グラマン F7F タイガーキャット





F7F-3 モノグラム 1/72


参考資料


   

Naval Figherシリーズをアマゾンで見つけて購入を考えたが、もう一度作る
事も無いと思いボタンを押すのを止まりました。
資料の中の図面が少し弱いが、名人「ペガサス」さんが 深い考証をして作図
されているので、全面的に頼るつもりです。普通のイラストレーターが描く三面
図は各独立して描かれているので、それを参考に立体化するとつじつまが会
わない箇所が出ます。その点、モデラーの「ペガサス」さんの図面は信頼が出
来ます。
キットを「ペガサス」図に完全に会わせるのでは無くて、私的に気にならない箇
所はキットのラインままで済ませるつもりです。元々、凸ラインのままで素組み
するつもりで作り始めていたので、修正も適度に止めるつもりです。
完成度の高い作品は「ペガサス」作品をご期待下さい。


 

胴体も主翼も接着をしていました。翼の後縁は昔のキットの常で、厚いので、
今なら内側の接着面を削り、可能な限り薄くします。
仕方が無いので、彫刻部分を削り、ハフの波表現は掘り直します。 





カウリング先端エッジが尖りすぎの印象有ったので、プラを貼って丸みを持たせるつもりです。
緩やかなカーブがあって材質も柔らかかったので、前作・エアーフィックスのF4Fの余った主翼上面
を切って貼りました。 





ペーパーを当てて、形を整えてもイメージの形と少し違います。
どうも、開口部が大き過ぎるみたいでした。 ペガサス図で試すと、1mm程径が大きいと結論しました。
開口部の内側に0.5mmプラ板を貼って修正しました。タミヤのプラ板は硬いので、熱湯の中で丸み
を付けて使いました。調整してサフを塗ったのが一番右のモノです。左はQB(クイックブースト)の
セットに入っていたカウリングです。折角入れるならちゃんと研究をして欲しいモノです。





横から見ると右が一番丸みがあります。 




2016.06.30


2016.07.07



プラグコードを束ねた太いチューブは市販のプラ棒の0.5mmを使いました。
材質が柔らかいので、適当な円柱、今回は太めの筆に巻き付け、「クセ」を
付けるために熱湯を掛けて形を整えました。 







プラグコードは運良く在庫していた0.2mmのハンダ線を使いました。
曲げ易いのは誠に都合良いですが、強くつまむとペチャンコになるの
で少し注意が必要です。
本来は後ろのシリンダーにもコードが伸びていますが、五月蠅くなるので、
省略して前のシンダーだけにしました。 






プッシュロッドも市販の0.4mmプラ棒を使いました。
一本の棒でも端と端では太さが若干異なります。当然、袋の中ではバラツキが多いです。
もっと規格された日本製が有ると大変便利でしょうが、残念ながら無いみたいです。
伸ばしランナーの方が太さを均一化出来たかも知れませんが、手間を惜しみました。 





片方のカウリングの修正は鰹の削り節状態にしたプラを溶かしながら盛りました。
内側は前回と同じです。 





翼上面のオイルクーラーフラップ(?)はin Actionの図面とほぼ同じ大きさですが、
「ペガサス図」はかなり細めに描かれています。確認できる都合の良い写真は見つけ
られませんでしたが、「ペガサス図」より幅広く感じる写真が有ったので、その線で
行きます。また、「ペガサス図」と同じくらい細めに感じる写真も存在します。 
もしかするとオイルクーラーの容量が異なっていてフラップ開口部に差が有るかも知れ
ません。・・・推測ですが。







金型の抜け関係で、斜めになっている箇所が有るので、修正しました。
 







本キットは多くの凸パネルラインが有ります。最初はその凸ラインを生かした工作をするつもり
でしたが、凹ラインに彫り直す事に心変わりをしました。
丁寧に工作をされる方は凸部を削ぎ落とし、定規やテンプレートを作って作業をされると思います。 
横着な私は凸部は微かに確認できるくらいに残し、デザインナイフを加工したモノで、フリーハンドで、
彫りました。
赤い線で示した様に先端の角度を少し鈍角化して、ピンク部も微かな平面部が出来る様に削ります。
ピンク部の平面部がないと刃物はプラに食い込むだけで、細いラインを彫る事が出来ません。
押してする作業は意外に直進性が良いです。定規を使った場合より多少蛇行するのは目をつぶって下さい。
胴体などの三次面では慣れると、定規を使う時より綺麗なラインを簡単に彫れます。






2016.07.07


2016.07.17


前脚のタイヤ部扉の幅が狭い様なので倍に広げました。
シート状のプラを使うと溶剤の逃げ道がなく、揮発、硬化に時間が掛かる
ので、伸ばしランナーを使って修正しました。




