新聞− 脳外傷、脳外傷友の会「みずほ」について

2001.11.06 NHKニュース
障害者雇用にジョブコーチ制
厚生労働省は、障害者が仕事に慣れるまでの間、一緒に職場に出かけて、上司の指示を伝え、作業の進め方を教える「ジョブコーチ」を配置する制度の導入を決め、企業に対して障害者の採用を働きかけることになりました。

 

2001.09.23 脳外傷友の会を設立 家族らが情報交換 広島地区(広島県) 中国朝刊 隣圏
交通事故などで認知や記憶障害といった脳外傷の後遺症がある患者とその家族が24日、脳外傷友の会広島「シェイキング・ハンズ」を設立する。広島を拠点に、家族同士の連携や社会復帰に向けたリハビリなど情報交換の場にする狙い。中国地方では2番目。

 脳外傷の後遺症は、高次脳機能障害と呼ばれている。頭を打ち、思考や記憶力の低下、感情のコントロールができず混乱状態に陥るなどの障害がみられる。

 設立総会は東広島市の県身体障害者リハビリテーションセンターで午前10時半から。会は年2回の会報発行などを計画している。

 

2001.09.21 朝日新聞 朝刊 経済 12面
政府の総合雇用対策<要旨>
職場適応援助者(ジョブコーチ)による障害者の雇用促進

 

2001.09.14 中日新聞 朝刊
作品展やバザー通じて地域と触れ合う生活を 高次脳機能障害者の施設 あす瀬戸に開所 (抜粋)
 
地域とのふれあいの中で、障害者と自立した生活をはぐくむ、高次脳機能障害者と家族らのグループ・サークルフレンズ(豊田幸子代表)の「フレンズハウス」が15日、瀬戸市内にオープンする。

 

2001.04.30 中日新聞 朝刊
交通事故の後遺障害 要介護者すべてに介護料 7月から支援強化

 
国土交通省は、交通事故の被害者救済の一環として、重度後遺障害者への介護支援を抜本的に強化することを決めた。これまで常時介護が必要な重度後遺障害者の中でも「いわゆる植物状態の場合」と限定して支給していた介護料を、今後は常時、または随時介護が必要なすべての被害者を対象に支給する。交通事故の死者数は減少しているものの、脳などに著しい障害が残る重度後遺障害者が増えているためで、要介護者が短期入院する際の費用の一部も補助する。
 交通事故の被害者に支払う自動車損害賠償責任保険(自賠責保険)の運用益で費用を賄う。
 今年7月から新制度をスタート。同省は介護料の支給対象者は現行制度での833人(2000年6月現在)から、2001年度で約5800人に拡大するとみている。
 新たな制度では、脳や脊髄を損傷したり、臓器の機能に障害を負って常時介護となった場合、家族の介護に月額58,570円を支給。ヘルパーや家族派遣などのサービスを受けた際は自己負担分について108,000円を上限に支給する。随時介護と認定されると29,290〜54,000円が支払われる。
 「植物状態」の場合の支給額は現行水準と変わらず、68,440〜136,880円。このほか検査などを目的に短期入院した際に、1日1万円、最大年間30日を上限に補助する仕組みも創設。一時的に家族が介護できない場合なども支援する。
 新制度は、高度治療を行う医療機関への入院や、身体障害者養護施設などに入所しているケースは対象外。

 

2001.04.22 毎日新聞 地方版/三重 
県内初、脳外傷友の会「みずほ」三重支部−−行政、病院と連携し支援 三重



 交通事故による脳外傷などが原因で高次脳機能障害を持つ障害者と家族の会「みずほ」(脳外傷友の会、本部・名古屋)の三重支部が設立され、21日、津市一身田の県身体障害者総合福祉センターで記念講演会が開かれた。同支部は今後、同障害への理解を深めたり、行政や病院などと連携を図る。全国には「みずほ」をはじめ、七つの脳外傷友の会があるが、三重県にこうした組織ができるのは初めて。

