ユンカース Ju88

トップへ
トップへ
戻る
戻る




フィンランド空軍使用機

フィンランド軍のJu88へ





ハセガワ





資料は探せばまだ持っていると思います。沢山持っている割に完成したキットはごく少数です。
イタレリのJu88も相当進んでいましたが、形状への不満が抑えきれずにハセガワが製品を出し
た機会に制作意欲が吹っ飛びました。

簡易テーストのキットが続いたので、ストレス無く組める国産のインジェクションキットを選びまし
たが、バリエーション展開を考えた製品で、パーツ数が半端なく多いです。
最近のキットはコンピューター設計、コンピューター制御で金型を作るのが主流ですが、どうも
Ju88は設計こそPCらしいが、金型製作は相当手作業が推測できます。 
計算上はピッタリ合う予定のパーツも樹脂の収縮や接着する時、掛ける圧力の方向でクリアラ
ンスの隙間が変わって、微かな段差が出来る箇所がありました。
上手な人はその点を微調整して段差を作らないでしょうが、ハセガワ製品と思って油断している
と段差に泣かされます。
過度のバリ処理なども部品の厚みが変わって段差の原因になります。




画像の主翼は差し込んだだけで、機首部と胴体部を接着後に翼を付けました。
主翼は分解して収納する事も考えましたが、それ程大きくないキットなので、主
翼は接着する事にしました。 


パネルラインとは異なる線で部品が分けられています。
キットには無かったフィレットを丸印の中に再現しました。 



この部分の段差には手こずりました。 


スピナーの開口部から部品の厚みが見えてしまう(赤丸)ので、
左の様に内側を削って厚みを誤魔化します。 



2017.10.08


2017.10.24



 

背中部は金型の抜け方向の関係でモールドが浅くなります。
このまま放置すると墨入れの段階で墨が流れなくなります。
対策として彫り直すわけですが、キチンとテンプレートを作って作業するのが王道でしょうが、
私は横着をしてケガキ針でフリーでモールドを入れます。多少ヨタりますが、なんとか見られます。 




 

機種下面のゴンドラは全体が透明パーツで構成されています。
透明部だけ別パーツになっていると、はめ込む時、複雑で隙間が出来るので、
この構成は賛成です。ただ、今回、ハッチと思っていた箇所が実は透明部で
何と、内側に押し出しピンの跡が有るのではありませんか?
てっきりパネルラインと思い作業を進めたので、今更、内側の処理をする事は
出来ません。まさかハセガワたるメーカーがこんな設計をするとは思いません
でした。
作業は外面を内部色のダークグレーを塗りながら進めました。それは、部品が
透明な場合、形状の把握がし難いからです。透明部品間の接着はズレが有っ
てもとても分かり辛いです。



爆弾架を付けてやっとここまで来ました。
カウリングは最後に接着する予定で、今は挿してある状態です。 


2017.10.24


2017.11.05


 

爆弾の安定板の厚みがオリジナルでは0.7mm有ったので 薄くしました。
削って薄くすると隙間が出来るところがあるので0.3mmのプラ板で新規に
作り直しました。
この爆弾は弾頭の先端にリングが付いているタイプです。艦船攻撃用で
投下しても深く潜りすぎない様に付けられているのだろうと想像します。
クロスしている羽を固定しているのは細い帯状の金具ですが、資料で見
ると弾頭にリングの付いたタイプはその金具が「輪っか」状の物がほとん
どです。尾部の羽がキットのタイプは弾頭の頭にリングの付かない普通の
爆弾が多い印象です。
また、爆弾の色は輪っぱ状の尻尾の時は明るい色に塗っているみたい。
その色は下面色の色か、それともどこかに書かれていた様に02グリーン
グレーか悩みます。
写真に暗く写っている爆弾は黒かブラックグリーンか、これも迷います。
ガイドブックには爆弾の種類や用途、形状は結構細かく書かれています
が、色について書かれている事は希です。
今回はキットの説明書に従って、ブラックグリーンに塗る事にします。



 

