東京都板橋区南常盤台




もうかれこれ35年以上前に、私が若かりし頃卒業した 東京板橋のふとん専門学校です。
残念なことですが現在は閉校になりました。

家業を継ぐために 寄宿生(全国から集まった者17名) として学校で寝泊りしていました。
ほかにも 本科生の人たちが(東京近郊の布団屋さんで修行をしながら
週に数回通学) 学校に通ってきていました。

期間は、1年間でしたが一般社会では経験できないような事を
いろいろ体験することが出来ました。

この学校の最終目標は、ご年配の方ならご存知の夜着
(国家試験寝具製作1級技能士の試験で製作する物)
を作ることが出来るようになるのが最終的な目標です。

当然ながら敷ふとん・掛ふとん・座布団など全てを教えていただきました。

この学校へ入学したのは、25歳の時で 「何でこんな歳に」 とお思いでしょうが
家業のためと思い入学しました。

入学して一番ビックリしたのは、学院長先生がバリカンを持ってみえ
「君たちこれで髪を刈りなさい」 と言われた時です。(寄宿生のみです)

ご想像のとうり当然マルボウズです。それ以前の25年間は長髪です。
(多分現在の蒲団学校ではない事と思います。 
その理由は、久々のOB会の時、現在の寄宿生の頭髪を見てそう思いました。)


入学した当初は、針なんて持ったことがない人がほとんどでした。それでも縫い方を1から教えていただき寄宿生と一緒に暇な時間があれば運針の競争をしたものです。

そのおかげで針と鋏があればお客様のご要望する多種多様なふとんが製作することが出来るようになりました。

学院時代に私が寄宿生つけられたアダナは 「オヤッサン」 です。
なぜなら私が入学した時の生徒の中では1番年が上だったからでしょうが・・
もちろん現在にいたっても同期の人たちからはそう呼ばれています。

それから学院時代で懐かしいことは、掃除です。
毎朝7時より、学院から1キロ程はなれた神社まで道路の両側を往路復路に分け
掃除をすることです。掃くものとゴミを集めるものと分担して掃除していきます。

そして神社に到着すると皆横1列に整列してニ拝ニ拍手一拝。 神社を掃除した後、
帰りの残った道路の片側をまた学院まで掃除していくのです。

トイレ掃除にいたっては、便器を直接雑巾で手で拭くのです。 
トイレの床のタイルも同様に手で雑巾で拭きます。
この様な経験は、一般的な学校ではおよそ経験することが出来ないだろうと思います。

当時よく、学院長がおっしゃっていたことに 「自由と勝手は違うと」 私たちにおっしゃっていました。 このことの本当の意味は、歳を重ねるごとに良く意味がわかってきました。
しかし、仙人ではありませんので そこそこの理解であるとご解釈ください。

学院長は、NHKの教育テレビにもよく出演されていましたので
ご年配の方はご存知の方も多いと思います。

とにかく、この学院生活1年間で
針も持てなかった私がふとんを作れるようになり
また夜着(かいまき)も作れるようになりました。!

そして年齢差のある同業の友達も全国に出来ました

以上回顧録です