XF5F

Grumman XF5F-1
 Skyrocket

トップへ
トップへ
戻る
戻る



MPM






写真を見ているウチに、胴体が太すぎることに気づいた。
処理をどうしようかと迷っていたら製作意欲がなくなった。

ココのメーカーは珍しいキットを出してくれるが、リサーチが大変不足
している。
「素材」と割り切るか、トボケテ無視して作ってしまうしかない。

2016.08.28

手を付けた時には持っていなかった資料が増えました。
アメリカ海軍機のシリーズの一巻で実機が試験途中で壊れて廃棄されたので
唯一のまとまった資料と思います。 





本の中に掲載された1/72の図面ですが、胴体の幅がこれだけバラバラです。
図面と言うより、絵ですね。 




 

写真と見比べても機首先端が丸すぎて、胴体も太すぎの印象です。
胴体の幅を計ると16.1mm有りました。
信頼できる数値も見つけられなかったので、適当に作ります。
一度、胴体を翼から外し、バラします。 
最初、14mmを目安に胴体の接着面を削っていたら度が過ぎて幅
が13.3mmになってしまいました。雰囲気を見ると違和感が無いので、
これでOKとします。




下面の接合部からどれだけ幅を狭めたか分かります。 




カウリングの雰囲気も写真とは違っていたので、左側の様に補正します。
胴体の幅は修正前の上画像と比べても良くなったと思います。 




ショートノーズのXF5F-1は時期によって2タイプ有るようです。
前期、後期では脚カバーが違っていて、キットは後期タイプです。
後期には翼の付け根にフェアリングが付き、エンジンカウルにもフラップ
が有ります。一本線だった垂直尾翼の安定板と動翼の境もマスバランス
が付いた為に「コ」の字の折れ線になりました。 



アウトラインは印象良かったですが、厚みがこれほど違っています。
薄い方に会わせて削るつもりです。 





2016.08.28


2016.09.08

 

左はキットオリジナルで、ショートノーズタイプの初期型の垂直尾翼です。
後期型はマスバランスが付いてヒンジが折れ線となります。
ついでにリブ間隔も少し変えています。 







 

水平尾翼はリブが省略されていたので、本の図面を参考にリブを表現します。
鉛筆で下書きして、柳刃の彫刻刀で様子を見ながら彫っていきます。 





昔ならすぐモゲてしまう垂直尾翼の接着もクレオスの流し込みタイプを使う事で、
ホゾを設けなくてもイモ付け状態で十分強度があります。 






エルロンもリブを再現します。
鉛筆で下書きして、柳刃の彫刻刀で彫りますが、タミヤのウェザリングマスターを
塗りつけて削り残しを 確認しながら進めます。材質が白いので、素の状態では
表面の状態が良く分からないので、ウェザリングマスターを塗って見やすくします。





カウリングの切り口が上下翼の接着面と直角な為に翼が迎え角を持って胴体と接合すると
本来ならば基軸線と直角、もしくは少し下向き(ダウンスラスト)になるべきアルミ板の面が
上を向いています。このままエンジンを付けると、プロペラ面が上を向きます。 





2016.09.08


2016.09.21


XF5F-1は試作エンジン、ライト・サイクロン R-1820の−40とー42を搭載しています。
単列9気筒で、基本はB-17やドーントレスに載っているエンジンと同じです。キットは画像
の「C」でシリンダーヘッドの部分が省略されています。メーカーが流用した原型が18気筒
の複列で後ろの気筒までもモールドされている間違いがあります。冷却フィンもダルく、
減速ギアケースの中心にあるべき穴も偏心しています。プッシュロッドもないので追加工作
が必要となります。
「B」はどこかの簡易キットに入っていたモノで、ヘッドの部分がないし、中心の穴が大きす
ぎます。
「A」はクイックブーストの別売りパーツで、B-17用のエンジンです。プッシュロッドが有りま
せんが精密感があるので、これを使おうと思います。






大戦後半になるとカウリングの開口部も空気抵抗を減らす為に絞られて、
シリンダー部が随分後退、奥まって少し大きなスピナーを付けるとエンジン
シリンダーはほとんど見えなくなります。 
しかし、初期では開口部も大きく、エンジンも浅い位置にあってよく見えます。
クイックブーストの別売りパーツにプッシュロッドを付けてカウリング内に配置
すると、プッシュロッドが非常に長く感じます。1/32とか1/24と比べて、
1/72でエンジンを作ると、実機より直径が随分小さくなります。スケールに
かかわらず、部品の厚みが1〜1.5mm必要で、それが内側に入るパーツに
影響する為です。カウル内部にエンジンを入れる為に全体的に縮小する場合
とヘッドなどを省略する方法があります。
ヘッドの部分を再現したクイックブーストは全体的に縮小し、ここからは私の
推測ですが、シリンダー部を他の製品と共有した為に全体径の縮小を真ん中
のギアハウジングを細くすることでバランスを取ったと思います。
ギアケース部のプッシュロッド間隔がとても狭すぎます。
ギアケース部の大きさを重視して、「B」部品を使うことに変更しました。




