ササッとわかる 「大人のADHD」 基礎知識と対処法 2012/12/12
 




ササッとわかる 「大人のADHD」 基礎知識と対処法  《図解大安心シリーズ》
司馬理英子
講談社
2011年・平成23年

《のび太・ジャイアン症候群》の著者、司馬理英子さんの著書です。「ササッとわかる」とあるように、基礎的な知識と対処法が書かれており、

文字数が少ない
だいたい見開きの片面が絵や図で説明
短時間で読むことができる

といった、私にぴったりの本です。

初心者向けの入門書・導入書といった見方もできますが、当事者・家族・周辺者がどのように対応したらよいのかを、手っ取り早く知るための本でもあります。

ADHDのしくみよりも対応をわかりやすく知りたいという人が手にとって傍らに置いておくと便利だと思います。

【おもな内容】

ADHDの特徴
傾向チェック
ADHDとアスペルガー症候群の違い
ADHDの対処法
ADHDとの向き合い方 夫妻・子育て・部下・上司
ADHDの特徴を長所に育てる方法


【感想】

対処法としては、基本的に不都合な状況に身を置かないことだと思います。大人になればある程度自分のことは自分で守っていくしかありませんが、子どものうちは、家族・教育者が環境に配慮して、成長していく過程で自分での対処方法を会得できるようにサポートしていくことでどれだけ楽になるでしょうか。

とくに、「ADHDの特徴を長所に育てる方法」にもありましたが、「苦手な面はカバーしつつ、自分の良い面を知って自信を持とう」という考えを当事者が持つことは大切なことなのですが、子どもの頃から保護者や教育者が自信を持てるような接し方をすることが肝要なのです。

著者はADHDの長所として以下のような例を挙げています。

複数のことを同時にテキパキこなせる
アイディアマンで行動力がある
動きがすばやい

短所(生活に不便)としてとらえがちな部分を逆手にとって伸ばしていくことで、他者の評価を得たり、自己評価をすることによって、自信(生きる楽しさ)につながっていくことは生活をしていく上で重要なことです。またこれは教育全般に言えることであり、誰にでもあてはまることなのです。

短所ととらえて、注意したり、叱ったり、指導することは多いと思います。わかっていても抑制できないという苦痛や苦悩を養育者や教育者が理解してサポートしていってあげると楽になると思います。

必ずしも親に比重をかけることはありません。親が困難であれば教育者に任せる部分を多くしたらよいのです。早く気持ちを切り替え、こだわりを捨て、柔軟な姿勢になることで楽になるのです。


 
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