ブレニム

ブリストル ブレニム 

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フィンランド空軍使用機

フィンランド軍のブレニム


ブレニム Mk.WF


スペシャルホビー

2015.12.4


最近発売されたエアフィックスのブレニムでも作ろうと箱を開けたところ、フラップや動翼が別パーツに
なっていて余りにもパーツの多いのに驚き、 簡易(実際には簡易では無くて原型をプラなどの柔らかい
材質で作り、金属金型に反転した物、本当の簡易は金型自体が耐久性の劣るシリコンなどを用いる)
キットのスペシャルホビーを棚から下ろして作り始めました。
昔の簡易に比べると随分作りやすく、・・・と言ってもバリや型痛みは随所にありますが、すぐ形になりました。
主翼の取り付けは翼断面形に胴体が凹んでいます。


主翼を組み立てると、中ほどが潰れるので、プラでつっかい棒をして、胴体のへこみに挿した時
隙間が出来ない様にします。 



スペシャルホビーで一番困るのはプロペラがバラペラで各ブレードを付けなければならない事です。
加えて、最悪なのはシャフトが曲がっている事です。左側がエンジンに刺さるシャフトです。




センターを出す為に旋盤を使う事も考えましたが、モーターでプロペラを回す事はしないので、
多少、ズレていても大きな問題にはならないと思い、手作業で穴を開け,1.5mmの真鍮線を差
し込みました。 真鍮線を持って回すと、やはり少しセンターがずれていました。少し大きめの穴を
開けて瞬間接着剤より硬化時間が長いエポキシ接着剤を使い、真鍮線をくるくる回して、修正
しながら付けます。
ブレードの根元には差し込み用の部位が有りましたが、小さすぎて穴に挿してもお辞儀をする
ので、切り飛ばして伸ばしランナーでその部位を作りました。今まで使っていた接着剤では完成
後、そこの箇所でブレードが折れやすかったですが、クレオスの流し込みに代えてから良くなり
ました。右のブレード群がオリジナルです。





プロペラブレードを組み立てる為に版画板にボール盤で垂直に穴を開け
治具とします。穴はシャフトの1.5mm より大きめの1.6mmのドリルで開けます。






カウリングと翼部への接着方法が考えられていないので、工夫が要ります。 



2015.12.04


2015.12.12


カウリングはエンジンを挟んで左右を接着するオーソドックスな形式です。
しかし、簡易(的)な本キットでは開口部が完全な円にはならないので修正
作業が不可欠です。矢印で示した箇所はエンジンの後端を決める突起です。
エンジンを組み込んでからの修正作業はしにくいので、カウリングを形にして
からエンジンを差し込む形式に変更します。よって、矢印の突起は削り取り
ました。 



さぁ〜て、これは何でしょうか? 



操縦席の透明パーツにゴミが付くのを防ぐ為に隔壁を設ける、その作業を省いた
ので、墨で黒くしたティッシュ(厚めのキムワイパー)を後ろの旋回機銃開口部から
押し込み 、隔壁の代用としました。多少の空気は漏れますが、ゴミが後ろから前へ
移動するのを防ぐ事は出来そうです。・・・多分出来るじゃあ無いかなあ。



2015.12.12


2015.12.19


 

スペシャルホビーのブレニムは操縦席より前を切り替える事で、Mk.Tのタイプのバージョン
も有ります。Mk.Wはシート後ろ、鼻の部分左右、パイロット前面の4つのパーツから成ってい
ます。シート後方のパーツはMk.WFのタイプにするとパーロット席後ろ左右に水滴状のバルジ
が付きます。キットの説明書では天面の大きな窓を残し、その下の左右の部分は切り取る様
に指示が有ります。切り取って無くなった部分に塩ビ製バルジが有るパーツを貼り付けるので
は接着部分が線接着になりそうだし、前方のパーツとの繋がりもスムーズに行くか不安でした。
バルジの無いキットオリジナルのパーツを貼って、前方部品との接合状況を確認してから、バ
ルジ部をフレームを残して穴を開けます。その後、塩ビの厚みだけフレームを削って、そこに
塩ビのパーツを貼りました。それが下の画像です。