 高次脳機能障害とは、交通事故などで脳に損傷を受けた場合に残る、認知や記憶などの障害。症状は、損傷を受けた脳の部位や、損傷の程度により、人によってさまざま。感情がうまくコントロールできないなど、周囲に理解されにくい状態にある。さらに現在の身体、精神、知的障害に分けた福祉制度では、的確な保障が受けられず、「福祉の谷間」に置かれている、と言われる。

 記念講演では、高次脳機能障害者のリハビリテーションに詳しい大田喜久夫医師(松阪中央総合病院)が、高次脳機能障害者の社会参加について講演した。会場には約100人が訪れ、今日だけで7家族の入会があった。高次脳機能障害を持つ高校生の息子を抱える女性(48)は、「名古屋に脳外傷のための会があることは知っていたが、遠くて行けなかった。三重に支部ができたと聞いて、早速今日入会しました」と話した。

 「高次脳機能障害者を抱える家族に、答えを出してあげられるわけではないが、情報交換の場になれば」と、三重支部長を務める古謝由美さん(50)。問い合わせは、県身体障害者総合福祉センター内、生活訓練部(059・231・0155)まで。

 

2001.04.17 毎日新聞 地方版/愛知
「脳外傷」学習会、難しい日常の生活浮き彫り−名古屋で患者らのグループ 愛知

 事故で脳に重傷を負い、記憶障害や集中力低下などの後遺症が残る「脳外傷」の患者・家族でつくる名古屋市のグループ「みずほ」(会員約360人)の学習会が15日、同市東区の県女性総合センター「ウィルあいち」で開かれた。昨年4月に改正された成年後見制度について質問が相次ぎ、この病気特有の難しい日常生活が浮かび上がった。

 講師の波多野浩平弁護士が「残された判断能力に応じて補助、補佐、後見の3段階がある。脳外傷の場合、本人以外の人に代理や同意などの権限をゆだねる“特定の法律行為”を吟味すれば補助で足りる」などと説明。会場からは「息子は重度の記憶障害で、仮に何か契約してきても記憶がない。契約解除の期限はあるのか」「脳外傷の息子が傷害事件を起こした。親の死後も、補助人がいれば補償交渉や警察の取り調べなどの面倒を見てもらえるか」「社会復帰したが、自分の判断だけで行動するのは不安。補助人を付けられるか」などの質問が出た。

 脳外傷は、5分前の記憶がないなど特異な症状のため、損害保険の認定や障害者給付から漏れるケースも多い。交通事故の後遺症が大半で、全国で数万人いるとされ、専門治療施設はほとんどない。

 

2001.04.14 西日本新聞 朝刊
ほっとらいん=「見えない後遺障害」(七日付)の反響


 「見えない後遺障害」(七日付)に反響が寄せられました。一部を紹介します。


 ●年金もなく生活苦しい

 三年前、夫(60)が脳内出血で倒れ、左半身まひが残る身体障害者です。夫は二十年ほど自営業だったので、六十五歳にならないと年金がありません。今は月十万円弱の私のパート収入で生活にも事欠くありさまです。二回、障害年金を申請しましたが、障害の程度が軽いと却下されました。

 しかし、視床(ししょう)痛という痛みがあり、一日中床についている状態です。一番の苦痛が対象にならないのはおかしい。働けなくなったときの年金と思っていたのに、何か割り切れないものがあります。 (福岡県粕屋郡、パート女性)


 ●事故で障害 仕事できず

 何年もこの記事を待っていた気がします。夫は七年前、三十歳のとき交通事故に遭い、一命を取りとめましたが、右片まひ、失語症が残りました。

 日常生活はほとんど一人でできます。だから「なぜ仕事をしないの」などとよく聞かれます。しかし、現実の夫はやる気が起きず、ちょっとしたことで異様に子どもを怒ったり、たたいたりし、それをすぐ忘れる。また、部屋で何時間もボーッとしたりという状態が何年も続いています。 (福岡県、主婦、36歳)


 ●前夫の暴力 後遺症残る

 前夫の暴力が原因で脳挫傷を起こし、半身の脱力、しびれ、視野障害、めまいなどが残った。それでも障害者の基準に該当しないといわれました。一時パートで仕事に就いたものの、作業の手順が悪く、体力も持たず辞めさせられました。

