*中空スラブ(ボイドスラブ)の施工要領
中空スラブ(ボイドスラ)の施工の中で一番重要な事は、コンクリートの打設時にパイプに作用する浮力でパイプを浮き上がらせないことです。
*型枠の建て込み(根太の配列方向)
型枠建て込み時に根太の方向は、パイプの主方向(長尺方向)に対して直角になる様に配置して下さい。
パイプと平行方向に根太を設けると根太直上のパイプの浮力止め設置(ウェッジの取り付け)が困難となります。
パイプの真下に根太がある場合、浮力止めを実施する為に根太を多少ずらしたり、特殊な固定方法を行ったりする事があります。
*中空スラブ用ワインディングパイプの墨出し
型枠建込み完了後、パイプ割付図面に基づいて基準墨の墨出しをして下さい。
この墨は、下筋組立時にも必要となるので必ず実施願います。
併せてスラブに設ける竪スリーブ、設備用アンカー、インサート等の位置墨出しも行って下さい。
*下端筋の配筋
構造図に従って、基準墨を基に下端筋の配筋をして下さい。
特に主筋方向に注意して下さい。
梁・スラブの追加補強筋の有無もご確認願います。
*設備配管(電気・ガス・給排水)
設備の配管は、以下の点に留意し調整・配管願います。
パイプに対して直角、平行に配管し、斜めの配管は避ける。
同一箇所に、2,3本以上を配管する場合は、空きが確保されるように分散して下さい。
梁際の配管は基本的には不可なので避ける。
CD管で口径の大きい物(主に設備ヘッダー用)については、パイプの上下に収まらないので、配管ルートを設けて下さい。
工場にて所定の長さに加工したパイプを納入する為、事前にパイプ割付図の打合せを行って位置を決定し、割付図に記載する必要があります。
(現場でのパイプカット等の加工は行いません)
注1)配管ルートは構造上、設けられない場合があります。
(やむなく実施する場合、監理者の承諾が必要)
注2)電気BOXやスリーブについてもパイプを調整し、割付図に記載し
て下さい。(現場での加工は行いません)
*受台取り付け(穴あけ・ウエッジ打ち込み)
受台の取り付けは、以下の順序にておこないます。 割付図に基づいて、型枠に電気ドリルでφ10の穴を空ける。
穴に受台のセンターピンを差し込み受台をセットする。
(受台の中にはスペーサーとして設置するだけの物もある。)
型枠下へ出たセンターピンに対して、ウェッジ(クサビ)で固定する。
根太が干渉する場合、根太を多少移動し取り付けを行なう。
注1)t=12mm以外のコンパネやスタイロフォーム等の断熱材を併用す
る場合、受台の仕様が変わりますので必ず連絡を願います。
注2)型枠にかなりの数量の穴が開きます。他業者への了解、周知徹底を
願います。
注3)階高が高い場合(概ね3.4m以上)は、安全に作業する為にステージ や単管足場等の作業床が必要になりますので設置を願います。
*ワインディングパイプ(ボイド)の配管・浮上防止
重機により荷揚げしたパイプを固定した受台の上に配管し番線で結束する。上端筋の材料はパイプ据付完了後に荷揚げを願います。
*上端筋・巾止め筋の配筋
鉄筋等の資材をやむを得ずパイプの上に仮置する場合はパイプの変形を防ぐために足場板や立ち馬等の上に置き、荷重を分散さて下さい。
足場板等は、パイプ受台上に設置願います。
*コンクリート打設
コンクリートの打設は、以下の点に留意し実施願います。 パイプ下にコンクリートが充填される様に十分バイブレータをかける。
大口径パイプの場合は、浮き上がりに注意しパイプ下端までコンクリートを打設後コールドジョイントが発生しない程度に間隔を置きその後に上部部分を打設する。 パイプを取り付け後に誤って破損を生じさせた場合、パイプ内に水が浸入し後で漏水する可能性がありますので必ず水の浸入防止処置を行って下さい。注1)コンクリ
ート打設前の鉄筋・溶接等による穴あき破損
注2)コンクリート打設後のスラブに対しての穴あけ作業などによるパイ
プ破損(型枠用アンカー施工等)
注3)打設中の集中豪雨によるパイプ水没
*ウェッジの解体
スラブ型枠下のウェッジ(クサビ)は、コンクリート硬化後、スラブ型枠解体前までに取り外し、上階施工日もしくは別日に行う。
ウェッジ(クサビ)を保持している受台のセンターピンは、スラブ内で切れる為、スラブ底面に突起物が出る事はありません。
ピン取り外し時にピン周辺のコンクリートが若干欠ける場合があります。
*物件によって要領書の内容が異なる場合が有ります。
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