アラド  Ar240

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フォルクツォイク







アンテナ線のテグスは元々緩く張っていたが、年末の寒い時期、無暖房の北向
きの部屋で写真を撮ったところ、テグスが弛んでしまった。
熱い方が延びる印象だが、テグスは熱い方が収縮するみたいだ。

鰻のしっぽみたいな尾部が特徴的。













1990年8月号の原稿を流用しました。

 Me110に敗れたのがFwl87ならMe21Oに敗れたのが今回取
り上げるAr240です。日本で発刊された本では1,2枚の写真
しか掲載されていない、日本人には馴染みの薄い機体です。
 
Ar240は1938年にドイツ航空省の仕様に基づき開発されまし
た。低アスペクト比の翼にフラップの付いたエルロン、胴体の
上下にペリスコープで照準する動力砲塔等、新しい試みを積
め込んだ意欲的な機体でした。しかし、操縦性が悪く採用され
ませんでした。
 Me210が原型の完成前に採用されたのから想像すると、こ
の競争は先に結論が出ていたのかも知れません。
 このキットはFLUGZEUG(フルクツォイク)という航空、プラモ
の雑誌を出している会社の゛RT modell″と言うブランドのキ
ットだそうです。簡易インジェクションで事後変形も多く、お世
辞にも出来が良いキットとは言えませんが、こんなマイナーな
キットが出たことだけでも喜びましょう。

 キットが編集部から送られてきたのは2,3か月ほど前でし
たが、゛Ar240の資料″が送られてきたのは締め切りの2週
間ほど前でした。仕上げが「雑」なのは、この為です。お許しあ
れ.!
 まず、キットの成型色が半透明で形が捕らえにくいので、キ
ットの内側を暗い色で塗ります。


胴体
 胴体後部が角張りすぎているので、裏打ちをしてから丸め
ます。裏打ちにばプラリペア″という製品を使いました。ちょっ
と高価ですが接着がしっかりしていて、すぐ固まる点が気に入
ってます。胴体はlmmほど広すぎます。後半部の細かいところ
では上下方向より横方向が広く不自然です。左右の接着部を
それぞれ0.5mm削って解決しました。


主翼
 後線部を一体化したこった作りですが、この部分が厚くヒケ
が出来て主翼の断面形がでたらめになってしまっています。
このキツトの最大の欠点です。パテやプラ板を使って修正し
ました。作例では前線を丸くしましたが、わりと尖っているの
で、この部分の修正はしなくても良かったと思います。


尾翼
 水平尾翼は厚すぎ垂直尾翼は薄すぎます。ラダーはMe110
とは異なって作例のように上下で切れているタイプのようで
す。


エンジン周り
エアインテイクを開口します。オイルクーラーも開口し中央に
仕切りを付け、下面にフラップを付けます。 
排気管はMel09Eを複製して使いましたがMe109Gの丸みを
帯びたタイプのほうがよいと思います。
 脚収納口を開けましたが、黒で塗るだけでもよいでしょう。写
真から受けたイメージでカウルフラップを開けてみました。


プロペラ
 修正するより他から流用するほうが早いでしょう。作例はイ
タレリのJul88を使いました。ダクトスピナーはバリを丁寧に取
ってください。



 タイヤの大きさはキツトので良いです。ホイールもスポーク
や穴などは無くキツトのような単純な形をしています。しかし変
形していたので作例では一つマスターを作って複製しました。
脚柱には「揺れ止め」と「オレオのゴムカバー」を付けましょう。
今回ファインモールドで旋盤を借りて脚を削り出しました。完
成してみるともう少し太く、短くしたほうが良かったと思いまし
た。脚に付いている二つの箱状の物は多分補助ラジエータで
しょう。尾輪はイタレリのJul88から流用しました。



コックピット
 Ju88のように計器板の下から前が見えるタイプです。後部
座席は後向きです。砲塔のリモコン装置は資料がなかったの
で適当に作りました。


塗装
 キットの塗装図も資料の塗装図もグリーン系の迷彩が載っ
ています。信頼度が低いので自分なりの解釈で塗りました。時
期的にみてRLM74/75/76だろうと想像しました。使われたの
が東部戦線ですからグリーン系の可能性も少しはあります。


デカール
 キットのは透明部が黄ぱんでいたので旧マイクロスケール
のデカールを使いました。私は普通、デカールを張る前後にク
リアーラッカーを吹くのですが、締め切りまで時間がなかった
ので、今回この工程を省略しました。マークソフターで木工ボ
ンドを溶いた物でデカールを貼りました。透明部に細かな気
泡が出来ず、デカールの密着も良く満足しています。
 「トンボの胴体」「ウナギのシッポ」「ウーパールーパーのカウ
リング」こんな変なイメージのよく分からない機体ですが、WWII
のドイツ機コレクションに欠かせない機体です。皆さんも頑張
って作ってみて下さい。