細く、薄くなったフレームが折れるか心配しましたが、樹脂の性能が良いので
最後まで持ちこたえました。
プラ(スチロール)だとどうしても厚くなって違和感を持つバルジ部分も0.5mm
程の塩ビなので、出来上がった時はテンションも上がります。
塩ビの接着に瞬間を使うと白化する心配が有ったので、接着剤は透明Gボンド
を使いました。そのままでは糸を引くので、皿に取ってシンナーで少し薄めて
使います。 



操縦席後ろに箱状の物が有ります。説明書では黒く塗る様に指示が有りました。
無線機?かと思ってサイトで調べると、どうもパラシュートのようです。
ODとかカーキは有っても黒は無いでしょう。考えるより早くベージュに塗ってしまいました。 



キットにはエッチングのシートベルトが入っています。大変凝った作りです。
エッチングのベルトは座席パーツに貼っても浮いてしまうし、接着剤がはみ
出したりすると 精密感も台無しです。そこだけ凝っていても仕方ないと思う
方なので、タミヤのマスキングテープに換えました。そのままでは少し透ける
印象なので、上からサンドやバフを塗ります。

計器盤もメーターの目盛りまで有りますが、それが有効なのはT/48以上で
しょう。




マスキングはいつものポリテープをメインに使います。
バルジは曲面部が急なのでゾルを、逆R(凹んだ部分)はポリでは剥がれたので、
タミヤのテープを使いました。全体が透明パーツなので、透かして切る線を見つけ
る事が容易でした。 


 

イギリスの大型機は翼端灯と航法灯に悩まされます。
透明の大型カバーに色付き電球の組み合わせは泣きます。
せめて翼端灯だけならまだ他国に例がありますが航法灯まで
付いていると、この箇所だけで一晩かかります。

大きなアクリル部材も持っていますが、近くに無かったので、キットの
透明ランナーを加熱してプライヤーで潰して大きさと厚みを整えて
使いました。 



2015.12.19


2015.12.26

タイヤホイールに彫刻が無いので他のキットから流用しようと思いましたが、
多分彫刻があったと思うエアーフィックスのキットは処分したみたいで、どこ
にも見当たりません。フロッグのキットは見つかりましたが、ホイールには彫
刻が有りません。仕方が無いので、スペシャルホビーのキットに彫刻しました。
左が彫刻後の姿です。
 



主脚も良く見ると型ズレしています。それも、左右だけで無く、上下にも。
最悪です。はみ出た部分を削ると断面が楕円になるので、薄いプラや
伸ばしランナーを貼り付け、少しでも円に近くなる様に修正しました。
本当、余計な仕事です(涙)。 



ブレニムの背中旋回機銃は初期には円盤弾倉のビッカースでしたが、
W型も後期にはベルト給弾のブローニングになります。
キットはウレタン製で銃身が曲がっていたので自作する事にしました。
銃口には消炎用のラッパが付く様なので広げやすい柔らかな0.6mmの
アルミパイプを銃身に使いました。
機関部は作り置きの物を使いましたがブレニムはM2の12.7mmでは無く、
7.7mmなので機関部も幾分小さいようです。その為、前後を少し切り詰
めました。 




リングの下に弾倉らしき物を、銃架は分からなかったので、銃弾補給用の ガイドで
機銃を支える様にしました。シートも付けましたが実機は床から立ち上がっている
感じがします。



キットの旋回機銃透明部です。厚みも成形品としては許容範囲の薄さです。
形も使えそうですが、下の画像に丸で示した箇所がキットには無かったので、 
クリアーバックスから昔のエアーフィックス用のパーツを切り出して使いました。



胴体に乗せると銃座が飛び出しすぎの印象ですが、赤丸で囲った部分より上が
スライドして赤丸部に沈み込む構造をしているので、最大伸ばすとこんな感じを
受ける写真も有り、間違いでは無いと思います。 


ファルコンのクリアーバックス。
透明度は文句ないが接着部が全く考慮されていないので、使う時は余計な作業がいる。
当時2200円。今は値上がりしている上に手に入り辛いのが問題点。 

樹脂を型に流して作ると部品が厚くなるので、薄いアクリル板などをバキュームで加工
した透明パーツが別売りしてくれたら嬉しいと思うのは私だけでしょうか?
伸びて薄くなった箇所はアクリル、スチロールでは割れるので、塩ビかペットになるのは
仕方が無いかなあ?

