キ78  「研3」高速度研究機

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アンリミモデル










スピナーの中にはポリキャップを切って入れたので、ペラは回転するし、取る事も可能です。

グレーの色は残っている写真ではとても暗く感じますが、周りの雰囲気から推測すると、フィルム、又はフィルターが見慣れた写真とは違っているようです。
設計者の談話の「明るい灰色」から、普通の灰色に塗りました。
つまり「No13」のニュートラルグレーです。
目止め用のパテなので、一般的な陸軍機の下面色とは違うと考えました。





AZモデル





アンリミの研三は依頼されて展示見本として作ったので手元にはありません。
今回、川崎シリーズを続けるに当たってキ−78も必要になりました。
レジンキットとしては秀作のアンリミですが、翼後縁を限りなく薄くする私には今一思い入れが持てないところです。
コックピットはそれほど手を入れない主義ですが、全く省略する思いっ切りも有りません。
大分のメカドールから出ているレジンキットも持っていますが、経年変化が怖くて作り始められません。
東欧のAZモデルから最近キットが出たので、楽に完成品コレクションを増やせると思って通販で購入しました。




仮組みしたところ、アンリミと比べてアウトラインが何か変です。
一番新しい製品で、それなりに研究されていると思って買ったので、ガッカリしました。





   
アンリミは細すぎると思いますが、AZの方は下のカーブがきつすぎる印象がします。
排気管の位置も倒立タイプのエンジンなので、少し上過ぎでしょう。






腹を基準に両キットを比べると、AZの方が推進軸線が上であることが分かります。





学研の飛燕特集号に研三の側面写真が載っています。
レンズの歪みがあるので全くは信用できませんが、良い参考になります。
研三の全長は810cmなので、1/72で112.5mmとなります。
写真とこれを基準に計算すると胴体長がキットで3mmほど短く、
操縦席後ろの胴体最大高がキットで0.7mm高い、となりました。
アンリミは細すぎで、AZはズングリしすぎです。







脚収納部は浅い中途半端な凹みがあるだけです。









     
 水平尾翼は左右で高さが違っていて、尚かつ、どちらも写真から判断した鉛筆線より高い位置に尾翼がありました。
鋸で切り取り、位置を下げて接着しました。 








余り代わり映えしませんが、水平部と垂直部との間の胴体の膨らみが写真に似てきました。






   
 胴体ラジエターは0.4mm高さが高いので、裏打ちして削ります。
A:前方エッジは1.5mmで、計算の二倍有ります。
B:ラジエターフラップは5mmで1mm程余分です。
アンリミのキットは正確でした。







3mm全長が足りませんが、1.2mmのプラ板を足して少し修正します。





主翼は一枚板なので、中央部にヒケが出来ます。






脚収納部を深くする為に裏打ちをします。






出来た隙間は伸ばしランナーとプラリペアで埋めます。





 
操縦席後方の隔壁を作り、主翼・胴体に出来る隙間は伸ばしランナーで埋めます。





  
どこから流用したか分からないキットのシートは写真を参考に手を加えました。
タイヤカバーの内側から推測する機体内部色は大変暗い印象なので、陸軍の初期に多い藍色に決めました。
シートの写真は比較的に明るく写っていたので、灰緑色と判断しました。
多分、青竹色ではないと思います。





2012.08.13
2012.08.24



プロペラは作業中に曲がらない様に軸を1mmのステンレス線で作りました。
それに内径1.1mmの真鍮パイプを組み合わせスムーズに回転する様にします。







スピナーの裏に0.3mmのプラ板を貼ったので、中心も正確には開けられません。
それより、いつもトラブルのはプロペラの回転面に軸を垂直に設置する作業です。
今回、垂直に軸を取り付ける治具として木の角棒にボール盤で穴を開けたモノを作りました。
スピナーに大きめに穴を開け、木の治具を使って垂直に軸を接着したつもりでしたが、
歪んでしまいました。
原因は木にある木目の為に細いドリルがたわんで垂直に穴が開いていないからでした。
面に垂直に穴を開けた治具を木目のない材料で作ることにしました。
加工工程で熱による変形を避ける為、昔ハンズで買ったベークライトの丸棒を使いました。
旋盤で加工して、穴は今後を考えて、幾種類も作りました。





