P-37

PZL P.37


(ウォシ、またはウォシュ:意味はヘラジカ)


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2011.08.07

ポーランド・マイクロ社




ソ連健在なりし頃、ポーランドから出たポーランドの機体です。
箱は印刷ズレがあって、大変チープです。
説明書もワラ半紙(昔の学校の印刷物はわら半紙に謄写版印刷でしたが、今も使われているのでしょうか?)で、
内容はともかく、高級感からは遙か遠いと言えます。
箱いっぱいに入ったキットはヘコ彫りが主流になりつつあった当時、平均的でしょう。
横に貼った価格ラベルには800円となっていました。

箱絵もオマケではなくて、製作モチベーションの大事な要素です。
つまらないキットも出来すぎの迫力タップリの箱絵で、つい購入したり、製作を開始してしまう事もあります。
その点、このキットは損してます。








   
左の、P.37の資料は友人が通販を利用している時についでに取ってもらった物です。
有名なProfileのシリーズは、この時手に入れたのか、店先で見つけて買った物か今となっては忘れました。
左はポーランド語で、全く読めません。紙質もプラモと同じくらい悪いです。
写真も印刷が悪いですが、重要な写真はProfileの方にほとんど載っています。




       
作る気力を削がれた一因がこの透明パーツです。
メインの機体パーツは普通に綺麗なのに、何故か透明パーツは傷だらけです。
エアーフィックスで、「氷砂糖」と表現されるパーツに通じる物です。



ペーパー、コンパウンドで磨き、ここまで持ってきました。






左、オリジナル。 右、研磨済み。



左の方が研磨した物です。



  
キャノピーの材料はゴム質が入っていないので、メインのパーツに比べてクラック(亀裂)が入りやすいです。
軽く磨いていてはラチが上がらず、力を入れすぎるとすぐクラックが入ります。
押さえる力を控え、速度を上げて研磨回数を増やせば能率が上がりますが、手作業では限界があります。
そこで採用したのがクレオスのハンディー研磨機です。
オリジナルではキャノピーの内側を研磨するには大きすぎたので、プラ棒を着けそれに6000番のペーパーを貼りました。
ヘッドが回転するタイプでは大きすぎて内側を磨けません。



600円くらいで購入した子供用の電動歯ブラシはブラシ部を切り取り、ドリルで穴を開けて妻楊枝を刺します。
斜めに切った木部にコンパウンドを付けて振動で磨くと能率が上がります。






リューターに綿棒付けてコンパウンド研磨すると、早く仕上げられますが、面が波打つ事から逃れられずに難儀をします。。
その為、上の2機種を新規に導入しました。
この綿棒回転技法も丸まった奥の研磨には効果的です。

軸が樹脂の綿棒は2.4mmチャックには少し太すぎて固定しづらく、この研磨に使う綿棒は木製軸を選んでいました。
最近、100均で、細めの樹脂軸綿棒を手に入れたのでテンションが上がっています。






製作気力を削ぐもう一つの原因がプロペラの出来です。
細く形も悪いので、伸ばしランナーを貼り、プラリペアーで補強します。
キットのランナーを使って材質を揃えるのが最近の私のスタンダードですが、今回は前作のバロム・キットのランナーを使いました。
PZLのランナーは炙ると表面が泡立ち、伸ばす途中ですぐ切れます。
ゴム成分が少なすぎるのでしょう。
プロペラは薄く削るので、腰のあるバロム・キットのランナーの方が向いています。







ランナー間とプラリペア表面に気泡が出来るのでパテで埋めます。







軸にテーパーが掛かっています。
当然修整します。





完成したプロペラ。
キットは基部に切り返しのパーティングがあります。
理由は良く分かりません。
センターボス部だけ作り直した可能性もあるし、
プロペラピッチが正逆違っていたので、捻りを替えた。
ブレードの断面から推測すると、ピッチ間違いではないらしい。
ピッチは合っていたが、角度が足りなかったので修整した。
そこら辺が答えかも知れません。






   
エンジンはイギリスのペガサスエンジンのライセンス生産です。
シリンダー裏面から気化燃料を送り込み、前面に排気し、排気リングで後ろ方向に排出する。
エンジンシリンダーのフィンの彫刻が一方ありません。
仕方がないので、スペアーキットから持ってきました。






スピナーは赤線ライン部が丸っこいので少し直線的に削りました。
右、オリジナル。






   
エルロンとフラップは上翼と一体に作られています。
上画像の様に左翼でズレが出ているので修整します。




上面パーツのズレから、下面パーツとの接着で隙間が発生します。






   
上下2パーツの水平尾翼も接着ズレが出ます。





 
ラインと胴体部の間隔が左右で異なります。








胴体部を切り離し、移動接着します。




2011.08.07

2011.08.12


  
操縦桿は先端が曲がっている変なタイプです。
実機では右に曲がっているのにキットでは左に曲がっています。
ハンドル部分をエッチングノコとカッターで切り取り、表裏に張り替えました。