オイルクーラーフラップは白い部分だけ幅を狭めました。 






主翼上面のカウルに関係するパネルラインの幅が左右の翼で違っていました。
「ペガサス図」を参考に左を正解として、彫ってしまった右翼のラインは伸ばし
ランナー で埋めて修正しました。




尾翼もペガサス図を参考にパネルを彫り直しました。
パネルの彫り直しが大体終わったので、翼を胴体に接着しました。
カウリングを翼に付けた後に、翼と胴体の接合をした方が多分良いと思いますが、
早く形にしたい 欲望に負けて先走りました。こうしないと、浮気虫が動き出して、モ
チベーションを維持できなくなりそうで自分自身をなだめるために選んだ作業手順
です。
脚はカウリング内部の取り付けホゾを加工して、後付け出来る様にしました。






2016.07.17


2016.07.25


主翼根元の20mm機銃の薬莢排出口は位置が違っていたので修正しました。 






 

左画像のオリジナルの脚は設計が古いだけ有って、至ってシンプルです。
トルクリンクも三角の板で表現されていました。
雑誌では脚の構造が分かりませんでしたが、サイトの画像で相当詳しく分かります。
実機では板状の部分もオリジナルキットでは棒状でした。切り取ってプラ板に替えると
位置関係が狂うので、丸棒部を削って面の部分を作り、角棒を貼り付けて板状に近づ
けました。




カウリング内側の脚取り付け位置には矢印の切り込みを入れて
脚パーツを最後につけれる工夫をしています。 





 

前脚も胴体接着時に挟み込む構造していますが、基部だけ切り離し、胴体に付けて
脚本体は後付け出来る様に加工しています。
接着時の強度を高めるために脚柱に金属ピンの入る穴を開けています。 




前脚扉のパーツを紛失したので、F4Fの主翼パーツから削り出しました。
前脚は昔のキットにしては良く出来ています。流石はモノグラムです。 







脚を調べているとカウルの中が分かったので、少し追加工作しました。
横壁にも構造材が有りましたがそこは省略していくつもりです。 




2016.07.25


2016.07.31


 

カウリングを付け、主脚を付けたところ、危惧していたとおりヘビーテールでした。
先端のパネルラインで機首を切断して内部を見ると鉛玉と瞬間接着剤が現れました。
少しでも密度を上げるために、先端部の内側を可能な限り削り、鉛の形を整えて詰め
込み ました。
少しは改善されましたが、まだ尻餅をつくので、前脚の収納スペースに鉛を追加しました。





ノコギリで減った長さを補うために0.2mmのプラ板を追加しました。 





 

ロケットランチャーは2列のMk.2から1列のMk.5に変更しました。
現用機の大きなパイロンは地上面に垂直についているし、F7Fでもそれらしく見える写真が
有ったのでペガサスさんにメールを出してその件を伺ったところ、F7Fではランチャーも内翼
についている爆弾架も翼面に直角だそうです。本当に助かりました。
 





キャノピーと胴体との接合面に隙間が有ったので、プラ材で修正します。
最近のキットはコンピューターで設計、製作するので、こう言った3次元箇所の
勘合は大変良くなっています。
隙間が出来ると言ってもさすが、モノグラム、当時のレベルではトップでしょう。 





 

コックピット内部はパイロットと一体になったシートがゴロンと入っていました。
今までシートはヒートプレスで作ってきましたが、今回は0.3mmと0.5mmのプラ板を使って
作りました。本にもサイトにもシート自体の写真は有りませんでした。これはシート自体が
余りにも当たり前の形をしていて特に記録に残す必要が無かったからでしょう。
F6Fのシートが分かったので参考に作りました。「当たらずしも遠からず」と思います。
現在飛べる大戦機のシートはクッションが置かれていてシート自体の形やシートベルトが
良く分かりません。 






 

翼端灯は色電球タイプです。柔らかく加工しやすいので、私は透明ランナーを使いますが、
このキットの翼端は実機より随分厚く、手持ちのランナーでは間に合いませんでした。
透明度は良いが硬くて加工しにくいアクリル棒を仕方なく使いました。 





計器盤は0.2mmのプラ板に貼って、それを切り取って使います。
糊がダメになっていると思い、糊が入っているデカール軟化剤を使ったら強すぎて
ヘネヘナになってしまいました。時間が経って乾いたら少しは良くなりました。 






2016.07.31


2016.08.07


エンジンはギアハウジングを13番ミディアムグレーで、シリンダー部は銀に墨入れをしました。
プラグコードは真鍮らしいパイプが被されているので、金に塗りました。 





 