これは方向探知アンテナみたいです。日本海軍機にはコックピットの後ろに
付いている「輪っぱ」・クルーシーアンテナと同じ働きをするモノらしいです。
帰投用アンテナですね。他のドイツ機では余り見かけないと思うのは私の
知識が足りないからでしょうか?
キットの指定では黒鉄色に塗ってからデカールを貼るとなっていましたが、
劣化したデカールをモールドの凸部に合わせて貼る事に不安があったので、
凸部分は塗装する事にしました。デカールを見て色を決めようとしましたが、
その色が良く分からない。グレーのようにも感じるし、細い線なので、他の色
にも 感じられます。ネットで調べると真鍮板で出来ているようにも思えるが
兎に角、良く分からない。グレーでは目立たないので、銀に塗りました。



排気管は先端を開けました。
穴に艶消しの黒を流し込み、縁を赤でドライブラシすると使い込まれて
錆びた感じが出ます。
穴を開けずに艶消しの黒で塗るだけでも精密感が増します。 



操縦席に付いている機銃は穴を開けると塗料の吹き込み対策を
しなければならないので、機関部だけを切って付け、完成後に
銃身を表に付ける様に変えました。 



2017.11.05


2017.11.22


キャノピーを画材の透明ポリテープでマスキングしました。位置によっては剥がれやすいので
少し糊の強いタミヤ(実は3S製)のテープを使いました。粘着力は申し分ないですが、透かして
カッティング出来る位置は良いのですが、少し暗くなると切る位置が見辛くなります。
タミヤフェアーに行った際、社員の方と話す機会があったので、透明の、もう少し糊が強いテー
プを開発する様にお願いしました。

アンテナは基部だけキットのプラを使い、棒状部分は真鍮で作り直しました。先端には0.3mm
の穴を開けてアンテナ線を張りやすくしました。 




ゴンドラ部や下面部は裏から光を当てられないので、透明テープを使います。 




胴体腹部のFuB L2アンテナはキットでは透明板状パーツになっていてメーカーも
処理に難儀をしている様子です。棒状部分を普通のプラにすると太さが0.8mm
位になって精密感が薄れます。
ファインモールドから出ているエッチングパーツを使おうと 取り出しましたが、
薄すぎてぺらぺらなので、面倒だけれど自作する事にしました。
バーの部分を0.3mmの洋白線で、基部を0.3mmX0.5mmの真鍮帯金で作る事に
しました。厚紙に両面テープを貼り、その上で組み立てて、半田付けします。
台紙には鉛筆で寸法線を予め入れておきます。
半田付けの際に、熱で部品が動いたので、次はマスキングテープを上に貼って
固定したら、この方が綺麗な仕上がりとなりました。



2017.11.22


2017.12.07


年末の仕事で忙しい上、部屋が寒くプラモが進みません。カウンターが随分進んだ
ので、生きている証拠として少し更新します(_ _)。

脚の開口部は100鈞で購入したスポンジを切って詰めます。弾力があってマスキング
に最適です。何しろ安いのが嬉しいです。
腹には真鍮線で自作したアンテナを付けます。 3箇所で固定したので、少し線が歪む
症状が出ました。真ん中をフリーにした方が位置決めしやすいですが、強度を求めると
3箇所で固定する方が破損の危険度が下がります。





操縦席回りを機体内部色で塗り、黄色の識別帯部などを下地に白を塗ってから塗り重ね
ます。本当に黄色を塗るのには泣かされます。
今度タミヤから出されるラッカーが期待出来そうです。タミヤフェアーで試したところ、透け
止めに使われている白い成分(チタンらしい)が少なくて、それでいて 今までのラッカーより
透ける程度が低い様に感じました。ただ、色のバリエーションが揃うまで時間が掛かりそう
なのが泣き所です。基本色が出た時点で、自分で調合する必要性、大です。色の揃いは
クレオスに一日の長が有ります。筆塗りを試したのですが、伸びがあって良い印象を受け
ました。タミヤの水性アクリルは水性の使いやすさは嬉しいですが塗膜が弱いので、翼の
エッジなど作業中に剥げる事があったので、嫌いです。
ドイツ機の基本色、ブラック・グリーン、ダーク・グリーン、下面のライト・ブルーは是非出して
欲しいです。