 見た目が健康なので、よけいにつらい思いもしています。同じ悩みを持っている人がいるということを知り、心強く思いました。「脳外傷友の会」の活動内容や連絡先を教えてください。 (熊本県、主婦)


 九州で活動する「脳外傷友の会ぷらむ」の事務局は電話092(865)4877です。

 

2001.04.07  西日本新聞社 朝刊
くらしと社会保障 あしたへ=今週のテーマ・見えない後遺障害 理解遅れ認定に壁
 外傷による「高次脳機能障害」 社会保障のエアポケット 患者団体は支援訴え


 交通事故や転落事故などで脳に外傷を受け、記憶力や判断力が低下したり、感情を抑制できなくなったりする「高次脳機能障害」が問題になっている。障害が目に見えにくいため、患者本人を含めた社会の理解は遅れ、社会保障制度の谷間に取り残されているのが現状だ。このため、国は本年度から障害の実態、支援方法などの調査・研究に乗り出すほか、患者や家族らのネットワークも全国に広がっている。 (暮らし取材班・井上真由美)

 ▼人が変わった

 福岡市の今村栄子さん(42)は、病院から一時帰宅した夫修一さん(45)に驚いた。入浴中、浴槽の湯がなくなるまで自分の体に湯をかけ続ける。トイレットペーパー一個分を使い切り、トイレを詰まらせることもしばしば。

 建設会社を経営していた修一さんは一九九九年十月、作業中の建築現場で転落。頭骨骨折や脳内出血などの重傷を負った。体は数カ月で「動きが鈍い」程度まで回復。ところが、直前にしたことを忘れてしまう、感情をコントロールできない、時々うつ状態になる…。人が変わってしまったようだったが、本人に自覚はない。

 事故から約三カ月たって「高次脳機能障害」と知った。今も入院が続き、退院後の就労は難しい。

 ▼現実より軽く

 高次脳機能障害とは、脳卒中などの病気、事故や打撲などの外傷で脳に受けた損傷を原因とする身体まひ、失語症、記憶障害、認知障害、精神・行動障害など。損傷の場所や度合いで症状が異なるが、外傷性の場合は一般的に身体まひなど目に見える障害は軽く、目に見えない障害が重い。

 現行の障害者手帳は(1)身体(2)知的(3)精神―の三種類。知的障害は十八歳以下の発育障害を対象としており、外傷性はほとんど対象外。サービスの種類が多い身体障害は身体・感覚機能の障害に限られ、対象外か、現実より軽く認定されることが多い。精神障害でも、痴ほう症やてんかんなど個別の症状に限られるうえ、知識のない医師では認定されにくいという。

 今村さんの場合、認定されるとすれば精神障害だけ。福岡県障害者福祉課は「現行制度は日常生活の支障を認定基準としており、社会生活での支障が大きい高次脳機能障害はエアポケットになっている」と説明する。

 こうした現状を改善しようと、昨年、全国組織の「日本脳外傷友の会」が発足。九州・山口にも「脳外傷友の会ぷらむ」(小南雅稔会長、三百七十四人)ができた。会員の手記を集め、必要な支援を社会に訴えていく。

 ▼実態を把握へ

 公的機関も動き始めた。自賠責保険の請求を受け付ける自動車保険料率算定会は今年一月、精神・神経系の後遺障害の認定基準に、高次脳機能障害に関する考え方を補足し、二月末までに十三件を認定した。

 厚生労働省は本年度、全国七地域の拠点病院で、高次脳機能障害の評価基準と社会復帰や介護支援のプログラムを確立するため、七千万円を予算化した。

 ぷらむメンバー川井雅代さん(28)は今、福岡県内で一人暮らしをしている。七年前、バイク事故で頭を強打。中学卒業後ずっと海外留学していた活発な雅代さんが、事故後は無表情で無気力になった。事故から二年たって米国で脳障害を重視したリハビリを続けた結果、心身ともに以前の雅代さんが戻り始めた。

