タンク

Ta152C-0


ドラゴン




 
参考資料


 

ウェリントンとかFw190Dのキットを再開した流れでドラゴンのTa152C-0を再開するこ
とにしました。 作業が止まった原因は何だったか思い出すと、主翼の上面形状だった
記憶があります。Fw190DがFw190Aのエンジンを替えて尾部を延長したイメージでTa
152-Cを見ると、大きくなった車輪部の前縁が主翼の後退度を強く印象づけて違和感
を持ったからと思います。
改めて、図面と合わせるとそれ程間違っている訳では無いみたいです。
MA誌(モデルアート増刊号)に載っているTa152-Cの図面は1/48だけなので1/72
に近いMo誌(モノグラム・クローズアップ)の図面を中心に制作を続けていこうと思います。




金型の抜けの関係から点線にあるべきカウルフラップの彫刻線がありません。 



 

下面の線は機首から尾部にかけて緩やかな曲線で続いています。しかし、キットは
機首から翼に掛かるあたりに凹みのある部分が見つかりました。ポリパテで修正す
るのが手っ取り早いですが、パネルラインを入れる時、薄く盛った部分が剥離したトラ
ウマがあるので、ランナーを薄くしたモノを貼り付けました。いつもはキットのランナーを
使い同じ材質になる様に心がけますが、このドラゴンキットのプラ材質がモロく、ライン
を引く時にミジミジになる印象があったので、柔らかく粘りの強いエアーフィックスのラン
ナーを使いました。

この隙間、原因の一つはカウリングが円筒状に近く、バケツの様に直径が前部に従って
絞られていく感じが足りません。前部の直径が少し太すぎるようです。その為、機首上面
を横から見ると、キャノピーから先端に向かって直線的に下がっていく線が途中で折れて
下がり切れていません。だからカウルフラップ部分が胴体部に比べて細く感じます。

大きな原因は、翼断面形が不適切なことです。多くの大戦機は翼下面が平面に近く、上面
の方が丸みが強い印象です。しかし、キットは上面の方が平坦で、下面に強めの丸みがあ
ります。下面の強い丸みが胴体部分でポッコリした私の腹の様に膨らんでしまいました。
側面図と上下図面は多くの資料に載っていて慣れないプラモ設計者でも簡単に形状の把握
ができます。しかし、プロペラの「ひねり」と翼の断面形は写真を分析する能力と知識が無いと
実機に近い線を見いだせません。間違った翼断面形が側面図と正面図のぶつかる胴体下部
でトラブルを生むのです。



 

翼端のパネルラインが2誌で異なります。MA誌には翼の内部構造図面をトレースした物が有り、
それで見ると斜め線のMA誌の方が信憑性が高い気がしました。 




キットは190Aシリーズのパネルラインをしています。Ta152-Cは一寸
異なっている様なので、伸ばしランナーで線を消して彫り直します。 




左翼は上下でエルロンの長さが異なっていました。下面が正確な様なので、
上面の線を伸ばしランナーで消して修正ます。 




翼基部の機銃の膨らみも全長が足りない様なので、プラ端材を使って
修正しました。 




2019.07.02


2019.07.13


 

主翼付け根のMG151/20は翼の前縁から棒状のパーツを差し込む方式となっています。
アイデアは良いですが、設計に余裕(桁と上翼との隙間に注意)を相当見ているので差
し込むと機銃の向きが機体基軸(水色)と揃わずに上を向いて(赤線)しまいます。
 



前縁部の位置を変更すると 本来は中心より若干上気味のところから出ている銃身を
相当下に持って来ないと軸線と一致しません。桁部分の位置を変更するにも刃物が
届きそうにありません。苦肉の策として、前縁から内側はプラ棒を外側は金属パイプを
使うことにしました。前縁部で折れ線となりますが、それ程目立たないと思います。



垂直尾翼の黄色の丸で示している箇所が随分幅広な感じを前から持っていましたが、
それは赤線部が修正前には角張っていたのが原因でした。修正後の画像しか無いので
その差が分からないのが残念です。 



排気管を仮組みすると上手く収まりません。溝が浅いのと排気管のベースが厚いのが
原因です。それに第一排気管の前部ははフェアリングに相当隠れているので修正が
必要です。カウリングの排気管部分はエッジがダレているので伸ばしランナーを貼り付け
修正しました。クレオスの流し込みタイプが出てからこの種の作業が楽になりました。




