ミルスキーU

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アートボックス社のご厚意により、月刊
「モデルグラフィックス」1987年2号の写
真の一部を使用させていただきまし
た。



フェアリー企画














ジオラマ製作:Y.S.氏
協力:無限軌道の会





雑誌より

 フェアリ―企画のミルスキーIIは¥1800という割には気泡も少なく、、メタルパ―ツも入っていてと
てもお買い徳です(これで儲かるのだろうかと心配になってしまう)。私がなによりも気にいった点は
翼の後縁が薄い事です。ウレタンを初めて作る入も一応パ―ツもそろっているし、メ―カーで通販
をしているようなので購入してはいかがでしょうか? 
 ミルスキーIIの資料は少なく、キットもキットに入っている図面もSUOMEN ILMAVOIMIEN 
LENTOKONEET1939〜1972 (以後、SILと略する)と言う本に載っている図面を参考にしている様子
です。 Air Enthusiast 23号(略してAE)にも図面が載っています。平面図に差が有り、どちらが正
確か迷ってしまいましたが、他の機種で比べた結果SILの図面の方が、割と正確 (当会の加藤氏
は「あてにならん!」と言っていますが)な様なのでこちらに重点を置く事にしました。それでは各部
分の製作について書いていきます。

1.胴体 横面、上面、断面とも良いと思います。コックピット前の小さなバルジはシリコンの型崩れ
の為か形が悪いので削り取ってプラで作り代えました。私はプラ・ブロックに穴を彫り、そこに熟し
たランナーを押しあててパ―ツを作りました。それをナイフで切取りプロ・ボンド(ホビ―・ネットワ―
ク系の店で扱っています)で機体に接着しました。瞬間接着剤よりはがれにくいので私は好きで
す。スジ彫りは太過ぎる(ウレタンでもバキュームでもこれはしかたがない事でしょう)ので、埋めて
彫り直しました。最初、瞬間接着剤を使ったのですが、彫り直した時ポロッと取れてしまいました。
それでメタル・プライマ―を塗った後、塗料を厚塗りしてスジを埋めました。特に太いスジは伸ばし
たランナ―をプロ・ポンドで着けて埋めました。

2.・コックピット
 床が有りますが浅い様なので下から削って穴を開けました。側壁も胴体カ―ブにそって内部を削
り薄くしました。この部分は鋼管のフレームに合板を張った構造なめで内側にランナーでパイプを
表現しました。サイドの計器はAE誌を参考に作りました。計器板は資料が無かったので適当に作
って、メータ―なんか、赤・青・白をちりばめていつもよりカラフルにしました。計器板上の反射避け
の覆いは無いのが本当かも知れませんが、当時の多くの飛行機に付いているので付けました。よ
ってガン・サイトの取り付け等も私の創造です。ラダー.ペダルも作ったのですがチットも見えない。
操縦管はスピットファイヤ―と同じ、リング・タイプですが、細かな構造は分かりません。AE誌を見
て防弾鋼板を付けましたが写真ではこのタイプの物は確認出来ません。その後に有る3本は酸素
ボンベです。ボンベ類は内容によって色分けされていたと思うのですが、分らなかったので、無難
な黒鉄色にしました。また、ボンベの後方にスキー等を載せると、さらにフィンランドの機体らしくな
ります。シ―トは3mmプラ板をヒート・プレスして使いました。付属のキャノピ―は前部のエッヂがダ
ルいので、直そうとしてあれこれしていたら破損し、結局木型を作って塩ビのヒ―トプレスとあいなり
ました。Ω型の物は掃除器を使った自作バキュームフォ―マ―を使いますが、今回の様な形の物
は写真の道具でプレスしますこの方が塩ビ板が少なくてすみます。私が工夫した点は蝶ネジを使っ
た、滑り止めに数本木ネジを打った、四角材ではなくて三角材の頂部を削って使った事です。

