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 「普及版というものについて(ティポ)」

替え芯が、ペン先とインクタンクとで一体となっているためにボールペンの書き味はこの替え芯の性能に委ねる部分が非常におおきい。今回はtipoというラミー社のペンを紹介するがこのtipoの替え芯はswiftと同じM66とよばれる替え芯である。

水性ボールペンというものは滑らかな書き味をもつのだが、一般的に乾きがわるいために薄手の紙など使ったさいには裏写りやにじみが大きくなってしまうことが多い。そのために各メーカでは出来る限りインクの流量を押さえる傾向にあるのだが、そういった処置を行ってしまうと今度は筆記感が著しく悪くなってしまう。具体的にどのような事が起きるかというとペン先を走らせた後にインクが出てくるようなダイレクト感のなさである。

筆記感を損なわないようにしながら乾きをできる限り早くするのはどうすればよいのか、それが水性ボールペンを作るメーカーが解決しなければならないことである。各メーカは「インクをゲル化する」「ペン先を軽やかに回るものとする」などなど色々なアプローチを取りながらこのメーカにとって至上命題ともいうべき問題に取り組んでいる。

TIPO and M66

そしてラミー社はM66という途轍もないリフィルの開発に成功した。通常ならばゲル化するなどしてインクの粘性を上げインクのにじみを防ぐ(この粘着性が筆記感を損ない且つ速乾性を阻害する一面もある)ところであろうが、ラミー社はそのような方向性をとらずに水性インクの染料や溶媒を徹底的に見直すことによってこの問題をクリアすることに成功した。

まるで万年筆を彷彿とさせるような書き味とにじみや裏写りのしない速乾性。これは私の知る限り水性ボールペンのなかでは最高の替え芯である。

もちろん、ペンの書き味はこの替え芯によってのみで決定されるものではない。重量バランスそしてそのペンの持つ雰囲気によって最終的に決定されるものである。今回紹介するtipoは以前に紹介したswiftと同じM66という替え芯を利用するのであるが、この両者のペンのデザインは重量配分に至るまで大きく異なる別個のペンである。そしてその書き味も、まるで同じを血を受け継いでいるにもかかわらず似ても似つかない兄弟のように違う。
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