2016.09.21


2016.10.05


手間取っていたエンジンも収まりました。カウリングの上には空気取り
入れ口も付けました。
初期型に有ったサイドの延長排気管は取り除かれて胴体部のカウルは
平面的なパネルで覆われています。 
排気管は単排気管になりますが、まだ付けていません。







プロペラの根元は貧弱だったので、プラ粕を盛り整形しました。ブレードを締め付けると思う
段差部分(オレンジの矢印)は市販の0.1mm厚,0.5mm幅のプラシートを金属パイプに巻き付
けてから熱湯を掛けて「クセ」を付けて使いました(緑の矢印)。今まで、爪でしごいてカーブ
を付けてから接着していましたが、 接着剤が染み込む時に材質疲労の為に何カ所かでボロ
ボロ折れる現象が出ました。それを回避する為の熱湯処理ですが、意図した対策となってい
ます。






 

アメリカで使われたプロペラは楕円の中に2枚プロペラが絵描かれたエンブレムのハミルトン・スタンダードと
円の中に3枚プロペラが描かれたエンブレムのカーチス・エレクトリックのモノが双璧と思います。
 XF5F-1のプロペラはカーチス製なので、円の中にペラが「Y」の字に見えるエンブレムのハズですが、写真を
見るとエンブレムは円にも「Y」にも似ていない。黄色い縁取りの三角・・・オムスビに見える。内側は文字が書
かれているのか中心に白い三角を残して黒か紺で塗られている。参考にしたのが資料のカラー表紙で、もし
かするとモノクロ写真に色を付けた疑似カラー写真かも知れない。ネットで調べてもXF5F独特で他の例は見付
けられませんでした。左翼のプロペラのエンブレムは初期、斜めの帯でした。これはP-36でしばし見られるタイプ
でした。斜め帯のエンブレムもXF5Fでは途中からオムスビ型のエンブレムに変更になっています。
ブレードの色も銀と黒の二通りがあって悩みます。
「おむすび」エンブレムももっと鮮明に分かれば、アルプスのプリンターで作ろうと思いますが、どの写真を見ても
不鮮明なので、マスキングテープのテンプレートを作って筆塗りしました。






  

プロペラセンターの出っ張り(ボスと言うのかなあ?)は初期型ではF4F でも見られる段付きの
タイプですが、主翼フィレットの付く時期には大型の砲弾型になっていました。
プロペラ先端は赤ー黄色ー青に塗られていますが、青が紺色な為にブレードの色と差が有りま
せん。






2016.10.05


2016.10.20

 

MPMのキットは胴体の幅を狭めたので、キットのキャノピーは使えなくなりました。
バキュームキットの胴体は狭いので使えるかと思いましたが、設計が異なっていて
MPMの胴体と上手く合いません。仕方が無いので絞ることにしました。
人工木材は望む12mmの幅に2mm足りなかったので、瞬間接着剤で接着し幅を増し
ました。接着部分がセンターに来る様に6mm+6mmとしました。削っていってもセンター
ラインを見失わない様に片側の接着面をマジックで黒く塗りました。
側面を削った後、フレームの位置でノコギリで切り込み、断面形を確認する補助とします。

 





 

完成した雄型を瞬間接着剤でコーティングして木質の小さな気泡を消します。
左は水道パイプと排水溝の簀の子で作った小型バキュームフォーマーです。
下の細い方に掃除機を付けて空気を吸います。
透明板はベニヤに画鋲で固定します。穴はパイプより少し大きめになっています。
 





これが完成他直後の画像です。
久しぶりの「絞り」なので、伸びやすい0.5mm厚のPET樹脂を使いました。
一番最初は難なく上手く行きましたが、胴体にフィットさせる為にトリミング作業中、
切りすぎて足りない箇所が出来たので、再度絞ることになりました。
その後は加熱作業で適度の柔らかさを得られなくて、普段の手絞りに変更しました。
ベニヤに付いた状態ではどの位柔らかくなったかを判断しづらいのです。
手絞りではフィルムをグニャグニャ曲げて柔らさの程度を判断しやすいです。 



PET樹脂は粘るので削りにくいのが難点です。
PET樹脂は両面に保護フィルムが貼ってあるので剥がさずに絞ります。
トリミングの作業では邪魔なので一部剥がしますが、保護の為に、多くは
残しています。裾だけめくり揚げたのが上の画像です。 
作業中に風防の後ろ半分に袴状の段差部分があるの気づき、木型を
修正したので、余計に手間を取りました。




2016.10.20


2016.10.28



 

