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Top Pageおはなし>雲水修行−庭詰
庭詰−にわづめ
庭詰
朝早く専門道場の山門をくぐり、薄暗い玄関の上がりかまちに横ずわりになって頭をさげ、「たのーみーまーしょー」と大声で声をかけました。 しかし、返事がありません。もっと声を張り上げて声をかけます。何度か繰り返すうち、人が出てくるので、自分が修行しにきたことを伝え、準備してきた書類を渡します。 いったんはその書類を持っていってくれるのですが、しばらくして「この専門道場は今満員だから他へ行ってください」と丁寧に断られます。そこで「ああ、そうですか」とその場を去ってはいけません。本当にやる気があるのか、覚悟ができているのかが試されているのかもしれないからです。ですから、たとえ満員であるといわれても、その書類をだしたまま頭を下げ続けて入りたいという意思表示をしつづけるのです。不自然な姿勢を続ける為、30分もたたないうちに節々が痛くなってきて脂汗がにじみ出てきます。 しかし、昼食(ご飯、味噌汁と梅干)、東司(トイレ)以外は夕方までその姿勢を続けなければなりません。
夕方になり、「遅くなったのでとりあえず今日は泊まっていってください。」といわれました。まだそこで修行する身ではないので、あくまでお客様としての扱いです。投宿場でもてなしのお茶をだしてくれました。しかし、それは大きな湯飲みいっぱいの、湯気が白くのぼる熱〜いお茶です。やはりここでも自分の覚悟を試されているのでしょう。なるべく表情に出さないよう努めながら、なんとか飲みほしました。
次の日も朝から頭を下げ、ずっと耐えなければなりません。この日を乗り越えると座敷に上がらしてもらえるのですが、そこでもまだ、、、。




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