Model Graphix 広告画像

★ 月刊 モデルグラフィックス
(1995年12月号表紙)
発行 (株)アートボックス社




―1/72 「フィンランド特集」 ―

フルスクラッチ 


今回、アートボックス社のご厚意により、月刊「モデルグラフィックス」1995年12号より、写真の一部を使用させていただきました。



誌面画像

1/72 フルスクラッチ





−−−−−雑誌原稿からの流用です。−−−−−

十年近く前、模型クラブ「無限軌道の会」のメンバーとして一連のフィンランド.飛行機ダイオラ
マシリーズをMG誌に発表して来た我々(ダイオラマを担当してもらっている浦野、旧姓清水君
と私)にとってフィンランドと言うテーマは、クラブから離れた今も、過ぎ去った過去のことでは
なくて、やり残した宿題のように感じています。その為、メチャ忙しいのに記事を引き受けてし
まいました。
 最初、未発表のDCー2を編集部に提案しましたが、インジェクション・キットが無い機体より
ハセガワからデカール入りで発売されているMe109GやモラーヌソルニエM.S.406の方
を頼まれました。両キットとも出来が良く短時間で出来ると思ったので、以前から作っていたH
ANRIOT(「アンリオ」と発音するそうです)H.232.2も候補に入れて頂きました。

■アンリオH.232.2
 アンリオH.232.2(以後アンリオ)を選んだ理由は、ただ本(フィンランドで発行されたフィ
ンランド空軍を扱った写真と図面の本)に載っていた図面を見て 「カッコいいな」と思ったとい
う単純なことなのです。
 しかし、この本以外でアンリオが写った写真は、航空ジャーナル・昭和55年5月臨時増刊号
にD520やホーク75Aといっしょに写っている写真が1枚有るだけでした。フィンランド本のl/
72らしき図と数枚の写真から作例を作りました。正面と下面の写真も図面も無かったので、不
明な箇所は想像です。
 胴体はバルサを芯にして、瞬間接着剤で "目止め〃しました。主翼はテーパー(翼幅が先
端になるに従って狭くなること)が似ていたので、LSの"九六陸攻〃から流用しました。尾翼
はタミヤのプラ板。
 カウリングはバキュームキットの端材 (タミヤのプラ板は硬すぎて絞り難い)をヒートプレス
して作りました。
 左のプロペラはハセガワの零戦から流用し、逆ピッチの右のペラとスピナーは自作。
 コックピット内部はそれらしくデッチUPしました。脚は旋盤加工した真鍮材をハンダ付けして
頑丈にしました。タイヤはハセガワの旧Fwl90を使いました。
 流線型でカッコいいと思って作り始めたアンリオでしたが、主翼、尾翼に支柱が有って完成
すると余りカッコ良くありませんネ。
 l940年7月19日、フィンランドはドイツよりフランスでの戦利品、アンリオH.232.2を3機
購入し、HTーl9l〜l93コードを付けて使用しました。しかし、うちl機は最初の空輸時に離陸失
敗 で失ったので、HTーl92号の写真は見当たりません。
 直列空冷の、見るから非力なエンジンから想像すると、この機体は連絡機だったのでしょ
う。「ミリタリーエアークラフト誌」のフランス、イタリア機特集にも載っていない所から、フランス
でもマイナーな機体 だったろうと思われます。
 塗装は、上面グリーン、下面シルバードープです。

 


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胴体は流線型でカッコイーのに尾翼に支柱。アンバランスな機体です。
多分、完成後強度不足で追加したと思います。




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カラフルな塗装にしたら「おフランス」の機体らしく洒落た飛行機に変身すると思いませんか?





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