車輪はハセガワ・飛燕からの流用みたいです。
研三はホイールにカバーが填めてあるので、プラ板でそれらしく加工しました。





水平尾翼は右の様にマスバランス部分があるので、左の様に修正します。







昔、研三を作る時に送ってもらった資料が部屋の隅から見つかったので、
中にあった渡辺利久氏の図面を参考に作業を進めたいと思います。
でも、内部構造の説明図にある操縦桿が曲がっているのは賛同できませんね。
飛燕の様に普通の棒状が良いと思います。









切り飛ばした排気管を再現する為にプラ棒を加工してパーツを作ります。





少し厚めに切って、接着後に高さを揃えます。



 
左右で排気管の位置が違ってしまい、左側を修正しました。
作業の途中で見苦しいですが、右のキット・オリジナルと比べると実機に近づいた感じがします。

左翼付け根に気化器の吸気口があります。
導風板が斜めになっている気配なので、それらしく彫刻しました。



2012.08.24
2012.09.17


方向舵の幅が足りなく感じたので、伸ばしランナーで埋めて、彫り直しました。





タイヤハウス内部は全くの想像です。
下面のラインを彫っていたらフラップの長さが左右で違っているのに気付きました。
手作業の簡易には付きものです。
フーマのMe209ではエルロンの幅が、左右、上下全て異なっていました(涙)。
研三でも脚の位置が左右で微妙に異なっています。
パネルラインを追加する段階で分かってくるのが困りものです。



   
ヘッドレストが有る様なので追加しました。
操縦席内部は計器板、操縦桿、シートのありふれた構造です。
キットのキャノピーを載せれば、それほど見えないと思います。







タミヤフェアーで購入した外国製のクランプです。
華奢ですが、プラモには優しいです。





微かな段差もパテで修正します。
第一風防のフレームは時期によっては無い時もあるようです。
無塗装で、機首に防眩塗装をしている時期はハッキリフレームを確認できます。
第二風防の天井部フレームは金属ではなくて透明アクリル(有機ガラス)の合わせ目みたいです。





サフ塗りを丁寧にしても、銀を塗ると傷が目立ちます。
塗っては磨く、銀磨き作業を複数繰り返します。
傷が無くなるに従って、オモチャぽっく感じるのは何故でしょうか?



2012.09.17
2012.09.23




脚引き込み用のリンクを追加しました。
少ない資料なので、雰囲気だけですが。






ハフ張り部分を白を加えた銀に塗りました。
良く見ないと、その差はほとんど分かりません。





いつもとは逆の手順で、日の丸を最後に塗装しました。
丸い日の丸部分を先に貼ってから、周りを歪まない様に丸に合わせて貼ります。
その後、日の丸部を剥がして、機体全体をマスクします。





翼、上下のピトー管は色塗り工程を省く為に洋白線で作りました。





プロペラは無塗装・銀の時と茶褐色に塗られたモノを付けている時が写真で確認できます。



良く見えませんが、タイヤカバーには飛燕同様、引き込みの為のリンクを追加しました。
昇降舵のマスバランスはアンリミモデルから流用したホワイトメタルです。

脚カバーはタイヤ部分はキットのパーツを薄くして、他はプラ板から作りました。



完成してみると、脚が1mmほど長すぎる印象を受けます。
疲れたので、修正はやめて、放置です(苦笑)。

簡易キットははめ込み部が無い、または貧弱な為、仮組がし辛いです。
その為に、作業が進んだ段階か終わった段階で、初めて異常に気付きます。
細かなパーツを機体に合わせて設計するのではなくて、他のキットから流用するのも不都合の出来る大きな原因でしょう。





胴体と合わせる為にかなり削ったと思いますが、透明度も良く、像の歪みもほとんど感じません。