キ64

キ-64 川崎

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MPM




全体的にボテッとした感じ。



トライアングル
(ウレタン)



値段も安いけれど完成度も低い。手を入れなければ満足な形にならない。





2012.06.04



MPMの初期の製品です。最近のMPMはまだ幾分作りにくい箇所もありますが、雰囲気は随分良くなっています。
この製品は「イモ」です。材質がプラと言うだけが取り柄みたいなキットです。
サイトを探すとこんなキットでもちゃんとマトモにしている人が何人かいらっしゃります。
人を引きつける魔力があるアイテムでしょうか?
何年も放置していましたが、2012年の合同展示会が終わって次のお題として再開します。




このキットを開封し、すぐ製作を始めなかった原因はこの主翼にあります。




中央部の水平箇所を基準にすると、とんでも無い上半角が付いています。
その為に、上の画像みたいに下のパーツにも不満があります。





下のパーツは上半角が始まるだろう緑のヘコ線より内側のオレンジライン付近から角度が変わっています。






翼の後端は細い線となりますが、赤丸付近が変に厚くて、層流翼、高速機の翼、と言ったイメージが湧きません。





翼断面形が悪いのですが、翼厚全体も厚すぎて右側の未修整より左の修正した方の翼は厚みをかなり減らしました。






右翼(画像左側)を先に修正しました。
全体に厚みを減らし、特に前縁は層流翼らしくキットより尖らす感じに変えました。
それでもジェットや終戦末期の機体より前縁の丸みは大きい感がします。
上下接着後に上のパーツにノコギリで切り込みを入れ、曲げて上半角を減らしました。
未修整の左翼(画像では右側)の上半角がとても大きいことが分かると思います。

削る量が多いのでパネルラインが完全に消えると予想して、彫り直す時の参考にする為に左右の翼を同時に修正すること止めました。
右翼は全く線が無くなった状態で、左翼を参考にラインを彫り直しました。
左翼は先にラインを深く彫り直して、削ってもラインが残るようにしましたが、それ以上に多くの量を削ったのでラインが無くなりました。
切削作業の途中で、浅くなって断線気味のラインを彫り直しましたが、結構線が曲がって困りました。
右翼のようにツルツル状態でラインを彫った方が結果が良かった。







  
翼厚を減らしたので、面一からこれだけの段差が出来ました。




 
肉厚がとても厚いので切り口も幅広となります。
操縦席側面全体の肉厚を削って減らしました。

  




  
脚収納部は艶消しの黒を塗って誤魔化す方法もありましたが、底を切り取って深くしました。
内部の詳細は全く分からないので、どうデッチアップするか思案中です。







機首の上面ラインに飛燕に似たオデコのラインを作りたくてプラ板を貼ってみました。
考えると、これを確かめる写真はないのです。
N氏の図面ではカーブになっていますが、その根拠は多分無いでしょう。
エンジン、タンク、操縦席等の配置を描いたイラストがありますが、オリジナルの図があったとしても
それは「こんな感じになりますよ」と言った説明用で、胴体のアウトラインには正確性を求められていません。
いわゆる、ポンチ絵です。

厳格で知られたドイツでさえ、同じ趣旨のイラストでは胴体アウトラインはアバウトです。
確かF型だったか、内部構造を説明するマニュアル・イラストの機首ラインが緩いカーブで書かれていて、
それを参考にした昔のイラストはヒンジ部分の直線が無かったと思います。





断面形がつぶれた円状のプロペラブレードは根気よく削りました。
二重反転の後方ペラは回転部に真鍮パイプを埋めました。






流用パーツもあるだろうと、静岡のホビーショーのハセガワ・ジャンクで、
飛燕のパーツを100円で買い求めました。





接着して初めて尾翼の厚さの違いに気付きました。
水平尾翼が異常に薄く感じましたが、ぼけた写真でも薄い水平部が正確で、
厚い垂直尾翼の方が実機と異なることが分かります。


2012.06.04
2012.06.24



垂直尾翼はかなり削り込み、両側面に尾灯を付けました。





コックピットに関しては全く分かりません。
計器板はエンジンを二つ積んでいる関係で、飛燕とも違うはずです。
見えないと言えども、さすがに「ノッペラボウ」では不味いので、適当にメーターを配置してデッチアップしました。