2017.12.07


2017.12.19


ダーク・グリーンを塗ってからテープを使ってマスキングをします。
境界線は粘着力の強いタミヤのテープを、広い部分は簡単に手に
入るテープではもっとも粘着力の弱いガラス用のテープを使いまし
た。 
上面2色、下面は下面色の計、3色が主に使う色です。塗る順番は良く
考えて作業を始めたつもりでしたが、マスキングを進める内に下面
色を最初に塗った方がマスキングするのにやり易い事に気付きました。
自分では自覚しないが、ボケが始まっているかも知れません(泣)。





 

塗装説明図を見ても、色んな資料を見ても翼と胴体の間にあるフェアリングが
平面、側面、どちらの指示に従って塗ったら良いか分からなくなりました。
・・・と言うのはここで色指定が変化しているからです。イギリス機に見られる様な
雲形迷彩の場合、迷彩の境界線は連続しているので何とか塗り分けれますが、
ドイツ機のスプリンター迷彩は側面と平面で線が繋がっていない箇所があります。
当時の写真で確認を試みましたが、地上からは見られない箇所で、上空で撮った
写真も逆光等で良く分かる写真は見付けられませんでした。博物館にあるレストア
された機体は今一信頼が置けません。 唯一、WAR PAINTのカラー塗装図に平面図
を基本に塗っている様に思えたのでそれに従いました。これが正解か不明です。

富士ウイング8のJWさんがダーク・グリーンを明るく塗っていたので、ダーク・グリーン
の色調合を思いつき、サイトでFSナンバーを見たら確かにクレオスの塗料より緑が
強い感じがしました。念のためにモノグラムから出ているドイツ機のカラーチップを見
たらサイトで検索した色より暗く、茶色が強い印象でした。モノグラムの本は古いので
最新の研究ではグリーが強く、明るいかも知れません。模型雑誌の黎明期に載って
いたBf109のカラー塗装図にダーク・グリーン1色、と言う物が有りました。それは写真
ではダーク、ブラックの2色が識別できないくらい近い色だった事に起因する間違いで
した。この経験からダーク・グリーンは今まで使っていたクレオスのビン生17番を使い
ました。
色については自衛隊の整備員でモデラーでもある方が「格納庫の中で見るF4と外、
快晴、曇天の環境で見るF4では色が全く違っていて、自分が模型を作る時、大変悩む」
と語られている事から、工業色見本的に狭く考えずにもっと個性的に塗っていった方が
精神衛生上良いと思います。
最近の主流は仕上げにウェザリング等をしますから基本色はそれ程神経質にならない
お気軽模型を目指します。




2017.12.19


2018.01.01


上下面の塗装が終わったのでデカールの貼り付けを良くする為に
クリアーを掛けました。 
クリアーを掛ける事でシルバリングがかなり防げます。



下面色を吹いた時、ラジエター部分に色が回ってしまったので修正しようと
思いましたが、そう言った機体も実際にあったのでそのまま放置する事に
しました。 



 

キットのデカールをマジマジ見ると、どうも相当劣化しているみたいで別売り
デカールに替えるか、デカールを自作するか、塗装にするか迷いました。

日本のキットは昔、2,30年くらい前と比べると相当進化したと思います。し
かし、デカールの質はほとんど進化していない気がします。デカールを作っ
ている 会社は1社らしく、タミヤもハセガワもデカールの質は同じみたいです。
ヨーロッパでもメーカーによって優劣がありますが、優れた製品と比べて日本
製品は厚い、硬い、もろい、劣化しやすい、発色が悪い、等と、どれをとっても
使いたくない要素満点です。

位置決めに使う為にデカールをトリミングしたら案の定、表面がバリバリ割れて
来ました。デカール保護剤を持っていなかったので透明ゴム系ボンドを薄めて
スプレーしましたが、根本的な解決策にはなりませんでした。

台紙ごと切り抜いたデカールの裏にピットと言って乾くと張り直しの効く便利な
糊を塗り、位置決めに使いました。
まず、外枠を決めた状態が右上の画像です。

白黒どちらから塗るか迷いましたが、縁の部分が長い黒を先に塗る事にしました。



  

