります。 





背中の旋回砲塔開口部を修正しています。
同質のプラで修正しているので、エッジが欠ける危険も少なくなります。 




操縦席は計器盤以外に進展していません。 





広かった隙間も伸ばしランナーを使った修正でほとんど見えなくなりました。
完全に見えなくなるとパネルラインがどこだか分からなくなる弊害(?)が生まれます。
主翼付け根は力が掛かる箇所なので、同じ材質のランナーを使いましたが、掛かる力が
少ない箇所は他のキットの色違いのランナーを使います。 





この角度から見ると意外に魅力的な形をしています。
箱絵を見てダサく感じたのはキャノピーのセイでしょうか?
B-29とかHe111タイプのキャノピーを付ければなかなか
かっこいい飛行になりそうです。 



2015.07.05


2015.07.08



 旋回砲塔の外形状は何とか我慢できましたが、実機のフレームが偏っているので、キット
のパーティングラインがフレームからは外れ 透明部位に掛かっています。
 フレーム自体も写真では良く分かりませんが、イラストとは異なっていたので、塩ビ
を絞りました。フレーム部分に細切りマスキングテープを貼り、マスキングゾルを塗りました。
この後、テープに沿ってカッターを入れてからテープを除去してマスキングを処理の完成。





シートはバリが多く、材質の粘りが強いので、整形に手間取りました。
内部色はライトグレーの説が一番ですが、内部はそれより暗めにした方が、
1/72みたいな小スケールではしっくりいく感じがします。 





力業でキャノピーを付けます。
洗濯ばさみの先端にはゴムを貼って滑りにくくしています。
ハサミの材質がポリエチレンですからゴム糊を使っても剥がれやすいのが悩みです。 



2015.07.08


2015.07.22



写真などを見るとフレームが間違っている様なので修正しました。
細切りテープをガイドにマスキングテープを切ります。 






先端の透明部品を仮止めして、準備が終了しました。
次に、サフを吹く予定です。修正の少ない作品ではパネルラインが浅くなるので
極力サフを吹く事を避けています。 今回は色んな所でプラ材を貼り付けて修正
したので、念のためにサフを吹きます。キットの材質が白なので表面の状態を
確認しにくいから、そう言った意味でもサフは避けられませんでした。
全面にサフを吹くと、手を加えた箇所が分からなくなります。分からなくする為に
する作業ですから当たり前ですが、他人様の作品では是非,サフの前を見て見たい
ですね。



2015.07.22


2015.08.08


説明書で指示されたハンブロール119番ライトアース はクレオスでは310番に相当するらしいです。
箱絵ではもう少し黄色を帯びた色のイメージです。他のサイトで調べたソ連の迷彩色ではクレオス
のダークアースに近い色でした。ソ連の迷彩色については確固たるイメージを持っていないので、
サイトの情報を基準に色を選定しました。指示されたダークグリーン30はクレオスの23番グリーンに
当たりますが、ダークグリーンと呼ぶには少し明るすぎる印象なのでサイトに準じて309番を使いました。





ドイツ軍のスプリンター迷彩に似た直線的な色分割です。
境界部のボカし幅はイギリス機の様にほとんど無いので、マスキングテープの縁に糸を挟んで
塗料の段差を無くする様にしました。 









不思議なデカールです!
割と薄く、デカール軟化剤でフニャフニャになるのですが、乾くとパンッ!と張った状態になってしまいます。
普通なら軟化したら乾く過程で溝に吸い込まれる様に密着するのですが、元の張った状態に戻ってしまう。
仕方が無いので、尖らした爪楊枝で押さえたら破れてしまいました。下地の白を塗った後、赤で補修します。 






綺麗に塗り上がりましたが、オモチャぽいので、このままでは終われません。 






1945年 328AR所属

箱絵の塗装で塗りました。 




タミヤのウェザリングマスターで少し変化を付けました。
その後、筋状にフラットクリアーを掛けています。 





排気管が珍しい。
穴を開けようと思いましたが、夜間爆撃機なので消炎構造になっているかもと考え、
情報も無いのでキットのままとしました。 








 

爆撃機の面倒な点は、胴体・明かり取りの窓と旋回砲塔です。
キットの銃座は不適格な分割がされていたので、塩ビで絞りました。
もう少し丸みを再現できたなら最高ですが、諦めの範囲には収まりました。
機銃が少し大き過ぎる気もしますが、 スルーします。
頂上の二枚の羽は旋回時に銃身の空気抵抗を減らす為のカウンターウェートと思います。





主翼と水平尾翼の後縁は随分厚くて処理に手こずりました。 





変な形の見慣れない機種です。 






 

下面色の黒はカウリングブラックを使い、パネルラインを少し明るく塗って,墨は黒を流しました。
暗い塗装の時は墨に薄茶色などを使ってきましたが、今回、ライン付近を明るくし,墨を暗くする事を試しました。