キットの車輪は型くずれしているので、大きさの近いジャンクパーツを使いました。
多分、アカデミーのP-40かP-47と思います。
キ−60,キ−61の車輪をみてもホイールスポークは無さそうなので、それに倣いました。
米軍機に多いダイヤ型のタイヤ・トレッドは埋めるつもりです。




飛燕とはタイヤ径が違うので、四角で囲んだ部分をいったん切り離し、延長して再接着して大きなタイヤが収まるよう改造しました。
プラリペアをクレオスの流し込み接着剤で溶かしながら使うと乾燥が早くて作業が進みます。






収納部の構造も想像です。
「見てきたような嘘をつき」。




機首の断面形底部が丸すぎるので、プラ板を貼って少し角張り気味しました。





背中に着く後部エンジン用の空気取り入れ口は写真から判断して、プラ板を貼って角張り気味に変えました。




計器板がどの位置着くか、上の覆いの有無も形状全く分かりません。
N氏の図面を頼りに作ってみました。
横、後ろにはプラで風防の「受け」を設けました。



キットには塩ビのキャノピーが付いています。
キャノピー最後部当たりの胴体断面形を尖らすように削った為と、
第一キャノピー前面部が平面ではなくて、キ−61・1型の様に曲面と思ったので、
作り直すことにしました。
プラペーパーに側面形を書き、切り取って、テンプレートに使います。
マスターは松風会・会長より支給の人工木材です。
マスターの目止めには瞬間接着剤を塗っていました。
薄く均一に塗ることが大変難しく、厚塗りすると形状が変わってきてしまいます。
薄すぎると地肌がでて、いつもこの処理でメゲます。
それでも一度でマスターが満足できるレベルになっていれば良いのですが、
今回みたいに修正すると、削った箇所の表面処理がまた必要になります。
表面コーティングに台所のラップを使う記事を雑誌で読んで試したこともありましたが、
横にシワが出来て、失敗でした。
PET樹脂には両面に薄い保護フィルムが付いています。
フィルムを剥がさず、そのままヒートプレスすると原型の表面処理が不完全でも綺麗なキャノピーを得ることが出来ます。
この経験でフット思い調べると、スーパーマーケットでトレーをパックするのに使っているフィルムと
「○○ラップ」と言って製品として売られているフィルムではフィルムの厚みが違っていて、
伸びの少ない○○ラップに比べてパックのフィルムはよく伸びました。
台所のゴミ箱から漁ってきたフィルムを使って塩ビを絞ると、多少ゴミも抱き込みましたが、
何とか使えるキャノピーを作ることが出来ました。
PET樹脂を絞れば簡単ですが、可動風防のパネルラインが大変彫りにくいので、塩ビを使いました。




第二風防のパネルラインを彫る為に、細切りのテープで見当を付けます。



エルロン、ラダー、エレベーターの各動翼はハフ処理と思います。
サフェーサーでリブキャップを作る方法はやめて、彫り込んで「波波」を再現することにしました。
リブの枚数も場所も全くの想像です。
鉛筆で印を付けて、彫ります。






次の作業でサフを噴くと、刃物跡が見られて、その処理に手間取ります。
全体が銀塗装なので迷彩機より下地処理に慎重さが求められます。







N氏図面に主翼に小さなバルジが描かれていたので、再現しましたが、
出っ張りすぎの感じがしたので、削ります。




紛失した補助ラジエターのパーツはプラ板で作りました。



2012.06.24
2012.07.02



シートは腰掛け部分はB-26から、背もたれの部分は飛燕からトレードしました。
イギリスでレストアされた5式戦を参考に内部の計器を増やしてみました。
1/72はそれほど内部に手を入れないと言うのが私の方針です。



  
この内部色というのがクセ者です。
川崎系はサンディーブラウンに近い色が内部色。それが定説でしたが、学研の三,五式戦特集号に
それは「灰緑色」の退色した色という説が出ていました。
印刷された灰緑のサンプルは全く緑が感じられない水色でしたが、参考に載っていた写真機に塗ってあった色はドイツのRLM02に近い印象を受けました。
Bf109を輸入し研究しているので、内部色もドイツの影響を強く受けたかも知れません。
雑誌などでも、どうにでも取れる日本語の色名を載せるよりFSナンバーか模型の塗料で指示してくれた方がなんぼか分かりやすいと思います。
クレオスの塗料も時期によって、微妙に色の違いがあるのが困りものですが。