旋回機銃専用の小型バキュームフォーマーを作ったので、機会があったらUPします。




2015.12.26


2015.12.31


   

参考にした資料群です。
サイトに上がってる画像でも随分参考になりましたが、分からない箇所もあったので、
左端の本をホビーリンクから取り寄せました。
プラモを扱っている店の本ですからプラモ制作にはとても参考になりました。 



イン・アクションも新版が出ているようですが、上の本を買ったので十分と思い
又、アマゾンで取り寄せ時間も掛かる様なので、パスしました。 





脚の支柱と引き込みロッドは型ズレしていますが、修正するより作り直す方が早いと
判断して、エバーグリーンで作りました。 



カウリングは後縁のエッジ部を薄く削り、排気管とオイルクーラーも開口しました。 



ウレタン製のエンジンはプッシュロッドが無いので、伸ばしランナーを追加して、
カウリングを保持するトラスはエバーグリーンの0.4mmを使いました。
0.3mmでは細すぎ、0.5mmでは少し太い。店では見かけない0.4mmをサイトで
見つけたので 取り寄せました。
エバーグリーンの細棒は1mm以下の細い物は謳っている寸法より太く、それ以上
の太さでは書かれている寸法より細い感じを受けます。一本の製品でも両端では
太さが微妙に違っています。
厳密な太さを要求するなら金属線にした方がベターでしょうが、トラスの先端3本
線が一点に集まる箇所を接着する時、金属では瞬間接着剤、もしくはエポキシ
接着剤に頼るしか有りませんが、プラならクレオスの流し込みタイプが使えます。
接着完了までの時間が私好みで、はみ出た接着剤は揮発して無くなるので、仕
上がりが綺麗に出来てその点でも好きです。
ロッドとウレタンとの接着は瞬間接着剤を使いました。

ウレタンエンジンの一部に型痛みと思える部分があってので、削りましたが、実物
でもそう言った箇所を持つエンジンタイプがある事を調べていく内に知りました。
プラの薄板で再現する事も考えましたが、どうせ見えない箇所だから惚ける事に
しました。



2015.12.31.


2016.01.07


サイトで見るとエンジンシリンダーは銀色も出ていましたが、それは
博物館のエンジンだけの展示で、機体に装着されている物は黒染
めしている物が大半です。
黒一色では模型映えしないので、背面の円盤は艶消しの黒でシリン
ダーは 銀で塗り、黒の墨入れをして、ギアハウジングはカウリング色、
ロッド類は艶黒で塗りました。
画像では余り良く分かりませんね。




エンジンパーツの裏はウレタンの余分な箇所を限りなく削り、
0.3mmのプラ板を瞬間接着剤で貼り 、位置調節用のプラ板の
接着にはプラ用の接着剤を使える様にしてしました。
エンジンの接着に瞬間接着剤を使うと思った時に硬化せず、
位置決めに苦労するらかです。




カウリング開口部に付く気化器の空気取り入れダクトは単なる
棒状態だったので、熱した真鍮線を押しつけてラッパ状にし
ました。 



 

ウレタンのレーダーアンテナは真鍮線で作り直しました。
機首部は0.2mmの線とパイプを使って、翼のアンテナは0.3mm線を「コ」の字に曲げ、
足は0.4mm線を「T」字に曲げて半田付けした後に瞬間接着剤を盛って丸みを出しました。 