 ただ就職のハードルは高い。「高次脳機能障害を広く知ってほしい。そうすれば、日本でも治療やリハビリの研究が進み、患者や家族が救われる。就職や就学の受け入れも進むはずです」。雅代さんは訴えている。

    ×      ×

 ●社会復帰の支援必要

 ▼産業医科大 蜂須賀研二教授

 産業医科大(北九州市八幡西区)の蜂須賀研二教授(リハビリテーション医学)に高次脳機能障害の実態と必要とされる支援を聞いた。

   ◇   ◇

 高次脳機能障害の主な原因となる外傷性脳損傷患者は、人口十万人につき年間二十七人が発生しているといわれる。昔からあった障害だが、交通事故の増加、救急医療の発達で脳が傷ついても助かる確率が上がったことなどで症例が増えている。

 中でも、二、三十代の若い患者が目立つ。高齢患者が介護保険などで行政支援を受けられるのに対し、若い患者は福祉制度に取り残されてしまいがち。身体障害の認定基準に「高次脳機能障害」という言葉を入れるべきだろう。

 主な症状は、パズルや迷路問題、ゲームといった専門のリハビリを続ければかなり回復する。失われた機能が回復しなくても、残った機能を伸ばせば社会復帰は可能だ。職業復帰などの支援システム構築が急がれる。

 また、高次脳機能障害の患者は、交通事故などの被害者というケースが多い。「自分は悪くないのに」という意識のため、障害を受け入れにくく、気持ちの整理に時間がかかる。急性期の病院でのリハビリは効果が上がらない場合もある。救急病院、リハビリ病院など関係機関が連携し、効果的な医療の流れを確立することも必要だ。

    ×      ×

 ●自賠責保険の認定基準補足(高次脳機能障害関連)

 【1級】身体機能は残っているが、高度の痴ほうのために全面的介護が必要

 【2級】著しい判断力の低下や情動の不安定などがあって、日常生活範囲は自宅内に限定。排せつや食事などはできても、生命維持に必要な身辺動作に家族からの声かけや監視を欠かすことができない

 【3級】自宅周辺を一人で外出でき、声かけや介助なしでも日常動作ができる。しかし、記憶や注意力、新しいことを学習する能力、障害の自己認識、円滑な対人関係維持能力などに著しい障害があって、一般就労がまったくできないか困難

 【5級】単純繰り返し作業などに限定すれば、一般就労も可能。ただし、新しい作業を学習できなかったり、環境が変わると作業を継続できなくなるため、一般人に比べて作業能力が著しく制限されており、就労維持には職場の理解と援助を欠かすことができない

 【7級】一般就労を維持できるが、作業の手順が悪い、約束を忘れる、ミスが多いなどのことから一般人と同等の作業を行うことができない

 【9級】一般就労を維持できるが、問題解決能力などに障害が残り、作業効率や作業持続力などに問題がある

 

2001.03.04  中日新聞 朝刊  三重版 
外傷などによる高次脳機能障害 県、新年度から実態調査 診断やリハビリ法確立へ 予算案に3000万円盛る

 【三重県】県は新年度から、交通事故による脳外傷や脳血管疾患が原因で、記憶力や思考力が衰え、
感情の抑制もできなくなる「高次脳機能障害」の診断やリハビリ方法を確立するため、県内の実態調査などに乗り出す。
障害の定義が明確でないため、現行の福祉制度では満足なサービスが受けられない“福祉の谷間”を埋めるのが狙いだ。

 高次脳機能障害は、脳が損傷を受けたために起こる障害で、思考力の低下や健忘症、無気力感など外見からは障害が分かりにくい。
ここ十年で増えたとされるが、障害の定義が明確でないため実態は分かっていない。

 この障害に対応するため、県は新年度当初予算案に約三千万円を盛り込んだ。県や三重大医学部、ケースワーカーなど約十人で
チームを作り、まだ確立していない診断や治療方法、社会復帰のための訓練の手法を探る。

 実態調査は、県内十九病院が協力して事例を集める。津市一身田大古曽の県身体障害者総合福祉センターで、障害者手帳がない人を
対象に通所と入所の計十人のリハビリも行い、適切な方法を調べる。