何かゴチャゴチャしていて精密そう。





塩ビのキャノピーは制作時にゴミを巻き込んで多少のでこぼこが出来ました。
スチロールと異なり、塩ビでは磨きによる修正が全く出来ませんでした。
今回、2000,6000,8000番のペーパーでデコボコを減らし、床用の「フューチャーワックス」で二度コーティングをして透明度を回復させました。
本当に、魔法の薬です。
画像はティッシュの上にパーツを置き、ゴミが付かないように透明のカバーで覆っている状態です。




 
キャノピーのフレームは内部色を筆でフリーハンドで描き込むのが今までの手法でした。
描き損なれば爪楊枝で修正が出来ます。
今回はフューチャーワックスをコーティングしているので楊枝を使うと被膜を剥がす恐れがあります。
それで、細切りマスキングテープでフレーム位置を決め、それをガイドにポリのテープを切ってマスクしました。
第三風防の天井部のフレームはN氏の図面にはありません。写真でも確認できません。
キ−60,61から推測すると、この風防が一枚板で作られているとは思えません。
それで、独断でフレームを入れました。
塩ビの接着には光り硬化タイプの瞬間接着剤を初めて試しました。
白化しなく、短時間に硬化するので、これからのスタンダードになると思います。






 
水平尾翼にはドイツ機に多く見られる変な突起が付きます。
操作ロッド、ヒンジとか言う人もいましたが、調べるとやはりマスバランスが正解のようです。
破損しやすいプラを避けて、真鍮で作りました。
曲線部はラジオペンチを改造した工具で曲げます。
一方を円錐形に、他方をそれを受ける湾曲した形にグラインダーで削って作りました。
後日、ハンズで既製品を買いましたが、自作の方が小さな曲線を曲げることが出来ました。






今頃になって脚カバーを作り出しました。
左のキットはN氏の平面図を参考に作ったと思われます。
写真で脚カバーを確認するとAとBの比率がキットでは気に入りません。




 
N氏の図面では左に近いです。
写真を参考に作り直した脚カバーから推測すると、右の様に修正した方が良いと思います。





結果として、こんな風になりました。
二次元図面は立体化すると辻褄の合わない箇所が出来ます。
出来た部品を組んだ時、初めて気付くことで仕方ありません。






飛燕の足はこんな風になります。





タイヤカバーは適当に凹みを入れました。






さあ、これで塗装に入れます。
この段階一服して未完成になっている作品もいくつか有るので、一気に進もうと思います。
・・・思います(笑)。


2012.07.02
2012.07.10


  
着陸灯の位置を間違えていたので、一つ外側のパネルに作り直しました。
ライトはいつもの様にキッチンテープ製です。






透明のカバーにはポリの荷造りテープを使います。
これはとても接着力が強いので予定以外の箇所にくっつかない様に翼を保護します。





画像としては時間的に戻りますが、日の丸の下地に白を吹きました。
赤はイタリアン・レッド(?)を使う予定です。
退色した感じを求めるならドイツのRLM23が良さそうですが、
試作機で、それほど使っていないと思い、そうは言っても生の赤ではきつすぎる様なので、
少し黄な味を帯びたイタリアンを試します。





「銀磨き」です。
サフで丁寧に表面処理をしたつもりでも、光の反射で少しのデコボコも見えてしまいます。
銀塗料をサフ代わりに、塗っては磨く作業を繰り返します。
プラモの全面に刃物を当てたので、微かな傷からは逃れられません。






「8」銀を基本に、動翼には白を加えた銀を、翼面冷却部分には「159」銀を塗りました。
後気付いたのですが、「フムナ」は黒かも?










最後のスス汚れで失敗しました。
実機も相当汚れたとは思いますが、模型的にはヤリ過ぎでした。
何回試みてもススの塗装に失敗します。
塗料の濃度と吹く風圧をもっと研究する必要があります。
他の色ではアバウトでも何とか行けるのに艶消し黒には泣かされます。







脚カバーの構造は飛燕とは違っていると思いますが、実際の所は不明です。










主翼付け根・前縁部が写真で暗く写っています。
敵味方識別帯とは違うと思いますが、分かりません。

今回は光り硬化瞬間接着剤と木型の表面処理にラップを試しました。
新しい技法、材料、工具を試す事がプラモを作る上での楽しみです。
棚で眠っていたキットですが、何とか完成まで来ました。