3.機首部
  カウリングの機銃の脹らみをアルミ パイプで、銃身をシンチュウ・パイプ で作り替えましたJ上
部に4つスリッ トを彫ります。カウリングは縁を図の ように削って薄く見えるようにします。 その
時、排気管にかかる出っ張り部は 角が欠けやすいのでプラ板で作り替え ました。排気管はアル
ミ・パイプを少 しつぶして作りました。プロペラは厚 く形も悪い。薄く削ると強度が心配だ ったの
で、ハセガワのMe-l09Eから流用しました。ブレ―ドの幅が少し狭く、 力強さに乏しい。今井氏の
作例の様に 出来ればbestです。スピナーは大きさ は良いようですが先端部に丸みが足り ない
ようです。私はハセガワの零戦か ら流用しました。エンジンはメタル・ パーツカが付属しています
が扱い難く、 形状もいまいちなのでハセガワの“栄 エンジン”にしました。カウリングは 胴体と
め接合部を削った為、図や写真 の様に胴体にプラ材を接着して付ける 事にしました。その接着
にはやはりプ ロ・ボンドを用いました。塗装時、こ の部分をクリップで挾んで手で持った が、取
れる事は有りませんでした。

 4.主翼
 事後変形の為か、主翼が反っていたので100円ライターであぷって反りを直しました。普通のイン
ジェクション・キットではこんな事は決してしないで下さい。ヘニャヘニャになってしまいますヨ。これ
はウレタン・キットだけが持つ長所です。主翼のねじり下げなんか簡単にできます。前に書いたよう
に、主翼の後縁は十分薄いので欠ける心配が有ります。念の為、私はここを5 Hiでプラ板で作り直
しました。また、主翼の付根付近で厚みが不足していたので0.5mプラ板と瞬間接着剤で修正しまし
た。オイル冷却用のインテークは回りとフィンをプラで作りました。翼端灯は透明カバ―で色電球タ
イプの様です。アクリルに細いドリルで穴を開け、青・赤の塗料を流して電球を表現しました。翼と
の接着面には黒を塗り瞬間接着剤で付けました。普通のボンドだと接着面が汚くなったりします。
また、アクリルの代わりに透明プラを使うと瞬間接着剤で白濁する事が有ります。本機の外板は合
板なのでほとんどパネル・ラインは見え無い様です。それではあまりに寂しいのでAE誌を参考にス
ジ彫りを加えました,エルロンのラインは図の様に下面の方が上より広いと考え`修正しました。ピ
トー管はシンチュウ管と線で作りました。先端部はセメダインの液状ハンダでメッキしました。主脚
のオレオ部分も・この方法です。シンチュウ部品はキットに入れてくださると嬉しいのですが。シンチ
ュウ・パイプが入手出来ない方は私が以前使ってた方法がどうでしょうか?それはギタ―の弦を使
う方法です。ナイロン弦では無くてスチール弦の細い方から2番目か3番目でシンチュウ線が巻い
てある物を利用するのです。この利点は安い(と思います)、手に入れ易い、丈夫(シンチュウ線より
曲り難い)な事です。塗料を厚めに塗ればパイプで作った物と大きな差は無いです。

5.尾翼
 水平尾翼はキットの物を使いました。プラで作替えた方がエッジが欠ける事も無く、接着も楽だっ
たでしよう。接着面が少ないので左右にシンチュウ線を通してあります。さらに接着部にプラを挟ん
でプロ・ボンドを使い、パテ代わりに瞬間接着剤を盛りました。垂直尾翼はラダーに布張りを表現し
ましたが、チョット、オーバーでした。実機はホーカー・ハリケーンの様に安定板も布張りになってい
ます。