 障害者手帳には身体、精神、知的の三種類があるが、高次脳機能障害者はどの枠にも当てはまらない人が多い。
さらに「脳外傷の知識がない医師だと、障害だと診断されないこともある」(同課)。手帳がないとサービスが受けられないため
、家族の経済負担が大きく、公的支援が求められていた。

 同課では「この障害を持つ多くの人がサービスを受けられるよう努めたい」としている。

 

2001.02.05 中日新聞 朝刊 市民総合版
脳外傷者との接し方を学ぶ 東区で講演会



 【愛知県】交通事故などで脳を損傷し、記憶障害や情緒不安定などの後遺症に苦しむ人たちと、
その家族でつくる「脳外傷友の会 みずほ」(柴田栄機会長)は四日、東区上竪杉町のウィルあいちで、「脳外傷者とのつきあい方」と題した講演会を開いた。会員ら約二百五十人が参加し、耳を傾けた。

 同会は一九九七(平成九)年四月に全国にさきがけて結成。現在、約二百四十家族が会員となり、
脳外傷者の社会復帰のための支援活動をしている。

 同会顧問の阿部順子氏は「トラブルを起こしたときは、すぐその場で望ましい行動を教えること。
簡単な目標を少しずつ達成していき、自己コントロールを身につけさせること」と指摘した。

 

  2001年2月16日 中日新聞 金曜日 朝刊
 ニュース発信人
 脳外傷友の会 みずほ」副会長 古謝 由美さん
後遺症抱える家族で交流 リハビリ体制の必要
 脳外傷で本人や家族に起きること、望まれる対策などを同会副会長の古謝さんに聞いた。
 両親が亡くなった後の子どもたちの暮らしが心配。行政に取り組んでほしいのは、リハビリ施設の整備や専門家の育成、脳外傷が該当する「高次脳機能障害」者を障害者手帳の交付の基準に含めるなど、たくさんある。まずは「脳外傷」がどんな障害でどこへ行けばリハビリテーションを受けたり、情報を得たりすることができるのか、家族たちにアドバイスできる態勢を整えてほしいと思う。

 

  2000年9月29日 中日新聞 金曜日 朝刊
 県指定自動車教習所協会の中野昌一会長は28日、中日新聞社会事業団を訪れ、「東海交通遺児を励ます会」と脳外傷友の会「みずほ」にと150万円を寄託した。
 県内の同協会加盟54指定教習所へ、ここ1年間に入所した教習生約10万人から寄せられた善意で、今回で15回目。
 
 2000年6月16日 中日新聞  朝刊
 名古屋市瑞穂区の同市総合リハビリテーションセンターを拠点に活動してきた脳外傷友の会「みずほ」が先月同区内に新事務所を構えた。
 新事務所は、同センター近くの2DKのマンション。現在、火、木、土曜日の午後1時から同4時まで会員たちが交代で電話相談=052(836)6046=に応じている。
 副会長の古謝由美さんは「障害のために社会生活を送れずに親がつきっきりになったり、職場を追われて家に閉じこもるケースも多い。でも、見かけは普通と変わらないし、会話もできるため、本人や親の苦しみをなかなか分かってもらえない。社会との橋渡し役となって、脳外傷の問題を広く訴えていきたい」と言う。
 2000年2月25日木曜日 中日新聞  
 名古屋で全国初の脳外傷の専門家養成講習会が開かれた。
 講習会では、脳損傷が起きるメカニズムと診断の難しさ、記憶力低下や失語症など多彩な障害の内容、
その対応の仕方、生活、就労支援法など、「脳外傷」に関して基礎から抗議。心理判定員や言語聴覚士、作業療法士、医師や看護婦など約250人が熱心に耳を傾けた。
 一方、患者の支援態勢を整えようと、各地で患者の会が結成されるなど活動も活発化している。
 