黒を塗ったら白い部分の細切りテープを貼り、それをガイドに一番外の黒線を
マスキングします。白部のテープを剥がして、白を塗装します。 


下面の国籍マークです。まだ、一番外の黒線部のマスクを除去していません。
今まで、鉄十字マークはデカールに頼ってきました。それはマスクのテープが
少しズレてもミスが目立つからです。太さの違い、方向きなど微かなミスも人間
の目は感知してしまう。それが分かっているので十分注意したつもりでしたが、
一部のマークでミスが出ました。 



胴体のマーキングは国籍マークと部隊マークの文字部が接近しすぎていたので、
国籍マークを先に完成させてから文字部をステカで切り出してマスクしました。 



D部分の白縁もステカで切りましたが、余りにも細かったので、白を吹いた後、
内側の赤い部分を筆塗りしました。 


国籍マーク部分を先に塗ってマスクした方がマスク部の面積が少なくて済みます。
今回はデカールの見極めが遅れたので作業が大げさになりました。 



ステカの切り出しに使ったシートはマスキング専用では無くて少し堅めで細かな文字を
切るには向いていましたがマスキングには糊が強すぎた様で、剥がす時、塗装を持って
行かれました。細筆でタッチアップしたらそれ程目立たなくなりました。 



2018.01.01


2018.01.11


部隊のマークと垂直尾翼に書かれた鍵十字はデカールを使います。モノが小さい
程手書きでは難しいです。
デカールの品質に不安があったので、先に予備のデカールを用意しました。部隊
マークもアルプスのプリンターで作ったので色目に縞が出ました。インクジェットの
プリンターの方が出来上がりは上質ですが、切り口からインクが滲み出るそうで、
それを恐れてアルプスを使いました。 




いつもはクレオスのマークセッターとマークソフターを使いますが、今回はタミヤのデカール
軟化剤を使ってみました。軟化剤には糊の成分が入っていないので、ハイキューパーツの
デカール糊も試しに使いました。フィクサーには水面活性剤が入っているので、塗装面に
キレイに伸びます。それに反して軟化剤には活性剤が入っていないので、塗るとサーッと
流れてしまい、なかなかデカールに処理の成果が出ません。 



デカール表面に軟化剤が永く留まる様にキムワイプの切れ端を貼ってその上から
軟化剤を塗ったところ、効果があったみたいです。
ティッシュの方にデカールが付いて機体から剥がれる事を恐れていましたが、そん
な事は全く無かったので、安心しました。 




 

リベットの彫刻にもシッカリ馴染んで、大変満足しています。
ただ、機首のマークはブラック、ダークの塗り分けラインの処理を疎かにしたので、
段差が出来て、それを見落としてデカールを貼ったので、迷惑な事にそのミスも
確実にトレースしてしまいました(泣)。 



2018.01.11


2018.01.23


操縦席後方の機銃を取り付ける穴に伸ばしランナーを差し込みマスキングゾルで固定しました。
ターレットも仮止めして、塗装が終わったら剥がして機銃を付ける手順です。
 



どこから回ってきたのかキャノピーの内側に塗料の吹き込みが有りました。
ターレットを仮止めしたのもこう言った事態に対処する為です。 





第51爆撃航空団 第8中隊 東部戦線 

キットの箱絵とinアクションの表紙に描かれた有名な機体です。


 

上面に吹いた艶消し剤は思う様に細くならずに広がって、汚らしい仕上げとなりました。
制作に時間が掛かりすぎると感覚がズレて技術が劣化します。
最近は一作ごとに腕が落ちていくのを実感します。 





 

手間取ったのはハセガワのキットが悪いわけでは無くてJu88の持つ機体の特徴に由来する
要素が大きいと思います。

急降下制御用のブレーキは薄く削りました。
大判の国籍マークは塗装の方が安全な仕上がりとなります。 



ターレットの穴から細い綿棒を差し込んで内側を掃除しました。
外面はワックスを塗ったので透明度が回復しました。 



着陸灯はキットのパーツを使わずに100鈞で売っているダイヤモンド状の
キラキラしたパーツを貼りました。カバーはキットのパーツを薄くして使った
ので、余り中が見えません。