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「個性」 夏休みでも無いというのに暑さから逃れるためか、それとも期末試験のためであろうか、図書館には制服を着た中高生があふれかえっていた。彼らの為にゆっくりと座って閲覧するということは出来ない。そのために棚から開いては閉じを繰り返しながら手に取った画集。その画集の中でも最も美しい装丁がしてあったのが、Frnando Boteroという画家のものでした。彼の描く絵に出てくる人物や植物、家具はどういうわけだか丸々と太っています。 実際のモデルとなった人たちは太った人々ではなくちゃんとしたデッサンをした上でBoteroが太った人々(物)として描いていったのですが、多分こういった絵のモデルたちはどちらかというと美しい外観(特にLOVERSという作品)やマッチョ、スレンダー、グラマラスという表現で例えられるような個性的な肉体特徴を持っていたのだと思われます。にも関わらずそういった外観を奪い去ってしまっている。人間が人間を判別するときには、まず外観から入ります。遠くから見て「ああ、吉本さんだ!!」てなぐあいですね。その外観が大まかな部分で共通になってしまう(Boteroの場合には太った人々)つまり、男か女か犬かネコかといった程度でしか判別が出来ない状態になってしまう。この状態で個性はどのように表現すべきか・・・そういったスキム(企て)のもとで描かれたのがBoteroの作品群です。 <<< 前のページ |
余談になりますが数年前に「笑うセールスマン」という藤子漫画の主人公はBoteroの作品に出ている人物によく似ています。![]() <氷川のジャーナルより> Boteroは外観的な個性というものを奪い取り何を表現しようとしていたのか・・・ 奪ったものは外観的な個性、そして描きたかったものは内面的な個性。 表情や動き、背景をしっかりと描き込むことによってこの個性を表現しようとアプローチし、個性の表現に成功したばかりか、その作品に出てくる人々は美しく愛おしさを感じさせている。 この成功から私が学んだことは人の個性がその外観にのみよって形成されるのではなく、積み重ねられた人生の中から生まれる表情こそ美しいのだろうということです。 次のページ >>> |
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