カウリングに何か分からない突起が上に4、左右に4有ります。
排気管らしい事に気付き、作り直す事にしました。 





 

本来は下に6本の排気管が付くはずですが、型抜けの関係から省略さています。
凹みもないので、彫ります。 




上に4本、0.9mmのプラ棒に穴を開けて付けます。少し深く掘るだけで、
パイプ状にする必要はないと思います。
金属パイプよりプラ棒の方が接着がキレイに仕上がります。 




下の6本は上、横の排気管に比べて間隔が狭すぎるので、どちらか間違っているはずですが、
惚けます。
カウルフラップが閉じた状態でも排気管の一部が露出する機種も有りますが、F7Fは排気管
開口部が奥まっているので、フラップの閉じた状態では1/72なので、排気管を省略しても良い
かも知れません。 






2016.08.07


2016.08.18

 

パネルラインの彫り直しや修正、パテ盛りをした箇所が有ったので、全面にサフを吹き
ました。ペーパーとスポンジやすりを使って平面にした後、艶のあるシーブルーを吹き
ました。艶有り塗装、特に銀塗装では表面の状態を意図した以上に制作している者に
対して訴えかけます。普段はしないサフを吹きましたが、キットの表面には内側の状態
を反映して各所に凹みがありました。 シーブルーを厚塗りした後、ペーパーを掛けまし
たが、塗料では傷や凹みを修正できず、部分的にサフを厚吹きし、それでも対処出来ない
所はパテまで動員しました。





仕上げにセラミックコンパウンドを使いましたが、度を超した艶を付けるとミニカー
やオモチャっぽくなるので、半艶消しより少し艶有り程度に抑えました。 





 

カウリングサイドの識別番号はデカールを下敷きにテープを切ってスプレー塗装する
予定でしたが、文字がバラバラになった事と、大きさが少し大きめだったので、手書き
に変更しました。
実機も刷毛でフリーハンドで描いている様子なので、マスキング方式だと文字がキレイ
過ぎて実感が幻滅してしまいます。
テープで全体の大きさを決めた後、鉛筆で下書きして面相筆で書きました。塗装が艶有り
だったので、鉛筆の跡が分かりづらく困りました。 







 

文字から察するに、デカール全体にオーバースケールの感じがします。
写真を参考にキットにテープを貼って国籍マークの大きさを推定します。
実際の国籍マークは大きさが決められていますが、キットが実機通り作
られていない場合が多く、マークだけ規格物と同じにすると出来上がりが
不自然に感じる、そんな事例が多々あります。
実際のマークとは異なってしまいますが、キットに会わせてマークの大きさを
変えた方が自然に見えます。
キットのデカールと大きさを変えたので、デカールを下敷きに使えません。
少し面倒でしたが、Rolandのステカを出して、切り出しました。
エッジが曲がったりしますが、ワンボタンで無数に複製を画出来るので手で
切り抜く事を考えると随分楽です。





2016.08.18


2016.08.23


 

普通の翼端と思って工作をしてきましたが、改めて写真を見ると462号機はF7F-3の後期型みたいで、
翼端の前角が少し下に向かって削がれているタイプでした。翼端には電球を再現したので、実機くらいに
削り込むと電球が出てしまうので、少しだけ削ってお茶を濁しました。
左が修正前。右画面は写真を撮る方向を変えたので、削った位置が分かりづらいですが、翼下から撮って
います。 






スプレー塗装で塗料がどこからか回り込んで、風防の内側を汚しました。
赤丸の中に少し白く写っている部分です。
こんな事もあるかと思い、風防の接着はリキテックスのマットメデュウムを
使いました。はみ出した箇所が艶消しになる木工ボンドと思って下されば、
近い感じです。ナイフを差し込んでパーツを剥がして掃除しました。 





1945年 6月 Long Island、NY上空にて 
 製造番号:80462、キットのデカールは不鮮明で、ルーペを使って見たら
80365と読めたので、間違って作ってしまいました。




 

前縁の空気取り入れ口とクーラーフラップの上には「NO STEP」の白い注意書きがあります。
取り入れ口上は後ろから前を見た状態で、フラップの上は前から後ろを見た時、正しく読める
方向で描かれています。
他にも注意書きがありましたが、デカールが不鮮明で分からないので省略しました。 





着陸灯はアルミホイールを貼ってから紫外線硬化の瞬間接着剤を充填しました。 





地上3点姿勢は少しお尻が下がった姿勢です。
この姿勢が原因で機首の錘が足りずに尻餅をついてしまいました。
対策として、前脚の収納スペースに艶消し黒に塗った鉛を追加しました。 





錘を追加したので、脚に掛かる負担が増え、日常の保管には段ボールの保護台を作りました。 






米海軍リスト
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