2.気動車

2.気動車


 気動車の型式の付け方も電車の場合と同様で、「カタカナ記号+2桁または3桁の数字」の組合わせで構成されています。
 

 1)「カタカナ記号」について

 気動車の型式付けでの最大の特徴は、頭に必ず「キ」(気動車のキ)が付くことです。電車のように運転台があるかどうかは関係なく、エンジンさえ積んでいれば、頭に必ず「キ」が付きます。
 そのため、型式の頭に「キ」が付いていれば、その車輌は気動車だとすぐに判別することができます。ただし、全ての気動車車輌にディーゼルエンジンが付いているというのが原則ですが、ごくまれにディーゼルエンジンが付いていない車輌があり、この場合にだけ「キ」の次に「ク」や「サ」が表記されます。

  「キ」 :ディーゼルエンジンを付けている
  「キク」:運転台のみあり
  「キサ」:ディーゼルエンジン・運転台のどちらもなし



 「キ」に続く記号は、電車の場合と同じで、車内の構造を表わす記号になっています。

  「ロ」:グリーン車
  「ハ」:普通車

↑「キロ80」は、気動車のグリーン車で、特急型車輌ということ。「61」は61番目に製造されたことを示す。(車輌側面に記載)

 

 2)「2桁または3桁の数字」について

 1)のカタカナ記号の後に、2桁または3桁の数字を組合わせることで型式になりますが、気動車の場合は電車のように細かく決められていません。そのため、ここでは大体の傾向を列挙することにします。



一般型気動車の場合は、2桁の数字で型式を表しています。

 *10の位については、気動車の原動機による分けであったり、用途(特急型)などであったりと特に定義づけされていません

   「 0 」:機械式、電気式
   「1〜4」:液体式機関を1台搭載
   「 5 」:液体式機関を2台搭載
   「6、7」:大馬力機関を搭載
   「 8 」:特急型
   「 9 」:試作のもの


 *1の位については、電車の場合と同様に「車輌称号基準規程」で定義づけられていませんが、設計された順番と覚えておいて差し支えないと思います。

↑「キハ58」は、気動車の普通車で、液体式機関が2台付いている車輌。「3001」は3001番目に作られたという意味ではなく、車内設備の変更に伴って3000番台に改番されたもの。(車輌側面に記載)




新型気動車の場合は、3桁の数字で型式を表しています。

 *100の位については、原動機がディーゼル機関、ガスタービン機関のいずれかを表わしています。

   「1〜2」:ディーゼル機関
   「 3 」:ガスタービン機関


 *10の位については、気動車の使用用途(通勤型、特急型 etc...)を表わしています。

   「0〜2」:通勤型、一般型
   「5〜7」:急行型
   「 8 」:特急型
   「 9 」:試作のもの


 *1の位については、設計された順番と覚えておいて差し支えないと思います。
 

 3)「固有番号」について

 一般型気動車は型式の後ろにスペースを入れて固有番号が付き、新型気動車についてはスペースの変わりに「ハイフン(-)」を入れて固有番号が付きます。
 固有番号は各型式ごとの製造順に1番から付けられます。だだし、車内設備や搭載設備の変更によって、100番台、500番台、1000番台などに改番されることがあります。