 2000年2月21日月曜日 毎日新聞  
 20日に名古屋市で開かれた脳外傷者の全国セミナーにおいて、厚生省の担当者は、「3月上旬に
各県の福祉担当課長を集めて適切な処理を求め、来年度中には、脳外傷者のための施設のあり方などを考える全国調査を行いたい」と述べた。
 又、このセミナー上にて、各地の患者組織が連携する「日本脳外傷友の会」(会長=東川悦子・神奈川県脳外傷友の会「ナナ」会長)を4月1日に結成することが発表された。 
 2000年2月21日月曜日 中日新聞  
 名古屋市で開かれた脳外傷患者の交流セミナーに参加した厚生省の担当者は「現行の福祉制度を柔軟に解釈し、今後は脳外傷患者にも障害者手帳を交付する」と語った。今後は患者を取り巻く環境が大きく
変化するとみられる。
 名古屋総合リハビリセンターの心理療法士の阿部順子さんは、「高次脳機能障害の症状は多様かつ複雑で、どれだけ患者や家族の苦悩を軽減できるか課題も残るが、まずは評価したい」と話している。 
 2000年2月19日 土曜日 毎日新聞  朝刊
 脳外傷者の社会復帰を支援する専門家を養成する講習会が名古屋市で18日始まった。
20日の最終日のセミナーでは全国の患者組織が集まり、全国組織の設立に乗り出すことを盛り込んだ共同
アピールを宣言する。
 1999年12月11日 毎日新聞  夕刊
「脳外傷者」の社会復帰を支援する専門家を名古屋市総合リハビリセンターが来年2月に名古屋で全国初の養成講習会を開くことになった。
 講習会には全国から定員を大幅にオーバーする申し込みが殺到している。
 講習会に合わせ、同リハビリセンターの臨床心理士、阿部順子さんらは、脳外傷者を理解するための本「脳外傷者の社会生活を支援するリハビリテーション」(中央法規出版)も発行。
 阿部さんは、「受傷後すみやかな支援、就労まで一貫した支援がないと担えない障害。少なくとも各県
に一つは支援施設が必要」と訴えている。
 
 1999年10月29日(金曜日) シルバー新報
知られざる障害“脳外傷”の世界 1 原口三郎
 頭部に激しい衝撃(外圧)が加わると内部の脳が揺さぶられて脳挫傷や脳内血腫を起こして組織を損傷し、回路が部分的に働かなくなります。この損傷を脳外傷といいます。
 受傷からリハビリ、と続くうちにどうも話していることがおかしい、物忘れが激しい、人が変わったみたいになにやらボーッとしているなどと、事故前とは別人のようになっていることに戸惑い始めます。実はこの変調こそ、これから家族を悩まし続ける深刻な後遺症なのです。この症状は、人間らしい知・情・意をつかさどる高次元の脳の機能が阻害されて起きるところから、高次脳機能障害と言われています。
 札幌市の男性患者は交通事故後、脳外傷の障害に苦しみ、職場も対人関係がうまくいかないことなどから辞めました。、小規模作業所やパート先でも何かの拍子に感情の抑制が効かなくなり、発作的に人の頭をたたくなどうまくいきません。
 この男性は物事に集中できなくなっていて、本も新聞もほとんど読まない。漢字は読めるが大部分書けない。数の計算は小学3,4年程度と言われた。
 自己抑制がきかず判断力も鈍っているために、金遣いは衝動的で際限がない。
 こんな彼でも外見上障害が見られないという理由で身体障害者手帳の交付を受けていません。

知られざる障害“脳外傷”の世界 2
 つい、今しがた食べた食事のことを思い出せなかったり、まるで幼児にように母親に甘える幼児返りの言動など、すでに充分高次脳機能障害の症状が出ているのにそんな病名さえ知らない医療機関がある。この脳外傷の後遺症についての共通認識は、いまだに全国の医療機関に行き渡っていない。
 高次脳機能障害であることを知らなかったため、自分の子どもにどのように対応していいか分からないまま、何年もの間ただ自分たちだけで悩み、窮地に追い込まれてしまったという悲劇的な家族は想像以上に多い。

知られざる障害“脳外傷”の世界 3
脳外傷についての大まかな分類。
@ 身体機能の障害
手足や体のマヒ、バランス障害、視力低下や半盲・眼振、聴力や味覚や嗅覚の障害、構音障害、嚥下障害など。