操縦桿前の計器ボックスには適当にレバーを付けました。







サイドはほどほどの彫刻があります。





 
説明書通りに座席を付けると画像の様に窓側に寄り過ぎるので、
少し中央寄りに移動させましたが、もっと中央にした方が良かった。
機首の爆撃手はパイロットと同じ所から乗り込み、操縦席の横を通って前方に移動します。





左には貫通穴が開いていますが、写真を見ると前方に向かって斜めに開いている感じがします。
内側からプラ板で塞ぎ、パテで斜め方向に穴が開いている様にします。




 
翼端が非常に薄く、気になっていましたが、写真でも相当薄いので、そのまま接着しました。
すると、丸で囲んだ様にねじり上げみたいな気持ちの悪い形状になりました。
下面は全く平面で納得できない形状です。
先端部はエルロン、フラップと同じように上面のパーツと一体になっています。
下面のパーツが先端部より沈んでいるので、パテが要りそうです。
パテを使う代わりに接着部でかさ上げする事にしました。





先端部を折り取り、上下の翼パーツ間にナイフを入れて、前縁の接着部を剥がしました。
プラの端材を差し込み厚さを調整しました。




再度、先端部を接着すると丸で囲んだ様に段差が出来ます。
これだけ厚みを増したわけです。





パテを盛る代わりにプラ板を貼り、修整しました。



  
フラップ周辺にも放置できない隙間が出ます。
この段階で、まだ尾部パーツは接着していません。
主翼を基準に尾部を付けないとねじってしまうので、要注意です。










赤丸で示した様に、翼の爆弾倉の一部が切れてしまいます。
翼の基部にも爆弾倉が掛かるので修整します。

胴体の爆弾倉は紫丸部分が開くと思い線を彫りましたが、
確かめるとこの部分はヒンジがあってその外側のラインが開閉ラインで、ビックリしました。







2011.08.12

2011.08.25



爆弾倉の彫刻は前回の更新からこのように変化しました。




 
爆撃手席のシートは突起が5個ある変な形をしています。
下の画像の様に凹ませた箇所に突起のアクセントをしました。
普通に見るソファーでしょう。









  
計器板は適当に赤、青、黄色、白のアクセントを入れました。
風防を付けない段階では何とか計器板が見えます。




風防が付くと、案の定、ほとんど見えません。
まれに、この段階でもしっかり見える物もあるので、それなりの計器板を仕込まないと後で泣きを見ます。




  
尾輪は丸で囲んだ箇所は二枚の板が「V」字状になっています。
強度を優先したので、中を凹まし、墨入れで誤魔化すつもり。





主脚は片方が型ズレしています。
左右同じ物なので、予備キットから一方を流用しました。
このキットは安いけれど、1個を作るのにキット2個が要るので、安いとは言えませんねえ。





タイヤも型ズレしています。
ズレの少ない物を2セット用意して、更に修整をしました。




脚柱を抜いた状態で2連タイヤを組むと、タイヤの間隔が写真と同じくらいの狭い間隔となりました。
どうも、脚柱部が大きすぎる感じがします。
タイヤ間を狭める様に削るつもりです。



  
タイヤホイールには6本スポークが彫刻してあります。
ほとんどの場合、ホイールキャップがしてあるので、付けようと思います。
キャップの厚みを削るのは当然ですが、タイヤ側も削らないと自然な感じには近づけません。





    
カウル下部のエアーインテークも型ズレしています。
つまらないところに手が掛かるキットです。




 
翼下にむき出しで付いているオイルクーラーはゲートが彫刻部分に付いているので、処理に困ります。






このオイルクーラー。
機銃がオモチャみたいに雑なのに反して、無茶苦茶ピッチの細かいフィンをしていました。

型痛みして消えたフィンをカッターナイフで根気よく掘り出しました。
この作業だけで、一晩使いました。






   
カウリングのオデコ部分が角張りすぎている様なので、削りました。
右側が処理後です。画像では分かりづらいですねえ。




カウリングの前部は排気管になっているので、自作の塗料で塗ります。
シリンダー部に墨入れすると、それなりに見れます。




     
キットの旋回銃は画像の様に・・・なので、前作、ハンプデン(Hereford)で使わなかった部品を流用します。
ルイスかと思ったら機関部下にグリップが無くて、旋回用のハンドル部にトリガーがある独特の形をしています。
それなりにデッチ上げました。





旋回銃のレールも溝を凹まし、それらしくします。





垂直尾翼の下部(画像では上側)は角張っているので削って滑らかにしました。




胴体上部機銃の透明部は例によって裏表ともガタガタでした。
塩ビで絞るのがベストですが、クラックも入らず透明度も上がったので、キットのパーツで行きます。
下がオリジナルです。全く文字が読めません。


 

2011.08.25

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