機首下のピトー管も真鍮線で作り直します。
左側面のベンチュリー管は穴を開けます。 



背中のアンテナ支柱は位置が分からなかったので、エアーフィックスのキットを
参考に位置を決めました。 



着陸灯は最後の段階で、アルミホイールと透明ポリテープで作ります。 




2016.01.07


2016.01.15


裏から見えるキャノピーと翼端灯部には内部色グレーグリーンを吹きます。 



夜間迷彩は艶のある黒ですがそのままの黒を吹くとオモチャっぽくなるので、
少し変化を加えます。黒より明るいカウリング色が一番のお気に入りです。
確かに、二つの色を比べるとカウリング色は黒とは異なりますが、それだけ
を見ると 、意外に黒く思えます。



翼の縁や背中にミディアムグレーを乗せてハイライトとしました。
場合によっては側面などに暗い色を吹きますが、今回は 省略
しました。



前回のランカスターではデカール貼る箇所の処理をミスって白化が多発
したので、今回は丁寧にクリアーを吹いて白化を防ごうと思っています。
デカールの白化はデカールと塗装面との間に薄い空気の膜が出来て
透明で本来下の塗料の色が見える箇所が白、又は銀色に見える現象です。
塗装面とデカールとの間は糊成分が 満たされ、空気は無くなるはずですが、
艶消し塗装だと表面がデコボコしていて塗装面とデカールの間隔が広くなり
水分がある時は透明で下の色が見えていても乾くと糊成分が不足して空気
膜部分が出来る白化となります。
多量の糊成分があれば白化の程度は軽くなりますが、貼ったデカールが厚
ボッタクなります。又、艶消し面は撥水効果もある様で、セッターなども馴染み
難い感じがします。私はデカール貼る前にファインモールド社のご機嫌クリー
ナーやアルコールなどで拭いて撥水現象を抑える努力をしますが、完全では
有りません。
一番効果があったのが貼る箇所の面をツルツルにすることでした。クリアーを
吹いて、細かなペーパーを掛け、コンパウンドまですれば更に効果が大きい
です。それまですれば、糊成分を増やすセッターなども不要になり、デカール
自体の糊だけで十分白化を防げます。



2016.01.15


2016.01.23


一番嫌なデカール貼りでまたも失敗をしてしまいました。
黄色い部分に小さな二点の穴があり、どのみち修正は必要でしたが、
綿棒で触っている内にもっと大きな傷を作ってしまいました。 




デカールが寄って厚くなった部分は細かなペーパーで撫でて平らにして、
下地の見える部分は白を塗ってから黄色を塗り、修正しました。
多少のデコボコはありますが、艶消しのオーバーコートをすれば目立たない
と思います。

キットのデカールは薄く、筋彫りにも良く馴染みました。マークセッターの効果
も適度に効いて割と貼りやすいデカールでした。
ただ、ラウンデルの黄色がもう少し赤みを帯びた方がより良かったです。 




2016.01.23


2016.02.01


着陸灯はいつもの様に透明カバーは荷造りポリテープを使います。
反射板はアルミ・キッチンテープ。電球はネールアートに使う極小の金属球です。
 




RAF 第68スコードロン Catteric基地 1941年

 

左翼の八木アンテナは米軍では少し外側を向きますが、イギリス機では進行方向
を向いているようです。カウリング付け根にも一本棒のアンテナが付く様ですが、
キットの指示が無かったので惚けました。 
エアーフィックスの新キットにはちゃんとパーツが入っています。



 

先端のアンテナは最後に穴を開けて付けたので、ドリル粕が少し内側に
付いてしまいました。それ以外は目立つゴミは見受けられません。 



 

脚は微調整をしながら組み立てます。
最近のキットはデジタルで設計して金型を作るのでほとんど微調整が不要です。 




旋回機銃も手を加えましたが、飛び抜けて精密感が上がった感じはしません。 


着陸灯にテープを貼って縁を塗りました。

塗装作業直前とデカール貼りの前で、意欲が落ちて制作が止まりました。
キットを作り始める時、いつも新しい材料とか技法を試しますが、今回は目新しい
事はほとんど無かったので、ある面、ツマラナイ工作でした。いつもの様に作り、
いつもの様に失敗し、補正する。有るのは完成しなければならないと言う義務感
でした。箱を閉じたら二度と日の目は見ない。最後は歩きましたが完走できました。