下翼に付くモラーネ・アンテナは前作のFw190Dでは真鍮線から削り出しましたが、細い
部分がどうしても太くなりがちだったので、今回、テーパーの支柱部はパイプを潰して、
機体への取り付け部は少し太い線を潰して挿して、アンテナ本体は0.2mm線を使った
3パーツ構成としました。半田付け後にパイプ部分をテーパー状に少し削ると大変手軽に
意図した形になりました。付属のエッチングパーツは薄い板なのでNGです。
 




 

キャノピーが小さすぎるのかそれとも胴体が太すぎるのか、接合部が一致しません。
透明パーツは形が悪かったり傷があれば塩ビで絞るつもりでしたが、 出来具合が許
容範囲内なのでキットのパーツを使うつもりです。
その為に胴体部にプラ材を貼り付けて修正します。
キャノピーの寸法は努力して探さないと見つからないと思います。雑誌の図面は所詮、
人の描いた絵です。



第一キャノピーの取り付け部も不満だったので、ここは黒色のランナーを使いました。
接着部分が黒いと透明パーツの厚みが見えなくなります。 



2019.07.13


2019.07.21


計器盤上部の照準器にリフレクターのガラスとして0.2mmの透明プラ板を付けました。
キャノピーを付けるとさほど目立たないモノとなりそうです。 



キャノピーは固定部、可動部ともエッジがダレているので修正が必要でした。
 


サフは筋彫りラインが埋まるので使わないのが私の基本でしたが、表面を相当触りまくったので
仕方なく使いました。 プラの下地や埋め込みに使ったランナー、小さな凹みのラッカーパテなど
表面の材質が異なる箇所が多々出来た為にそのまま塗装にすると下地の影響が塗装面に現れ
あばた模様になる可能性が有りました。 



2019.07.21


2019.07.27


塗装が終わりました。上面の迷彩パターンは説明書とモノグラムの本では違いが有りましたが、
どちらが正しいか分かりません。写真もそれ程残っていないので確かめるのは難しそうです。
モノグラムの方が塗装がシンプルだったのでそちらの説を採用しました。 





長年中断していたので、案の定、デカールが黄色く変質しています。 



多分、デカールが割れたり、糊が溶けずに台紙から剥がれづらい状況が推測出来たので
対策を考えます。透明デカールにプリントするのも面倒で、カッティングマシーンを取り出すのは
更に面倒なので、デカールをマスキングテープに貼り、それを切り抜いてマスクを作る事を思い
着きました。この時は我ながら良いアイデアと思っていましたが、実際作業を始めると、マスキン
グテープの 表面がスベスベ過ぎて、カッターを切り込むとデカールが剥がれて次に切る位置が
分からなくなりました。大きな文字でも文字の太さが安定出来ずに見苦しい結果となりました。
文字の小さいモノはデカールが割れて、更に作業のしづらい状況となりました。
新しい技法を思いついた時の高揚感とそれが使えない技術分かった時の落胆・・・それでも速く
手軽に、美しく作る技法を探すのが私の命題となっています。

このマスキングテープ法も表面をシンナーで拭いて撥水効果を落とし、ゴム系の塗料を塗った
後にデカールを貼れば剥がれにくくなったかも知れません。



 

覚悟を決めてシルエットカメオ3を押し入れから出しました。データーはEASY DRAWと言うCADソフト 
で作ってカッティングマシーンのソフトに呼び込みました。たまにしか作業しないと手順を忘れて思う
様に進まないのが常ですが、今回はとても順調に終わりました。マスキングシートも全く問題なく切り
終わりました。


このORAMASK 810は半透明で貼る箇所が確認出来てとても重宝しました。下地のパネルライン
が分かるでしょうか? 




見苦しい無様な格好ですが、使い古しのテープで全体を覆っています。 




Ta152C-0(V7) W.Nr.110007
1945年 2月 Soreu  ドイツ 



尾翼に描かれた製造番号はキットのデカール使用。
とても敗れやすい状態だったので、意図した位置から少しズレましたが
放置しています。 



製造番号以外はマスキングシートを使った塗装で仕上げています。
シルバリングを恐れることが全く無いので気分が楽です。 


 


トリムタブを赤く塗っていませんが、早く終わりたい気持ちが勝ちました。 






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