A高次機能障害
記憶や注意力・集中力の障害、理解や判断力の低下、言語・思考力の低下など。

B行動および情緒の障害
周囲への配慮や対応が不十分で自己中心的なふるまいになりがち。気分にムラがあり、衝動的で興奮しやすい。感情や欲求を抑制しにくくなり、子供っぽくなる退行現象も見られる。

 日常的に患者に接している家族や職場の人たちのために、対応の仕方のヒントとなるものを案内した分かりやすい冊子ができている。
 『いっしょにがんばろう!−脳外傷とどうつきあうか−』(名古屋市総合リハビリセンター)。日常予想される場面(症状)を具体的に提示して、それへの対応をQ&A形式で説明している。
 『やってみよう!こんな工夫』(エンパワメント研究所)神奈川県と横浜市の総合リハビリセンターの研究会が実際に手掛けた高次機能障害への対応事例集。

知られざる障害“脳外傷”の世界 終
 脳外傷の当事者の家族の会が全国に活動の輪を広げつつあります。1999年6月には、大阪・名古屋・神奈川・札幌の家族の会の人たちが、リハビリの専門家たちと共にアメリカの東部の医療施設やグループホームを視察してきました。
 アメリカには、1980年に発足した全国頭部外傷財団というのがあり、今日では2万人を超える会員と1万人の専門家の組織になっています。
 交通安全など脳外傷の予防活動、患者家族の実態の広報活動、研究ための支援などを行っていて、行政に対しては圧力団体にまで成長しています。
 財団の力によりアメリカ政府も1996年に脳外傷法を制定しました。
 アメリカでは、脳外傷リハビリの専門家認定試験も始まっています。就労支援として援助付き雇用制度も用意されています。
 視察に行った家族の会の親たちは、欧米では15年も前から国際会議を開いているのにショックを受けて、自分たちもぜひ国際協会に入会しようと2000年にも日本脳外傷協会の立ち上げを企画しています。
 
1999年10月17日 金曜日 日経新聞  
自動車事故による後遺障害者を救済へ
運輸省が検討部会を設立
 
1999年04月08日 木曜日 中日新聞   朝刊
命とりとめて 脳外傷のいま 下 支援 『福祉の谷間』に置かれ 理解と環境整備訴え 手を結ぶ患者たち
 ♪〜あの、素晴らしい愛をもう一度−。
 暖かい3月のある週末名古屋市瑞穂区の同市総合リハビリセンターの1室に20人余りの若者が集まり、フォークギターの伴奏に合わせて軽やかな歌声を響かせていた。
 この日は、脳外傷友の会「みずほ」(事務局名古屋市、会員約160人)が、毎月1回開いている「音楽のつどい」。合唱していたのは、脳損傷の後遺症を抱える若者と、彼らを支えるボランティアたちだ。
 後遺症による日々の生活のトラブルを避けるため、家に閉じこもりがちになる脳外傷者にとって、集いは外出とストレス発散の機会を提供するのが目的だ。
 遠方からの参加者も目立ち、福岡から夜行バスで駆けつける人も。
 その方は「インターネットで知って参加しました。自分と同じ境遇の人がいると分かって、楽になれた」と。
「みずほ」の設立は2年前。脳外傷者の横のつながりを深めているほか、講演会などを通して脳外傷への理解と支援を訴え続けている。
 「いまは事故の後、後遺症に気付いても、本人も家族もどうしていいか、相談先も分からず悩むしかない」と会長の岩田誠吾さん。

 脳外傷者は身体障害にも知的障害にも当てはまらないから、「福祉の谷間」というべき立場に置かれ、社会的な支援は立ち遅れている。
器質性の精神障害として精神保健福祉手帳の給付を受けることも可能だが、身体の障害がない場合は△ホームヘルパー派遣など福祉サービスが受けられない△更正・授産施設など福祉施設が利用できない△障害者雇用率の枠に入らず一般就労が難しい−などの問題がある。

 一方、米国では「脳外傷法」が制定され、自動車メーカーなどの企業も研究資金や就労支援など社会復帰に向けた取り組みが進んでいる。