最近は閉鎖されたり更新が止まった模型サイトが増えた為かこのHPを
訪問される方が増えました。家主もものぐさで、更新スピードが遅く、ご
期待に 答えられないのが心苦しいです。

さて、XF5F-1の後期型は排気管が単排気管になっているので、0.88mm
のプラ棒で作りました。微かに曲線になっている方が良さそうなので筆
に巻き付け、熱湯を掛けてクセを固定します。カウリングへの取り付けは
エアーインテークが有るので均等割になっていません。






 

ピトー管はアメリカ機独特の形をしています。
「Z」に曲げるとエッジが丸くなるので、角に金属線を半田付けします。
「−」、「|」、「−」の線を半田付けし「工」の字を作ると接合部が点接合
となって少しの衝撃でももげて破損しやすくなります。それを避ける為に
1本棒で「Z」字のピトー管を作るのが私の方法です。 




2016.10.28


2016.11.11

黄色は特色の329番を使い、銀は8番、それも少し前に生産されたモノを使いました。
最新の8番はメッキみたいで、写真から受ける少しくすんだ感じとは違ってしまうので、
あえて、表面が酸化されたアルミを目指しました。
黄色はスプレーによって塗り、銀は筆塗りすることでムラを生かそうと思いました。 






主脚は1本棒と引き込み用のアクチュエーターだけでしたが、横方向の支柱を追加しました。
多くの機体はその支柱がロッドで出来ていますが、XF5F-1は後のF7Fに通じる軽め穴の空いた
板状をしています。
実機はカウリング内部の構造材と複雑に関連しているでしょうが、資料がなかったので、ベース
に基盤を付けて形を整えることにしました。 主脚は前から見ると「ハ」の字に開いている事に気づき
基部の下にクサビを貼り付けて補正しました。




コックピット内部の主要部品。シートと操縦桿です。
シートは全体的に薄くなる様に削りました。操縦桿は随分太かったので、
削って細くしたつもりでしたが、とても握りきれない太いグリップとなりました。
カーブしているので金属を使って作り直そうかとも思いましたが、見えない箇所
なので、キットのパーツに手を入れて誤魔化します。 



2016.11.11


2016.11.27


キャノピーの桟はマスキングをしてスプレー塗装をするのがいつもの手順ですが、
機体の多く面を筆塗りしたのでフレームも筆で塗ることにしました。
細切りテープをガイドにしてカッターで切り込みを入れ、それを助けに筆で塗って
行きます。今までの多くの機種はフレームの内側を黒か機体内部色に塗っていま
したが XF5F-1は地金のままの様ですので銀で塗りました。





キャノピーの接着は非常時を考えてリキテックスのマットメデュームを使いました。
これなら最悪時に剥がすことが出来ます。
固定に時間が掛かるので、タミヤフェアーで買ったフランス(?)製のクランプを使い
ました。模型用に特化しているので、軽くて手軽で便利です。 





脚扉の内側は銀色に塗ったので、荒さが目立ってしまいました。
説明書では内部はグリーン系が指示されていましたが、写真で見ると無塗装
みたいでした。 




デカールは劣化していることを心配して文字と数字だけキットのモノを使い、
国籍マークはエアロマスターを使いました。
星の中に赤丸の有るデカールに大きさの適したモノがなかったので、後で
赤丸を追加するタイプのデカールになりました。 





 

着陸灯は内部にキッチンホイルを貼るのが私の流儀ですが、下面に塗った銀が
意外に光っていたので、塗料で済ませ、透明ランナーから作った電球を追加しました。
いつもの瞬間接着剤もUVクリアーに代えて使っています(右)。 





パネルラインの不足が有りますが、疲れたので切り上げます(笑)。 





摺り合わせを繰り返しましたが、第一風防に隙間が出来たので、パテに銀塗料を混ぜて
練り込みました。後ろのパーツは可動部なので少しの隙間はOKとしました。 





スプレーで塗ると単調になるので筆塗りを選びましたが、難しいです。
 





はみ出したフレームの塗料を修正したりして透明部も大分汚くなりましたが、
それでもこれだけキレイに内部が見られます。 





 




 

実機は垂直尾翼を改造していて、この様にシリアルナンバーが欠けている時期があります。
私のミスではなくてこれが事実です。
デカールは大変薄く、心配したとおりにもろくなっていて貼るのに苦労しました。
デカール貼りが一番嫌いです。 


翼端灯は透明ブロックで作り、整形するのが今までの方法でしたが、今回
UVクリアーを使って作りました。ですから、この翼端灯が一番最後の作業
となっています。一度で意図した形にならないのでライトを当てて硬化させ
更に樹脂を追加盛りし、ライトで硬化させる作業を繰り返すと意外に感じの
良い翼端灯が出来ました。 
樹脂が古いのか、表面が柔らかいのが少し不満です。硬化に使うライトも
周波数の違いか、黄ばみが出る場合がありました。





米海軍リスト
   表紙   更新履歴