十年近く前、模型クラブ「無限軌道の会」のメンバーとして一連のフィンランド.飛行機ダイオラ マシリーズをMG誌に発表して来た我々(ダイオラマを担当してもらっている浦野、旧姓清水君 と私)にとってフィンランドと言うテーマは、クラブから離れた今も、過ぎ去った過去のことでは なくて、やり残した宿題のように感じています。その為、メチャ忙しいのに記事を引き受けてし まいました。 最初、未発表のDCー2を編集部に提案しましたが、インジェクション・キットが無い機体より ハセガワからデカール入りで発売されているMe109GやモラーヌソルニエM.S.406の方 を頼まれました。両キットとも出来が良く短時間で出来ると思ったので、以前から作っていたH ANRIOT(「アンリオ」と発音するそうです)H.232.2も候補に入れて頂きました。 ■アンリオH.232.2 アンリオH.232.2(以後アンリオ)を選んだ理由は、ただ本(フィンランドで発行されたフィ ンランド空軍を扱った写真と図面の本)に載っていた図面を見て 「カッコいいな」と思ったとい う単純なことなのです。 しかし、この本以外でアンリオが写った写真は、航空ジャーナル・昭和55年5月臨時増刊号 にD520やホーク75Aといっしょに写っている写真が1枚有るだけでした。フィンランド本のl/ 72らしき図と数枚の写真から作例を作りました。正面と下面の写真も図面も無かったので、不 明な箇所は想像です。 胴体はバルサを芯にして、瞬間接着剤で "目止め〃しました。主翼はテーパー(翼幅が先 端になるに従って狭くなること)が似ていたので、LSの"九六陸攻〃から流用しました。尾翼 はタミヤのプラ板。 カウリングはバキュームキットの端材 (タミヤのプラ板は硬すぎて絞り難い)をヒートプレス して作りました。 左のプロペラはハセガワの零戦から流用し、逆ピッチの右のペラとスピナーは自作。 コックピット内部はそれらしくデッチUPしました。脚は旋盤加工した真鍮材をハンダ付けして 頑丈にしました。タイヤはハセガワの旧Fwl90を使いました。 流線型でカッコいいと思って作り始めたアンリオでしたが、主翼、尾翼に支柱が有って完成 すると余りカッコ良くありませんネ。 l940年7月19日、フィンランドはドイツよりフランスでの戦利品、アンリオH.232.2を3機 購入し、HTーl9l〜l93コードを付けて使用しました。しかし、うちl機は最初の空輸時に離陸失 敗 で失ったので、HTーl92号の写真は見当たりません。 直列空冷の、見るから非力なエンジンから想像すると、この機体は連絡機だったのでしょ う。「ミリタリーエアークラフト誌」のフランス、イタリア機特集にも載っていない所から、フランス でもマイナーな機体 だったろうと思われます。 塗装は、上面グリーン、下面シルバードープです。 |
胴体は流線型でカッコイーのに尾翼に支柱。アンバランスな機体です。 多分、完成後強度不足で追加したと思います。 |