6.脚
 ガレージ・キットの泣き所はプロペラと脚です。このミルスキーIIもメタルを使って頑張っているの
ですが、ディテールが潰れてしまっています。私は強度の事を考えてシンチュウ線パイプで作替え
ました。他のキットでもパイプを入れてもらえれば嬉しいですねェ。AE誌に載っていた3枚の写真を
1/72に縮小コピーして検討した結果、タイヤの大きさはSIL誌の図面より直径でlmm大きい方が良
い様です。キットに付属の物は、タイヤ幅が薄く高圧タイヤみたいです。今井氏の作例も幅広の低
圧タイヤを使っている様です。タイヤ・ホイールも冷却フィンがいっぱい付いているタイプで、付属の
物とは異なります。私は、ホイールが少し違いましたが、大きさ、厚さが気にいったのでハセガワの
F目F−|タイガーのタイヤを流用しました(ハセガワさん毎度スマンコッテス!)。キットにはキャスト
製の脚カバーが入っていましたが、厚く、ピン・ホールも多そうだったので、0.5mmプラ板で作替えま
した。このキットを買う人は、プラ板位持っているだろうし、又、作り直す事も出来るでしょう。このパ
ーツは不要と思いました。尾輪は強度を保つ為、付属のメタル・パーツを利用しました。

7.塗装
 全面塗装をする前にワンドロップレンズ・クリーンで離型剤や手の油を拭き取ります。普通のプラ
モはこれで、“塗料の喰い付ぎがグ−ンと良くなります。今回はウレタンなので更に用心をしてメタ
ル・プライマーを吹付けました。次に、サーフェーサー替わりにラッカー系の塗料を厚く塗り、ピンホ
一ルを探します。ピンホールにはパテや濃い目の塗料を塗り、800番のペーパーを全体に軽くかけ
ます。ラッカーはドイツのライト・ブルーを使ったので下面色は横着してこの色を利用しました。フィ
ンランドのライト・ブルーはもっと青味が強いと思っていたら、むしろグレーが強いと言う意見も有る
ので安心しました。このラッカーもプロ・ボンドと同じ店で購入し、色はグンゼのライト・ブルーよりグ
レーが強いです。グリーンは54番のカーキ・グリーンを塗りました。迷彩で本来、黒に塗る所はブラ
ック・グリーンを塗りました。少し前までは私も色に神経質で、市販の塗料を自分なりに調合して使
っていました。しかし、最近では市販の塗料で近い色を使う事が多くなりました。ウエザリングによ
って色調が変わるし、実機も退色により変色しています。特に戦争末期の日本機などは、いったい
何を塗ったのか分かりません。又、ディオラマでは全体の中での調和の方が大事になると思いま
す。塗料のリサーチは大変重要な事ですが、あまりそれに縛られずにもっと自由な発想でモデラー
各ィ固大の個性が出た作品を作る事も許されるでしよう。黒の代わりにブラック・グリーンを使った
のは、黒の“きつい”感じを嫌ったからです。 グリーンとの“明度”の差が少なくな ったので、迷彩
の塗り分けはスプレー によるボカシをやめ、キッチリ塗り分 けました。 Ju-88の時はマスキング・
テ ープを使いましたが、今回は曲線だっ た事もあって筆塗りをしました。マス キング・テープを
使うと境が階段状に なり易いめで嫌です。筆塗りと言って も境だけで広い部分はスプレーを使っ
 ています。胴体後部のグリーンの帯も 筆塗りしました。そのままでぱ筆む、ら”が出るので全体
にクリアーを吹き 1500番のペーパーで石鹸を付けて磨き ました。今回、上面のスミ入れを目立
 たせる為、ダーク・ブルー・グレーの パステルを使いました。機体に直に擦 り付け、堅目の筆
でボカシました。下面へのスミ入れはダーク・ブラウンを 使ってみましたが「今一歩」の感がし ま
す。ドライ・ブラシで出た艶や塗料 の艶消し度を整えるために軽くフラッ ト・クリアーを吹いて完成
です。





アビエーションUSK




プロペラが破損していたのでどこからか流用しなければならない。